牙を抜かれたタイプRというなかれ! ホンダ シビックタイプRユーロはスポーティかつお値段もお手頃なスポーツカー!
カテゴリー: 特選車
タグ: ホンダ / ハッチバック / シビックタイプRユーロ / 小鮒康一
2022/02/02
タイプRシリーズで現実的に狙えそうなシビックタイプRユーロ
ホンダといえばシビック、シビックといえばVTEC、VTECといえばタイプR! というイメージをおもちの人はまだまだ多いと思います。
しかし、近年ではシビックタイプRの価格が右肩上がりで上昇しており、限定車のFD2型の無限RRやFK8型のリミテッドエディションなどは1000万円オーバーも珍しくない状態。
そして、初代であるEK9型や、最後のNAエンジンを搭載したFD2型の素のモデルであっても、状態が良ければ400万円台と新車価格を大きく上回る価格となっていて、正直気軽に購入を検討できる価格ではなくなりつつあります。
そんなシビックタイプRではありますが、まだまだ現実的に狙えるモデルが存在しています。それこそが「シビックタイプRユーロ」です。
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ホンダ シビックタイプRユーロ(初代)×全国スペック的に十分楽しめる! タイプRエンブレムに偽りはなし
シビックタイプRユーロとは、その名のとおり欧州向けに販売されていたシビックのタイプRモデルであり、日本では2009年からイギリス生産の車両を輸入する形で販売がスタート。
この2009年の2年前には、日本仕様としては3代目となるFD2型がリリースされており、当時はFD2型と比較されることが多かったのです。
FD2型と同じ2Lエンジンでありながら、シビックタイプRユーロは出力が24ps低い201psであることや、リアサスペンションがトーションビームであること、フィットなどと同じく室内スペースを優先したセンタータンクレイアウトであることなどを挙げて、“スポーツ性の低いモデル”という評価となっていました。
確かに、FD2型に比べればスペック面では見劣りするものでしたが、完全にサーキット向けに締め上げられた足回りのFD2型に対し、欧州の荒れた路面もしなやかにいなす味付けとなったサスペンションは、リアがトーションビームとは思えないほど秀逸な仕上がり。
ピークパワーこそ劣るエンジンも、FD2型には備わらない二次バランサーシャフトを備えてスムーズさに磨きをかけており、8300回転のレブリミットまで軽やかに吹け上がるフィーリングは、まさに高回転型NAエンジンといったもので、リッター100馬力超の出力に不満を覚えることもないでしょう。
そして、シビックと言いながらセダンボディとなってしまったFD2型に対し、伝統のハッチバックボディをもつタイプRユーロこそ、実はシビックタイプRの本流なのでは? とも思えてしまいます。加えて昨今では、3ドアのハッチバックスポーツが少なくなっているので、純なホットハッチを味わえるのも魅力的です。
そして、日本には導入されなかったイギリス仕様のシビックがベースとなっていることで、今見ても新鮮な印象で古さを感じさせないというのも美点と言えます。
また、当時は2009年モデルが2010台、2010年モデルが1500台の台数限定車として販売されていた点も、今後価値が見いだされそうなポイントです。
台数はそこそこ豊富で安価な物件は本体価格100万円切りも
そんなシビックタイプRユーロではありますが、前述したように現時点ではそこまで価格が高騰しておらず、安価な物件では車両本体価格100万円を切るものも存在しているほど。掲載台数も約80台と、限定車としては比較的多めの物件数となっています。
また、安価なものでも極端な多走行車や修復歴あり車ばかりというわけでもなく、走行距離10万km未満の物件でも総額150万円前後のものが存在しているといった状況です。
一方、低走行かつ修復歴のない物件であっても車両本体価格300万円を超えるものはなく、新車価格(298万円)を超えるようなプレミア価格とはなっていないため、総額200万円前後の予算があれば、比較的低走行かつ修復歴なしの状態の良い物件も十分射程圏内。
とはいえ、国産スポーツモデルが軒並み高騰している今、シビックタイプRユーロもいつ値上がりが始まるか分かりませんから、気になっている人は今のうちに行動に移すことをオススメします。
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ホンダ シビックタイプRユーロ(初代)×全国自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。