レガシィアウトバック ▲2014年10月~2021年9月まで生産された5代目レガシィアウトバックの中古車平均価格が下落しています。その原因やオススメモデルについて考えてみました

レガシィアウトバックの中古車平均価格が下落

それまで商用バンの派生車種というイメージが強かったステーションワゴンを、一躍人気車種へと押し上げた立役者であるスバル レガシィ。そのレガシィには、もうひとつ時代を先取りしたモデルが存在していました。

それが初代から存在していた“アゲ系”モデルのアウトバックです(日本ではレガシィグランドワゴン→レガシィランカスター→アウトバックと名前が変わっていましたが、海外では初代からアウトバック名義でした)。

現在は6代目が絶賛販売中のアウトバックですが、その陰で先代モデルとなる5代目の中古車平均価格がここ数ヵ月で20万円ものダウンを見せているのです。

なぜ値落ちしているのか? いったいどんな個体がオススメなのか? モデル概要を振り返りつつ詳しく見ていきます。
 

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スバル レガシィアウトバック(5代目) ×全国
 

中古車相場状況
前期型の流通増が価格低下の原因か

国産車の中ではオンリーワンと言っても過言ではない個性をもつアウトバックだけに、根強い人気を誇っていました。

ですが、中古車平均価格の推移を見てみると、2022年2月の段階で226.8万円だった平均価格が2022年6月には205.9万円と、20万円以上価格が下落しているのです。
 

グラフ

一方の掲載台数は、2022年2月では559台で6月には584台と、そこまで大きく変動していません。が、その内訳を見ると、流通している物件の多くが2017年式までのいわゆる前期型となっています。

前述したようにアウトバックは意外と替えが利かないモデル。2021年10月に新型が登場しましたが、その際に前期型ユーザーが満を持して乗り替え、先代の前期型が多く市場に流れ込んだと想像できます。

つまり、後期型に比べてお手頃な前期型の割合が増えたことで、結果的に中古車平均価格が下落したのではないでしょうか。

ではこれから、モデル概要を振り返りつつ、オススメの物件について考えていきましょう。
 

 

モデル概要
ゆったりとしたボディサイズが特徴的なクロスオーバー系ステーションワゴン

2014年10月に登場した5代目レガシィは、それまでのセダンのB4、ツーリングワゴン、アウトバックという3種類からツーリングワゴンを廃したB4とアウトバックの2本柱となりました。

日本市場のステーションワゴンには新たにレヴォーグが投入されたことで、5代目レガシィはメイン市場の北米を意識した、ゆったりとしたボディサイズとなったことも特徴のひとつでしょう。
 

レガシィアウトバック▲外装だけでなくキャビンも拡大

エンジンも先代に存在していたターボモデルや、水平対向6気筒エンジンは存在せず、2.5Lの水平対向4気筒エンジンに統一してシンメトリカルAWDと組み合わせ、トランスミッションもリニアトロニックと呼ばれるCVTのみとなっています。
 

レガシィアウトバック▲2.5L自然吸気エンジンは175psを発生

グレード体系もシンプルで、充実した基本装備をもつベースグレードと、本革シートや18インチアルミホイールなどを標準装備とした上級仕様のリミテッドの2つ。

先進の運転支援システムである「アイサイト Ver.3」は全車に標準装備となっている点も安心感の高いポイントと言えるでしょう。

2017年9月に実施された大幅改良(いわゆるマイナーチェンジ)では、内外装のデザインを一新した他、アイサイトには後退時自動ブレーキシステムを追加。また、アダプティブクルーズコントロールの設定速度を新東名の120km/h区間に合わせて約120km/hまで設定できるように進化しました。

また、サスペンションのチューニングや電動パワーステアリングの制御を見直し、リニアトロニックのMTモードを6段から7段に多段化する改良もなされています。

そして、翌2018年9月にはアイサイトの衝突被害軽減ブレーキの制御を改良し、衝突回避の可能性を向上させた他、前方に障害物がある状態でアクセルを踏み込んだ際にも衝突被害軽減ブレーキが作動し、衝突回避をアシストする機能も追加。

さらに、特別仕様車として「X-BREAK」を設定。これは内外装にブラックとイエローグリーンを効果的に配することで、スタイリッシュかつ洗練されたイメージを表現した他、撥水ファブリックと合成皮革を組み合わせた機能性を高めたシートを採用したことが特徴で、結局5代目アウトバックが終売するまでラインナップされ続けた人気グレードとなりました。
 

レガシィアウトバック▲こちらがX-BREAK

2019年9月の年次改良ではベースグレードが廃止となり、代わりに価格を抑えた「B-SPORT」を設定。また、フォレスターにも搭載された「X-MODE」を搭載し、悪路走破性も高めるなど、モデル末期でありながら絶え間なく改良が続けられていたのです。

 

狙い方その1|買いやすい価格なら前期型。総額120万円台から狙える!

流行のクロスオーバースタイルとゆったりとした車格でいかにも高そうに見える先代アウトバック。しかし、前期型であれば総額120万円台から探すことができるのです。

さすがにこの価格帯となると修復歴があったり、走行距離が10万kmを超えていたりという物件が中心となりますが、予算を総額200万円までアップできれば、走行距離7万km未満の修復歴なし、上級グレードのリミテッドも十分射程圏内となります。
 

レガシィアウトバック
レガシィアウトバック▲前期型のエクステリア

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狙い方その2|やっぱり先進装備も進化した後期型が欲しい!

年次改良で進化し続けるのがスバル車の特徴でもあり、どうせ買うなら大幅改良後のモデル(2017年10月~)を狙いたいという人も多くいることでしょう。

さすがにまだまだ高年式ということもあり、掲載台数は40台弱と少なめとなっており、価格もググっと上がって最低でも250万円ほどは用意しておきたいというのが正直なところ。

ただ、比較的低走行な物件を狙いたいのであれば、できれば300万円くらいの予算を見ておくと走行距離3万km台以下の上質な物件も狙うことができる他、若干走行距離は延びますが、人気の「X-BREAK」もなんとか手の届く範囲となるようです。
 

レガシィアウトバック
レガシィアウトバック▲後期型のエクステリア

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スバル レガシィアウトバック(5代目・後期)×全国

現時点では価格が下降気味の先代アウトバックではありますが、アウトドアレジャーブームが来ている現在では、いつ再び価格が上昇するかも分かりませんから、比較的買いやすい価格で狙うことができる物件が複数掲載されている今こそが買い時ではないでしょうか。
 

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スバル レガシィアウトバック(5代目) ×全国
文/小鮒康一 写真/尾形和美、奥隅圭之、スバル
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車はホンダ インサイト、初代パルサー、NAロードスター、S660など