ついに出たプラドの後継モデル「ランドクルーザー250」。で、最終型となるランクルプラドの中古車価格は、今どうなってる?
2023/08/15
プラドにしかない魅力がある
「ランドクルーザープラド」の実質的な後継機となる「ランドクルーザー250」がワールドプレミアされた。“生活と実用を支える本来の役割” へと原点回帰し、よりボクシーかつ未来的なフォルムとなって登場。海外向けにはランクル史上初めてのハイブリッドが用意されることもアナウンスされている。
ランドクルーザー250が革新的なモデルであることは間違いないが、ただでさえ新車の供給が遅くなりがちな昨今。新しい250も大人気となりそうな気配だけに、注文殺到し、長い納車待ち期間が発生することはほぼ確実だろう。
それなら、もうちょっとで先代モデルとなるランドクルーザープラドの中古車に目を向けてみるのはいかがだろうか? 新型が登場してもプラドが依然、魅力的な車であることには変わりない。
この記事ではプラドの概要、特徴を振り返るとともに、要望別にオススメのグレードを解説していこう。
4代目のランドクルーザープラドはどんなモデル?
ランドクルーザープラドはトップレベルの悪路走破性と実用性を兼ね備えた類い希な車だ。4代目モデルは2009年に登場した。
強固なラダーフレーム構造のボディ、フロントダブルウィッシュボーン式コイル、リア・リジッド式コイル(エアサスの設定もあり)という本格四駆の伝統的構造を守りながら、3列シート・7人乗り(2列シート・5人乗りの設定もあり)としてファミリーカーとしての要望も満たしている。
セカンドシートにスライド機構が備わって後席車内空間が快適になったこと、また内装が一段と豪華になり、高級SUVにふさわしい雰囲気となったことも4代目におけるトピックだ。
4代目プラドのパワートレイン/グレードの差異
パワートレインは下記の3種類がある(ディーゼルターボは年代によって出力が異なる)。
・2.7L 直4ガソリンエンジン:最高出力120kw(163ps)/5200rpm・最大トルク246N・m(25.1kg・m)/3800rpm
・4.0L V6ガソリンエンジン(2009年9月~2015年6月):最高出力203kw(276ps)/5600rpm・最大トルク380N・m(38.8kg・m/4400rpm
・2.8L 直4ディーゼルターボエンジン(2015年6月~2020年8月):最高出力130kw(177ps)/ 3400rpm・最大トルク450N・m(45.9kg・m)/1600-2400rpm
・2.8L 直4ディーゼルターボエンジン(2020年8月~):最高出力150kw(204ps)/3000-3400rpm・最大トルク500N・m(51kg・m)/1600-2800rpm(2020年8月~)
デビュー当初はガソリン車のみの設定だったが、2015年6月のマイナーチェンジで待望のディーゼル車がV6ガソリン車と入れ替わる形で登場した。最上級グレードはディーゼル車のみの設定となっている。
4代目プラドの主なグレードは下記のとおり。
・TX:価格を抑えた量販グレード。5人乗り・7人乗りの設定あり。搭載されるエンジンは2.7L 直4ガソリン、4.0L V6ガソリン、2.8L 直4ディーゼルターボの3種類。本革巻きシフトノブなどが備わる「Lパッケージ」も設定される。
・TZ(2009年9月~2015年6月):TZ-Gからリアのエアサスを除いた上級グレード。7人乗り。搭載されるエンジンは4.0L V6ガソリンのみ。
・TZ-G:リアサスにエアサスを装備する最上級グレード。7人乗り。搭載されるエンジンは4.0L V6ガソリン、2.8L 直4ディーゼルターボの2種類。
4代目プラドの年式による違い
プラドは発売からすでに14年経過していることもあり、これまで大きなマイナーチェンジが数回にわたって行われてきた。主なものは下記のとおりだ。
・2013年9月:フロントグリルを大型化するなど外観デザインを変更。「マルチテレインセレクト」や足回りの設定も改良された。
・2015年6月:4.0L V6ガソリンエンジンに代えて、2.8L 直4ディーゼルターボエンジンを設定。2.7L直4ガソリンエンジンのトランスミッションを4速から6速に変更。
・2017年9月:ボンネット、グリル、ヘッドライトなどフロントまわりのデザインを全面的に変更。エアコン吹き出し口位置を下げるなどインテリアのデザインも変更された。
・2020年8月:2.8L直4ディーゼルターボエンジンを改良し、最高出力が+27psの204psに。「Toyota Safety Sense」に、夜間歩行者と昼間の自転車検知機能が追加された。
先進安全装備「Toyota Safety Sense P(後にToyota Safety Senseへと名称変更)」が全車標準となったのは、2017年9月から。安全性能を重視するなら、できるだけ新しめの年式を狙った方が良いだろう。
【最新・2023年8月】プラドの中古車相場
生産期間が長いだけあり、中古車流通台数は2000台以上と非常に充実している。中古車平均価格はおよそ450万円。2.7L 直4ガソリンエンジン搭載の新車が買える値段に驚く人もいるかもしれないが、これは新しい年式ほど物件数が充実しているためだ。
デビュー直後の2009~2010年式の物件数が10台前後なのに対して、2022~2023年式の物件数は1000台近くもある。ちなみに、前期型(2009年9月~2013年8月)だけに絞った中古車平均価格は230万円前後。初度登録から10年以上経過した中古車としては高めの水準だが、プラドの耐久性を考えると決して高くはないだろう。
全流通数のうち7割以上がガソリン車であり、そのほとんどが2.7Lだ。ディーゼル車の追加がモデル中期だった影響もあるが、後期型(2017年9月以降)においてもディーゼル車の比率は3割弱にとどまっている状況を見ると、“ガソリンで十分”と考える人が少なくないためと思われる。
【プラドのオススメの買い方① 購入価格をできるだけ抑える】
リーズナブルな価格でプラドを手に入れたいなら、ガソリン車の「2.7 TX」で決まり。前期型で走行距離10万円km前後の物件なら、総額200万円前後から狙える。
抜群の耐久性を誇るプラドだけに、たとえ10万kmオーバーの物件であっても、適切にメンテナンスされてきた車なら全く問題ない。
2.7L直4ガソリンエンジンでも、日常ユースで力不足を感じることは少ない。よりスムーズな走りを求めるならATが多段化された2015年6月以降の物件がオススメだ。こちらは総額260万円前後からのスタートとなる。
▼検索条件
トヨタ ランドクルーザープラド(4代目)× 2009年9月~2013年8月【プラドのオススメの買い方② 装備充実の上級グレードを狙う】
プラドの中でも、最上級グレードである「TZ-G」はちょっと異色の存在。というのも、搭載されるエンジンは4.0L V6ガソリン(前期・中期)または2.8L 直4ディーゼルターボ(中期・後期)のみ、7人乗りのみ、リアはエアサスが装備される……と、動力性能も乗り味も他グレードとは一線を画しているからだ。
そんな「TZ-G」だけに絞ると、中古車流通量は70台前後。前期型なら「TZ-G」でも総額270万円前後から狙えるものの、流通量は極めて少ない。中期型以降の物件から探すのが現実的だろう。
中期型での最安値は、2013年式・走行距離3.3万kmのV6ガソリン車「4.0 TZ-G」で総額368万円。V6ガソリンの「TZ-G」というだけでも希少、さらに年式に対して走行距離が少ないレアな物件であることを考えるとオトクだ。
ディーゼルの「2.8 TZ-G ディーゼルターボ」では、2015年式・走行距離5.1万kmの物件で総額382.7万円が現状の最安値。当時の新車価格より130万円以上安く、こちらもリーズナブルと言えるだろう。
▼検索条件
トヨタ ランドクルーザープラド(4代目)× 「TZ-G」【プラドのオススメの買い方③ できるだけ良いコンディションを狙う】
新車と違い、納車待ちの期間が短くて済む…… という理由で、中古車を狙っている人もいるはず。前述のようにプラドは新しい年式ほど中古車市場での流通量が充実。全体の7割以上を後期型が占めているのだ。
後期型で価格の一例を挙げると、2017年式・走行距離1.5万kmの「2.7 TX」で総額352.9万円。新車価格との差はわずかだが、諸経費分がトクになること、納車まで短い期間で済むことは大きなメリットだ。
なお、初度登録を済ませたのみで使用していない「登録済未使用車」のプラドも中古車市場では豊富。なんと400台以上も流通している。新車と変わらないコンディションの物件が欲しい人、少しでも早くプラドを手に入れたい人は、こちらを狙ってみるのも手だろう。
▼検索条件
ランドクルーザー プラド(4代目)× 2017年9月~▼検索条件
ランドクルーザー プラド(4代目)※記事内の情報は2023年8月8日時点のものです。
自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。
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ランドクルーザープラド 2.8 TX Lパッケージ マットブラック エディション ディーゼルターボ 4WD アルパインナビ サンルーフ ベージュ内装
本体価格618.0万円
支払総額630万円