トヨタ新型ノア・ヴォクシーの違いは? 買うならどっち? 中古車価格も紹介!
2023/04/10
新型ノア/ヴォクシーの違いは? 共通点は? 買うならどっち?
2Lクラスのミドルサイズミニバンとして、日産 セレナ、ホンダ ステップワゴンなどとともに多くの人から選ばれているトヨタ ノア/ヴォクシー。
室内が広く、便利に使えるので人気が高いモデルですが、同じような車が2モデル存在するので、どちらを選んだらいいかわからないという人もいるはず。
そこで今回は、ノアとヴォクシーの特徴や違い、共通点などを解説します。
トヨタ ノア/ヴォクシーってどんな車?
車は自動車メーカーが製造を行い、系列の販売会社が販売するという仕組みをとっています。大きなメーカーだと複数の販売会社で別の車を販売するというスタイルが取られていました。
トヨタもまさにそのスタイルで、過去にトヨタ店/トヨペット店/トヨタカローラ店/ネッツ店(ネッツトヨタ店とトヨタビスタ店が統合)があり、1990年代にはトヨタカローラ店からタウンエースノア、ネッツトヨタ店からライトエースノアを販売していました。
ミニバンは1996年に登場したホンダ ステップワゴンがメガヒット。これによりキャブオーバー車の派生モデルではなくFFの乗用車的なミニバンが主流になります。トヨタもその流れに乗り、2001年11月のフルモデルチェンジでタウンエースノアをノア、ライトエースノアをヴォクシーとして販売します。
タウンエースノア/ライトエースノア時代はグリルデザインが異なる程度でしたが、ノア/ヴォクシーになると車名だけでなくデザインも大きく変えてより幅広い人に訴求する戦略を取りました。
ノアは比較的プレーンなデザインで落ち着いたファミリー層を狙い、ヴォクシーは押し出し感のあるデザインで強い父親をイメージさせたのです。
この狙いは見事に当たり、ノア/ヴォクシーそれぞれにファンがつきました。ノア/ヴォクシーは2代目以降も基本的にはこの方向性を踏襲しながら進化。そして販売会社が統合され、全店で全車を扱うようになってからフルモデルチェンジした現行型(4代目)でもノアとヴォクシーは別のモデルとして販売されているのです。
兄弟車である新型ノアとヴォクシーには共通する部分もたくさんあります。例えばボディサイズはどちらも全長4695mm×全幅1730mm×全高1895mmでホイールベースは2850mm。パワートレインは2Lガソリンと1.8Lハイブリッドが用意され、搭載される安全装備も共通です。
一方で、違う部分もあります。次の章で新型ノアとヴォクシーの違いを見ていきましょう。
新型ノア/ヴォクシーの違い
現行型のノアとヴォクシーではラインナップが大きく異なります。ノアには標準モデルとエアロモデルの2タイプあるのに対し、ヴォクシーはエアロモデルのみラインナップしています。
ノアの標準モデルはエントリーグレードのX(7人乗り/8人乗り)、中間グレードのG(7人乗り/8人乗り)、上級グレードのZ(7人乗り)の3タイプ。エアロモデルは中間グレードのS-G(7人乗り/8人乗り)と上級グレードのS-Z(7人乗り)の2タイプになります。
それぞれガソリン車とハイブリッド車、FFと4WDが用意されていますが、ハイブリッドの4WD(E-Four)は全グレード7人乗りになります。
一方、ヴォクシーはエアロモデルのみで、中間グレードのS-G(7人乗り/8人乗り)と上級グレードのS-Z(7人乗り)の2タイプ。
ノア同様にガソリン車とハイブリッド車、FFと4WDが用意され、ハイブリッドの4WD(E-Four)は全グレード7人乗りになります。
ノアとヴォクシーの、外観上の大きな違いはフロントフェイス。
ノアは精悍な印象を与えるデザインで、エアロモデルは大型のグリルが特徴的です。リアコンビネーションランプはブラック塗装の中に赤いLEDレンズが配置されています。
一方、ヴォクシーは独創的な印象を感じさせるスタイルになっています。ライトは上中下の3分割になっていて、上部の薄いライトがシグネチャーとウインカー、中央がヘッドライト、グリルの中に隠れる下段ライトが薄暮灯(S-Zのみ)になります。
また、ヴォクシーはクリアタイプのリアコンビネーションランプになります。
インパネデザインは基本的には共通ですが、ヴォクシーの上級グレードには青ステッチが施されています。
シートはノア/ヴォクシーともに上級グレードが合成皮革+ファブリック、中間グレードが上級ファブリックとなります。
上の写真はそれぞれS-Zのものですが、シートの柄が異なることがわかります。表皮を織り込んだようなデザインのヴォクシーの方がよりエレガントなイメージになっています。
そして、ヴォクシーには設定がないノアのエントリーグレードのシートは標準的なファブリックです。
また、ノアには内装色のバリエーションもあるので、幅広い選択肢から選びたい人にはノアがオススメです。
なお、荷室容量や荷室の機能はノア/ヴォクシーともに同内容となります。
新型ノア/ヴォクシーにはそれぞれハイブリッドとガソリンモデルがラインナップされており、パワートレインは全く一緒です。
そのため、エアロモデルのWLTC燃費はどちらもハイブリッドが23.0km/Lで、ガソリンが15.0km/Lになります(FF車)。
ただ、ヴォクシーには設定のないノアの標準モデルは、エアロモデルよりも車両重量が軽いため、中間グレードのGとエントリーグレードのXで、ハイブリッドが23.2~23.4km/L、ガソリンモデルで15.1km/L(いずれもFF)とわずかに燃費が良くなっています。
少しでも燃費性能にこだわるなら、ノアの標準モデルがオススメと言えるでしょう。
新型ノア/ヴォクシーの新車&中古車価格
新型ノアとヴォクシーの新車価格は以下のとおり。
■ノア
標準モデル(ガソリン):267.0万~343.8万円
標準モデル(ハイブリッド):305.0万~381.0万円
エアロモデル(ガソリン):304.0万~351.8万円
エアロモデル(ハイブリッド):339.0万~389.0万円
■ヴォクシー
ガソリン:309.0万~358.8万円
ハイブリッド:344.0万~396.0万円
装備内容は基本的に同一ですが、ノアのエアロモデルとヴォクシーを比較すると、ヴォクシーの方が5万~7万円ほど高くなっています。これは外装デザインの違いによるものでしょう。
そして、ノアの標準モデルはエアロモデルより37万円ほど安くなっているため、購入費用を抑えたい人にオススメです。
ただし、2023年4月上旬時点で納期はどちらも「6ヵ月以上」となっている点には注意が必要です。(※公式サイトの情報)
両モデルの中古車に注目すると、ノアの中古車は340台ほど流通していて、価格帯は総額270万~540万円という状況。
ヴォクシーは580台ほど流通していて、価格帯は総額330万~560万円となっています。
パワートレイン別に見ると、どちらもガソリン車の流通量がかなり多くなっており、ハイブリッド車は少なめ。
そのためか、新車時価格を超えるものも見つかりますが、中にはオプション装着車やカスタムされたものもあるため、しっかりとチェックするようにしてください。
まだデビューから1年少々しか経っていないこともあり、平均走行距離はどちらも2000km程度と少なめなので、新車に近いコンディションが期待できる物件も多いのが特徴です。
▼検索条件
トヨタ ノア(4代目・現行型)×全国▼検索条件
トヨタ ヴォクシー(4代目・現行型)×全国新型ノア/ヴォクシー、選ぶならどっち?
まず「エアロモデルはちょっと派手すぎる……」という人は、迷わずノアを選びましょう。新車・中古車ともに「少しでも安く買いたい」という人もノアの標準モデル一択です。
「黒以外の内装色が欲しい」人もノアの標準モデルに注目。標準モデルは黒内装の他、ダークブラウン(Z)、フロマージュ(G)、ダークグレー(X)が設定されています。
きらびやかなエアロモデルが欲しい人は、見た目の好みで選んでしまってOKです。ただ、ヴォクシーの方が少しだけ車両価格が高くなることは頭に入れておいてください。
なお、ノアとヴォクシーではボディカラーの設定が異なります。ノアにはレッドマイカメタリックという鮮やかな色が、ヴォクシーにはマッシブグレーというクールなイメージの色が用意されるので、このあたりも判断基準に加えて検討してみてください。
▼検索条件
トヨタ ノア(4代目・現行型)×全国▼検索条件
トヨタ ヴォクシー(4代目・現行型)×全国※記事内の情報は2023年4月3日時点のものです。
自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL