フォルクスワーゲン ゴルフ(現行型)▲2021年2月に登場した8代目ゴルフ。Cセグメントと呼ばれるカテゴリーで、常に他車から目標にされるフォルクスワーゲンのハッチバック。ライバルにはメルセデス・ベンツのAクラスやBMWの1シリーズなどがある

登場から1年半で価格は3回も引き上げられている!

長引く新型コロナウイルスや半導体不足、不安定な世界情勢、急激な円安などにより、軒並み新車の納車が遅れ、さらには価格も引き上げられている。

2021年2月に予約受注が開始(販売開始は2021年6月)した人気モデル、フォルクスワーゲン ゴルフも例外ではなく、納車は6ヵ月待ちともいわれ、車両本体価格は1年半で3回も引き上げられた。

結果、エントリーグレードであるeTSI アクティブベーシックを例に挙げると、2021年2月のデビュー時は291万6000円だったが、3度目の料金改定となった2022年8月からは315万9000円に。約1年半で24万3000円も上がったことになる。

2022年8月の料金改定は、装備の充実化も図られたこともあるが、主な原因は「原材料費などの急激な価格上昇に伴う工場出荷価格の上昇」。こればかりは致し方ない。

そこで検討してほしいのが中古車を選択肢に加えることだ。中古車なら何ヵ月も待つことなく、すぐに納車してもらえるし、基本的には新車より安く手に入る。

ただ、中には新車より高値が付いている場合もある。まずはどんな中古車があるのか、眺めてみることから初めてみよう。
 

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約半数が走行距離5000km未満で、良コンディションを探しやすい

先述のとおり、デビューから1年半ほどが経過していることもあり、徐々に中古車台数も増えている現行型ゴルフ。

今年1月にはわずか36台だったが、6月には100台を突破。直近8月は131台と、結構選べる状況になっている。
 

フォルクスワーゲン ゴルフ(現行型)の延べ掲載台数推移グラフ

一方で、掲載されている物件の車両本体価格は288万~529.9万円と、新車と比較して極端に安いということはない。

しかし、その走行距離は5000km未満が約半数を占めており、15kmという新車に近い状態のものも多い。もちろん年式は2021年式以上だから、良コンディションの中古車を選びやすいだろう。

グレードで見ると、eTSI スタイルが3割以上の約40台で最も多く、次いでeTSI アクティブと同Rライン、GTIという順。一方、2021年12月に追加された2LディーゼルターボのTDI系はまだ少ない。
 

 

初めてマイルドハイブリッドが採用され、デジタル化や運転支援機能も進化した8代目

ゴルフ(現行型)▲全車LEDヘッドライトを装備。写真のRラインは1.5LターボのeTSIと2LディーゼルターボのTDIに設定されているグレードで、専用スポーツサスペンションや専用エクステリア、スポーティなステアリング機能などが与えられた、スポーティなモデルだ

では改めて現行型ゴルフがどんなモデルだったのか、簡単に振り返ってみよう。

常に「世界基準車」として、世界中の自動車メーカーからベンチマークとされてきたフォルクスワーゲン ゴルフ。

初代から数えて8代目となる現行型は、マイルドハイブリッドの搭載や最新の安全運転支援機能、インフォメーション機能のデジタル化など、再びライバルたちをリードするような内容を備えて2021年6月に登場した。

デビュー時に搭載されたパワートレインは1Lターボ+小型モーターと、1.5Lターボ+小型モーターという2種類のマイルドハイブリッドシステム。いずれも7速DSG(デュアルクラッチ式2ペダルMT)が組み合わされる。

マイルドハイブリッド搭載車はグレード名に「eTSI」が付けられており、1LターボのeTSIが「アクティブベーシック」と「アクティブ」、1.5LターボのeTSIは「スタイル」と「Rライン」という4グレードが用意された。

最新の安全運転支援機能は全車にたっぷり奢られている。衝突被害軽減ブレーキや全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール、レーンキープアシストシステム、同一車線内運転支援システム、レーンチェンジアシストシステムが全車に標準装備となる。

またデジタル化については、メーターパネルにはカーナビ画面などを表示できる液晶ディスプレイが全車に備わる。同じく全車に備わるインパネ中央の10インチのタッチ式ディスプレイは、カーナビ画面を指で直感的に拡大・縮小できたり、空調の温度設定をスライダーで操作したりできる。

加えて、オンライン機能も全車標準装備(We Connectは10年間、We Cconnect Plusは3年間無償)。これにより専用アプリを使って、スマホから自車のドアやトランクの開錠・施錠、ライトの消し忘れの確認、駐車位置の検索などが行える。
 

ゴルフ(現行型)▲ラゲージ容量は通常で380L、後席を倒すと1237L。高速コーナリング時に前輪内側のグリップ不足を検知すると、瞬間的にブレーキをかけて内輪の空転を抑制し、車両を安定させてくれる電子制御式ディファレンシャルロックの「XDS」は全車標準装備
ゴルフ(現行型)▲エントリーグレードのeTSI アクティブベーシックはフルオートエアコンが、他3グレードは前席左右と後席がそれぞれ調整できる3ゾーンフルオートエアコンが標準装備。また、アンビエントライトシステムやスマートフォンのワイヤレス充電機能も標準で備わる
ゴルフ(現行型)▲「アクティブベーシック」と「アクティブ(TDIはアクティブアドバンス)」はベーシックなシート(写真左)が、「スタイル」はスポーツシート(中央)が、「Rライン」はサポート性がより高められたスポーツシート(右)が備わる。また、「スタイル」と「Rライン」は前席シートヒーターも装備

2021年12月には2Lディーゼルターボ車(TDI系)と、2Lターボを搭載するトップグレードのGTIが追加された。いずれもトランスミッションは上記マイルドハイブリッドのeTSI同様、7速DSGだ。

TDI系のグレード名はeTSI系とほぼ同じで、手頃な価格順に「アクティブベーシック/アクティブアドバンス/スタイル/Rライン」となる。
 

ゴルフ(現行型)▲GTIの最高出力は245ps、最大トルクは370N・m。電子制御式ディファレンシャルロック「XDS」と電子制御油圧式フロントディファレンシャルロックを統合制御する「ビークルダイナミクスマネージャー」が採用されている

まだ大きな改良は行われていないため、新車に近しい状態の中古車を狙うなら、今がチャンスと言えるだろう。

ではどのようなゴルフが狙い目なのか。下記で詳しく解説していこう。
 

 

なるべく手頃に手に入れたいなら「eTSI アクティブ」がオススメ

なるべく手頃なゴルフを狙いたいなら、1Lターボ+小型モーターのマイルドハイブリッド車「eTSI アクティブ」がオススメだ。

新車時は「eTSI アクティブベーシック」の方が安価だが、同グレードの中古車はほとんど流通していないため、このeTSIアクティブが最も手頃なゴルフの狙い目となる。

ちなみに、eTSI アクティブベーシックに対し、eTSI アクティブならエアコンが3ゾーン対応になり、ハイビームアシストやスマートエントリーキーが備わる。

原稿執筆時点でeTSI アクティブの中古車は25台見つかり、2021年式で走行距離1万km未満が支払総額310万円前後で狙える。

なお、デビュー時の車両本体価格は312万5000円。これより車両本体価格の安い中古車は約3割見つかった。
 

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フォルクスワーゲン ゴルフ(現行型)×「eTSI アクティブ」×全国
 

実は新車よりお買い得な中古車が多い「オプション装着車」

先述のとおり新車時価格が改訂されていて、現在はeTSI系が315万9000~406万円、TDI系が359万9000~426万6000円、GTIが486万2000円。

お買い得な中古車を探すとき、ついこの車両本体価格と比べてしまいがちだ。もちろんそれも安くなっているかどうかの1つの目安であることは間違いない。

しかし、オプションを備えている中古車は、上記の車両本体価格より高くなっている中古車もある。

例えば、eTSI系は純正カーナビが全車オプションでデビュー時の価格は19万8000円だが、これを備えた中古車はeTSI系の9割近くを占める。

他にも、eTSI アクティブのテクノロジーパッケージは、LEDマトリックスヘッドライトや駐車支援システム、ヘッドアップディスプレイなどを含む20万9000円(デビュー時)のセットオプションだが、この価格を含めればデビュー時より安くお得に買える中古車もある。

オプションが備わっている中古車はeTSI系だけでなく、後で追加されたディーゼルのTDI系やスポーティモデルのGTIも同様だ。

このような物件をカーセンサー上で探す際には、「カーナビ付き」や「パーキングアシスト」欄をチェックすると見つけやすい。

ゴルフ(現行型)の中古車を選ぶ際は、車両本体価格だけでなく装備の内容を確認して選ぶようにしよう。
 

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デビュー間もない「GTI」も狙える!

トップグレードであり、2021年12月にデビューしたばかりのスポーツモデル「GTI」の中古車もすでに流通している。

eTSI系より台数は少ないが、同時期に登場した2LディーゼルターボのTDI系より多く、原稿執筆時点で10台見つかった。

走行距離はわずか50km~0.6万kmと、いずれも新車に近い状態の中古車を手に入れることができそうだ。

2022年8月の料金改定で、新車のGTIの車両本体価格は486万2000円と改められたが、走行距離0.5万km未満でも、これより安い中古車が狙える。

また、ほとんどが19万8000円(デビュー時)のオプションである純正カーナビを装備しており、他にも17万6000円(デビュー時)のテクノロジーパッケージや22万円のDCC(アダプティブシャシーコントロール機能)パッケージを備えた中古車もある。

台数が少ないため、小まめにチェックする必要があるが、新車に近い状態のGTIをすぐに手に入れるチャンスだ。こちらも車両本体価格だけでなく、装備の内容を見極めればお買い得な1台が見えてくるだろう。
 

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フォルクスワーゲン ゴルフ(現行型)×「GTI」×全国

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文/ぴえいる、写真/フォルクスワーゲン

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。