ホンダ ステップワゴン

「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2024」トップ10モデルを紹介

毎年、ユーザーが最も注目したYEAR CARを選出する「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」。前年11月1日から翌年10月31日までに掲載された全車種、全モデルを対象とし、カーセンサー独自のビッグデータをもとにユーザーの購入意欲の高さに着目してランキング化している。

2014年からスタートして11回目を迎えた今回は、前回1位だったポルシェ 911(991型)や人気のSUV、クーペスタイルのスポーティカーなどを抑えて、現行型ホンダ ステップワゴンが見事1位を獲得。カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーが始まってから、ミニバン初の受賞という新たな歴史が刻まれたのだった。

ちなみに、新車の中から選ぶ「日本カー・オブ・ザ・イヤー」でもホンダ フリードが受賞したばかり。今、ミニバンカテゴリーは、SUVやスポーツカー人気を抑えるほど、魅力が増しているといえる。

今回の記事は、今注目を集めている人気モデルを把握しておきたい人必見! 「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2024」にてトップ10に選ばれた車を一挙に紹介しよう!
 


 

第1位 ホンダ ステップワゴン(6代目・現行型)

中古車平均価格:385.6万円
掲載台数:496台

 

ホンダ ステップワゴン▲カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2024で見事1位を獲得した現行型ステップワゴン

「#素敵な暮らし」をグランドコンセプトに掲げ開発されたステップワゴンは、シンプルなデザインの標準モデル「AIR」と、カスタム系で精悍な見た目の「SPADA」という2タイプを設定。

パワートレインは1.5L直噴VTECターボのガソリンモデルと、2モーター式ハイブリッドモデルのe:HEVが用意され、燃費(WLTCモード)はそれぞれガソリンモデルで約13km/L、e:HEVで約20km/Lとなっている。

1996年のデビュー当時、5ナンバーサイズのミニバンカテゴリーの盛り上がりの中でブームを巻き起こした実績をもつ。現行車となる6代目は、2022年のフルモデルチェンジでボディサイズがひと回り大きくなり、3ナンバー化した。

そのためインテリアは、先代に比べてさらに広くゆとりのある設計で、リビングのように心地よく安心して過ごせる。座り心地は3列目を含めた全席こだわっていて、シートアレンジも豊富。

シートには撥水・撥油加工を施した素材が採用されるなどいたれり尽せり。インテリアカラーも引き締まったブラックの他に、明るく開放的なグレーも用意されているのも魅力的である。

他にも開く角度を任意に設定可能なパワーテールゲートや、10.2インチのデジタルグラフィックメーターなど、利便性も高まっている。

スバル BRZ▲標準モデル「AIR」のインテリア

2025年1月現在の中古車平均価格は386万1000円。新車価格は316万9100円から406万6700円なので、中古でもほぼ値が落ちておらず、その人気さがうかがえる。

また掲載される物件を見ると、約500台のうち「SPADA e:HEV」系グレードが300台超と圧倒的に多く選びやすい。

一方のAIR系はガソリンモデルであれば、掲載台数は少ないものの総額で300万円前後の物件もヒットするためお得感が高そうだ。

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ホンダ ステップワゴン(現行型)×全国
 

第2位 ポルシェ 911(991型)

中古車平均価格:1399.2万円
掲載台数:311台

 

ポルシェ 911▲911の進化は常に先代モデルをあらゆる性能面で超えてくる

2011年から2019年にかけて生産された7代目の911。特徴は、フロントボンネットからドアなど外装の広範囲にわたってアルミニウム合金を使用するなど、剛性を高めつつ軽量化を図っているところだろう。

エクステリアはヘッドライトの間の距離が広がり全長は100mm長くなるなど、ワイド&ローの印象が強くなった。パワートレインはボクサー6で911が3.4L、911Sは3.8Lと、先代と比べダウンサイジングされたが、パフォーマンスは向上。出力アップをはたしながら、軽量設計された高効率トランスミッションPDKと組み合わされたことにより、燃費性能も向上している。

そしてマニュアルトランスミッションの設定もあり、世界初の7段式が採用されているのも特徴だ。

インテリアは上質感をさらに高めた仕上がりとなっている。センターコンソールは斜傾をつけたことによってシフトレバーの操作をしやすく工夫されている。物理スイッチも機能性はそのままに中央へまとめて配置し、すっきりとした見た目になった。

ポルシェ 911▲伝統的な5連メーターは健在

中古車状況だが、年式が比較的新しいため、走行距離が少ないものも見受けられる。

ただし、世界を代表する定番スポーツカーゆえ、その人気は高く、中古になってもほとんど値落ちしていない。

新車時の出荷段階ではトータルバランスが整った状態なのだが、スポーツカーという特性上中古では部分的にチューニングされている車もゼロではないため、事故履歴の有無と同様に手を加えた部分について詳しく説明を受けることが重要だ。
 

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ポルシェ 911(991型)×全国
 

第3位 ランドローバー ディフェンダー(3代目・現行型)

中古車平均価格:983.6万円
掲載台数:314台

 

ランドローバー ディフェンダー▲フルモデルチェンジにより近代的になったディフェンダー

2020年に71年ぶりのフルモデルチェンジを受けて話題を呼び、その高まった悪路走破性と耐久性でも世界を魅了した4WDモデル。様々な難しい路面で前後輪のトルク配分を自動調整してトラクションを最大限に引き出し、最大水深900mmの渡河性能を誇るなど、本格的なクロスカントリーモデルである。

特徴は、先代モデルの鉄製ラダーフレームからアルミ製のモノコックフレームに変更。それでもランドローバー最高レベルの強度と堅牢性を実現しているという。現行モデルでは、3ドアで2列シートの90(ナインティ)、5ドアで3列シートの110(ワンテン)、ロングボディの130(ワンサーティ)の3タイプが展開されている。

エクステリアは初代モデルからのシルエットを受け継きながらも、機能性を高めシンプルなデザインとなった。カラーバリエーションも多彩で、中古車を見ても多くのカラーが掲載されている。

インテリアは耐久性とデザイン性を両立した。ステアリングホイールやドアなどといったむき出しの表面には、耐久性に優れたパウダーコーティングが施されている。モデルによって5人から8人の乗車が可能で、90のリアシートには40:20:40の分割可倒式が採用されている。

ランドローバー ディフェンダー▲機能性と実用性を重視したディフェンダーならではのインパネ

2025年1月現在、中古車は325台出回っており、平均価格は983万円ほど。

デビュー当時、国内に導入されたパワートレインは、直4ガソリンと直6ディーゼルMHEVの2種類だったところ、2025年モデルでは3L直6ディーゼルMHEVのパワーアップに加え、5L V8スーパーチャージドエンジンが追加されるなどラインナップを見直している。

毎年パワートレインのスペックやラインナップが変更されているので、中古車で選ぶ際は気をつけてほしい。
 

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ランドローバー ディフェンダー(現行型)×全国
 

第4位 ポルシェ 911(992型・現行型)

中古車平均価格:2391.4万円
掲載台数:436台

 

日産 フェアレディZ▲伝統的なRRレイアウトを継承しつつも現在にマッチしたデザインだ

8代目となった現行モデルの992型911がランクイン。8代目の登場を機に、エントリーモデルが登場した。

2位にランクインした先代モデル 991型に比べ、フロントホイールが20インチ、リアホイールは21インチとサイズアップされ、以前まで4WDや上級グレードにしか採用されていなかったワイドトレッド仕様がすべてのモデルに採用された。

また、走行モードにウエットモードが追加され、濡れた路面での走行安定性が高まっているのもポイントだろう。

パワートレインは最高出力385psを発生する3L水平対向ツインターボを搭載。新開発の8速PDK(デュアルクラッチトランスミッション)との組み合わせによって、0-100km/h加速4.2秒、最高速度は293km/hとなっている。また燃費性能も改善され、新欧州サイクル(NEDC)燃費 9L/100kmを実現している。

スポーツ性の感じられるインテリアは、高級感があり質感も高い。中央に10.9インチタッチスクリーンディスプレイを備えている他、運転席を見てみるとアナログのタコメーターを廃止しながらも液晶画面で伝統的な5連メーターを再現している。

日産 フェアレディZ▲5連メーターの基本デザインはそのままに液晶モニターと組み合わされ斬新なインテリアを演出

現行車とはいえ2019年の発売だったため、中古車も多く出回るようになっている。

しかし、走行距離は1万km未満とかなり少ない物件も多く見受けられ、登録済未使用車もちらほら見つかる。

平均価格は2391.4万円だが、ターボ、ターボS、GT3などの上位グレードを中心に新車時価格とほぼ変わらない、もしくはやや上回る物件も見つかり、その人気の高さがうかがえる。
 

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ポルシェ 911(現行型)×全国
 

第5位 ポルシェ マカン(初代・現行型)

中古車平均価格:578.8万円
掲載台数:473台

 

ポルシェ マカン▲ポルシェ マカンの後期型

ポルシェが手がけたコンパクトなスポーティSUVであるマカン。デザインは内外装ともにポルシェ車らしい伝統を感じさせながらも、新世代の車としての存在感を示している1台である。

2014年に登場したマカンは、前期、中期、後期が存在しフロントデザインなど少しずつ異なっている。中期モデルの登場時には、911やカイエンなどで採用されているリアのLEDライトストリップなどが装備され、最新のポルシェデザインへとアップデートされた。

後期モデルにはLEDヘッドランプやスポーツデザインエクステリアミラーが標準装備され、ホイールも大径化した。またインテリアデザインも、タッチパネル式のセンターコンソールが採用されたり、シフトセレクターレバーがコンパクト化されるなど刷新されている。

2022年には追加モデルのマカンTも登場。2L直列4気筒ターボエンジンを搭載し、SとGTSの2.9L V6ツインターボエンジンと比べてフロントアクスルの重量が軽量化されている。

インテリアは中央にアナログ時計が設置され、操作スイッチ類はタッチ式になった。インテリア空間はベージュを貴重とした明るいデザインが用意され、スポーティさとオシャレな雰囲気を両方楽しむことができる。

ポルシェ マカン▲日本仕様はすべて右ハンドル

ボディカラーは14色展開されているが、中古で掲載されている物件を見ると、ブラック、ホワイト、レッドが多く出回っているようだ。

中古車平均価格は578万円。登場初期のものであれば、走行距離7万km前後の物件が、200万円台後半から見つかる。

また、最後発のマカンTも、走行距離が1万km以下の物件を中心にヒットするが、どれも900万円超えという状況だ。
 

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ポルシェ マカン(現行型)×全国
 

第6位 マツダ RX-8(初代)

中古車平均価格:96.4万円
掲載台数:369台

 

マツダ RX-8▲観音開きは登場時、世間を騒がせた

2003年から2013年まで販売されたRX-8は、RX-7に代わるロータリースポーツとして登場。観音開きの4ドアでファミリーユースにも使えるスポーツカーとしてデビューを飾った。

最大の特徴はフリースタイルドアと呼ばれる観音開きドアの採用である。後席の乗り降りがスムーズになると同時に、スポーティなクーペスタイルフォルムを実現している。

エンジンは新世代のロータリーエンジン「RENESIS(レネシス)」を搭載する。また、NAながら最高出力は標準モデルで210ps、TYPE-Eが215ps、TYPE-Sが250psとなる。ロータリーエンジン車としては初の電子スロットルが採用され、各種走行安定装置も導入している。

インテリアは、後席も狭さを感じることが少なく、4人乗車時を考えて設計されている。センターコンソール部分や、ドリンクホルダー、ティッシュボックス、大容量グローブボックスと収納スペースも十分に設けられているのも魅力的である。

マツダ RX-8▲機能性と使い勝手にこだわった室内

中古車を見てみるとカスタムされている車体が多い印象を受ける。平均価格は96万円と比較的安価に狙える国産スポーツカーだが、走行距離が1万km程度の最終型フルノーマル物件が500万円近くで掲載されていたりと、価格の振り幅が大きく見受けられる。

また、近年では他の国産スポーツカー同様に価格上昇の兆しも見られるため、気になっている人は早めにアクションするのが吉だろう。  

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マツダ RX-8(初代)×全国
 

第7位 日産 GT-R(R35型・現行型)

中古車平均価格:1590.3万円
掲載台数:277台

 

マツダ RX-8▲毎年改良を重ね、絶えず進化し続けているR35型GT-R

スカイラインGT-Rの後継機種で2007年から生産しているR35型GT-R。誰が運転しても速く楽しく安心なスーパーカーを目指したハイパフォーマンスモデルとなる。

エクステリアは、2ドアクーペのボディやテールランプの丸型4灯などは歴代スカイラインGT-Rの象徴をそのまま受け継いでいる。タイヤは日産車では初となるランフラットを標準装備で履かせ、ホイールはレイズ社と共同開発したものが装着されていた。

パワートレインは、フロントミドシップに3.8L V型6気筒DOHCツインターボを搭載する。量産車でありながら職人がひとつひとつ手作業で組み立てているのが特徴である。また改良を重ねるごとにエンジンスペックが向上しているため、中古車購入時は年式やスペックを確認したいところだ。

サーキットなどによる走行性能はもちろん、街乗りでの乗り心地や、AWDで路面のコンディションが悪い状況下でも操安性に優れる。空力性能はCd値0.28を誇る。アウタードアハンドルには空力が考慮され、格納式になっている。

インテリアは高機能かつインフォテイメントが豊富で、コックピットまわりは直感的な操作性を追求した仕上がりになった。メーターには340km/hまで速度計が表示されている。2017年にはビッグマイナーチェンジが行われ、内外装など大きく変更されている。

マツダ RX-8▲ダッシュボードの上面にはナッパレザーを貼り込む

中古車は2025年1月の時点で277台ほど出回っている。人気がやむということは当然なく、中古市場では当時の新車価格以上になっている車がほとんどで、平均価格で見ると約1570万円にもなっている。

2025年8月にいよいよ生産終了かといったうわさも聞こえてきており、ますます価格が上がる可能性も否めない。
 

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日産 GT-R(現行型)×全国
 

第8位 マツダ アテンザ(3代目)

中古車平均価格:103.7万円
掲載台数:226台

 

マツダ アテンザ▲写真のフロントデザインは2018年に改良されたもの

新世代マツダのフラッグシップセダンであったアテンザは、独自技術である「SKYACTIV(スカイアクティブ)」がパワートレインからシャシーまで全面的に用いられている。

エクステリアは、新世代のデザインテーマである「魂動」を採用したダイナミックなデザインで美しさを表現した。デザイナーのこだわりが詰まっている。

パワートレインは2Lと2.5Lのガソリン直噴エンジンSKYACTIV-G、2.2L直噴ターボコモンレールディーゼルエンジンSKYACTIV-Dが設定された。トランスミッションには6速ATのSKYACTIVドライブに加え、ディーゼルユニットには国内初採用の6速SKYACTIV MTも組み合わされる。

フラッグシップというだけあってインテリアも上質に仕上げられており、素材の質感を感じることができる。スマートフォンと連携できるマツダコネクトも採用された。グレードによってラグジュアリーな仕様も用意されている。

なお、2019年には車名がMAZDA6に変更されており、2024年4月には国内向けモデルが生産終了している。

マツダ アテンザ▲フラグシップらしい上質なインテリア

1月上旬時点では220台程度の掲載があるが、その8割程度がディーゼルエンジン搭載グレードである。またフラッグシップモデルらしく、上位グレードの「Lパッケージ」が多いのも特徴。

平均価格は103万7000円といったところだが、新車価格から見るとお買い得感がある物件と言える。

マイナーチェンジでフロントのデザインなど変更されたり、一部改良によって機能が追加されていたりするため、中古車を選ぶ際には注意してほしい。
 

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マツダ アテンザ(3代目)×全国
 

第9位 ダイハツ コペン(初代)

中古車平均価格:70.5万円
掲載台数:646台

 

ダイハツ コペン▲2代目が登場している中、人気が衰えない初代

2002年に登場した軽自動車のオープンスポーツカー・コペンは「ACTIVE TOP COMPACT OPEN」がコンセプト。誰もが気軽に楽しめる本格的オープン・スポーツカーとして開発された。車の運転を楽しみたいというようなパーソナルユース中心のユーザーをターゲットにしているという。

特徴は、電動油圧式を使用したルーフ構造の「アクティブトップ」を世界初搭載したことだろう。約20秒で開閉が可能である。また、脱着可能な樹脂製ルーフ「ディタッチャブルトップ」も用意され、アクティブトップより30kgほど軽量に仕上がっている。

製造は、「D’sus」というダイハツの社内技能認定制度2級以上を取得した熟練技能者の手作業によって最終調整が行われているこだわりっぷり。パワートレインは直列4気筒DOHCツインスクロールターボを搭載。また、ミラのプラットフォームを用いているのでFFである。

インテリアはブラック基調で、ホールド性に優れたフルファブリックシートや、テレスコピック・チルトステアリングを全車に標準装備した。コックピットには3連メーターが採用されている。

ダイハツ コペン▲写真はメーカーオプションであるMOMO製本革ステアリングホイール

デビューから20年以上経過していることもあり、中古車平均価格は70.5万円ほど。

しかし、走行距離がかさんでいる物件も多く見られるため、各部分のサビ有無や、ルーフの開閉が正常かなど、実車を隅々までチェックした方が良いだろう。
 

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ダイハツ コペン(初代)×全国
 

第10位 メルセデス・ベンツ Gクラス(W463型)

中古車平均価格:770.8万円
掲載台数:292台

 

メルセデス・ベンツ Gクラス▲現代でも通用する無骨なデザイン

無骨な見た目ながらも上品さも兼ね備える高級オフローダー。オフロードはもちろん、シティユースでも映える車である。

先代モデルのパートタイム4WDからフルタイム4WDへと変更され、ABSや電子制御デフロックによって走行性能が大きく向上している。また、新開発のラダーフレームと専用サスペンションの採用で、強度、剛性、安全性、走破性は世界トップレベルとなっている。

フロントは独立懸架サスペンション、リアはリジッドサスペンションを搭載し、路面状況に合わせてダンパーを連続可変制御するアダプティブダンピングシステムがオプションで用意されている。

インテリアは広く上級な革素材にシートヒーターを備え、豪華装備はメルセデスブランド基準で高級感を感じさせる。中央には8インチのコマンドシステムを採用。

 

メルセデス・ベンツ Gクラス▲大きくて四角い窓で見切りが良い

1990年から2018年まで続いた超ロングセラーモデルだが、時代を感じさせず現代も通用するクラシカルなデザインで人気は全く衰えていない。

2025年1月上旬現在、中古車は296台出回っており平均価格は770万円ほど。最終型を中心に1000万円前後の高価格帯物件も多いが、年式の新旧というよりも物件のコンディションで価格が変動している印象が強い。

高級SUVらしく、オフロードで酷使されてきたような物件はほとんどなさそうだが、初期型は30年以上経っているということもあり、実車確認は欠かせないだろう。

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メルセデス・ベンツ Gクラス(W463型)×全国
 

第10位 トヨタ86(初代)

中古車平均価格:187.5万円
掲載台数:1118台

 

マツダ RX-8▲水平対向エンジンの採用で低重心設計となった

トヨタとスバルが共同開発したFRのライトウェイトスポーツカー。走る楽しさを追求した「直感ハンドリングFR」をコンセプトに開発。低価格で若者でも買い求めやすい。軽量で機敏、FR、自然吸気エンジンで扱いやすいといった走りの特徴が魅力だ。

パワートレインはスバルが手がけた2L水平対向4気筒「FA20」を搭載。最高出力は200ps、最大トルクは20.9kg・mとなる。トランスミッションは6速のATとMTを用意している。足回りはフロントにマクファーソンストラット式、リアはダブルウィッシュボーン式が採用され、軽快なハンドリングを楽しめる。

2014年にはショックアブソーバーのフリクション特性などを改良し、2015年にはボディ剛性の強化やクルーズコントロールなどが標準装備された。2016年の改良を機に後期となり、さらなる走りの強化やバリエーション拡大など進化している。

インテリアはドライバーの手の動線を考慮したレイアウトになっているなど、スポーティなコックピット空間が演出されている。他にも後方視界の視認性を考慮したフレームレス・ミラーの採用やAT車のシフトノブがMT車に近いデザインが施されていたりする。

マツダ RX-8▲低い着座位置によってスポーティなドライビングを実現

後継モデルが存在する現在も、この初代モデルの人気は依然として高く、中古車平均価格は約187万円である。

通常スポーツカーはMT車の物件が多くなりがちだが、初代86を見るとATとMTの比率がほぼ半々であることも特徴。ライト層から本格派まで、多くの人が検討しやすいモデルといえる。

ただし、サーキットなどを走り込んだ物件も多く、特に事故痕や消耗部品のチェックは実車確認でしっかり行いたい。
 

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トヨタ 86(初代)×全国
文/瀬イオナ、写真/篠原晃一、尾形和美

※記事内の情報は2025年1月1日時点のものです
 

瀬イオナ

自動車ジャーナリスト

瀬イオナ

車メディアの雑誌編集部員を経て、2024年にフリーランスとして独立。「走って書ける」自動車ジャーナリストを目指して修行しながら、若手ジャーナリストとして活動中している。車業界に入ったきっかけは、某動画で中谷明彦師匠を見つけたこと。現在に至るまで「ドライビング」はもちろん「ジャーナリスト」の心得など業界におけるすべてを教わりながら日々鍛錬中である。趣味はドライブ、レーシングカート、スキー、サウナ。

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