ダイハツ アトレーワゴン ▲新型アトレーはバンのみとなったことで、需要が高まる可能性もある先代アトレーのワゴンモデル

長いモデルライフで買いやすい価格の物件も出てきた先代アトレー

昨年2021年12月に新型が登場したダイハツ アトレー。通算で6代目となるモデルということで実は意外にも歴史の古いモデルということになります。

ですが、「アトレー」と「アトレーワゴン」の2種類が存在しているため、少しややこしく感じている方もいるかもしれません。
 

ダイハツ アトレー ▲2021年12月に登場した新型アトレーではワゴンモデルは廃止となり、バンのみとなった

そもそも、アトレーとは1981年4月にハイゼットバンの上級車種として登場したモデル、「ハイゼット・アトレー」がルーツとなっています。83年のマイナーチェンジのタイミングで、アトレーへと改名がなされました。

このときは、あくまでハイゼットバンの上級車種という立ち位置。そのため、乗用車に近い装備をもちながらも商用車登録となっていました。乗用車登録のワゴンモデルが追加されたのは、1999年に登場した4代目が初となります。

その後の5代目はワゴン専売モデルとなりましたが、前述のように6代目モデルは再び商用モデルのみ。このカラクリのおかげで、「アトレーワゴン」は2世代のみ存在するということになります。

ということで、前置きが長くなりましたが、今回ご紹介するのは2005年から2021年までのおよそ16年にわたって販売されてきた2代目(アトレーとしては5代目)アトレーワゴンとなります。
 

ダイハツ アトレーワゴン ▲ワゴンならではのしっかりとしたリアシートも魅力のひとつ

この2代目アトレーワゴンは、福祉車両となる「フレンドシップ」シリーズ以外は全車ターボエンジン+4速ATを搭載。

ボディもハイルーフのみで、ベーシックな「カスタムターボR」と上級仕様の「カスタムターボRS」というシンプルな構成となっています(駆動方式はFRと4WDを設定)。

デビュー当初は、先代から引き継いだEF-DET型エンジンを搭載していました。2007年9月のマイナーチェンジで、「平成17年度排出ガス規制」に対応したKF-DET型エンジンへ換装。

64ps/10.5kg・mというスペックは不変ながら、最大出力、最大トルクともに発生回転数が低められ、より乗りやすいセッティングとなっています。

また、同じタイミングで新たに電動スライドドア(左側)などを標準装備とした最上級グレード「カスタムターボRSリミテッド」が追加されています。
 

ダイハツ アトレーワゴン ▲こちらがマイナーチェンジで追加された最上級グレード「カスタムターボRSリミテッド」

さらに、2017年11月には2度目のマイナーチェンジを実施。ここではエクステリアが大きく変更されるビッグマイナーチェンジとなり、衝突回避支援システムの「スマートアシストIII(スマアシIII)」やアイドリングストップが全車に標準装備。大きく進化しました。
 

ダイハツ アトレーワゴン ▲2度目のマイナーチェンジではスマアシIIIを標準装備した他、エクステリアも大きく一新された

気になる2代目アトレーワゴンの平均価格の推移は?

車中泊人気も相まって、ここのところ注目度が高まっている軽ワンボックスワゴン。2代目アトレーワゴンは、いよいよ平均価格が60万円切り目前となってきました。下のグラフをご覧ください。
 

ダイハツ アトレーワゴン

2019年1月時点では、約75万円となっておりますが、順調に値下がりをしています。

2021年後半には、多少の差はあるものの、新型が登場した影響もあってか60万円切り目前と言えるまでになってきています。

車中泊仕様のベースとして自己流のカスタマイズを施して、楽しみやすい価格帯となってきたと言えるのではないでしょうか。

ただ、通算でおよそ16年も販売が続けられてきただけあって、販売されている物件は価格も状態もピンキリ。

そこで、ここからはどんな物件を狙えばいいのか、サンプルをいくつかピックアップしてみました。
 

▼検索条件

ダイハツ アトレーワゴン(2代目)×全国

自分好みの車中泊仕様に!
車両本体価格50万円以下×走行距離8万km以下

軽のワンボックスモデルが人気の理由のひとつが、リアシートを折りたためば自分だけの小部屋が生まれ、車中泊仕様となるという点でしょう。

もちろん、このスペースに簡易的に布団セットを持ち込むだけで立派な車中泊仕様になりますが、やはり市販のベッドキットや小物類を搭載したり、DIYで棚を作ったりしてオンリーワンの空間に仕上げたくなるもの。
 

ダイハツ アトレーワゴン ▲アフターパーツとしてもキットが出ているが、自分でDIYするのもまた楽しいもの

そこで、購入後のカスタマイズ費用のことも考慮して車両本体価格は50万円以下、走行距離は8万km以下という条件を設定。

前期型が中心と思いきや、意外に新型エンジンを搭載した中期型モデルもヒットするため、ベース車としては最適の条件かもしれません。
 

▼検索条件

ダイハツ アトレーワゴン(2代目)×車両本体価格50万円以下 ×走行距離8万km以下 ×全国

キャンピングカーに仕上がったものを!
アトレーワゴン×キャンピングカー

ベースからコツコツと自分だけの車を作るのも楽しいものですが、あとからアレコレと追加していくと、意外と高価格帯になってしまうことも。「最初から仕上がっているものを買った方が安上がりだったかも……」なんてことは思いたくないですよね。
 

ダイハツ アトレーワゴン ▲こちらは純正オプションなどを組み合わせた例。広い荷室の可能性は無限大だ

そこで、アトレーワゴンの物件の中から「キャンピングカー」として登録されているものに注目。

中には、キャンピングカー専門店が架装した物件もありましたが、注目は「楽旅」や「楽釣」という名前が付けられたモデル。

これは「ダイハツクラフト」というダイハツ関連企業(現在はD-アクトに統合)がリリースしたブランドから販売されていた車中泊仕様車。

それだけにクオリティは高く、ベッド・キットを格納すれば4人乗車もできるという仕上がりで、150万~200万円超という車両価格の物件が中心とはいえ、一考の価値がある1台となっています。
 

▼検索条件

ダイハツ アトレーワゴン(2代目)×キャンピングカー ×全国

新型では消滅してしまったワゴンが欲しい!
2018年式以降×走行距離3万km以下

ダイハツ アトレーワゴン ▲2名以上での移動の機会が多いのであれば、やはりワゴンモデルの方が圧倒的に快適となる

新型となったアトレーは再び商用車登録となり、ワゴンモデルは消滅しています。

メーカーとしては広い後部座席が必要であればタントやウェイクがありますよ、ということらしいのですが、やはり軽ワンボックスのワゴンモデルが欲しいという人は少なからずいることでしょう。

そこで、先進安全装備のスマアシIIIが備わる2018年式以降かつ、走行距離3万km以下でチェックすると50台ほどの物件がヒットしました。

中には登録済未使用車の物件もいくつか存在しており、ほぼ新車のアトレーワゴンを手に入れる最後のチャンスとなりそうな予感。

当然すでに生産が終了していて、未使用車も数に限りがありますから、早めに行動した方が良さそうですね!
 

▼検索条件

ダイハツ アトレーワゴン(2代目)×2018年~ ×走行距離3万km以下 ×全国

▼検索条件

ダイハツ アトレーワゴン(2代目)×全国

※記事内の情報は2022年2月3日時点のものです。
 

文/小鮒康一、写真/ダイハツ
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。