マツダ CX-60の中古車価格が1年で40万円ダウンし200万円後半から狙える! 人気国産SUV、今オススメの買い方・選び方は?
2024/12/19

中古車の流通量が多めで価格もオトク!
SUVラインナップが絶好調のマツダ。そんなマツダSUVの中でも最もプレミアム(当時)なモデルとして2022年9月、鮮烈にデビューしたのがCX-60だ。
ボディサイズが大きいだけでなく、高級さも国内SUVのトップレベル。メカニズムにおいてもFRベースの駆動方式、直列6気筒エンジン、多板クラッチ式AT、PHEVなど、従来のマツダSUVとは大きく違っている。デビュー直後の国内新車販売台数も5ヵ月月間で2万台を突破する好調ぶりだった。
もちろん新車だけでなく、中古車でも大人気。デビューから約2年を経過したところでの中古車平均価格を見てみると……。おや、かなり下がってきているではないですか!

その推移を見ると、デビュー直後の納車が始まった段階から下落傾向。今年に入ってから下がり具合は緩やかになってきているものの、2023年10月~2024年10月までの1年間で、約42.3万円ダウンしている。
中古車平均価格410万円台にまで落ち着き、中には総額200万円台の物件も出始めた。2023年8月に新車の価格改定があり、グレード全般にわたって値上げされた現状を考えても、中古車を選ぶのは妥当な選択だ。
それなら、どのパワーユニット、どのグレードを選ぶべきなのか? モデル概要、中古車概況を含めて、検討してみよう。

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マツダ CX-60(現行型)× 全国CX-60のモデル概要:設計もデザインも挑戦的!
CX-60はマツダのラージ商品群第1弾のクロスオーバーSUVとして登場した。ボディサイズは全長4740mm×全幅1890mm×全高1685mmと堂々としたもの。2018~2023年まで生産された3列シート車、CX-8とは違い、CX-60は2列シート5人乗りだ。


フロントマスクはそれまでの魂動デザインと趣きが異なり、エレガンスとタフネスを融合させた外観となっている。スタイリッシュさだけでなく、フラッグシップらしい押し出し感を強調した、ということだろう。
従来、マツダのSUVはエンジンを横向きに搭載するFFベースの駆動系を採用していたが、CX-60では新たにエンジン縦置き・FRベースの駆動系を開発。それに合わせてシャシーも「SKYACTIV マルチリューションスケーラブルアーキテクチャー」となった。

搭載されるパワーユニットは以下のとおり。
・2.5L 直4 ガソリンエンジン「25S:最高出力138kW /6000rpm 最大トルク250N·m /3000rpm
・3.3L 直6 ディーゼルターボエンジン「XD」:最高出力170kW/4000 - 4200rpm 最大トルク250N·m/3000rpm
・3.3L 直6 ディーゼルターボエンジン マイルドハイブリッド「XDハイブリッド」:最高出力187kW /3750rpm 最大トルク 550N·m/1500 - 2400rpm)
・プラグインハイブリッド「PHEV」:【2.5L 直4 ガソリンエンジン】最高出力138kW /6000rpm 最大トルク250N·m (25.5kg·m)/3,000rpm 【モーター】最高出力129kW /5500rpm 最大トルク270N·m /400rpm

ご覧のようにパワーユニットはベーシックなガソリンエンジンからPHEVまで多彩であり、価格帯も幅広い。PHEVについてはマツダ車として初採用となった。
いずれも必要十分な動力性能だが、最も特徴的なパワーユニットといえば直6ディーゼルだろう。エンジンのダウンサイジング化が進む昨今、3.3Lという排気量、直6エンジンを採用するSUVは珍しい。低回転域から豊かなトルクがあり、サウンドにもこだわって開発されたディーゼルだ。

グレードおよびパッケージの種類も豊富で、4種類のパワーユニット、2WD or 4WDの選択肢と合わせて膨大なラインナップとなっている。主なグレードは下記のとおり。
【ガソリン車&ディーゼル車】
「XD」:装備を厳選してリーズナブルな価格としたディーゼル車専用グレード
「25S」「XD」×「Sパッケージ」:「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」などを備えたスポーティ・グレード
「25S」「XD」×「Lパッケージ」:20インチホイール、パワーリフトゲートなどを装備した上級グレード
「25S」「XD」×「エクスクルーシブ モード」:ナッパレザーシートなどが装備される、ガソリン車とディーゼル車の最上級グレード
【マイルドハイブリッド車&PHEV】
「XDハイブリッド」「PHEV」×「エクスクルーシブ スポーツ」:ハニカム形状の専用フロントグリル、ブラックメッキのシグネチャーウイングなどでスポーティーな外観としたグレード
「XDハイブリッド」「PHEV」×「エクスクルーシブ モダン」:クロームメッキパーツや切削加工ホイールなどを採用する、洗練されたスタイルが特徴のグレード
「XDハイブリッド」「PHEV」×「プレミアムスポーツ スポーツ&モダン」:エクスクルーシブ系の装備に、パノラマサンルーフを加えたグレード
「25S」全車、「XD」の2WDについては日常使い重視のマイルドな乗り味、「XD」の4WD、「XDハイブリッド」と「PHEV」の全車についてはスポーティさを重視したハードな乗り味とパワーユニットによって味付けを大きく変えているのも、CX-60の大きな特徴だ。

価格状況&考察:新車の需要とリンクした動き
さて、CX-60の中古車平均価格が1年で40万円以上も下がった理由について考察してみたい。ひとつめの理由は間違いなく、経年によるものだろう。
2022年9月に発売開始され、月販目標台数の2000台を上回る注文を受けたCX-60。翌2023年も年間販売台数は24000台に迫る順調ぶりだった。しかし、半導体不足の時期と重なり、一部には「新車の納車を待っていられない、中古車にしよう」と判断した人もいたはず。そのため、デビュー直後の時期には中古車の需要が増し、平均価格も高水準だったと推測できる。
しかし、デビューから2年近くも経過すれば人気は落ち着いてきて当然。ちなみに2024年に入ってからの月間新車販売台数は400~900台で推移している。中古車市場への供給量も増え、需給バランスで徐々に平均価格が下がっていった、と考えてよいだろう。

もうひとつ、リコールの影響という可能性も考えられなくはない。確かにCX-60では複数回にわたってリコールが届け出られており、現在もサービスキャンペーンを行っている最中だったりする。もちろんリコール自体は、仮に目当ての中古車が対象の車体だったとしても、ディーラーで無償修理してもらえるから問題はない。ただ、一部に「面倒くさいから他の車種にしよ」と敬遠してしまう人がいても、不思議ではないかも。
実は中古車平均価格が下がったとはいえ、さほど急激にダウンしているわけでもない。確かにデビュー~半年ほどの中古車価格は高水準だったが、それ以降の落ち方は緩やか。この価格帯、このカテゴリーのSUVとしてごく一般的な推移の仕方であり、経年以外に特段の理由があるとは考えにくい。
いずれにしても、これまで正しくメンテされてきた物件なら、中古車を選んで何ら問題もないはずだ。
中古車のオススメ①:コスパ重視ならガソリン車がオトク
マツダの意欲作であり、まだまだ新鮮な印象のCX-60をリーズナブルな価格で手に入れたい! という人は少なくないはず。そんな人にとって、現在は喜ばしい状況と言えるかも。
中古車平均価格は410万円前後だが、CX-60の中古車流通台数は約460台と比較的豊富。安いものでは総額200万円台の物件も見つかるからだ。
コスパを重視したときに候補となるモデルが、ガソリン車(「25S」)の「Sパッケージ」または「Lパッケージ」だ。「25S」はもともと新車価格が安く、2023年7月までは299.2万円だった。

廉価グレードとはいえ、外装、インテリアなどの高級感は十分。そのうえ、「25S」は他グレードに比べ、サスペンションの設定がマイルドで乗りやすい。ごく普通に日常の足として乗りたい人にもオススメだ。
価格の一例を挙げると、2023年式・走行距離0.3万km・修復歴なしの「25S Sパッケージ」で総額299.4万円となっており、新車価格から諸経費分が安くなる計算だ。CX-60がこの価格ならリーズナブル!
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マツダ CX-60(現行型)× 25S × 全国中古車のオススメ②:新車に近い物件なら「登録済未使用車」を選ぼう
デビューから約2年という今のタイミングは、新車に近いコンディションの中古車も見つけやすい時期。新車に近い中古車が希望なら、「登録済未使用車」が候補になるかも。
「登録済未使用車」とは初度検査はされているけれど、個人の名義にはなったことがない物件のことで、実用上は新車とほとんど変わらない。
こうした物件の多くはディーラーの展示車や試乗車だったもので、走行距離はごくわずか。ただしグレードは当然、売れ筋に限られてくる。CX-60の場合は「XD」もしくは「XDハイブリッド」が中心だ。

例えば2023年式・走行距離10km・修復歴なし・登録済未使用車の「XD Sパッケージ」で、総額369.9万円。新車価格より10万円+諸経費分がオトクになる。
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マツダ CX-60(現行型)× 登録済未使用車 × 全国中古車のオススメ③:パワーも装備も充実したPHEVが欲しい!
せっかく先進的なCX-60を選ぶなら、PHEVという選択肢もあり。通常のガソリン車と同じ排気量のエンジン+モーターで、パワー&トルクは申し分ない。その分、新車価格も584.7万円~(価格改定前)と高級だが、PHEVは装備内容が豪華、しかも全車4WDであることも考慮したい。
中古車市場では全体の約1割がPHEVだ。価格帯は総額390万~550万円と、お買い得度ではガソリン車&ディーゼル車より高いかも。

価格の一例を挙げると、2023年式・走行距離2.2万km・修復歴なしの「PHEV プレミアム モダン」で総額393.4万円。
なお、PHEVだけに絞ったときのグレード構成は、サンルーフが付く「プレミアム」系がほとんど。PHEVの最上級グレードがこの価格で手に入るのは嬉しい。
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マツダ CX-60(現行型)× PHEV × 全国▼検索条件
マツダ CX-60(現行型)× 全国※記事内の情報は2024年12月5日時点のものです。

自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。