生産終了したアルファロメオ ジュリエッタの中古車流通量が減少中! 気になる相場とオススメ物件をチェック
2022/07/31
生産終了で台数減少。気になる中古車相場は?
シリーズ3代目となる21世紀版ジュリエッタは、日本では2011年11月のデビュー以来10年以上にわたって生産されていたが、2021年に生産を終えた。
つまり新車ではジュリエッタを購入することはできないわけだが、そうなってくると気になるのが中古車市場の状況だろう。
他のイタリア車や同じラテン系のフランス車と比べても人気があったといえる3代目ジュリエッタだが、絶版になったことを受けてか最近は中古車の台数が減少してきており、検討している人にとっては目が離せない状況になってきた。
この記事では、今の中古車状況をより詳しく見ていくとともに、モデル概要をおさらいし、今狙うならどんな物件が良いのかを見ていこう。
▼検索条件
アルファロメオ ジュリエッタ(3代目)×全国台数は減っているが平均価格は落ち着いている
冒頭でも触れたとおり、3代目ジュリエッタの中古車の延べ掲載台数は、2021年4月の434台をピークに右肩下がりとなっている。
直近3ヵ月は、ピーク時の3分の2程度となる200台後半まで落ち込んでおり、やはり生産終了の影響を受けているとみてよいだろう。
では、さらに気になる中古車価格の方はどうだろうか。下記グラフをご覧いただきたい。
基本的に経年に応じて中古車平均価格は下がることが多いのだが、ジュリエッタの場合2020年4月の162.9万円を底にジリジリと値を上げて、同年9月には174万円まで上がった。
ところが2021年に入ると一転して値を下げ、同12月には150.4万円まで下落。
その後2022年に入ると中古車台数は減り続けているにも関わらず、価格は上昇することなく150万円台で推移。
原稿執筆時点(2022年7月中旬)の中古車平均価格は133.9万円と、140万円を切るほどになっている。
つまり、「台数は減っているが、今のところ価格に影響は出ていない」というのが今の3代目ジュリエッタの中古車の状況なのだ。
中古車相場が落ち着いて、選択肢もまだあると言える今のうちに、お気に入りのジュリエッタを探してみてはどうだろう。
下記ではさらにジュリエッタのモデル変遷について解説するので、中古車選びの参考にしてほしい。
ロングライフモデルだがデザインもエンジンもほぼ変わらなかった
では、改めて3代目ジュリエッタはどんなモデルだったのか振り返っておこう。
アルファロメオ 147の後継モデルとして2011年11月に日本デビューしたジュリエッタ。フォルクスワーゲン ゴルフを筆頭とするCセグメントのハッチバックだ。
デビュー時に用意されたエンジンは、最高出力170ps の1.4L直列4気筒マルチエアターボと、同235psの 1.7L直列4気筒ターボの2種類。
このうち1.4Lターボは3グレードのうちスプリントとコンペティツィオーネに搭載され、6速デュアルクラッチトランスミッションの「アルファTCT」と組み合わされた。
一方の1.7Lターボは最上級グレードのクアドリフォリオ ヴェルデに搭載され、6速MTが組み合わされた。このエンジンは後に同社のスポーツクーペ、4Cにも搭載されている。
プラットフォームやサスペンション、パワーステアリングはいずれも新開発されたもの。また、エンジンやトランスミッション、ステアリング、電子制御式ディファレンシャルロック機能を統合制御して、3つのモードから走行特性を選択できる「アルファD.N.Aシステム」が全車に搭載された。
3グレードとも5ドア、FFのみ。スプリントとコンペティツィオーネは右ハンドルで、クアドリフォリオ ヴェルデは左右どちらも選べた。
その後大きな変更点はないものの、グレード構成が度々変更されているため、中古車を選ぶ際はその点に注意が必要だ。
2013年3月には1.4Lターボ車の最上級グレードとしてスポルティーバが追加された。クアドリフォリオ ヴェルデと同じレザーシートや、アルファロメオのモータースポーツのシンボルである「四つ葉のクローバー(クアドリフォリオ ヴェルデ)」などが装備されている。
同年6月には1.4Lターボ車にレザーシートが備わった新たなグレード、クラシカが追加された。
2014年5月の一部改良では内外装が小変更され、ローンチコントロールが標準装備された。さらにラインナップが大幅に見直され、1.4Lターボ車のスプリントとスポルティーバのみとなった。
一度は消えた1.7Lターボ車のクアドリフォリオ ヴェルデだが、2015年1月に復活。この時から1.7Lターボの最高出力は4C同様の240psに高められ、6速MTだけでなく6速デュアルクラッチのアルファTCTも選べるようになった。
2017年2月に再び一部改良が行われると、アルファロメオの新ロゴマークの採用や、内外装の小変更とともに、ラインナップが変更された。今度は1.4Lターボ車がスーパーとスーパーバックスポーツの2グレードに、1.7Lターボ車がベローチェの1グレードの計3グレード体制となった。
2019年1月にはラインナップが1.7Lターボ車のベローチェに一本化された。そのまま2021年いっぱいで販売が終了した。
このように、デザインやエンジンに大きな変更点はないので、あまり年式にとらわれる必要はないだろう。
また、グレードの出し入れが激しいが、基本的には1.4Lターボ車と1.7Lターボ車かになる。そのどちらかを選んだうえで、ボディカラーやコンディション考慮して中古車を選ぶといいだろう。
以下、今のオススメを紹介しよう。
手頃な価格で狙いたいなら「コンペティツィオー」か「スポルティーバ」を
原稿執筆時点で見ると、平均価格程度の支払総額150万円以下から十分狙える3代目ジュリエッタ。
そしてこの価格では、やはり新車時の車両本体価格が安かった1.4Lターボ車、グレード名で言えばスプリント、コンペティツィオーネ、スポルティーバが中心となる。
特にコンペティツィオーネとスポルティーバは、全体で見るとベーシックなスプリントよりも台数が多く選びやすい。全台数に占める割合はスプリントが約10%なのに対して、コンペティツィオーネとスポルティーバは約20%ずつある。
コンペティツィオーネは、スプリントに対してスポーツサスペンションやブレンボ製ブレーキ、パドルシフトが備わり、シートがハーフレザーとなるなど上級仕様となる。アルミホイールもスプリントが16インチなのに対し、専用の17インチが与えられた。
スポルティーバはコンペティツィオーネの装備をさらに充実させたグレードで、アルミホイールが17インチから18インチに、シートも最上級グレードのクアドリフォリオ ヴェルデと同じレザーシートとなる。また、アルファロメオの象徴のひとつである「クアドリフォリオ ヴェルデ(四つ葉のクローバー)」マークがキックプレートに備わる。
新車時には40万~50万円ほど高かったコンペティツィオーネとスポルティーバだが中古ではあまり変わらなくなってきているのもポイントだ。
コンディション的にも期待できそうな、走行距離5万km以下・修復歴なしという物件も見つかるため、この2グレードを中心に探すことをオススメしたい。
▼検索条件
アルファロメオ ジュリエッタ(3代目)×「コンペティツィオーネ/スポルティーバ」×全国アルファロメオらしい活発さを求めるなら「クアドリフォリオ ヴェルデ」を
アルファロメオらしいスポーティな味を求めるなら、やはり1.7Lターボのクアドリフォリオ ヴェルデがオススメだ。
便宜上1.7Lターボと記しているが、「伝統の1750cc」という方がしっくりくるというアルフェスタも多いはず。戦前のスポーツカー「6C 1750」に由来し、ジュリエッタもモデル末期にはグレード名のヴェローチェの後ろに「1750 TBI」と付けてその伝統を強調していた。
原稿執筆時点で、1.7Lターボ車は全体の40%近くを占めているので選びやすい。
1.4Lターボ車より価格は高くなるが、走行距離5万km以下・修復歴なしで絞っても支払総額約150万円から狙うことができる。
なお、240psへパワーアップした2015年式以降も、支払総額約200万円以下で狙うことができる。
また、1.7Lターボ車には6速MTも用意されていたが、原稿執筆時点では1.7Lターボ車の約40%近くを占めており比較的選びやすいため、元気なアルファロメオを自らの手で咆哮させたいと思う人は狙ってみてはどうだろう。
今後は手に入れることが難しくなりそうなモデルゆえ、一度チェックしておいて損はないはずだ。
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アルファロメオ ジュリエッタ(3代目)×「クアドリフォリオ ヴェルデ」×全国▼検索条件
アルファロメオ ジュリエッタ(3代目)×全国ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。