現行型レクサス LSが欲しいなら、新車価格より約300万円も安い【前期型】を要チェック!
2022/09/03
2017年10月デビューの2代目前期型が狙い時に
レクサスブランドのフラッグシップモデルであるLSは2017年10月に2代目(海外ではトヨタ セルシオがLSとして販売されたので、グローバルでは5代目になる)となる現行型が登場。
プレミアムブランドであるレクサスの最高峰に君臨するモデルにふさわしい内外装の質感や機能が与えられ、多くのVIPから選ばれている。
2020年11月にはマイナーチェンジを実施。この変更はかなり規模が大きいもので、エクステリアデザインの変更だけでなく、パワートレインやサスペンションなど車の根幹部分からシートの縫い位置など細部まで手が加えられた。
ただ、後期型LSはまだ中古車が20台ほどしか流通していないのが実情。一方で、前期型の中古車は300台近く流通。しかも平均価格は776.7万円と、後期型のベースモデルである500 Iパッケージ(1073万円)より300万円近く安くなっている。もちろんこれは平均価格なので、これより安い総額550万円以下で中古車を探すことも可能だ。
そんなお得な前期型LSの特徴と、物件選びの際のオススメ条件を紹介する。
▼検索条件
レクサス LS(現行型) × 前期型(2020年10月以前) × 全国【ボディサイズ・デザイン】先代よりボディサイズが拡大され快適性がアップ
現行型LSのボディサイズは全長5235×全幅1900×全高1450mmで、ホイールベースは3125mmになる。
先代LSには標準ボディとロングボディが用意されていたが、現行型ではロングボディの設定はなくなっている。ただ、ボディサイズは先代ロングボディ版より大きく、ホイールベースも長くなっている。
一般的にセダンは居住性を高めるために全高が高めに設定されるケースが多い。しかし、LSは車体全体が低く構えたクーペシルエットになっている。全高も1450mmとかなり低いのにフラッグシップセダンとしての十分な居住性が確保されたのは、TNGAの指針に基づいて開発されたGA-Lプラットフォームによる低重心設計の賜物だ。
レクサスの象徴であるスピンドルグリルは立体的で複雑な造形になっている。スポーツグレードであるFスポーツは、グリルメッシュの形状が他のグレードと異なり、新しいFメッシュパターンが採用された。
インテリアは、プレミアムブランドのフラッグシップモデルらしい威厳と風格を感じるデザインを採用。表皮巻きのステアリングやシフトノブ、行燈(あんどん)からインスピレーションを受けたというアンビエントイルミネーションで柔らかい間接光を感じながら、落ち着いた雰囲気で運転できる。
エグゼクティブ、バージョンL、Iパッケージには天然杢にアート性を付加したアートウッドが、さらにエグゼクティブにはL字型のプリーツ状の折り目を手作業で付けたハンドプリーツがオプション設定された。
後部座席は乗る人を包み込むような空間に仕上げられ、クラストップレベルのレッグスペースと、前席同様に厚みのあるソフトなコンソールアームレストでくつろぎの空間が用意された。
ちなみに、後期型は小型3眼ランプユニットとL字を強調したクリアランスランプの下に、ブレードミラーの回転に合わせてLEDの点灯・消灯を制御するブレードスキャンアダプティブハイビームシステムを搭載。リアコンビランプ内のメッキモールはピアノブラックに変更された。
【動力性能・走行性能】ガソリン車に10ATを搭載
現行型LSは2種類のパワーユニットを搭載。ひとつは最高出力310kW(422ps)/最大トルク600N・m(61.2kg-m)を発揮する3.5L V6ツインターボエンジンに10ATを組み合わせたガソリンモデル。もうひとつが3.5L V6エンジンに有段ギアを組み合わせたマルチステージハイブリッドシステムを搭載するハイブリッドモデルになる。燃費はガソリンモデルが10.2km/L、ハイブリッドモデルが16.4km/L(JC08モード。いずれもFR車)になる。
足回りはフロントにハイマウントマルチリンク、リアにマルチリンク式サスペンションを採用。ここに新開発したエアサスペンションが組み合わされる。
ところで現行型LSは先代より大型化したが、ショーファードリブンとしての使い方を想定したロングボディの設定がなくなったことからもわかるように、ドライバーズカーとしての意味合いが大きい。とくに海外ではオーナー自らステアリングを握るラグジュアリーモデルとして選ばれている。
そのため足回りのセッティングはやや硬めになっていて、リアシートに座る機会が多い一部のオーナーは乗り心地の改善を求める声が上がったりもしていた。
そんな声を反映する形で、LSは2018年8月に4WD車の、2019年10月にはFR車の足回りに改良が施されている。
【安全性能・装備】最先端の安全装備を搭載
LSにはLexus Safety System+の機能を高め、Lexus CoDrive(レーダークルーズコントロール、LTA、LCAのセット)、ドライバー異常時停車支援システム、上下2段式アダプティブハイビームシステムなどを加えた予防安全パッケージ「Lexus Safety System + A」を搭載。プレミアムブランドのフラッグシップモデルにふさわしい内容となっている。
そして、大型のヘッドアップディスプレイやマルチインフォメーションディスプレイを使って各種支援状況をドライバーに通知。これによりドライバーは直感的に車の状況を知ることができる。
エグゼクティブとバージョンLは、フロントシートとリアシートに赤外線人体表面温度センサーで乗員の体温を検知して空調を制御するレクサスクライメイトコンシェルジュや、空気袋で背中から大腿部にかけて押圧するリフレッシュ機能などが搭載される。
【オススメの中古車】低価格帯でも走行距離がそこまで多くない中古車が中心
現行型LSの中古車は310台ほど流通していて、このうち前期型は約280台。前期型の価格帯は総額250万~1320万円となっている。
新車時はハイブリッドの方がガソリン車より140万円ほど高かったが、中古車では大きな価格差は見られない。これはガソリン車の方が希少であることと、10ATの人気が高いことが理由だ。
後期型の新車価格1073万円から約300万円安い総額800万円未満で買える中古車は140台ほど流通していた。このうち90台ほどがハイブリッドになる。
この予算で見つけやすいのはガソリンのFスポーツ(約30台)、Iパッケージ(約20台)、ハイブリッドのIパッケージ(約40台)、Fスポーツ(約35台)、バージョンL(約15台)になる。
どれも走行距離が10万kmを超えるものは少なめで、走行5万km前後のものも難しくない。
▼検索条件
レクサス LS(現行型) × 前期型(2020年10月以前) ×総額800万円未満× 全国最安値となる総額550万円以内でLSを買う場合、選べるグレードはIパッケージになる。台数は5台ほど流通していたが、ガソリン車だけでなくハイブリッドもある。
この予算でも走行距離は10万km未満のものが中心。それぞれの物件の写真を見てみるとリアシートに使用感があるものもあった。このあたりは致し方ないところだろう。
▼検索条件
レクサス LS(現行型) × 前期型(2020年10月以前) ×総額が安い順× 全国せっかくLSに乗るなら最高峰のものを選びたい。それなら、ぜひともマークレビンソンのサラウンドシステムやリアシートの電動オットマン、レクサス クライメイト コンシェルジュなどが装備されるエグゼクティブを探してみよう。
エグゼクティブのガソリン車の価格帯は総額660万~1320万円、ハイブリッドが総額710万~1300万円だった。
低価格帯だと走行距離が6万~9万km程度のものが多いが、ガソリン車、ハイブリッドともに総額840万円を超えると走行5万km未満の中古車が買えるようになる。
▼検索条件
レクサス LS エグゼクティブ(現行型) × 前期型(2020年10月以前)× 全国【結論】乗り心地と静粛性にこだわる人は改良時期に注目
仮に1年で10%中古車相場が下がるAとBというモデルがあったとしよう。Aの新車価格が200万円なら20万円下落することになるが、Bの新車価格が1000万円なら、下落額は100万円になる。これがLSをはじめとする新車価格が高いプレミアムモデルの中古車が大きく値落ちしているように感じる理由だ。
レクサスのフラッグシップであるLSの現行型の中古車が新車より300万円前後安い価格で手に入るのはかなりお得ではないだろうか。
ひとつ注意したいのは、一部改良タイミングだ。前期型の2018年8月にAWDモデル、2019年10月にはFRモデルの乗り心地が改善されている。デビュー時のものでもプレミアムモデルにふさわしい乗り心地と快適性を堪能できるのは言うまでもないが、より良い乗り心地や静粛性にこだわるならこれら一部改良以降の中古車を探した方が納得感は高いはずだ。
▼検索条件
レクサス LS(現行型) × 前期型(2020年10月以前) × 全国※記事内の情報は2022年8月21日時点のものです。
自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL