ディーゼル車とは? メリット・デメリット、人気車種ランキングTOP10を紹介!
カテゴリー: 特選車
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2023/05/01
ディーゼル車の特徴やガソリン車との違い、人気ランキングを紹介!
かつては“遅い”“うるさい”といったイメージで語られることが多かったディーゼル車だが、最近は技術が進化し、ガソリン車を上回る動力性能をもつモデルが増えてきた。
もちろん低燃費性も大きなメリット。こちらも最新テクノロジーで磨きがかかっている。
ここではディーゼルの特徴の解説と、カーセンサーで人気のディーゼル車トップ10を紹介していく。
ディーゼル車とは? ガソリン車との違いは?
ディーゼル車とは、軽油を燃料としてディーゼルエンジンで走る車のことだ。吸入、圧縮、燃焼、排気というエンジンのサイクル自体はガソリン車と同じだが、軽油の特性がガソリン車との違いを生み出している。
軽油はガソリンに対して「引火、気化しにくいが自然発火しやすい」という特性があるため、ディーゼルエンジンもその特性を生かした設計となる。ガソリン車のように燃料を気化させて点火プラグで着火する方式ではなく、霧化した燃料を圧縮し、自然着火させる方式となるのが特徴だ。
エンジンへの空気流量を制限するスロットルバルブをもたないのも特徴で、数ある内燃機関の中でも極めて効率に優れたエンジンとされる。一時期は排出ガス規制によって国内の乗用車からほとんどディーゼル車がなくなる……という事態に陥ったが、現在では排ガス問題を見事に克服して息を吹き返した。
今では高級車、上級グレードにも先進的なディーゼルエンジンが数多く搭載されている。また効率の高さから、欧州車ではハイブリッド車用のパワーユニットとしても採用されるようになった。
ディーゼル車のメリット・魅力
ディーゼル車に乗る最大のメリットは、経済性に優れることだ。前述したようにディーゼルエンジンは燃焼効率が高い、すなわち燃費が良い。それに加えて軽油の燃料代がガソリンよりも安い(税金が安い)ため、トータルの燃料コストが圧倒的に少なくて済む。
一般的にディーゼルエンジンは同排気量のガソリンエンジンに比べて、トルクが大きくなりやすい。トルクとは、車を前に押し出す力のこと。つまり坂道を上るときやたくさんの荷物を載せているときでも、力強く走ってくれる、ということだ。エンジン回転数の変化も穏やかで扱いやすい。
そうした特性はトラックなど積載を重視した車にぴったり。また悪路を走破するうえでも有利なことから、本格クロカンやSUVにも数多くディーゼルが採用されている。
圧縮によって燃料に着火するディーゼルエンジンはエンジン自体の作りが頑丈にできている。必然的に耐久性が高くなるのだ。乗用車よりも過酷な使われ方をする貨物車にディーゼルが多く採用されていることを見ても、耐久性の高さは明らかだろう。
ディーゼル車のデメリット
ディーゼルエンジンはその構造上、ディーゼルノックという振動がどうしても出てしまう。その振動が発生源となって、ガラガラとした騒音も発生してしまう。ディーゼルを敬遠するユーザーの多くは、特有の振動とノイズを嫌ってのことだろう。
しかし、最近のディーゼル車は燃料噴射制御の工夫やノックを打ち消す機構の採用によって、振動や騒音が以前よりもかなり小さくなっている。車内にいるとガソリン車と見分けがつかないほどだ。
圧縮比を高くしなければならないディーゼルエンジンは、ロングストローク(エンジンのピストン径よりもストローク量の方が大きくなること)になりやすい。トルクを稼ぐためには有効だが、高回転まで回りにくくなるのがデメリットだった。
しかし、最近はターボの採用や燃料噴射制御の工夫などにより、比較的低い圧縮比でも安定して燃焼させられる技術が確立。高回転までよく回るディーゼルエンジンが増えてきた。
排気ガスを浄化するために「尿素SCR」というシステムを使っているディーゼル車の場合には、定期的に尿素水(アドブルー)を補充する必要がある。そのための手間やコストが発生するが、コストについては軽油の安さを考えるとデメリットにはならない程度。手間についてもほとんどの場合、定期点検などのタイミングでOKだ。
ディーゼル車にガソリンを入れた場合の対処法
乗用車タイプの車にもディーゼル車が増えてきたことに伴い、ディーゼル車にガソリンを入れてしまう、いわゆる誤給油のトラブルをよく耳にするようになった。
誤給油してしまった場合、エンジンをかけるのは絶対にNG。燃料の入れ間違いに気づいた時点でエンジンがかかっているならすぐに止め、JAFなどのロードサービスに連絡しよう。その後、修理工場などで燃料を抜いてもらい、正しい燃料に入れ替えればほとんどの場合は大きな問題にならない。
また誤給油以外に、ガス欠にも気をつけたい。ディーゼル車はガス欠すると燃料ライン内に空気が入ってしまう構造で、燃料を入れても再始動できないことがある。事前にエア抜きという作業が必要(一部の車では不要)だ。エア抜きは自分でできるが、手間がかかるのでガス欠しないに越したことはない。
ディーゼル車人気車種ランキングTOP10
ここからはカーセンサーで人気のディーゼル車をランキング形式で紹介していこう。
コンパクトカーからSUV、バン、輸入車まで多彩な顔ぶれだ!
第1位:トヨタ ハイエースバン(5代目)
ディーゼル人気が圧倒的に高い4ナンバー貨物車の代表格がハイエースだ。トルクがあるから重い荷物を積んでも楽チンだ。
ハイエースには乗用車登録のワゴンと貨物車登録のバンが存在するが、ディーゼルエンジンが設定されるのはバンのみ。2004年8月のデビュー当初は2.5Lの2KD-FTV型を搭載していたが、2007年8月のマイナーチェンジで1KD-FTV型に変更され、排気量を3.0Lへと拡大した。
2010年7月のマイナーチェンジでは1KD-FTV型が大幅に改良され、最高出力を従来の100kW(136ps)から106kW(144ps)へとパワーアップ。さらに2017年12月には最高出力111kW(151ps)の2.8L 1GD-FTV型に置き換わり、現在に至っている。
19年以上ものロングライフを誇るモデルだけあって、中古車市場には4150台ものハイエースバンが流通。ディーゼル車が過半数を占めている。
年式についてはデビュー当時から比較的まんべんなく分布しているが、飛び抜けて流通量が多いのはなんと2023年式。つまり新車コンプリートだ。
耐久性の高さが自慢の車でもあるので、古めの年式でもきちんとメンテナンスされてきた物件なら問題ない。予算に合わせてチョイスすれば良いだろう。
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トヨタ ハイエースバン(5代目) × ディーゼル車第2位:三菱 デリカD:5(初代)
2019年2月の大規模マイナーチェンジでガラッとイメチェンしたデリカD:5だが、基本設計は2007年1月にデビューした当時と同じ。デビュー時点はガソリン車しかラインナップされていなかったが、2012年12月の変更でファン待望のディーゼル車が追加された。
搭載される2.2L 直4ディーゼルターボエンジンは、コモンレール式燃料噴射を採用する現代的なユニットだ。2019年2月以降の後期型ではガソリン車がラインナップから消え、ディーゼル車のみになるとともにピストンやコンロッドの設計が見直され、尿素SCRシステム、スポーツモード付き8速ATも初採用された。
デリカD:5の魅力は何といっても、ミニバンでありながら本格クロカン顔負けの悪路走破性能を備えていること。ディーゼルらしい大トルクとガソリンライクな吹け上がりを兼ね備える4N14型ディーゼルの特性も、そうした性格によくマッチしている。
16年の長い歴史をもつモデルだけあり、中古車市場には約2250台という豊富な物件が流通している。その6割以上がディーゼル車だ。
フェイスリフトを受けた2019年2月以降の後期型も900台以上の物件が流通している。新車販売が続く現行モデルということもあり、走行距離5000km以下の物件も500台以上と豊富だ。
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三菱 デリカD:5(初代) × ディーゼル車第3位:マツダ CX-5(2代目)
多彩なパワーユニットをラインナップしているCX-5だが、何を隠そう圧倒的人気なのがディーゼル。中古車市場に流通する物件のうち、実に8割近く車がディーゼル車だ。
それもそのはず、CX-5に搭載される2.2L 直4ディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」には、ディーゼルノック音の原因となる振動を打ち消す「ナチュラル・サウンド・スムーザー」、アクセルレスポンスを追求する「DE精密過給制御」など、従来のディーゼルイメージを覆す技術が数多く採用されている。
スペックも最高出力129kW(175ps)、最大トルク420N・m(42.8kgf・m)とミドルクラス・クロスオーバーSUVのパワーユニットとして申し分ない。
中古車市場には2670台ほどが流通しており、年式では大幅改良がなされる前の2017~2020年式が多い。その年式なら走行距離3万km未満の物件でも総額180万円前後から狙える。
2022年12月の年次改良を受けたモデルは200台弱。新車価格よりも安い金額で買える物件もある。
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マツダ CX-5(2代目) × ディーゼル車第4位:トヨタ ランドクルーザープラド(4代目)
「ランクルといえばディーゼル!」というイメージを持っている方も少なくないと思うが、4代目プラドにディーゼルエンジンが設定されたのはデビューから約6年後の2015年6月のことだった。
それまでの4L V6ガソリンエンジンに変え、上位グレードのみに搭載されるパワーユニットとして2.8L 直4ディーゼルターボエンジンが設定されたのだ。エンジン型式こそハイエースに搭載されているのと同じものだが、スペックの差は歴然。初期のモデルでも最高出力130kW (177ps)、最大トルク450N・m(45.9kgf・m)、2020年8月以降のモデルでは最高出力150kW(204ps)、最大トルク500N・m(51.0kgf・m)にまで性能が向上した。
2tオーバーの決して軽くはない車体を楽々と加速させる動力性能は痛快のひと言。オフロードでもランクルらしいトルクフルな走りが楽しめる。
中古車市場には約2280台が流通し、中古車平均価格は444万円。
10万kmオーバーの物件であっても支払総額300万円を超えることは珍しくないが、タフネスさでは定評ある車だ。走行距離が進んでいても適切にメンテされてきた物件なら全く問題ない。
フェイスリフトを受けた2017年10月以降の後期型は約500台。総額350万円から探すことができる。
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トヨタ ランドクルーザープラド(4代目) × ディーゼル車第5位:ミニ ミニ(3代目)
ミニといえば軽快なゴーカートフィーリングのイメージだが、ガソリンエンジンだけでなくディーゼルエンジンもしっかり設定されている。グレードは1.5L 直3ディーゼルターボの「クーパーD」、2.0L 直4ディーゼルターボの「クーパーSD」の2種類だ。
BMWグループのツインパワーターボテクノロジーが導入された両エンジンは軽快で振動の少ないジェントルな味わい。低回転からスルスルと加速する。2.0Lはよりパンチの利いたエンジンで、ミニらしいスポーティな走行にも応じられる特性だ。
3代目ミニ全体に占めるディーゼル車の割合は意外に多く、中古車市場に流通する約2250台のうち、約640台がディーゼル。
2016~2017年頃の年式なら、総額130万円から狙える。
3ドア・5ドアが選択できるが、同条件であれば前者の方が若干安い。
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ミニ ミニ(3代目) × ディーゼル車第6位:マツダ CX-8(初代)
マツダの国内向けクロスオーバーSUVラインナップにおいて、最上位モデルに位置づけられるのがCX-8だ。
搭載されるディーゼルエンジンは2代目CX-5と同型式・同排気量の2.2L 直4ディーゼルだが、超高応答マルチホールピエゾインジェクター、可変ジオメトリーターボチャージャーといったテクノロジーの採用により、最高出力を+11kWの140kW、最大トルクで+30N・mの450N・mにまで高めている。
ボディサイズは全長:4900mm × 全幅:1840mm × 全高:1730mm、3列シートを備えるラージクラスSUVだが、フル乗車、荷物満載でもディーゼルの大トルクがあれば安心。静粛性においても高級車にふさわしい水準となっている。
2017年9月にデビューしたCX-5。中古車市場には1450台ほどが流通しており、大半がディーゼル車だ。
狙い目はデビュー直後のモデル。2018年式なら走行距離2万km前後の物件でも総額200万円から狙える。
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マツダ CX-8(初代) × ディーゼル車第7位:日産 NV350キャラバン(初代)
4ナンバー貨物車界における東の横綱がハイエースなら、西の横綱はNV350キャラバンだ。キャラバンシリーズでは通算5代目となる、このモデルには「NV350」という名前が追加され、打倒ハイエースが目指された。
荷室サイズひとつとっても、ハイエースより少し長い10尺モノが積める長さ(約3050mm)。これは4ナンバー貨物車でクラストップの数値だ。
内装の仕立てもちょっとだけ豪華!? ディーゼルエンジンについても排気量はコンパクトな2.5Lとしながら、最大トルクでハイエースを圧倒している。
トランスミッションは2012年のデビュー時から5速ATを設定(5速MTの設定もあり)。これも当時のディーゼル貨物車としては先進的だった。
ちなみに、NV350キャラバンのガソリン車は2021年に「キャラバン」と名を変え、翌2022年2月にはディーゼル車も名称変更。同時にエンジンを三菱製の2.4L 直4ディーゼルターボへと変更している。
中古車市場には1060台ほどのNV350キャラバンが流通。ディーゼル車は550台以上。
そのうち約半数が4WDとなっている。
キャラバンに名称変更されたあとの物件はまだ流通量が少ないが、ほとんどが走行距離1万km以下の低走行車となっている。
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日産 NV350キャラバン(初代)& キャラバン(5代目) × ディーゼル車第8位:マツダ デミオ(4代目)
デミオらしい愛らしいフォルムを残しながら、「魂動」デザインを採り入れたシャープな顔つきとなった4代目。5ナンバーのコンパクト車では極めて珍しく、ディーゼル車が設定されていた。
デミオに搭載されたのは最高出力77kW(105ps)、最大トルク220N・m(22.4kgf・m)というスペックをもつ1.5L 直4ディーゼルターボエンジン。太いトルクの力強い走りで、ユーザーからの評価も高い。トランスミッションに6速ATだけでなく、6速MTを用意していたのもマツダらしい。
中古車市場には1720台ほど流通しており、その半数近くがディーゼル車だ。
中古車平均価格は100万円前後。なお、4代目デミオは2014年9月~2019年9月まで生産され、その後MAZDA2へと車名を変えたが、実質的な中身はほとんど変わっていない。
MAZDA2のディーゼル車は総額140万円から狙うことができる。
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マツダ デミオ(4代目)&MAZDA2(初代) × ディーゼル車第9位:マツダ CX-5(初代)
初代のCX-5も中古車市場では人気の高い1台。フロントマスクは2016年に登場した2代目とは全く異なる印象だが、基本設計は共通、ディメンションもほとんど同じ、さらにディーゼルエンジンの型式、スペックも共通だ。
ディーゼルエンジンといえば高圧縮が一般的だが、初代CX-5に搭載される2.2L 直4ディーゼルエンジンは低圧縮比なのが特徴。高回転化を可能にするとともに、薄肉化による軽量化も実現している。
最大トルクはV8ガソリンエンジン並みの420N・m(42.8kgf・m)。10年以上前にデビューしたディーゼル車とは思えないスペックだ。
約4年半という生産期間だったため、中古車市場での流通量は1000台前後とやや少なめ。ただし、中古車平均価格が107万円前後とリーズナブルなのはうれしい。
おすまし顔の2代目より、初代のルックスが好みという人、コスパ重視の人は迷わず狙うべし。
走行距離6万km以下でも総額110万円から狙うことができる。走行距離が少なめのモデルは減少傾向にあるのでコンディション重視なら早めにアクションをした方がいいだろう。
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マツダ CX-5(初代) × ディーゼル車第10位:BMW 3シリーズ(F30型)
BMWといえば自然吸気の直列6気筒というイメージはもはや昔の話。F30型3シリーズに代表される2010年代以降のモデルではダウンサイジングが進み、過給機付き直列4気筒が主流になっている。ディーゼルエンジンも同様だ。
中間グレードの「320d」に搭載された2.0L 直4ディーゼルターボ。そのトルクは3シリーズ最上位の3.0L 直6ガソリンターボに迫るほどのもので、出足から強烈な加速感を味わえる。
設計自体はそう新しくないのでディーゼル特有の振動やノッキング音はやや大きめだが、実用回転域におけるトルクの太さがガソリン車にない長所だ。2016年5月の変更で新エンジンへと刷新され、最高出力、最大トルクとも向上した。
中古車市場には約270台の「320d」が流通。
生産終了から4年以上経過したことでリーズナブルな価格帯になっており、走行距離5万km未満の物件でも総額80万円台前半から狙える。
デザイン変更がされた2015年9月以降のモデルでも、総額120万円から狙うことができる。
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BMW 3シリーズ(F30型) × ディーゼル車※記事内の情報は2023年4月20日時点のものです。
自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。