メルセデス・ベンツ GLAクラス▲国産クロスオーバー並みのコンパクトサイズからコンベンショナルな四駆まで、幅広いSUVラインナップを誇るメルセデス・ベンツ。今、中古車で注目の6車種を紹介する

価格帯別にオススメしたいメルセデス・ベンツのSUVを紹介

メルセデス・ベンツのSUVといえば、かつてはGクラスしかなかったが、今やSUVだけで20車種以上をラインナップ。サイズもバリエーションも豊かだ。

あまりにも車種が多すぎて、どれを選べば良いか分からない。国産しか乗ったことない自分にも買えるメルセデス・ベンツのSUVはある? という人もいるだろう。

そこで今回は“日本で乗りやすい”“中古車市場でのお買い得感が高い” をポイントに、3つの価格帯から計6車種をセレクトした。

 

【平均価格250万~300万円未満のオススメ①】GLAクラス(初代)

・新車時価格:422万~543万円
・中古車平均価格:約240万円

GLA(初代) ▲パンチドグリルが採用された後期型GLAクラス(初代)

■モデル紹介
数あるメルセデス・ベンツ製SUVの中でも、日本の道路事情に最もマッチしているモデルがGLAクラス。初代GLAクラスは2014年5月~2020年5月まで生産されていた。

全長:4430mm × 全幅:1805mm × 全高:1505-1510mmと、トヨタ C-HRやホンダ ヴェゼルなどの国産クロスオーバーとさほど変わらないコンパクトなボディサイズ、クーペと見紛う美しいボディラインがGLAクラスの魅力。

大抵の機械式駐車場に入る全高も都市部のユーザーにはありがたい。

ラインナップではFFの1.6L直4ガソリンターボ(「180」)とフルタイム4WDの2L 直4ガソリンターボ(「250」、「220」)、それぞれベースグレード、スポーツ、オフロードという3種類のスタイルがある。

2017年4月にフロントグリルやフォグランプ、バンパーなど大規模なデザイン変更を伴うマイナーチェンジが行われた。

GLA(初代) ▲三眼のエアコン吹き出し口が個性的なGLAクラス(初代)のインテリア

■中古車の相場状況+オススメ
中古車市場での流通台数は約320台。中古車平均価格は240万円前後と新車時価格よりも大幅にオトクな価格帯になっているうえ、今ならコンディションの良い物件が多数流通している。

FF(「180」)と4WD(「250」、「220」)の比率は中古車市場での割合はおよそ半々。価格の安さで選ぶなら「180」、余裕ある走り、走破性で選ぶなら「250」もしくは2017年9月に追加された「220」という選び方で良いだろう。

オススメはお買い得感のある「250」。実は後期の「220」より最高出力、最大トルクのスペックは上だ。

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【平均価格250万~300万円未満のオススメ②】Mクラス(3代目)

・新車時価格:797万~907.7万円
・中古車平均価格:約300万円

 Mクラス(3代目) ▲豪華な装備内容と本格的な悪路走破性能、実用性の高さがMクラス(3代目)の特徴

■モデル紹介
メルセデス・ベンツ製SUVラインナップの中では、ミドルクラスに位置づけられるMクラス。GLAクラスなどのクロスオーバーが登場した今となっては、オフロード志向強めのキャラクターでもある。

ミドルクラスとはいえ、そのボディサイズは全長:4845mm × 全幅:1950mm × 全高:1795mmと、トヨタ ランドクルーザープラドなどを上回る堂々としたもの。

エンジンのラインナップも3.5L V6ガソリン、3L V6ディーゼルの2種類と余裕たっぷり。メルセデス・ベンツらしさが感じられるSUVを、リーズナブルな価格で手に入れたい人にオススメのモデルだ。

なお、3代目は2015年11月に「GLEクラス」へと名称変更されており、3代目Mクラスとしての生産期間は約3年半と短かった。

 Mクラス(3代目) ▲インテリアの造形もエレガント。運転席からの視界は広い

■中古車の相場状況+オススメ
Mクラス(3代目)の中古車平均価格は約300万円。製造から7~10年ほど経過しているとはいえ、新車時の価格、本格的な走り、高級感を考えるとかなりリーズナブルといえるだろう。

生産期間が短かったゆえにマイナーチェンジの回数は少なかったが、2013年9月に先進安全装備であるレーダーセーフティパッケージと駐車時に便利な「360°カメラシステム」が追加された。コンパクトとは言えないボディサイズなので、予算が許すなら駐車支援システム付きの物件を選びたい。

2013年9月以降モデルの価格帯は総額230万~390万円となっている。
 

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【平均価格300万~500万円未満のオススメ①】GLC(現行型)

・新車時価格:768万~976.6万円
・中古車平均価格:約470万円

 GLC(現行型) ▲2019年10月の変更ではボンネットに2本の隆起したラインが入り、クローム仕上げのアンダーガードが備わった

■モデル紹介
Cクラスのプラットフォームをベースに、クロスオーバーSUV化したのがGLC。2016年2月にメルセデス・ベンツSUVのラインナップを拡充すべく登場した。

ボディサイズはMクラスよりもひと回りコンパクトで、全高も低く抑えられている。外観はワイルドさも狙ったSUVテイスト、インテリアはCクラスセダンの流儀に倣った品の良いデザインだ。

2L 直4ガソリンターボ・エンジン(「300」、「250」、「200」)を主軸に、2.1L 直4クリーンディーゼル(「220 d」)、プラグインハイブリッド(「350 e」)と多彩なパワーユニットを取り揃えているのも特徴。

2019年10月には内外装のデザイン変更を伴う大規模なマイナーチェンジが実施された。

 GLC(現行型) ▲流れるような美しいデザインのインテリア

■中古車の相場状況+オススメ
GLC(現行型)の中古車平均価格は470万円前後。ただし、価格帯は総額290万~860万円と幅広い。パワーユニットの違いにより、新車価格に大きな開きがあるからだ。

デビューから約7年たっていることもあり、中古車市場での流通量も約300台と多め。好みの物件を選びやすい状況にあると考えて良いだろう。

オススメはGLCの中古車全体の約6割を占め、価格的にもリーズナブルなディーゼル(「220 d」)だ。

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【平均価格300万~500万円未満のオススメ②】GLE(初代)

・新車時価格:896万~995万円
・中古車平均価格:約470万円

 GLE(初代) ▲MクラスからGLEとなったことで、グリルやバンパーまわりのデザインも変更されている

■モデル紹介
上記で紹介した3代目Mクラスが2015年10月に名称変更したモデルで、基本設計はMクラスの時代とほとんど変わっていない。

3代目Mクラスとの大きな違いは、パワーユニットが3L V6ディーゼル(GLE 350 d)のみに絞られたこと、ATが9速に多段化されていること(Mクラス時代は7速)だ。

デザイン面でも変更が加えられている。

2019年5月まで生産され、2代目へとバトンタッチした。

 GLE(初代) ▲車内はメルセデス・ベンツSUVの主要艦たる堂々とした風格

■中古車の相場状況+オススメ
モデルとしては後期なので、中古車流通量は50台前後とやや少なめ。ただ生産終了からまだ4年弱ということで、コンディションの良い物件が多く流通している。

中古車平均価格は470万円前後と3代目Mクラスより高めだが、メルセデス・ベンツSUVの中で中核に位置し、数年前まで現行型だったモデルが新車価格の半額ほどで手に入るのはうれしい。

モデルライフにおいて大規模なマイナーチェンジはなく、どの年式を選んでも性能に大きな差はない。予算に応じた年式、走行距離の物件を選べば良いだろう。

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【平均価格500万~800万円未満のオススメ①】GLAクラス(現行型)

・新車時価格:532万~592.3万円
・中古車平均価格:約590万円

 GLA(現行型) ▲2代目となった全幅が初代+30mmほど広くなり、ハリアーなどと近いサイズとなった

■モデル紹介
2020年6月に2代目となり、一段と風格を増したGLAの現行型。

全幅と全高が拡大され、多くの機械式駐車場には入らないサイズとなったが、最小回転半径は初代の5.7mから5.3mへと改善され、取り回しはむしろ良くなっている。

もちろん居住空間も大幅に拡大。高級感については言うまでもないが、車内の使い勝手などにおいても優秀だ。初代はどちらかと言うとアバンギャルドな性格だったが、2代目は機能本位、実用性重視と言うことができるだろう。

パワーユニットは2L 直4ディーゼルターボ(200 d)・フルタイム4WDと1.4L 直4ガソリンターボ(180)・FFの2種類。

 GLA(現行型) ▲2代目GLAのインテリアには、液晶メーターとナビ画面がつながるワイドディスプレイが装備された

■中古車の相場状況+オススメ
中古車市場でのGLA(現行型)流通量は約140台と、デビューから間もない現行型輸入SUVとしては多め。走行距離1万km未満の物件が全体の半数以上を占めており、今なら新車に近いコンディションの物件を手に入れやすい。

価格的にも2020年式で走行距離3万km未満の物件が新車価格より60万円近く安い総額440万円から狙えるなど、オトク感がグッと増してきた。

グレードでは中古車市場に流通しているGLA(現行型)のほとんどが「200 d」であり、2021年4月に追加された「180」はごく少数。価格的にも大きな差はないので、余程のこだわりがない限り「200 d」から選ぶのが無難だろう。

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【平均価格500万~800万円未満のオススメ②】GLB(現行型)

・新車時価格:557万~616.7万円
・中古車平均価格:約650万円

 GLB(現行型) ▲GLBの四角いフォルムは、同社の本格四駆Gクラスにインスパイアされたもの

■モデル紹介
2020年6月、メルセデス・ベンツSUVのラインナップに新しく加わったモデル。ボディサイズは全長:4650mm × 全幅:1845mm × 全高:1700mmと、日産 エクストレイルなどの国産ミドルクラスに近い寸法だ。

このコンパクトな車体に、3列シート7人乗りの居住空間を実現しているのがGLBの魅力。スクエアなボディ形状ゆえ、車内空間はゆとりタップリ。サードシートに座れるのは身長168cmの人までに限定されているが、実際の使用シーンを考えると十分に実用的だろう。

ラインナップではFFが2L 直4ディーゼルターボ(「200d」)と1.4L 直4ガソリンターボ(「180」)の2種類。フルタイム4WDが2L直4ガソリンターボ(「250 4マチック スポーツ」)と2L 直4ディーゼルターボ(「200d 4マチック」)の2種類となっている。

 GLB(現行型) ▲サードシートはスペースこそミニマムだが、シートの作りは上質

■中古車の相場状況+オススメ
中古車市場でのGLB(現行型)流通量は約250台以上と、デビューからの期間を考えるとかなり充実している。

中古車平均価格は650万円前後とやや高めなのは、全体の6割ほどが豪華な内外装備となるAMGラインであるためだ。

現在は走行距離1万km未満の物件が過半数。中には登録済未使用車もある。コンディションの良いGLBを手に入れたいなら、今が好機かもしれない。

オススメは経済性に優れた2L 直4ディーゼルターボ車で、FF(「200d」)なら総額480万円前後から、フルタイム4WD(「200d 4マチック」)なら総額580万円前後から狙える。

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※記事内の情報は2023年1月27日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/メルセデス・ベンツ
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。