AE86トヨタ カローラレビン/スプリンタートレノを振り返る! 最新の中古車価格は? 流通量は?
カテゴリー: 特選車
タグ: トヨタ / ハッチバック / クーペ / カローラレビンハッチバック / カローラレビン / スプリンタートレノハッチバック / スプリンタートレノ / i4 / 小鮒康一
2023/05/11
圧倒的知名度を誇る4代目カローラレビン/スプリンタートレノ
車に興味がある人であれば、知らない人はいないと言っても過言ではないほど圧倒的な知名度を誇る4代目カローラレビン/スプリンタートレノ。もはや、車両型式である「AE86」と呼んだ方がすぐにその姿を想像できるほど知られた存在となっています。
このカローラレビン/スプリンタートレノは、1972年に2代目のカローラ/スプリンターのホットモデルとして登場したもので、1983年に登場したのが今回ご紹介する4代目となるAE86型となります。
コンパクトなボディと高回転型のNAエンジン、そして後輪駆動レイアウト(FR)というパッケージは当時からスポーツ走行を楽しむユーザーから人気を集めていましたが、その人気を不動のものとしたのは1995年から連載がスタートした漫画「頭文字D」で、主人公が乗る3ドアのスプリンタートレノ(通称パンダトレノ)は一躍スーパースターとなったのでした。
今回はそんな幅広い層から人気を集めるAE86型カローラレビン/スプリンタートレノの中古車をチェックしてみたいと思います。
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トヨタ カローラレビン/スプリンタートレノ(AE86型)×全国【モデル概要】FRにこだわったカローラレビン/スプリンタートレノ
1983年5月にフルモデルチェンジを果たして5代目となった日本を代表する大衆車であるカローラと、その兄弟車であるスプリンターですが、この世代からスペース効率に優れた前輪駆動レイアウト(FF)を採用。
しかし、当時FFに慎重な姿勢を見せていたトヨタは、スポーティモデルのレビン/トレノのみを旧型と同じFRでリリースしました。
そのため、プラットフォームは旧型レビン/トレノのものを踏襲していたのですが、エンジンは新開発の直列4気筒1.6L DOHCの4A-G型に置き換えられており、すでに旧型でノウハウの蓄積があった足回りと高回転まで俊敏に吹け上がるエンジンの組み合わせでモータースポーツを含め高い人気を誇ったのです。
なお、4A-G型エンジンを搭載するAE86型の他、同じボディに1.5LのSOHCエンジンの3A-U型エンジンを搭載する仕様も存在しており、こちらはAE85型と異なる型式が与えられています。
そんな4代目レビン/トレノは、3ドアハッチバックと2ドアノッチバックという2種類のボディタイプをもち、レビンは一般的な角型の固定ライトを、トレノはリトラクタブル式ヘッドライトをもつという違いはあれど、メカニズム的には共通。当時はボディ剛性の高い2ドアかつ、リトラクタブル式ヘッドライトがない分、鼻先が軽量といわれたレビンが人気となっていましたが、頭文字D以降は3ドアのトレノが人気となる逆転現象も起こっていました。
AE86型のグレードは3グレード展開となっており、最上級グレードの「GT-APEX」(3ドア、2ドア)、とモータースポーツベースの「GTV」(3ドア)、そしてエントリーグレードの「GT」(2ドア)となっていました。
1985年5月にはマイナーチェンジを実施し後期型へ進化。メカニズム的にはAE85にのみ設定されていたAT仕様がGT-APEXとGTにも設定されるようになった程度でしたが、エクステリアはバンパーなどを含む変更がなされ、特にトレノは大型コーナリングランプがバンパーに埋め込まれるなど、印象を大きく変えていました。
結局4代目レビン/トレノは1987年5月に登場した5代目へバトンタッチをして姿を消すことになりましたが、5代目はレビン/トレノもFFになったことで4代目に再び注目が集まるということもあり、そのころから今まで、絶版車として常に注目されてきたモデルなのです。
【カローラレビンの中古車状況】比較的台数の多いレビン
すでに今年で登場から40年が経過し、れっきとしたクラシックモデルである4代目カローラレビンですが、中古車の掲載台数は55台と多め。割合は3ドアが19台、それ以外が36台となっていました。
価格帯は179万~688万円となっており、最も安価な物件でも当時の新車価格を上回るものとなっています。ちなみにAE85(エンジン換装済のものを除く)も数台掲載がありましたが、こちらも200万~300万円台となっており、85だから安く買えるという時代でもなくなっているようです。
また、AE86は後期型でようやくAT仕様が追加されたこともあってか、掲載車両はすべてMT車となっており、AT車を探すのはかなり難易度が高いと言えそうです。
修復歴なしとなっているのは55台中24台と、思ったよりは多く存在していますが、こちらは当然のように高値安定。
走行距離も多い車両では20万kmを超えているものも珍しくなく、距離が少ないものはこちらも高値安定となっており、高額車両のほとんどはフルノーマル低走行の物件となっていました。
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トヨタ カローラレビン(AE86型)×全国【スプリンタートレノの中古車状況】頭文字Dで人気のトレノはより希少な存在
前述したように、頭文字D効果で人気が逆転した感のあるスプリンタートレノ。ただ、新車時の販売台数はレビンの方が多かったことも影響してか、現在の中古車掲載台数は18台とレビンよりもグッと少なめ。特に3ドアハッチバックは5台のみの掲載となっていました。
トレノの価格帯は278万~498万円となっており、価格の幅はレビンよりも少なくなっていますが、執筆時点ではレビンに存在していたフルノーマル低走行の物件や修復歴なしの車両が少なかった(4台のみ)ことが影響していると考えられ、両車の価格差はそこまでないと考えてよさそうです。
ただ、今回の執筆時には掲載はありませんでしたが、前期の3ドアパンダトレノ、いわゆる頭文字D仕様の車両は特に高値安定となっているようなので、この仕様を狙っているのであればある程度の予算が必要になってくることでしょう。
走行距離はこちらも20万kmオーバーも珍しくない状況でしたが、レビンに比べて距離を走っている物件が多く、そもそもの個体数が少ないために多走行であっても状態が悪くなければ店頭に並んでいるということが言えそうです。
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トヨタ スプリンタートレノ(AE86型)×全国今回は、4代目のカローラレビン/スプリンタートレノの中古車をチェックしてみましたが、すでに40年が経過したモデルということもあり、走行距離や修復歴の有無だけで判断せず、実際の車両の状態をチェックしてみることが大切です。
特にこの年式のモデルは腐食しやすいという弱点があるため、修復歴がなくても下まわりがサビサビだった……ということもなくはありません。
またAE85改AE86仕様などは、エンジンだけでなくトランスミッションや足回り、デフなどもAE86仕様になっているかどうか、5バルブスワップ車に関してはハーネス類の処理が適切に行われているかなども確認したいところ。
いずれにしても古い車両であるため、「購入後にもトラブルが発生するだろう」という心づもりが大切になってくるはずです。
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トヨタ カローラレビン/スプリンタートレノ(AE86型)×全国※記事内の情報は2023年5月8日時点のものです
自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車のリーフを買ってしまう暴挙に出る。現在はリーフを手放し3代目インサイトをメインに、NA、NB2台のロードスターや初代パルサー、S660に17系クラウンなど雑多な車種を所有中。