ホンダ アコード▲ロングセラーセダンのアコード。今年3月に新型が登場しましたが、実はその裏で先代アコードの中古車が安くなっているんです

貴重な国産ロングセラーセダンのアコードだが、旧型中古車が安くなっている!

国産モデルのラインナップからセダンが次々と姿を消している中、1976年から(セダンモデルは1977年に追加登場)ホンダのラインナップの一角を担い続けているアコード。

もともとはシビックからのクラスアップユーザーに向けて登場したミドルクラスの車両でしたが、時代の流れとともに大型化・高級化が進み、今年の3月から販売を開始した11代目となる新型アコードは、ホンダのフラッグシップセダンのポジションを担うモデルとなっています。

ホンダ アコード▲こちらが2024年3月に登場した新型アコード

そんな新型アコードが登場した一方で、先代型となる10代目モデルの中古車平均が直近1年間で大幅に下がり、逆に流通台数はグッと増えて買いやすい状態となっているのをご存じでしょうか?

ホンダ アコードの平均価格推移グラフ

ご覧のとおり、平均価格は昨年の5月時点では374.7万円でしたが、値落ちを続け今年5月時点では314.8万円と実に60万円近くも安くなっているのです。

一方の流通台数は昨年までは100台前後だったのに対し、今年に入り増加が顕著になり、5月の時点で245台と昨年同月比で倍以上となっています。

ホンダ アコードの平均価格推移グラフ

そこで今回は先代アコードがどんなモデルだったのかを振り返りながら、オススメの狙い方をご紹介したいと思います。

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ホンダ アコード(10代目)×全国
 

モデル概要:2モーターハイブリッドの「e:HEV」を搭載した先代アコード

日本では2020年2月に販売を開始したアコードは、2Lのエンジンと2つのモーターを組み合わせたホンダ独自のハイブリッドシステムである「e:HEV」を搭載して登場。

一新された新世代プラットフォームを採用したことで軽量・高剛性のボディとなり、挙動変化の少ない高い走行安定性をもつ軽快な走りを実現しただけでなく、ダンパーの減衰力を四輪独立で制御するアダプティブ・ダンパー・システムをアコードとして初めて採用し、爽快なハンドリング性能とフラットな乗り心地を高次元で両立したこともトピックでした。

エクステリアデザインもセダンでありながらクーペ風のスポーティなスタイルで、ホンダらしい走りの性能を感じさせるものとなっていました。

ホンダ アコード▲新世代のプラットフォームを採用したことで、大きく走行性能が上がりました
ホンダ アコード▲クーペ風の美しいボディラインが特徴です

一方、インテリアは上級セダンらしい落ち着きのあるデザインとなっており、ボディの骨格変更やホイールベースの延長などによってよりゆとりある室内空間を実現。

さらにハイブリッドモデルでありながら、インテリジェントパワーユニットを後部座席下へ配置することでトランクルームの広さを大幅に拡大しただけでなく、可倒式リアシートを採用したことで長尺物を載せることも可能としています。

ホンダ アコード▲金属や樹木の質感を美しく再現した仕上げを要所に施すことで、調和のとれた高品位な室内空間を創出
ホンダ アコード▲狭くなりがちなハイブリッドセダンのトランクルームですが、アコードは広々! リアシートを倒すことも可能です

そして上級モデルということもあって装備は非常に充実しており、運転支援システムの「Honda SENSING」はもちろんのこと、灯火類はすべてLED、本革シートを含むレザーインテリア(シートヒーター付き)、8インチナビゲーションシステム、8スピーカー、ノイズリデューシングアルミホイール、電動サンルーフなどなど、上級セダンにあると嬉しい装備がほとんど標準装備とされていた点も特徴と言えるでしょう。

ホンダ アコード▲高級車の代名詞とも言えるサンルーフもなんと標準装備!
ホンダ アコード▲見た目の高級感だけではなく、しっかりと「車との一体感」を演出してくれる本革シート

ただ、実は先代アコードはタイからの輸入車ということもあってかグレードが「EX」のモノグレード展開となっており、メーカーオプションの設定もないシンプルな構成で、その分求められる装備がテンコ盛りだったとも言えるのです。

以上を踏まえ、今中古で先代アコードを買うならどんな選び方が良いか見ていくことにしましょう。

 

モノグレードの先代アコードを買うならどこに注目する?

中古車を購入する際はグレードやオプションの有無も車選びの重要な要素となっていますが、先代アコードに関しては前述したようにグレードやメーカーオプションの設定がないモノグレード展開となっているため、グレードや装備の優劣が存在しない稀有なモデルとなっています。

また、モデルライフを通じてデザインや装備、性能に関わる改良もなかったため(2021年8月にカラーバリエーションの変更のみ実施)、前期・後期の違いなども存在していません。

ホンダ アコード▲先代アコードは「EX」のみのグレード展開で、メーカーオプションも設定されていません

そのため、中古車としての違いは年式、走行距離、内外装のカラー、修復歴の有無、販売店保証の有無程度しか違いがないということになります。

この中で価格に大きく影響しているのはやはり走行距離で、走行距離が10万km前後の多走行気味の車両であれば、総額250万円以下で流通しているものも多く、6万~8万km台の車両でも総額250万~270万円台で狙うことができます。

一方、走行距離が1万km台の低走行車となると、総額400万円前後とまだまだお高めとなっているのが現状です。

そして意外とポイントと言えそうなのがボディカラーで、やはりホワイト、ブラック、グレーといった定番カラーが人気でタマ数も多い一方で、レッドやブルーといった鮮やかなカラーはやや安めで推移しているため、あえてハズシのカラーを狙うというのは、スポーティなスタイルも相まってアリかもしれません。

ホンダ アコード▲「上級セダン」というポジションのため、パールやブラックなどの定番カラーが人気。しかし、スポーティなスタイルの先代アコードゆえ、レッドやブルー系も似合うと思いますが、いかがでしょうか?

そのあたりを考えると、総額300万円前後で狙うことができる走行距離が3万~4万kmのモデルが最もバリューが高いと言えそうで、多くの物件がディーラー系中古車店で購入できるというのも安心材料となるのではないでしょうか。

とはいえ、決して掲載台数が多いわけではないため、可能な限りカーセンサーでいろいろな物件をチェックしてみることが、満足いく物件を見つけるための近道かもしれません。

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ホンダ アコード(10代目)×全国
文/小鮒康一、写真/ホンダ、篠原晃一、柳田由人
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車のリーフを買ってしまう暴挙に出る。現在はリーフを手放し3代目インサイトをメインに、NA、NB2台のロードスターや初代パルサー、S660に17系クラウンなど雑多な車種を所有中。