【2023年】かっこいい車ベスト30|独断と偏見で選ぶランキング上位の国産&輸入車は?
カテゴリー: 特選車
タグ: トヨタ / 日産 / マツダ / いすゞ / メルセデス・ベンツ / アウディ / フォルクスワーゲン / キャデラック / ジープ / ロールスロイス / ランドローバー / MG / ローバー / ボルボ / シトロエン / フェラーリ / ランボルギーニ / アルピーヌ / セダン / リムジン / ハッチバック / クーペ / ステーションワゴン / SUV / オープンカー / ピックアップ / かっこいい / RAV4 / センチュリー / プレジデント / フィガロ / フェアレディZ / Gクラス / ディフェンダー / ゴースト / 458イタリア / ロードスター / タイプI / 240エステート / TT / パオ / 117クーペ / ラングラー / ハリアー / サニートラック / ランドクルーザー70 / レンジローバーイヴォーク / ミニ / アヴェンタドール / 2CV / エスカレード / A110 / FJクルーザー / CX-5 / GR86 / 伊達軍曹
2023/04/13
「とにかくかっこいい車」をタイプ別に一挙紹介!
車にとって性能や実用性はもちろん大切な要素でしょう。しかし、世の中には「いや、自分は性能うんぬん以上に“かっこよさ”を大事にしたいのだ!」と考えている人も決して少なくないはず。
そこでこの記事では、「かっこいい」を「スタイリッシュ」「ゴツい&イカつい」「クラシカルで渋い」という3つの方向性に分け、超絶独断でセレクトした合計30モデルの「とにかくかっこいい(と思える)車」を一挙紹介します!
目次
- そもそも「かっこいい車」とは?
- 「かっこいい車」を3つにタイプ分けすると?
- 【スタイリッシュ系 かっこいい車ベスト10】
- 1. 日産 フェアレディZ(RZ34型)
- 2. アウディ TT(初代)
- 3. フェラーリ 458イタリア(初代)
- 4. ランボルギーニ アヴェンタドール(初代)
- 5. トヨタ GR86(初代)
- 6. アルピーヌ A110(2代目)
- 7. マツダ ロードスター(ND型)
- 8. ランドローバー レンジローバーイヴォーク(初代)
- 9. トヨタ ハリアー(4代目)
- 10. マツダ CX-5(2代目)
- 【ゴツい&イカつい系 かっこいい車ベスト10】
- 1. ジープ ラングラー アンリミテッド(JK型)
- 2. メルセデス・ベンツ Gクラス(初代)
- 3. ランドローバー ディフェンダー(2代目)
- 4. トヨタ ランドクルーザー70(初代)
- 5. トヨタ FJクルーザー(初代)
- 6. トヨタ RAV4アドベンチャー(4代目)
- 7. キャデラック エスカレード(3代目)
- 8. トヨタ センチュリー(2代目)
- 9. 日産 プレジデント(3代目)
- 10. ロールスロイス ゴースト(初代)
- 【クラシカル&渋い系 かっこいい車ベスト10】
- 1. ローバー ミニ(初代)
- 2. いすゞ 117クーペ(初代)
- 3. ボルボ 240エステート(初代)
- 4. シトロエン 2CV(初代)
- 5. 日産 パオ(初代)
- 6. 日産 フィガロ(初代)
- 7. フォルクスワーゲン タイプⅠ(初代)
- 8. 日産 サニートラック(2代目)
- 9. マツダ ロードスター(NA型)
- 10. MG B(初代)
そもそも「かっこいい車」とは?
「かっこいい車」と言われても、その定義はきわめて曖昧である。ある人は、霧に煙る港町にたたずむ2シータークーペを見て「うおっ、かっこいい!」と感じるかもしれないし、また別のある人は、「収穫したサトイモを満載して農道を走る軽トラこそがかっこいいのだ!」的な美意識を持っているかもしれない。要するに、その定義は十人十色である――ということだ。
だが、それを承知のうえであえて定義づけをしてみるとしたら、以下のとおりとなるだろう。
「かっこいい車=最大公約数的なフォルムから、不必要なほどに逸脱している車」
車というものを「便利で経済的な移動手段」と考える場合、そのフォルムは、今現在の主流である「ちょっとだけ丸みを帯びた箱型の車」に集約する。それが人と荷物をなるべく効率的に載せたうえで、なるべく効率的に燃料(または電気)を使って走らせるための“最大公約数”的なフォルムだからだ。
人は、そういった最大公約数的な車に対して「あぁ便利だ!」と思うことはあっても、「あぁ、なんてかっこいいんだ!」と思うことはあまりない(希に、そう感じる人もいるかもしれないが……)。
人が「あの車、かっこいいかも!」と感じるのは、最大公約数的フォルム=便利で効率的な形状から大きく逸脱している車を見たときだ。
どう考えても人員は乗せにくいだろう、低く構えたフォルムのクーペ。「……戦争にでも使うのか?」と思ってしまうほどゴツいSUV。現代社会の効率性や安全観をまるで無視したうえで存在している、クラシックな車。
他にもあるかもしれないが、これらのような「合理性からの逸脱」に成功(?)している車を、人間の目と心は「かっこいい!」と認識するのである。
「かっこいい車」を3つにタイプ分けすると?
前項では思わずやや観念的な話になってしまったが、もっと端的に「かっこいい車にはどんなタイプがあるか?」と考えるなら、主には下記の3タイプが代表的なものとなるだろう。
フェラーリやランボルギーニ、あるいは日産 フェアレディZなどに代表される「ワイド&ローフォルムのスタイリッシュなスポーツカー」は、「かっこいい車」の代表格だろう。
またワイド&ローなフォルムではなくても、トヨタ ハリアーのような「流線型を意識したフォルムの車」は、スタイリッシュであると認識されやすい。
ワイド&ローとは対極的なフォルムだったとしても、そこに強烈な「ゴツさ」と「迫力」がある場合、ある種の人はそこに「かっこよさ」を見いだす。
具体的にはメルセデス・ベンツ Gクラスやジープ ラングラーなどであり、セダンであっても日産 プレジデントのような四角くデカい車は、このタイプのかっこよさに該当してくる。
基本的には「古い」というただそれだけでも、車というのはなんとなく渋さとツウっぽさが付帯してくるため、ほぼ自動的に「かっこいい(またはカワイイ)」と認識される。
とはいえ、そこにさらに“美しさ”も加われば鬼に金棒である。具体的には1970年代のいすゞ 117クーペなどが、それに該当するだろう。
ではこれから、それぞれのタイプ別に「かっこいい車」を10モデルずつ紹介していこう!
スタイリッシュ系 かっこいい車ベスト10
まずは都会的で高級感がある「スタイリッシュ系」のかっこいい車10モデルをご紹介しよう。クールにキメたいあなたにオススメのセレクトだ。
1:日産 フェアレディZ(RZ34型)
●中古車流通台数:約20台
●中古車価格:総額780万~1300万円
●新車時価格:524.2万~696.6万円
ロングノーズ、ショートデッキ、ハッチゲートをもつファストバックスタイル、鮮やかなボディカラー、スポーツマインドを感じさせるが、過度に武闘派すぎないニュアンスのインテリアデザイン――など、スタイリッシュ系スポーツクーペのお手本ともいえる1台。
古典へのオマージュとリスペクトを前面に出しつつも、決して「単なる懐メロ」ではなく、きちんと「現代社会をリアルに生きるサムシング」として作られている点が、2022年夏に誕生したこの車のかっこよさの本質だ。
あまりにもスタイリッシュゆえに「ジャージ姿で運転できない」「あまりにも人気があるため中古車価格が高い」などの難点(?)はあるが、それでも、このかっこよさに対してなら「人生を棒に振ってもいい!」と思えてしまうほどの、魔力的なかっこよさを秘めた1台である。
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日産 フェアレディZ(RZ34型)2:アウディ TT(初代)
●中古車流通台数:約70台
●中古車価格:総額40万~210万円
●新車時価格:470万~562万円
ドイツのアウディ社が作っている2+2クーペの初代モデルである。
走行性能に関しては、この初代よりも2代目のほうがぜんぜん上で、さらには3代目(現行型)のほうが100倍ほど(?)優秀なのだが、「かっこよさ」だけで言うならば、初代こそが100点満点である。2代目以降もかなりかっこいいのだが、デザインがやや「最大公約数的」に変化してしまったのだ。
その点この初代はバリバリのアバンギャルド(前衛)である。執拗に“円”のイメージを繰り返しているエクステリアデザインはどこか現代アート的であり、アルミ削り出しのパーツを使っているインテリアも渋い。
スタイリッシュでありつつ、どことなく「アート方面の造詣も深そうな人」に見えるのが、この初代アウディ TTという車だ。できればフルノーマルでキレイに乗りたい。
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アウディ TT(初代)3:フェラーリ 458イタリア(初代)
●中古車流通台数:約40台
●中古車価格:総額2000万~4000万円
●新車時価格:2380万円
こちらも先述のアウディ TT同様に走行性能だけでいえば、後継モデルである488GTBなどのほうが明らかにハイパフォーマンスではある。だが「かっこよさ」については、2015年に販売を終えた3世代前のモデルである458イタリアに軍配が上がるだろう。イタリア車に対して「軍配」という単語を使うのが適切かどうかはさておき。
後継モデルである488GTBと、こちら458イタリアとのデザイン上の差異は「微妙に違うだけのような気もするし、大きく違うような気もするし……」という、なんとも微妙なものだ。
この微妙さは「誰がデザインしたのか?」という部分に負っているのだろう。458イタリアが、それまでフェラーリの市販車をデザインしてきたイタリアの名門カロッツェリア「ピニンファリーナ」の手によるデザインであるのに対し、488GTBはフェラーリ社の内製だ。
「微妙なタッチの違い」が結果に大きな影響を与えるというのは、車のデザインも絵画も書も同じこと。「アグレッシブなのだが、同時に可憐でもある」という絶妙なタッチは、やはりピニンファリーナならではのものだったのだろう。
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フェラーリ 458イタリア(初代)4:ランボルギーニ アヴェンタドール(初代)
●中古車流通台数:約60台
●中古車価格:総額3900万~1億1000万円
●新車時価格:4100.3万~5670.3万円
あまりにも高額な車ゆえ紹介するのもはばかられるが、「スタイリッシュ系のかっこいい車」といえば、これを省略するわけにもいくまい。イタリアンスーパーカーにおいてはフェラーリと対を成すもう一方の雄、ランボルギーニのV12エンジン搭載モデルである。
「スーパーカー」という概念を煮しめてカタチにしたようなフォルム。人間の、主に男性が本能的に有している「攻撃性」のようなものを、ある種の美として昇華させたかのようなたたずまい。そして上方に向かってズサッと開くシザーズドア。
……まぁ多くの言葉は必要あるまい。とにかく「スーパーカー」の化身であり、権化である。一番安いモノでも総額4000万円近くになるそのプライスも、ある意味かっこいい。
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ランボルギーニ アヴェンタドール(初代)5:トヨタ GR86(初代)
●中古車流通台数:約210台
●中古車価格:総額300万~600万円
●新車時価格:279.9万~363.2万円
ランボルギーニ アヴェンタドールという、購入検討対象としてはあまりにも非現実的なモデルを紹介してしまったから――というわけでもないのだが、こちらトヨタ GR86は、スタイリッシュ系のかっこいい車の中ではかなりリーズナブルであり、それでいて「安っぽさ」みたいなものは感じさせない秀逸な存在だ。
前身にあたるトヨタ 86(2012~2021年)は、失礼ながら「一部に子供っぽさが感じられるデザイン」であると個人的には思っていたが、現行型であるGR86は大人の鑑賞眼に耐えうるスタイリッシュさがあり、どことなくフランスの「アルピーヌ A110」に通じる世界観を持っているように感じられる。
とはいえ、下品な運転や下品な改造をすると途端にガキっぽくなってしまう可能性はあるが、キレイめに乗りこなせば、きわめてスタイリッシュに見えるはず。そしてコスパ(要は中古車価格)も、スポーツカーとしてのクオリティから考えればきわめて高い。
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トヨタ GR86(初代)6:アルピーヌ A110(2代目)
●中古車流通台数:約35台
●中古車価格:総額680万~1000万円
●新車時価格:790万~2400万円
前項にて「トヨタ GR86は、どこかアルピーヌ A110に近いスタイリッシュさがある」との旨申し上げたが、並べてみれば、やはりアルピーヌのほうがよりスタイリッシュであるように思う(※異論は認めます)。
伝説のフレンチスポーツカー「アルピーヌ A110」が40年の時を経て復活した本作は、初代のイメージを忠実になぞりつつも、それだけでは終わらない“現代感”を標準装備。ドイツや日本のスーパースポーツとは趣きが異なる「やわらかさ」のような部分も、このフレンチスポーツのかっこよさを引き立てている。また、「あまり多くの数が走っていない」という希少性も、ある種のユーザーにとっては満足感につながるポイントであろう。
決して安い車ではないが、総額680万円~という中古車価格は、少なくとも「現実的」ではある。
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アルピーヌ A110(2代目)7:マツダ ロードスター(ND型)
●中古車流通台数:約610台
●中古車価格:総額140万~540万円
●新車時価格:249.5万~342.2万円
「現実的なプライスで、なおかつスタイリッシュなスポーツカー」という意味では、コレも絶対に外せない。日本が世界に誇る軽量オープン2シータースポーツであるマツダ ロードスターの、現行モデルである。
マツダ ロードスターのデザインは2代目(1998~2005年)の際にやや迷走したような印象もあるが、2015年5月に登場した現行型4代目は、まさに「スタイリッシュなスポーツカーのお手本」と言いたくなるデザインに軌道修正。
地をはうような構えと、ロングノーズ&ショートデッキ。そしてシャープかつアグレッシブではあるのだが、どこか柔らかさも感じさせる顔つきなどは、日本が世界に誇れる“宝”と言っていい。
また、「固定屋根がない」「2人しか乗れない」といった“潔さ”も、この車のかっこよさを本質的に成り立たせている要素だ。中古車価格は、比較的低走行なモノでも総額約180万円から。……これはもう買うしかあるまい!
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マツダ ロードスター(ND型)8:ランドローバー レンジローバーイヴォーク(初代)
●中古車流通台数:約250台
●中古車価格:総額190万~550万円
●新車時価格:450万~855万円
ここまではスポーツカーのみを挙げてきたが、当然ながら「スタイリッシュで都会的」という概念はスポーツカーの専売品ではなく、流麗なデザインのSUVにも当てはまるものだ。いや、近年ではむしろSUVのほうが、古典的なスポーツカーよりも「断然スタイリッシュ!」とされる場合のほうが多いだろう。
そしてスタイリッシュなSUVというのはたくさんあるわけだが、代表的なのがコレだろうか。英国発祥のランドローバーブランドが製造販売しているコンパクトSUVの初代モデルだ。
この車のデザイン上のキーワードは要するに「クーペとSUVの融合」という近年ありがちなものだが、それをここまで上手に、そして美しくやりとげた例は、筆者は寡聞にして知らない。ランボルギーニ アヴェンタドールが「スーパーカーという概念の権化」であるならば、レンジローバー イヴォークは「スタイリッシュという概念の化身」であると言えるだろう。
2019年5月に発売された2代目のほうがよりスタイリッシュ(というか、より都会的)かもしれないが、あちらはまだ中古車価格もかなり高く、またデザインにおいて“大差”があるわけでもない。初代の状態良好な中古車で十分以上だ。
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ランドローバー レンジローバーイヴォーク(初代)9:トヨタ ハリアー(4代目)
●中古車流通台数:約2300台
●中古車価格:総額280万~730万円
●新車時価格:299万~620万円
「スタイリッシュさ」という観点だけでいえば、さすがにレンジローバー イヴォークにはかなわない部分も多いが、こちらトヨタ ハリアーの現行型も「都会的で上質なスタイリッシュ感」を強く感じさせる1台だ。
エクステリアは「スタンスのよいプロポーション」が重視されており、従来モデルより若干ロー&ワイド、そしてロングに変化。細部では、フロントまわりの薄いアッパーグリルと“切れ長”のヘッドランプに連続性をもたせることで、精悍かつシャープなイメージが強調されている。
希少性に欠けるのはややマイナスとなるポイントだが、そこさえ気にならないのであれば、ジャパニーズSUVとしてはトップレベルに「スタイリッシュでかっこいい!」と感じられるだろう。
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トヨタ ハリアー(4代目)10:マツダ CX-5(2代目)
●中古車流通台数:約2500台
●中古車価格:総額140万~440万円
●新車時価格:246.2万~417万円
ジャパニーズSUVの中では、こちらのモデルもかなりかっこいい。ご存じマツダのミドルサイズSUVの第2世代である。
2012年に発売された初代CX-5は、スタイリッシュなデザインであることを身上とする近年のマツダにしては、正直やややぼったいデザインであるようにも思えたが、2016年12月登場のこちら2代目はスーパースタイリッシュ。
「魂動デザイン」はより高い領域へと引き上げられ、艶やかさと精悍さを融合させたエクステリア、そして並み居る欧州車のセンスに決して負けていないインテリアは、「都市で映えるSUVの極致」と言っていいだろう。
2021年11月にデザインのリファインを行っているが、カタチ的なかっこよさでいえば前期型でも十分以上。ただし走りの部分に関しては、年式が新しければ新しいほど洗練されている。
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マツダ CX-5(2代目)ゴツい&イカつい系 かっこいい車ベスト10
続いては「ゴツい感じ」がたまらなくステキな「ワイルド系のかっこいい車」を10モデル紹介。
その迫力には、どうしたってある種の魅力を覚えずにはいられない!
1:ジープ ラングラー アンリミテッド(JK型)
●中古車流通台数:約540台
●中古車価格:総額170万~600万円
●新車時価格:379.1万~468.7万円
ワイルドなかっこよさが炸裂している車というのはたくさんあるのだが、その中でもナンバーワンを選ぶとしたらコレだろう。米国陸軍が第二次世界大戦時に使用していた軍用車「ジープ」の末裔である。基本となるのは3ドア版、しかし圧倒的に人気が高いのは5ドア版の「アンリミテッド」だ。
2018年11月に登場した現行型のほうが明らかに「運転しやすい」とはいえるのだが、現行型は微妙に丸みを帯びたフォルムに変更されたため、「ワイルド感」という部分はやや減じてしまっている。しかし、先代はあくまで直線基調のハードボイルド系。現代のジープ ラングラーはもはや軍用車ではないわけだが、どこか「軍用車に乗っているかのような気分」になるのは確かだ。
もちろんハードな悪路を走破することも得意とする車だが、舗装路を走っているだけでも、十分なワイルド感にひたることができるだろう。高い中古車はかなり高いが、総額280万円付近のゾーンでもまずまず好条件な1台が見つかるはずだ。
▼検索条件
ジープ ラングラー (JK型) × アンリミテッド系2:メルセデス・ベンツ Gクラス(初代)
●中古車流通台数:約340台
●中古車価格:総額390万~2400万円
●新車時価格:793万~1789万円
こちらは米国陸軍ならぬNATO(北大西洋条約機構)に制式採用された軍用車の民生版。先代のジープ ラングラー アンリミテッドと同じく、四角四面な「いかにも軍用車っぽいフォルム」と、軍用車ならではの抜群の悪路走破性能が魅力となる。
これも現行型(2018年6月~)のほうが明らかに運転しやすく、各部もかなり現代的かつ快適になっているのだが、フォルムがやや丸っこくなったということもあって、「ワイルド感」という部分では先代に少々劣る。この四角四面な感じこそが、ここでいうかっこよさの源だ。
1990年代や2000年代のモデルは「シンプルでハードボイルドなワイルド系」といった雰囲気だが、2010年代後半のモデルはけっこうキラキラしたセレブ系っぽいビジュアルに変化している。どちらを選ぶのもお好み次第だが、2010年代後半のキラキラ系は中古車価格800万円以上になる場合がほとんどだ。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ Gクラス(初代)3:ランドローバー ディフェンダー(2代目)
●中古車流通台数:約20台
●中古車価格:総額500万~750万円
●新車時価格:425万~445万円
先ほどから軍用車の話ばかりで恐縮だが、こちらは英国のランドローバー社が製造し、各国の軍用車両や警察車両などとして使用されたモデル。ボディのエッジ部分とホイールアーチ以外は曲面というものがほとんどない、あくまでもまっ平らなボディパネルがひたすらワイルドでかっこいい。
……同じ話ばかりしているような気もするが、こちらも現行型はスタイリッシュで運転しやすく、かなり快適な感じに生まれ変わっているのだが、快適でスタイリッシュな分だけ、ワイルドさはやや弱い(といっても、他の一般的なSUVと比べれば現行型ディフェンダーも十分以上にワイルド系だが)。
先代の乗り心地ははっきり言ってあまり良くはないが、そこを含めて「自分だけの相棒!」といったニュアンスでワイルドに愛せるはずだ。
▼検索条件
ランドローバー ディフェンダー(2代目)4:トヨタ ランドクルーザー70(初代)
●中古車流通台数:約300台
●中古車価格:総額200万~700万円
●新車時価格:173.6万~360万円
現行型のトヨタ ランドクルーザーは「タフなクロカン四駆であると同時に、ラグジュアリーなプレミアムSUVでもある」といった感じの立ち位置になっているが、1984年から2004年まで販売され、その後2014年から2015年にかけても期間限定販売されたこちら“ランクル70”は、まごうことなきヘビーデューティ系。
現行型ランドクルーザー300や、先代であるランドクルーザー200のような快適性はほぼ皆無だが、「見た目的なかっこよさ(ワイルドなかっこよさ)」という点に関しては、こちらランクル70のほうが数倍は上であるように思える(※異論は認めます)。
本当は往年のディーゼルエンジンを搭載したランクル70がシブいとは思うが、ディーゼル規制の関係で、実際に乗るのはちょっと難しい。そのため、2014~2015年に期間限定で再発売されたガソリンエンジン搭載モデルを選ぶのが定石となる。その場合の予算目安は総額340万~550万円といったところだ。
▼検索条件
トヨタ ランドクルーザー70(初代)5:トヨタ FJクルーザー(初代)
●中古車流通台数:約440台
●中古車価格:総額180万~550万円
●新車時価格:314万~349.3万円
FJクルーザーは、2006年3月にトヨタが北米市場に投入したミドルサイズのSUV(※日本で使う分にはかなり大きめ)。往年の「ランドクルーザーFJ40」をイメージしたレトロなスタイルで大人気となり、2010年11月からは日本市場でも販売が始まったクロカン四駆だ。
フレーム構造のボディや車軸式のリアサスペンション、パートタイム式4WDなどを採用したヘビーデューティなクロカン四駆ではあるのだが、そのデザインはレトロでありつつも妙にポップで、そのあたりの良い意味でのアンバランスさが絶妙なかっこよさを生み出している。
中古車の流通量は豊富で、価格も上限は高いが、総額280万円前後のゾーンでも十分以上に好条件な1台を見つけることはできる。
▼検索条件
トヨタ FJクルーザー(初代)6:トヨタ RAV4 アドベンチャー(4代目)
●中古車流通台数:約790台
●中古車価格:総額270万~500万円
●新車時価格:313.7万~450.3万円
FJクルーザーやランドクルーザー70などのラダーフレーム構造となる本格四駆だと、さすがに乗り心地の面でちょっと……という場合は、モノコックボディとなるこちらでどうか? といっても、通常の現行型トヨタ RAV4は、いい車ではあるものの「ワイルド感」がいささか乏しいのが難点(?)ではある。
しかし、2019年4月のデビュー当初からガソリン車には設定されていた「アドベンチャー」というフロントフェイスが異なるグレードであれば、まずまずワイルド系なアピアランスを堪能できる。特に「アーバンカーキ」というボディ色であれば、ちょっとゴツめなワイルド感が強調されるだろう。
また、2020年10月に発売された「アドベンチャー オフロードパッケージ」という特別仕様車は、ブリッジ型ルーフレールや18インチのオールテレインタイヤ、マットブラック塗装が施されたアルミホイールなどによる「さらなるワイルド感」が味わえる仕様だ。
ちなみに2021年12月には、ハイブリッド車にも「アドベンチャー」が追加されている。
▼検索条件
トヨタ RAV4 (4代目) × アドベンチャー7:キャデラック エスカレード(3代目)
●中古車流通台数:約30台
●中古車価格:総額630万~1000万円
●新車時価格:1149万~1416万円
「いやいや、RAV4なんか……と言っては失礼だが、とにかく自分はRAV4クラスではなく、もっとドドーンとビッグで超絶大迫力なSUVに乗りたいのだ!」とおっしゃるのであれば、コレしかないだろう。アメリカンラグジュアリーフルサイズSUVの最高峰、キャデラック エスカレードである。
現行型エスカレードは中古車でもまださすがに総額1500万円以上が相場となるが、2015年から2020年まで販売された先代モデルであれば、総額630万円からというまずまず現実的な予算で探すことが可能だ。
この車は全長:5195mm × 全幅:2065mm × 全高:1910mmとなる巨大なボディと巨大なフロントグリルも、そして最高出力426psの6.2L V8 OHVエンジンもとにかく「存在感として強烈すぎる!」といったニュアンスであるため、逆にオラオラ系な運転などする気も起きなくなる。
周囲の車に進路を快く譲りながら、ゆったりとした気分とペースで走っているこの車とこの車のドライバーは、かなりかっこいい存在といえるだろう。
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キャデラック エスカレード(3代目)8:トヨタ センチュリー(2代目)
●中古車流通台数:約70台
●中古車価格:総額80万~410万円
●新車時価格:925万~1253.8万円
「大迫力のワイルド系」というと、ついついキャデラック エスカレードのようなフルサイズSUVや本格クロカン四駆をイメージしてしまうが、当然ながらその他のボディタイプにも「大迫力のワイルド系」は存在している。例えば先代のトヨタ センチュリーだ。
トヨタ センチュリーは、ご存じのとおり大企業の重役さんが運転手付きで乗るタイプの超ラグジュアリーセダン。その現行モデルはV8エンジンをベースとするハイブリッド車に生まれ変わってしまったわけだが、2017年2月まで販売されていた先代のセンチュリーは、国産車唯一のV12エンジンを搭載するド迫力な1台だった。
ちなみにボディサイズのほうも全長:5270mm × 全幅:1890mm × 全高:1474mmと、なかなかのド迫力である。
本来は運転手さんが運転する類の車ではあるが、これをプライベートカーとして使用している人もけっこういて、5L V12エンジンのパワーとトルク、そして静けさはとにかく超絶レベルであるとのこと。そして中古車は、安い部類のモノであれば総額100万円前後から探すことも十分可能なのだ。
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トヨタ センチュリー(2代目)9:日産 プレジデント(3代目)
●中古車流通台数:約35台
●中古車価格:総額80万~280万円
●新車時価格:597万~916万円
「トヨタ センチュリー的車の日産バージョン」といえるのが、同じくショーファードリブンカーである日産 プレジデントだ。
といっても、2003年から2010年まで販売された最終型(4代目)のプレジデントは「日産 シーマ」とコンポーネンツを共用するモデルになったのだが、1990年から2003年まで販売された3代目は、完全オリジナルの超高級サルーン。
さすがにエンジンは先代トヨタ センチュリーのようなV12ではないが、4.5L V8エンジンのパワーとトルクは(当然ながら)十分以上であり、全長:5225mm × 全幅:1830mm × 全高:1425mmというボディサイズから生まれる迫力もかなりのもの。
それでいて中古車は(実は)総額80万円程度から狙えてしまうというのも、この車の面白いところだ。
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日産 プレジデント(3代目)10:ロールスロイス ゴースト(初代)
●中古車流通台数:約50台
●中古車価格:総額1300万~3400万円
●新車時価格:2940万~4118万円
「いやいや、センチュリーもプレジデントもまだ甘い! 自分はさらなる頂点を目指したい!」というのであれば、狙うべきは英国の「ロールスロイス」になるだろうか。中古車市場では様々なロールスロイス車が販売されているが、その中でも流通量が比較的豊富で、価格も比較的安価(?)なのが初代ロールスロイス ゴーストだ。
ロールスロイス ゴーストは、同社の最上級セダンであるファントムをひと回りコンパクトにしたというニュアンスの1台。もちろんコンパクトといっても、それは「ロールスロイスの基準で言えば」であって、実際のボディサイズは全長:5400~5570mm × 全幅:1950mm × 全高:1550mmと、トヨタ センチュリーよりも大きいぐらいなので、心配はいらない。
そして搭載エンジンは、最高出力570psの6.6L V12ターボ。……まるで雲の上を滑るかのような乗り心地を誇るロールスロイス ゴーストを「ワイルド系」と呼んでいいものかどうかはさておき、他のすべてを圧倒するほどの存在感を備えた「大迫力の1台」であることだけは間違いない。
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ロールスロイス ゴースト(初代)クラシカル&渋い系 かっこいい車ベスト10
特別スタイリッシュなわけでも、ド迫力ボディじゃないとしても、妙にかっこよくて渋く見えるのが「クラシカルな車」。
最後は、レトロなイメージがたまらなくかっこいい10モデルを紹介します!
1:ローバー ミニ(初代)
●中古車流通台数:約350台
●中古車価格:総額80万~400万円
●新車時価格:139万~249万円
ドイツのBMWが作っている現行世代のミニもおしゃれな車ではあるが、「渋さ」に関しては、英国製のこちらのほうが数十倍は強烈だ。1959年から2000年まで一度もフルモデルチェンジされることなく作り続けられた、コンパクトカーの世界的傑作である。
英国トラッドなニュアンスの衣服および靴を着用して乗るように心がければ完璧だが、そこまでしなくても、普通にきれいめなファッションでこれに乗るだけで、どこからどう見ても“粋人”に見えてしまうはずだ。
このクラシカルな感じ(というか1959年頃ほぼそのままの、リアルクラシックな感じ)とこの“小ささ”は、他の車では絶対に出せない味である。
とはいえ、車内は意外と広く……いや決して広くはないのだが、大柄な人が乗っても、なぜかあまり窮屈ではない。近年は中古車価格が上がってしまっているが、まだまだ「現実的な価格」の範囲内ではある。
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ローバー ミニ(初代)2:いすゞ 117クーペ(初代)
●中古車流通台数:約20台
●中古車価格:総額190万~410万円
●新車時価格:172万円~
「クラシカルでおしゃれな車」というと、ほぼ自動的に輸入車(特に欧州車)が連想されるかもしれないが、我がニッポンにも主に1970年代、超絶おしゃれでかっこいい車が存在していた。世界的な工業デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロがデザインを担当した、いすゞの乗用車である117クーペだ。
車全体のフォルムがとにかくかっこいい車だが、前後のホイールアーチに呼応してうねるフェンダーのラインは特に、現代の車ではほぼ絶対に味わえない“美”にあふれている。この美しい車を、カーマニアっぽい感じではなくさらりと自然体に乗りこなせたら、それはもう「死ぬほどかっこいい!」としか言いようがないだろう。
古い車なので当然ながらメンテナンスフリーではないが、この車を専門に扱っているショップを頼れば、意外と普通に維持することも可能だ。
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いすゞ 117クーペ(初代)3:ボルボ 240エステート(初代)
●中古車流通台数:約50台
●中古車価格:総額140万~300万円
●新車時価格:393万~418万円
いすゞ 117クーペもかなりステキだが、「さすがにちょっと古すぎる」と感じる場合にはコレでどうか? 1974年発売と設計は古いが、1993年まで新車販売が続いていたボルボのステーションワゴン、240エステートだ。
もちろん細かな変更点はあるものの、メカニズムとデザインの基本は1970年代のそれが最後まで不変であったため、「クラシカル」というよりも「リアルクラシック」であるという点が、まずはこの車の魅力となる。
それに加えて、なんだかんだの改良を加えながら1993年まで基本的な形は変えずに製造と販売が続いたため、「まあまあ新しい年式の車両を買うことができる」というのも、ボルボ 240エステートという車の大きな魅力だ。
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ボルボ 240エステート(初代)4:シトロエン 2CV(初代)
●中古車流通台数:約10台
●中古車価格:総額190万~240万円
●新車時価格:―
前掲のボルボ 240エステートもシーラカンス的な車だが、よりシーラカンス度が高いのがこちら、フランスのシトロエン 2CVだ。最初の発売はなんと1948年。そこから1990年まで、基本設計と基本的なカタチを変えずに製造と販売が続けられた1台である。
ボーダーの長袖Tシャツやツイードのジャケットなどを着用しつつこの車に乗るのは「おしゃれの極み」と言える行為だが、問題は「今の交通環境で、基本設計が1948年だった車を普通に安全に乗れるのか?」ということだ。
結論を申し上げると、乗れる。筆者も10年ほど前、この車に普通に乗っていた。もちろんあまりスピードは出ないが、ちょっと気を使いながら運転するようにすれば、一般道も高速道路も何ら問題なく走ることが可能なのだ。まぁエアコン(クーラー)がないので真夏は大変だが、それ以外は本当におしゃれで楽しい車である。
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シトロエン 2CV (初代)5:日産 パオ(初代)
●中古車流通台数:約50台
●中古車価格:総額50万~210万円
●新車時価格:138.5万~154万円
前掲のシトロエン 2CVは本当にオススメできる「ある意味かっこいい車」だが、それなりの覚悟がないと乗れない車であることも事実だ。そのため「もう少し気楽な感じで乗れるクラシカルな車はないものか?」と思う人も少なくないだろう。
そんな場合には、日産が1989年に発売した日産 パオがオススメとなる。
日産 パオは、当時の日産 マーチをベースに作られた車。鉄板むき出しに見えるボディパネルや各ドアのアウターヒンジ、1メーターのダッシュパネルとクラシカルな2スポーク大径ハンドルなどに代表される独特なデザインは、新車当時は「なんちゃってクラシック」に感じられたものだが、あれから30年以上の月日がたったことで、なんちゃってだったパオは「リアルクラシック」になった。キレイに乗れば、かなりおしゃれでかっこいいだろう。
とはいえ中身はマーチなので、シトロエン 2CVと違って比較的気楽に乗り、維持することもできるわけだ。
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日産 パオ(初代)6:日産 フィガロ(初代)
●中古車流通台数:約40台
●中古車価格:総額120万~280万円
●新車時価格:187万円
日産が1990年前後に作っていた「パイクカー」の中では、コレも外すことができない。パオと同じく当時のマーチをベースに作られたクラシカルな小型オープンカーの日産 フィガロである。
アクリルコーティングが施されたホワイト革仕上げのルーフは超絶おしゃれで、スイッチ類やメーターまわりにメッキが施されたインテリアもかなりステキ。某人気ドラマの主人公「右京」が劇中でこれを愛車としていたのは有名な話だが、世界的にも実は大人気で、英国のオーナーズクラブもかなり盛り上がっているらしい。
販売終了から30年以上がたった今も中古車価格は上がり続けているが、それでも「非現実的な相場」にはなっていない。総額200万円台の予算を投じるつもりがあれば、レストア済みの1台が見つかるはずだ。
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日産 フィガロ(初代)7:フォルクスワーゲン タイプⅠ(初代)
●●中古車流通台数:約90台
●中古車価格:総額120万~500万円
●新車時価格:―
「1990年頃のパイクカーも悪くはないが、自分はやっぱり“リアルクラシック”な車が好きだ」とおっしゃるのであれば、狙い目のひとつはフォルクスワーゲン タイプⅠ、「ビートル」という愛称で知られているあの車になるだろう。
もともとは1930年代、当時のドイツの「国民車構想」に基づいてフェルディナント・ポルシェによって設計された車で、第二次世界大戦後に量産を開始。それ以来2003年まで、基本的なカタチは不変なまま製造販売された。
とにかく問答無用でかっこいい(というかレトロでおしゃれな)車であるのはもちろんのこと、専門店やアフターパーツの数も世界的に豊富であるため、古い車であるにもかかわらず「普通に維持できて、なおかつカスタマイズも楽しめる」というのがまずは魅力。
そしてドイツでの生産が終了した後も2003年までメキシコで新車の製造が続いたため、「けっこう新しい年式が買える」というのも、“ビートル”の素晴らしいところだ。
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フォルクスワーゲン タイプⅠ(初代)8:日産 サニートラック(2代目)
●中古車流通台数:約20台
●中古車価格:総額120万~210万円
●新車時価格:―
前掲のフォルクスワーゲン タイプⅠとボディタイプはまったく異なるが、「人々から長~く愛され続けている」という点において少し似ているのが日産 サニートラック。初代は1967年に登場し、2代目は1971年に登場した、当時の日産 サニーをベースとするピックアップトラックだ。
なんだかんだで国内では1994年まで販売されたが、その後もファンの間で人気を維持し続け、今でも海辺に行けばコレにサーフボードを積んでいるユーザーをしばしば目にする。ヘビーデューティなたたずまいとリアルクラシックである点、そして思い思いのカスタマイズも楽しめるという点が、ひたすらかっこいい存在である。ちょっとローダウンさせた“サニトラ”は特に渋いかも!
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日産 サニートラック(2代目)9:マツダ ロードスター(NA型)
●中古車流通台数:約180台
●中古車価格:総額70万~360万円
●新車時価格:169万~340万円
コレも、もはや「クラシカルで渋い」と評すべきお年頃だろう。1989年に発売され、世界に衝撃を与えた軽量オープン2シーター、初代マツダ ロードスター(当時の呼び名はユーノス ロードスター)である。
過剰な装飾を排したシンプルなボディは美しさと同時に「禅の精神」のようなものも感じさせるが、レザーとウッドを多用したインテリアは、どこか往年の英国車の精神も感じさせる。これのボディをなるべくキレイに磨いて、なおかつちょっとおしゃれをしたうえで、なるべく屋根を開けて走れば――そこはもう渋さの極致である。
まぁ渋さうんぬん以上に「運転して超楽しい車!」というのがまずはあるわけだが、それと同時に、このクラシカルなニュアンス(というか、もはやリアルクラシックであること)が、なんともかっこよく思えるのだ。
ここ最近はずいぶん中古車価格が上がってしまったが、それでも総額200万円前後で、まずまず好条件な1台が確実に見つかるだろう。
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マツダ ロードスター(NA型)10:MG B(初代)
●中古車流通台数:約10台
●中古車価格:総額290万~420万円
●新車時価格:―
「初代マツダ ロードスターも十分以上に渋いが、自分はさらに渋い“本場のライトウェイトオープン”がかっこいいと思うのだ」という人もいらっしゃろう。その場合は軽量オープンスポーツの本場、すなわち英国のMG Bが狙い目となる。
この場合、初代マツダ ロードスターが手本とした初代ロータス エランでもいいというか、むしろエランのほうが適切なのかもしれないが、いかんせん初代ロータス エランの中古車はかなり高額で、そもそもほとんど流通していない。となれば、次善の策としてMG Bがオススメとなるのだ。
MG Bのビジュアルが初代ロードスター以上に渋いのは、単純に年季が入っているから。やはりせいぜい約30年前の車である初代マツダ ロードスターは、40~60年前の車であるMG Bに、こと“たたずまいの渋さ”という面ではかなわないのだ。
古い車ゆえメンテナンスが心配かもしれないが、専門店にて最初の段階でケチらずにビシッと整備しておけば、その後はさほどの手間はかからずに維持できるケースが多いだろう。
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MG B(初代)自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。