フリード(2代目)▲3代目となる新型が出るけれど、重心低めな2代目のスタイルこそフリードらしい! という声もある。魅力はまだまだ健在だ

新型フリードが販売開始! だけど今あえて旧型を狙ってみるのも悪くないはず!

三角+四角の斬新なパッケージ、コンパクトな車内に3列シートを実現した、フリードが今年6月、約8年振りにフルモデルチェンジした。

3代目となる新型は取り回しの良いボディサイズはほぼ維持されたまま、フロントまわりは厚みのあるデザインとなった。

フリード(2代目) ▲こちらがフルモデルチェンジした3代目のフリード。価格は250万8000~343万7500円

インテリアもサードシートの居住空間が広くなったり、リアクーラーが装備されたりと、これまでのモデル以上に使い勝手が良くなっている。

新型と2代目をよく見比べると「こんなところまで改善されているの」と驚くポイントは確かに多いだろう。しかしながら2代目の使い勝手や走りも、決して悪かったわけではない。デザインだって、まだまだ新鮮さがある。

そして、フルモデルチェンジした新型は発売直後のた中古車はまだ流通しておらず、お得な価格で探せるようになるのは少し先になるだろう。

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新型が登場すると従来型の中古車相場は下がるのが一般的な常識。ということは、2代目フリードを中古で狙うなら今がチャンスかもしれない。

今回は改めて2代目フリードの概要を振り返りつつ、目的別の選び方をガイドしていこう。
 

フリード(2代目) ▲とても3列シートが収まっているとは思えない巧みなパッケージこそフリードの個性

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モデル概要:たくさん乗れて走りがいいコンパクトミニバン

フリードは5ナンバーサイズのボディに3列シートを実現した、最もコンパクトなカテゴリーのミニバンだ。いわゆる1.5ボックス・スタイルのミニバンと違い、ボンネットをやや長めに、乗車位置を低めとしたことで乗用車的な運転感覚となっているところに特徴がある。

2代目は2016年9月にデビュー。ボディサイズは5ナンバークラスを維持したまま、2代目に比べて全長がやや伸び、全高が低めに抑えられてスポーティな外観となった。フロントウインドウ面積が大きく確保され、三角窓があることによって運転席からの視界が良いのもポイントだ。
 

フリード(2代目) ▲前期型はスラントしたフロントノーズを強調するすっきりしたデザインだった
フリード(2代目) ▲ダッシュボード位置が低く、窓が大きいため視界の良さは抜群。三角窓も視界確保に利いている

フリードは7人乗りと6人乗りの2つの仕様が設定されている。後者のキャプテンシートはスライド量が360mmもあって、シート間幅も広いためにウォークスルーしやすい。

コンパクトクラスとは思えない、居住空間の広さと使い勝手の良さが2代目フリードの持ち味となっている。
 

フリード(2代目) ▲2列目シートはキャプテンシート(6人乗り)とベンチシート(7人乗り)の2タイプ

なお、「フリード」という車名のモデルは3列シート車のみで、2列シート車は「フリード+(プラス)」となる。フリード+は単にシートの数を減らしただけでなく、リアゲート形状や荷室フロア高も専用となっており、「フリード」がファミリー向けなのに対して、フリード+は遊びのためのギアというすみ分けがなされた。

搭載されるパワーユニットは1.5L ガソリンエンジンと、1.5L ガソリンエンジンに1モーターを組み合わせたハイブリッドの2種類。ガソリン車は発進加速の刺激こそ少ないものの、コンパクト車のエンジンとしては申し分ない。WLTCモード燃費が17km/Lと比較的良好なのもうれしいところだ。
 

フリード(2代目) ▲4WDシステムはガソリン車、ハイブリッド車ともプロペラシャフトを介して後輪へと駆動力を伝える本格的な構造

ハイブリッドシステムはトランスミッション内にモーターを組み込んだ「SPORT HYBRID i-DCD」を採用。カタログ上のスペックではシステム最高出力もガソリン車とさほど大きく変わらないが、ダイレクト感のある7速DCTと組み合わされたことによって小気味よいパワーフィールを手に入れている。

ハイブリッド車のWLTCモード燃費は20.9km/L。街中をキビキビ走りたい、燃費を重視したい人にはハイブリッド車をオススメしたい。
 

 

グレード体系:ベーシックの他にスポーティやSUV風も

2代目フリードの主なグレードは下記のとおり(特別仕様車、サイドリフトアップシート車などを除く)
「B」(~2022年5月)
価格を抑えたグレード。全車7人乗り。ガソリン車とハイブリッド車、FFと4WDの設定あり。

「G」
運転席&助手席シートヒーターや両側パワースライドドアなどの機能装備を備えたグレード。6人乗りと7人乗り、ガソリン車とハイブリッド車、FFと4WDの設定あり。

「ハイブリッド EX」(~2019年9月)
前期型の最上級グレード。全車ハイブリッド・6人乗り・FF。

「モデューロX」
モデューロ専用エアロや専用サスペンションを備えたスポーティなグレード。全車FF。6人乗りと7人乗り、ガソリン車とハイブリッド車の設定あり。

「クロスター」(2019年10月~)
専用の前後バンパーやフロントグリルなどでクロスオーバースタイルに仕上げたモデル。全車6人乗り・FF。ガソリン車とハイブリッド車の設定あり。
 

フリード(2代目) ▲「モデューロ X」はスポーティな前後バンパーなどを備えたメーカー純正カスタム仕様
フリード(2代目) ▲SUV風のスタイルに仕上げられた「クロスター」も人気のグレードとなった
 

モデルの変遷:前期型と後期型でデザインが異なる

8年近くもの長いモデルライフとなった2代目だが、全グレードに関わる大きな変更は一度のみ。2019年10月のフェイスリフトおよびホンダセンシングの標準装備化、車高を上げたクロスオーバースタイルを採用した「クロスター」の追加だ。

デビュー当初のフロントマスクは2代目のイメージを引き継いだものだったが、この変更でフロントグリル上部がボンネットと連続したデザインになり、ヘッドライト&バンパーもきりっとした表情となった。

この変更前のモデルを前期型、変更後のモデルを後期型とするのが一般的だ。
 

フリード(2代目) ▲2016年9月~2019年9月に生産された前期型のフロントデザイン
フリード(2代目) ▲2019年10月~に生産された後期型のフロントデザイン

その他、マイナーチェンジとしては下記も挙げられる。
2022年6月
運転席/助手席シートヒーター、コンフォートビューパッケージ、ロールサンシェードなどを標準装備化。シート表皮に撥水撥油加工された「ファブテクト」を採用。

大きな変更が少ないのは、中古車を選ぶうえで迷う余地が少ないのでありがたいところだろう。
 

フリード(2代目) ▲3列目シートを跳ね上げると十分な荷室スペースがあるのもうれしいところ
フリード(2代目) ▲マイナーチェンジ後のインテリア
 

中古車の選び方1|お手頃価格:前期型

現在、2代目フリードの中古車流通量はおよそ3900台。お手頃価格で手に入れたいのなら、デビューから2019年9月までの前期型が狙い目だろう。前期型だけで1300台近くもの物件が流通している。

前述のとおり、2代目フリードは年式による走行性能や装備の差が少なく、前期型と後期型の違いも外観デザインが主なところ。つまり、フリードの持ち味であるパッケージの良さ、走りの軽快さといった美点は前期型でも十分に味わえる。
 

フリード(2代目) ▲前期型だけに存在した最上級グレード「ハイブリッド EX」はその他のグレードでオプションだったサイドエアバッグなども装備されていた

前期型の価格帯ボリュームゾーンは150万~170万円。走行距離ではデビュー直後の物件で5万~7万km、2019年式で2万~4万kmが多くなっている。メンテナンスを怠らなければまだまだ長く乗れるだろう。

ただ、前期型の「B」「G」グレードでは先進予防安全の「ホンダセンシング」が標準装備化されていなかったので、安全性を重視する方は目当ての物件が見つかったら現車の装備内容を確認しておこう。

前期型で価格の一例を挙げると、2016年式・走行距離4.1万kmのガソリン車「G ホンダセンシング」で総額125.4万円となっている。
 

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中古車の選び方2|燃費重視:ハイブリッド車

ランニングコストを重視するなら当然、ハイブリッド車が有利。フリードの場合はさらに発進加速の力強さ、走りのダイレクト感もハイブリッド車の魅力だ。

中古車市場に流通するフリード全体のうち、ハイブリッド車が占める割合はおよそ4割弱。物件数にして1400台ほどと、十分な選択肢があると言っていいだろう。

フリード(2代目) ▲ハイブリッド車の7速DCTは低めのギア比を採用しているからキビキビ加速できる

前期型でも後期型でもハイブリッド車の燃費性能、走行性能に大きな差はなく、予算や外観の好みで選べばOK。ただし、万一のことを考えると駆動用バッテリーのメーカー新車保証が残っている初度登録から5年、走行距離10万km以内の物件が安心だろう。

ということで上記の条件から選ぶと、対象となるのは1600台ほどとなる。価格の一例を挙げると、2020年式・走行距離3.3万kmの後期型「G ホンダセンシング」で総額169.5万円。当時の新車価格より70万円以上安く手に入る計算だ。
 

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中古車の選び方3|良コンディション:高年式低走行

新型が発表されたとは言っても、注文からすぐに納車とはいかないだろう。それであれば新車に近いコンディションの物件を、中古でオトクに手に入れるという選択肢もオススメ。

特に2022年6月以降のモデルは装備も充実していてコスパが高い。
 

フリード(2代目) ▲2022年6月以降のモデルに設定され、黒をアクセントに採り入れた特別仕様車「ブラックスタイル」は「クロスター」での人気が高かった

現在の中古車市場では新しい年式の物件も充実していて、2022~2023年式だけで1000台を超えている。このあたりの年式ではグレードが整理され、「G」「クロスター」「モデューロX」しかないので選びやすい。

価格的にオトクな物件も多く、例えば最終型の2022年式・走行距離8000kmの「G」で総額199.5万円と当時の新車価格より30万円近く安い。

ハイブリッド車ではやや価格帯が上がるものの、それでも最終型の2022年式・走行距離1.2万kmの「ハイブリッド G」で総額217万円という物件も見つかる。新車価格時より約46万円も安く、狙い目だ。
 

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ホンダ フリード(2代目)× 2022~2023年式 × 全国

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※記事内の情報は2024年6月15日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/尾形和美、ホンダ
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。

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