トヨタ ランドクルーザー200▲ランクル伝統のタフな作りと、先進的なメカニズムが魅力のランドクルーザー200。中古車市場でも大人気なので、物件選びは的を絞り、希望の物件が見つかったらスピーディに決断したい

現行型が出たことで、さらに注目度が高まったランドクルーザー200

新車はもちろん、中古車市場でも絶大な人気を誇るトヨタ ランドクルーザーシリーズ。

その中でも2007年9月~2021年8月まで生産された1世代前のモデルにあたるランドクルーザー200は、現行型であるランドクルーザー300が登場したことで中古車が一層注目され、人気が高まっているところだ。

この記事では現在の中古車市場におけるランドクルーザー200の価格や流通台数の状況、狙いどころとなる価格やグレード、年式、物件を選ぶ際のポイントについて解説する。
 

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トヨタ ランドクルーザー200(現行型) × 全国
 

ランドクルーザー200の相場状況

2022年4月時点で、中古車の平均価格と流通台数は下記のとおりとなっている。

■ランドクルーザー200
・中古車平均価格:458.6万円
・中古車流通量:160台
 

ランドクルーザー200 ▲トヨタ ランドクルーザー200の月間延べ流通台数と中古車平均価格の推移

ランドクルーザー200に限らず、ランドクルーザーシリーズは中古車市場での需要が極めて高い。

特にランドクルーザー200は生産終了から間もなく、トヨタSUVのフラッグシップとして当時の新車価格が高かったため、その傾向はより顕著だ。

そのため、現在の中古車価格も総額290万~1000万円とかなり高め。しかしながら、構造が非常にタフであるため、購入後も長く乗れるという特有の利点もある。

さらに、リセールする際も高い買い取り価格が期待でき、購入価格分の価値は十分にあろうというもの。

流通台数と中古車平均価格の推移を見ると、現行モデル(ランクル300)への切り替え(2021年8月)の3ヵ月ほど前から流通台数が増えたにもかかわらず、価格が高騰したことが分かる。

しかし、その傾向も早い段階で落ち着き、直近6ヵ月での流通台数は若干の減少傾向、平均価格も11月から下落傾向となっている。ただし、今後もこの傾向が長く続くとは限らない。

現行型であるランドクルーザー300は現在、新車の納車待ち期間がかなり長期になっているようで、「それなら納車待ちせずに手に入る、1世代前のランクル200を狙おう」と考える人が増える可能性がある。

そうした需要の高まりによって、中古車価格が上昇することは十分に考えられよう。ランドクルーザー200を購入するなら、実は今が買い時かもしれない。流通台数は150台超と決して多くはないが、生産期間が長かったため中古車市場には“様々なランクル200”が流通している。

そこで、ここからは購入ケースごとに、中古車の選び方を解説していく。
 

ランドクルーザー200 ▲歴代ランクル同様、世界のへき地で使用されることを前提に開発されたランクル200だけに、たとえ走行距離10万kmオーバーでもまだまだ乗れる
 

購入ケース①【総額400万円以下の低価格帯から探す】

まずは購入価格重視で、「総額400万円以下の低価格帯から探す」場合から。

新車当時の価格がおよそ470万~700万円で、中古車となった現在も高い価格が維持されているランドクルーザー200だが、全流通量の半分ほどは総額400万円以下となっている。

ランドクルーザー200は2012年1月にエクステリアの変更、悪路走破性を高める「マルチテレインセレクト」の追加装備などが実施されているが、この価格帯で中心となるのはマイナーチェンジ前の前期型だ。

10年以上前のモデルということで年式としてはやや進んでいるが、走行距離では10万km以下の物件が7割以上。購入後もまだまだ長く乗ることができるだろう。

もっともランクルのタフさを考えると、走行距離10万kmを超えていたとしても、オイル交換などの適切なメンテナンスが実施されてきた物件なら何ら問題はない。走行距離20万km、30万kmでも快調に走っているランクルは無数に存在する。

ただし、極端な改造が施された物件、あるいは激しいオフロード走行で下まわりに大きなヒット跡がある物件は避けたいところ。駆動系や足回りにダメージを負っている可能性があるからだ。

この価格帯のゾーンの物件選びの際は特に、現地で下まわりのチェックを入念に行うことをオススメする。
 

ランドクルーザー200 ▲前期型のビジュアルは後期型に比べるとシンプル。総額400万円以下で狙うなら、コンディションを重視して選びたい

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トヨタ ランドクルーザー200 × 総額400万円以下 × 全国
 

購入ケース②【装備充実の最上級グレード「ZX」から探す】

装備の充実度を重視するなら「ZX」が本命。これは2009年5月のマイナーチェンジで追加された最上級グレードだ。

走行状態に合わせて車高やダンパー減衰力を自動的に調整、ドライバーが任意に調整することもできる「4-Wheel AHC&AVS」や電動ムーンルーフ、トヨタプレミアムサウンドシステム、フロントシートのベンチレーション機構などが装備される、贅沢な内容となっている。

新車時の価格は700万円近いものだったが人気は高く、現在の中古車市場でも実は全流通量の半数近くが、このグレード。フロントマスクの印象がガラッと変わった2015年8月以降の「ZX」も、50台弱ほど流通している。

価格帯は総額370万~1000万円と広い。2011年12月までの前期型なら、総額400万円から狙える。

装備が豪華なのはうれしいところだが、トラブルを誘発する可能性も考えておきたい。「4-Wheel AHC&AVS」は油圧を利用した信頼性の高いシステムだが、万一修理すると修理費用が高額になる。

物件選びの際には念のため、正常に作動するか確認しておきたいところだ。
 

ランドクルーザー200 ▲最上級グレードらしい豪華な内装が魅力の「ZX」

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購入ケース③【デザイン&安全機能が成熟した後期型(2015年8月~)から探す】

ランドクルーザー200は2015年8月の変更でフロントマスク、ヘッドランプのデザインが大胆に変わり、後期型となった。

後期型ではミリ波レーダーと単眼カメラを使った衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P(トヨタ・セーフティ・センス P)」が全車標準装備されたのもトピックだ。

現代的な安全性能を求める方は、後期型一択となるだろう。

現在の中古車市場においては全流通量の4割弱となる60台ほどが後期型となっており、選択肢は決して少なくない。価格帯は523.5万円~。

ちなみに、トヨタの新車保証は一般保証(ほとんどの部品が対象)が3年または6万km、特別保証(エンジンなどの部品が対象)は5年または10万kmとなっている。

つまり、後期型の中でも新車保証が残っている物件も少なくないということだ。購入後のトラブルが気になる方は、新車保証が残っている物件から探すとよいだろう。

ただし、法定点検の実施やメンテナンスノートへの記載、保管が条件となる。物件選びの際はこれらがキチンと実施されてきた車両かどうか、確認されたい。
 

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ランドクルーザー200 ▲歩行者検知機能付きの「Toyota Safety Sense P 」をトヨタ車で初めて採用したのがランドクルーザー200だった

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※記事内の情報は2022年4月27日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/トヨタ
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。