レンジローバーの中古車価格2300万円超えに絶望した人に贈る「3分の1の800万円で買えるこのSUV、代わりにどうですか?」5選
カテゴリー: 特選車
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2023/08/30
2000万円超はさすがに難しいが、800万円なら……?
2021年11月に発売された、通算5代目となる現行型ランドローバー レンジローバー。……筆者も試乗しましたが、腰を抜かすほど素晴らしい車でした。
超プレミアムSUVですから、乗り味もインテリアの質感も超絶プレミアムなのはある意味当然として、それでいて全体的にどこかスポーティでもあり、しかし決して野卑ではない――というニュアンスですので、試乗中はずっと「……もしかしたらコレは宇宙で一番素晴らしい乗り物なのではないか?」と考えていました。
しかし、現行型レンジローバーは宇宙で一番の(?)乗り物だけあって、価格はベラボーに高額です。
新車を買うとなると、一番安いやつでも(車両本体だけで)1866万円ですし、最上級グレードである「SV」は2673万円。「ならば中古車で!」と思っても2023年8月下旬現在、その平均価格は約2430万円となっています。
……こういった価格をものともしないお金持ちさんも世の中にはいらっしゃるでしょうが、普通はまぁちょっと無理な金額です。もちろん、何をもって“普通”とするかは難しい問題ですが、最大公約数的に物事を考えると「出せて800万円!」というのが、プレミアムSUVというものに対するおおむねのコンセンサスではないでしょうか。
しかし総額800万円級の予算を用意できるのであれば、実は現行型レンジローバーに勝るとも劣らないレベルのプレミアムSUVを、割と普通に購入することができます。
まぁ現行型レンジローバーに「勝るとも劣らない」というのはやや過剰な表現かもしれませんが、少なくとも「そう大幅には劣らない」とは断言できるプレミアムSUVの走行数千kmぐらいの中古車を、現行型レンジローバーの3分の1程度の予算で入手できるのです。
では、具体的にはどんなプレミアムSUVの高年式・低走行物件が「総額800万円ぐらい」で狙えるのでしょうか? 次章以降、じっくりチェックしてまいりましょう。
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ランドローバー レンジローバー(5代目)予算800万円から狙えるプレミアム輸入SUVその1
ランドローバー レンジローバー ヴェラール
レンジローバー ヴェラールは、2017年7月に「アヴァンギャルドなレンジローバー」というキャッチフレーズを冠して登場したプレミアムSUV。レンジローバースポーツとレンジローバーイヴォークの中間ぐらいの立ち位置となるモデルであるため、サイズ的には現行型レンジローバーよりもややコンパクトです。
しかし、「ややコンパクトです」というのは「レンジローバーと比べれば」という話であって、全長4820mm × 全幅1930mm × 全高1685mmというサイズは普通に考えて「(日本では)堂々たるもの」と言えます。またデザイン面でも走行フィールの点においても、レンジローバーの“風味”は十分に味わうことができます。
デビュー当初のパワーユニットはディーゼルターボが1種類と、ガソリンエンジンが3種類でした。
●「D180」|最高出力180ps/最大トルク430N・mの2L 直4ディーゼルターボ
●「P250」|最高出力250ps/365N・mを発生する2L 直4ガソリンターボ
●「P300」|最高出力300ps/400N・mを発生する2L直4ガソリンターボ
●「P380」|最高出力380ps/450N・mを発生する3L V6ガソリンスーパーチャージドユニット
総額800万円台の予算を投入すれば、2Lディーゼルターボエンジンがマイルドハイブリッド機構付きになった2021年3月以降の「D200」を見つけることができますが、基本的には総額700万円台で走行距離1万km台の物件が狙える、2018~2020年式の「D180」で十分以上でしょう。
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ランドローバー レンジローバーヴェラール(初代)予算800万円から狙えるプレミアム輸入SUVその2
アウディ Q7(2代目)
総額800万円前後の予算で考える“現行型レンジローバーの代わり”としては、アウディのフラッグシップSUVであるQ7の後期型もシブい選択肢です。
通算2代目となる現行型アウディ Q7は2016年3月に上陸した、アウディの縦置きエンジン用プラットフォーム「MLB evo」を採用したプレミアムSUV。
ボディサイズは全長5065mm × 全幅1970mm × 全高1735mmですので、幅と高さはさておき、長さは現行型レンジローバーとおおむね同じです。ちなみに乗車定員は5人が標準ですが、7人乗り3列シートの「7シーターパッケージ」も用意されています。
上陸当初のパワーユニットは最高出力252psの2L 直4ターボと、同333psの3L V6スーパーチャージャー付きでしたが、2020年8月の大幅改良で内外装デザインを変更するとともに、パワーユニットも刷新。
従来モデルのスーパーチャージャー付き3L V6は「3L V6ツインスクロールターボ」に変更され、同時に48Vのマイルドハイブリッドシステムも採用。これにより最高出力340ps/最大トルク500N・mに増強されています。
従来モデルから変更のない2L 直4ターボを搭載する「45 TFSI」は総額600万円台から見つけることもできますが、“現行型レンジローバーの代わり”としてQ7に乗るのであれば、選ぶべきは後期型の「55 TFSI」、すなわちマイルドハイブリッド付きとなった3L V6ツインスクロールターボエンジン搭載グレードでしょう。
そして走行数千kmから1万km台のQ7 55 TFSIは、総額770万~830万円付近のレンジでごく普通に見つけることが可能。さすがに現行型レンジローバーと比べてしまうとやや物足りない部分もあるかもしれませんが、「おおむね3分の1」という価格から考えれば十分以上に納得できる、高コスパな選択肢だといえます。
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アウディ Q7(2代目) × 2020年8月以降 × 55 TFSI系予算800万円から狙えるプレミアム輸入SUVその3
ボルボ XC90(2代目)
「約3分の1の予算で買える」ということを考えれば、ボルボのフラッグシップSUVであるXC90の現行型もステキな選択肢となります。
ボルボ XC90は、その初代モデルは2003年に登場した7人乗りのプレミアムSUV。通算2代目となる現行型は2016年1月に上陸しました。
その初期モデルはさすがに“現行型レンジローバーの代わり”としてはやや弱いかもしれませんが、全車のパワーユニットが新世代のものに刷新された2020年4月以降または同年8月以降の世代であれば、現行型レンジローバーに対しての戦闘力は十分です。
ボディサイズは全長4950mm × 全幅1960mm × 全高1775mmですので、レンジローバーと比べればほんの少々コンパクトですが、レンジローバーの存在を念頭に置きさえしなければ「十分以上の存在感!」と感じられるはず。
そしてパワーユニットは、「B5」に搭載されるのが2L 直4ターボエンジンに48Vハイブリッドシステムを組み合わせたもので、「B6」は同エンジンに電動スーパーチャージャーを搭載したタイプ。そして「リチャージプラグインハイブリッドT8」は、2L直4ツインチャージャーエンジンに電気モーターも組み合わせたプラグインハイブリッドです。
これらはどれもそれなり以上にステキなパワーユニットですが、“レンジローバーの代わり”として考えるのであれば、やはり超絶パワフルな「リチャージ プラグインハイブリッド T8」が適任となるはず。走行距離1万km台までの物件を、総額810万~850万円付近のレンジで見つけることができます。
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ボルボ XC90(2代目) × リチャージ プラグインハイブリッド T8 AWD インスクリプション予算800万円から狙えるプレミアム輸入SUVその4
キャデラック XT6(初代)
「輸入プレミアムSUV」というと、自動的に「欧州車」を思い浮かべる人は多いかもしれません。しかし、当然ですが輸入車の中には「アメリカ車」というのもあり、近年のアメリカ車は、ひと昔前のそれと違って汎グローバル的な基準で作られているため、実力や乗り味などは欧州車にまったく引けを取りません。
それでいてアメリカ車は、今のところ日本ではややマイナーな存在であるため、つまり走っている数が少ない分だけ、“個性”や“希少性”のようなものを楽しむことができます。
そういった観点でアメリカ製プレミアムSUVの中から“現行型レンジローバーの代わり”を3分の1の予算で探すとしたら、注目すべきは断然キャデラック XT6でしょう。
キャデラック XT6は、2019年12月に発売されたGM製の3列シート6人乗りSUV。全長5060mm × 全幅1960mm × 全高1775mmという、レンジローバーよりは少々コンパクトですが、それでも堂々たる体躯と存在感を誇るモデルです。
しかしその身のこなしや上質感はかなりのもので、「トータルバランスが良い」という意味では、大人気のドイツ製SUVである現行型メルセデス・ベンツ Gクラスよりも上である――と評価するマニアも多い1台です。
パワーユニットは最高出力314ps/最大トルク368N・mの気筒休止機構付き3.6L V6で、トランスミッションは9速AT。駆動システムはFFベースのフルタイム4WDで、状況に応じて制御を切り替えるドライブモードセレクターも装備されています。
2023年8月下旬現在、その中古車価格帯は総額610万~920万円といったところで、走行距離数千kmからせいぜい1万km台までの物件を総額750万~830万円付近で見つけることが可能。いわゆる大穴的な、かなりナイスな代替案であるはずです。
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キャデラック XT6(初代)予算800万円から狙えるプレミアム輸入SUVその5
BMW iX(初代)
現行型レンジローバーも2024年モデルからは全車電動パワーユニットとなるわけですから、いっそのこと「BEV(電気自動車)のプレミアムSUV」を、現行型レンジローバーの3分の1程度の予算で探してみてもいいのかもしれません。
そうなったときに有力候補となるのは、BMWが2021年11月に日本へ導入したiXでしょう。
BMW iXは、次世代自動車にふさわしい内外装デザインと最新の運転支援システムおよび通信システムを採用したピュアEVであり、BMW製電動車のフラッグシップモデル。
ボディサイズは全長4953mm × 全幅1967mm × 全高1695mmというなかなかのもので、パワーユニットは車両の前後に1基ずつのモーターを搭載して四輪を駆動。エントリーグレードである「xドライブ40」はシステム最高出力が326ps/システム最大トルク630N・mで、上級グレードの「xドライブ50」は同523ps/同765N・mとなっています。
一充電あたりの航続距離(WLTCモード値)は前者が450kmで、後者が650kmとなっており、長距離移動も不安なくできるでしょう。
特にxドライブ50であれば“現行型レンジローバーの代わり”を務めてお釣りがくるぐらいのパフォーマンスですが、xドライブ40の方でも十分以上に強力であり、なおかつ「ピュアEVである」という先進性が満足感も与えてくれるはず。
それが現行型レンジローバーの3分の1程度の予算で狙えるなら、そしてご自宅に充電設備を設置可能な人であるならば、ぜひ注目していただきたい選択肢です。
ちなみに中古車価格は、xドライブ50は総額890万~1400万円と少々お高いのですが、流通の中心となっているxドライブ40であれば、走行距離数千kmから1万km台までの物件を総額710万~830万円付近で検討可能です。
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BMW iX(初代)自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。