ランドローバーのSUVが200万円台後半!?「初代レンジローバー イヴォーク」なら比較的お安くゲットできるんです
2022/10/31
比較的低走行な物件でも総額260万円から!
近頃、いわゆるおしゃれ感度の高い人々が街で乗っている姿をよく見かけるのが「ランドローバー」のSUV。
ランドローバーは英国の伝統ある本格オフロード車ブランドで、アウドドアウエアの世界でパタゴニアやマムートなどの本格ブランドが都会でも大人気なのと同じニュアンスで、ランドローバーの本格SUVも、都市在住者から絶大な支持を集めています。
とはいえ、ランドローバーのSUVは本格派なだけあって、正直かなりお高い車です。
例えば「レンジローバー」というモデルは新車だと2000万円近くになりますし、5年落ちぐらいの中古車でも、走行距離短めのものは1000万円を超える場合がほとんどです。
それゆえ「……さすがにちょっと無理かも」と思うわけですが、しかしそれでも、「ランドローバーのSUVに乗ること」をあきらめる必要は特にありません。
なぜならば「レンジローバー イヴォーク」というモデルの1つ前の世代(初代)であれば、走行距離が比較的短めの個体であっても「支払総額260万円ぐらい」から普通に見つけることができるからです。
そして初代レンジローバー イヴォークという車は10年以上前に設計されたSUVであるにもかかわらず、「ぜんぜん古く見えない」「むしろ高そうに見える」「登場から10年たっても相変わらず超スタイリッシュ!」という素晴らしい特徴も持ち合わせています。
そんな初代ランドローバー レンジローバー イヴォークとはどんなSUVで、具体的には「いくらぐらいのどのグレード」を狙えばいいのでしょうか?
次章以降、もろもろ検討してまいりましょう。
▼検索条件
ランドローバー レンジローバー イヴォーク(初代) × 全国【モデル概要】2Lターボエンジン搭載の、日本では「中型」といえるプレミアムSUV
初代ランドローバー レンジローバー イヴォークは――正式な車名が長いので、以降は「イヴォーク」と略しますが、2012年3月に発売された英国ランドローバーのプレミアム・コンパクトSUV。
ただ「コンパクト」といっても、それはグローバル基準での話。全長4355mm×全幅1900mm×全高1635mmというボディサイズは、日本の感覚でいうと「ミドルサイズのSUV」であり、特に1900mmという全幅は、現行型のトヨタ ハリアーより5cm近くワイドです。
写真上のとおりのなんともしゃれたエクステリアは5ドア版と3ドア版の2種類があり、搭載されるパワーユニットは、初期モデルは最高出力240psの2L直4ガソリンターボエンジン。トランスミッションは6速ATで、駆動方式は全車フルタイム4WDです。
2013年11月にはトランスミッションが乗用車としては世界初の9速ATに進化し、通常走行時には前輪駆動に切り替える「4WDアクティブ・ドライブライン」が標準装備に。それと同時に、四輪のトルク配分とブレーキを瞬時にコントロールする「トルクベクタリング」も標準装備となり、オンロードでの安定性と俊敏性はさらに高まりました。
2015年9月には車体の前後やシートのデザインを少々変更し、翌2016年9月には10.2インチのタッチスクリーン式インフォテイメントシステムを標準装備に。そして2017年11月には2L直4ガソリンターボエンジンを刷新し(※最高出力は変わらず240ps)、430N・mのビッグトルクを発生する2L直4ディーゼルターボエンジンを追加した――というのが、初代イヴォークのおおまかなヒストリーです。
初代イヴォークの主要グレードと、それぞれの簡単な特徴は下記のとおりです。
●ピュア:標準グレード
●プレステージ:オックスフォードレザーのインテリアなどが特徴となる上級グレード
●ダイナミック:スポーティな意匠を各所に配した上級グレード
●オートバイオグラフィー:いろいろ充実&上質な最上級グレード
●SE:2015年9月以降の標準グレード
●SE プラス:2015年9月以降の中間グレード
●HSE:2015年9月以降の上級グレード
●HSE ダイナミック:2015年9月以降のスポーティな上級グレード
【中古車流通状況】走行5万km以下の物件数は約160台で、そのほとんどが5ドア
2022年10月下旬現在、初代イヴォークの中古車は全国で約270台が流通しており、モデル全体としての価格分布は総額200万~600万円といったところ。しかし、これだけでは情報の解像度があまりにも低いため、もう少し細分化してみましょう。
中古車の走行距離というのは「短ければそれでOK」という話でもないのですが、まあ便宜上「走行5万km以下」に絞り、なおかつ「修復歴がない個体」に限定した場合の流通量は約160台で、価格は総額260万~600万円というレンジに。ボディタイプ別で見ると、全体の9割以上が5ドアで、3ドアの「クーペ」はかなり希少です。
これを年式別&グレード別にブレイクダウンしてみますと、状況はおおむね下記のとおりとなります。
【2012年式】
●走行5万km以下物件の数は激少
●流通の中心は(そもそも少ないが)「ピュア」
●その価格は総額260万~290万円ぐらい
【2013年式】
●走行5万km以下物件の数は少なめ
●流通の中心は「ピュア」
●その価格は総額270万~310万円ぐらい
【2014年式】
●走行5万km以下物件の数はやや少なめ
●ピュア/プレステージ/ダイナミックが遍在
●それらの価格は総額270万~460万円ぐらい
【2015年式】
●走行5万km以下物件の数はまずまず豊富
●流通の中心は「ダイナミック」。次いで「SE プラス」
●それらの価格は総額350万~480万円ぐらい
【2016年式】
●走行5万km以下物件の数は豊富
●SE プラス/HSE/HSE ダイナミックが遍在
●それらの価格は総額390万~480万円ぐらい(上記3グレード間の価格差は小さい)
【2017年式】
●走行5万km以下物件の数は豊富
●流通の中心は「SE プラス」
●その価格は総額370万~530万円ぐらい
【2018年式】
●走行5万km以下物件の数は豊富
●全体の6割強がディーゼル車
●その中心となるHSE D180の価格は総額500万~570万円ぐらい
なるべく手頃な予算で狙うなら「ピュア」を
前章でのブレイクダウンにより、おおむねの答えは明らかになりました。
なるべく手頃な予算で初代イヴォークを狙うのであれば、注目すべきは2012~2014年式の「ピュア」です。これの走行5万km以下の物件を、総額260万~320万円ぐらいの価格帯で探すのが基本となるでしょう。
ただ、前述したとおりピュアというのは標準グレードであり、もっと言ってしまえば「初代イヴォークの中では最も安いグレード」です。そのため「……装備レベルとかエクステリアの雰囲気がイマイチなんじゃないか?」という不安もあるかもしれません。
しかし結論から申し上げると、初代イヴォークはピュアであっても装備は普通に充実していて、内外装のビジュアルも普通以上にスタイリッシュですので、何ら問題はありません。
具体的には、ピュアの標準シートである「ハーフレザー」でも十分スタイリッシュで高級感がありますし、中古車の場合はオプションの「フルレザー」が装着されている場合も多いものです。
そして基本的な快適装備はおおむねすべて標準装備ですし、アルミホイールも、ピュアで標準となる17インチの「スタイル1」というやつもシンプルでカッコいいのですが、流通している中古車の多くは、オプションだった18インチの「スタイル3」や19インチの「スタイル5」などを履いています。
2012~2014年式のピュアに特に大きな機械的な弱点はありませんが、ウオーターポンプという冷却系の部品が寿命を迎え、冷却水がポタポタと漏れ始めている場合はままあるようです。とはいえウオーターポンプの交換は、併せて行うことになるタイミングベルトの交換を含めても大金がかかる作業ではありませんので、過剰に神経質になる必要はないでしょう。
▼検索条件
ランドローバー レンジローバー イヴォーク(初代) ×総額260万~320万円以下×「ピュア」× 全国300万円台半ばぐらいまでいけるなら「プレステージ」または「ダイナミック」
総額200万円台または300万円ちょいの予算で考えるなら「ピュア」が狙い目となるわけですが、もしも総額300万円台半ばから後半ぐらいの予算を見込めるのであれば、2013~2015年式の「プレステージ」または「ダイナミック」が狙い目となります。
前述したとおりピュアでも装備に関する不満は特に出ないはずではあるのですが、やはり上級グレードである「プレステージ」になると8/6ウェイの電動シート(オックスフォードレザー)などが付きますし、「ダイナミック」に装着されているスポーティなアイテムの数々も魅力的です。
そしてプレステージとダイナミックでは、新車時のメーカーオプションとして「マグネライド」という連続可変ダンパーを使ったシステムを選択することができました。このマグネライドというのがなかなかの優れものですので、それだけでも、ピュアではなくプレステージまたはダイナミック(のマグネライド付き物件)を選ぶ価値はあります。
▼検索条件
ランドローバー レンジローバー イヴォーク(初代) ×総額320万~400万円未満×「プレステージ/ダイナミック」×全国とはいえ、マグネライドは装着不可だったピュアの走りも軽やかなニュアンスで素晴らしいものがありますので、「絶対にマグネライド付きじゃないとダメ!」ということはないかと思います。
いずれにせよ初代イヴォークは、比較的手頃な予算で「ランドローバー」ならではのブランド性と走行性能、そして現行世代にも負けないほどのスタイリッシュなデザインを堪能できる選択肢であるといえます。
「何らかの素敵なSUV」を「現実的な予算」にて探している人には、強くオススメいたします。
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ランドローバー レンジローバー イヴォーク(初代) × 全国自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。