e-208▲続々と登場する電気自動車(EV)。中でも今、中古車で買えるモデルを航続距離のランキング形式で紹介
 

中古車でも買える電気自動車(EV)が増えている

新車では電気自動車(EV)モデルが相次いでリリースされているが、中古車市場でも多くの物件が流通してきていることはあまり知られていない。

電気自動車は自宅充電の環境を整えることができるユーザーにとって、ランニングコストがガソリン車以下となり、可動部が少ない分メンテナンスコストも安くなるなど、コストメリットが大きい。

さらに、中古車では購入時の補助金こそ受けられないが、初回の車検時は重量税が非課税となるなど税金面でのメリットもある。

ここでは2022年10月5日現在、全国で20台以上の中古車が流通しているモデルを、航続距離が長い順に紹介する。

航続距離はカタログに記載されているWLTCモードでの紹介となるが、一部車種はJC08モードとなる点、グレードやオプション、そして実際の走行シチュエーションによって航続距離は大きく異なる点は了承いただきたい。
 

 

テスラ モデル3(現行型)|409~689km

テスラ モデル3▲テスラのエントリーモデルとして人気を集めているモデル3

■航続距離:409~689km
■中古車平均価格:584.5万円
■中古車流通台数:約75 台
■充電の種類:普通充電・急速充電(CHAdeMO、テスラスーパーチャージャー)
■専用アプリの有無:有(デジタルキー、車両状態確認、空調、充電コントロール、ドアロック開閉など)

アメリカのEVベンチャー、テスラモーターズ。同社のモデルの中で、最もコンパクトなエントリーモデルとして2019年から日本で販売されているのがモデル3だ。

テスラのラインナップの中ではコンパクトだが、全幅は1850mmとアメリカンサイズとなっている。

最もベーシックなシングルモーターリア駆動の「スタンダードレンジ」と、デュアルモーターAWDかつ大容量バッテリーを搭載した「ロングレンジ」。そして、ロングレンジをベースに出力を向上させた「パフォーマンス」がある。
 

テスラ モデル3▲広いガラスルーフは後席の開放感にも寄与

■テスラ モデル3(現行型)の中古車相場

70台ほどの中古車物件が掲載されており、「スタンダードレンジ」であれば400万円台から見つけることが可能だ。

最上級グレードの「パフォーマンス」でも、700万円を切る価格の物件も存在する。

日本では2019年からデリバリーが開始されたモデルということもあり、ほとんどの物件が走行距離3万km未満となっているが、中には5万km以上走行している物件もある。

走行距離の多いモデルでも、新車時価格と比べて大きな割安感はないので、年式なりの走行距離の物件がオススメと言えそうだ。
 

▼検索条件

テスラ モデル3(現行型) ×全国
 

テスラ モデルS(現行型)|401~652km

テスラ モデルS▲まもなくデビューから10年が経過しようとしているモデルS。アップデートが続けられており人気は高い

■航続距離:401~652km
■中古車平均価格:698万円
■中古車流通台数:約40台
■充電の種類:普通充電・急速充電(CHAdeMO、テスラスーパーチャージャー)
■専用アプリの有無:有(デジタルキー、車両状態確認、空調、充電コントロール、ドアロック開閉など)

テスラとしては2車種目となるモデルSだが、テスラの初モデルはロータス エリーゼがベースとなっていたため、初のテスラフルオリジナルのモデルということになる。

日本では2013年より販売が開始されており、2022年時点でも現行モデルとしてラインナップに名を連ねているため、終売したモデルも含めるとそのバリエーションは多岐にわたっている。

現在新車で販売されているのはデュアルモーターAWDの「モデルS」と、トライモーターAWDとなる「モデルS Plaid」の2種類。

過去には、シングルモーターRWDのものも販売されていた。
 

テスラ モデルS▲スイッチ類を廃した洗練されたインテリア(写真は左ハンドル仕様)

■テスラ モデルS(現行型)の中古車相場

最も安価なものでは車両本体価格450万円以下のもあるが、バッテリー容量の小さい60系が中心となるので、長距離移動を考えているのであれば注意が必要。

一方、高年式かつ上級グレードの物件では1000万円を超えるものも珍しくない。

ただ、最新モデルは納期遅れが目立っているため、最新モデルでなくても一刻も早くモデルSに乗りたいという人は高年式物件を狙ってみるというのもアリかもしれない。
 

▼検索条件

テスラ モデルS(現行型) × 全国
 

メルセデス・ベンツ EQA(現行型)|420~555km

EQA(現行型)▲コンパクトSUVのGLAがベース。扱いやすいサイズで、日本の道路事情にもマッチしたボディサイズが魅力

■航続距離:420~555km
■中古車平均価格:773.6万円
■中古車流通台数:約25台
■充電の種類:普通充電・急速充電(CHAdeMO)
■専用アプリの有無:有(エアコン操作、車両状態確認、遠隔ドアロック/アンロック、ナビ設定など)

EQAは、メルセデス・ベンツのEVの中で最もコンパクトなサイズのSUVだ。クロスオーバーSUVスタイルをまとっているが、GLAがベースということで日常使いしやすいボディサイズとなっているのが特徴。

モーターはフロントに搭載され、140kW/375N・mの出力を発生。バッテリーの容量は66.5kWhと一回り大きなサイズのEQCよりコンパクトながら、軽量かつシングルモーターということもあってEQCを上回る航続距離を実現している。
 

EQA(現行型)▲カーナビをはじめとした様々な機能を音声でも操作できる「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」を搭載

■メルセデス・ベンツ EQA(現行型)の中古車相場

発売開始からおよそ1年半が経過し、30台弱の中古車が流通するEQA。ほとんどの物件がAMGラインのオプション装着車となっている。

ただ、AMGラインにはスポーツサスペンションや20インチタイヤホイールが含まれるため、マイルドな乗り味を求めるのであれば、あえてAMGラインを非装着とした仕様を狙うというのも選択肢のひとつと言えそうだ。

車両本体価格600万円台後半~700万円台前半価格帯には、非装着車もわずかに存在する状況となっている。
 

▼検索条件

メルセデス・ベンツ EQA(現行型) × 全国
 

ポルシェ タイカン(現行型)|354~504km

ポルシェ タイカン▲電気自動車でありながらポルシェらしい乗り味が好評のタイカン

■航続距離:354~504km
■中古車平均価格:1686.5万円
■中古車流通台数:約55台
■充電の種類:普通充電・急速充電(CHAdeMO、ポルシェターボチャージャー)
■専用アプリの有無:有(車両状態確認、空調、充電コントロール、ドアロック開閉、カーファインダーなど)

ポルシェ初のピュアEVとなるタイカンは、2015年に発表されたコンセプトカー「ミッションE」を基にしたもので、2020年からデリバリーが開始されている。

当初は前後軸にそれぞれモーターを配した四輪駆動モデルのみで、「4S」、「ターボ」、「ターボS」というラインナップたった。

その後、2021年1月にベーシックモデルとして後軸のみにモーターを搭載する後輪駆動モデルが追加された。

また、2021年3月にはタイカンをベースとしたクロスオーバーモデルである「タイカン クロスツーリスモ」を追加。SUVテイストを追加しただけでなく、車体後部の形状を変更し、シューティングブレークとなっている。
 

タイカン▲ポルシェ然としたスポーティな内装(写真は左ハンドル仕様)

■ポルシェ タイカン(現行型)の中古車相場

2020年6月に日本での販売が開始されたタイカン。最もベーシックなグレードでも、新車価格が1200万円~というプレミアムEVモデルである。

中古車でも最安値物件は1300万円ほどのプライスとなっており、「ターボS」になると2500万円ほどと新車価格とほぼ変わらない状況となっている。

一方、追加モデルの「クロスツーリスモ」はほとんど流通しておらず、これから流通数が増えてくるのを待つほかない状態。

物件の多くはディーラー系の認定中古車となっているので、購入後のアフターサービスの面では安心できそうである。
 

▼検索条件

ポルシェ タイカン(現行型) × 全国
 

BMW i3(初代)|130~466km

i3(初代)▲BMWのモデルであることが一目で分かるフロントマスクながら、他のモデルとは一線を画す個性的なデザイン

■航続距離:約130~466km
■中古車平均価格:321.2万円
■中古車流通台数:約35台
■充電の種類:普通充電・急速充電(CHAdeMO)
■専用アプリの有無:有(デジタルキー、車両状態確認、空調、充電コントロール、ドアロック開閉など)

2013年7月に発表された、BMWとしては初の量産電気自動車であるi3。日本では2014年4月から販売が開始され、その近未来的なルックスとワンペダルでの斬新な走行感覚は話題を集めた。

純EVモデルの他、647ccの発電用エンジンを搭載した「レンジ・エクステンダー装備車」も用意され、9Lのミニマムな燃料タンクによってさらなる航続距離の延長を実現していた。

搭載される駆動用バッテリーは当初22kWhのものとなっていたが、2016年9月には33kWh、2019年2月には42kWhへとそれぞれ容量を拡大。

エクステリアは2018年1月のマイナーチェンジで若干変更がなされているものの、もともともっている先進的なイメージは今見ても古さを感じさせない。
 

i3(初代)▲ドアは観音開き仕様になっている(写真は左ハンドル仕様)

■BMW i3(初代)の中古車相場

執筆時点では約30台の中古車物件の掲載があり、その多くが発電用エンジンを搭載したレンジ・エクステンダーモデルとなっている。

初期型の非レンジ・エクステンダーモデルについては総額で200万円を切るものも存在しているが、駆動用バッテリーの劣化具合には気を配りたいところ。

一方、大容量のバッテリーを搭載した2019年2月以降のモデルはレンジ・エクステンダーモデルで総額400万円を超えるものが中心となっている。
 

▼検索条件

BMW i3(初代) × 全国
 

日産 リーフ(現行型)|322~458km

リーフ▲日本を代表する電気自動車のリーフ。現行型は2017年に登場した2代目

■航続距離:322~458km
■中古車平均価格:240.2万円
■中古車流通台数:約695台
■充電の種類:普通充電・急速充電(CHAdeMO)
■専用アプリの有無:有(車両状態確認、空調、充電コントロール、カーファインダー、ナビルート設定など)

世界初の量産普通電気自動車としてデビューしたリーフは、2017年に2代目が登場。

プラットフォームこそ初代と共通だが、進化したバッテリーと40kWhと容量が大型化されたことで322kmという航続距離を実現した。

2019年1月には62kWhというさらに大容量なバッテリーを搭載した「e+」が追加され、航続距離は458kmまで延びている。

スポーツコンバージョンモデルの「NISMO」(40kWhのみ)やプレミアムスポーティを標榜する「AUTECH」といったカスタマイズモデルもリリースされており、より幅広いユーザーにマッチするモデルラインナップとなっている点も特徴だ。
 

リーフ▲スポーティナー走りを味わえる「NISMO」

■日産 リーフ(現行型)の中古車相場

日本で最も売れているEVということもあり、中古車物件は700台ほどと群を抜いて多い。

安価な物件では車両本体価格150万円を切るものも複数存在し、最も選びやすい中古車EVと言えるだろう。

大容量バッテリーを搭載した「e+」は270万円台からと、新車時の価格を考えれば買い得感が強くなっている物件もある。

走行距離の多い物件では12万km超のものもあり、バッテリーの劣化具合が気になるところ。ただ、メーター上のセグメント欠けは発生していない物件が多く、初代に比べて電池は劣化しにくくなっているようだ。
 

▼検索条件

日産 リーフ(現行型) × 全国
 

ジャガー Iペイス(現行型)|438km

ジャガー Iペイス▲SUVでありながらクーペのような低く構えたスタイルのIペイスはジャガーらしいアプローチ

■航続距離:438km
■中古車平均価格:720.5万円
■中古車流通台数:約30台
■充電の種類:普通充電・急速充電(CHAdeMO)
■専用アプリの有無:有(車両状態確認、空調、充電コントロール、ドアロック開閉、ロードアシスタンスなど)

ジャガー初となる電気自動車のIペイス。“エレクトリック・パフォーマンスSUV”と称するモデルで、SUVスタイルをもちながらも低く構えたクーペスタイルが特徴となっている。

パワートレインは前後にモーターを配した2モーターの四輪駆動で、合計の最高出力は400ps、最大トルクは696N・mを発生。

搭載されるバッテリーは90kWhの大容量のもので、航続距離は438kmとなっている。なお、スペックはグレードによる差はない。

用意されるグレードは、登場から1年間限定の「ファーストエディション」を筆頭に、「HSE」、「SE」、「S」の4グレード構成となっている。
 

Iペイス▲高級感のあるIペイスのインテリア

■ジャガー Iペイス(現行型)の中古車相場


上級グレードでは1000万円オーバーのIペイスだが、中古車としては最も高額なものでも800万円台とかなり価格が下がり気味だ。

最も安価なものでは、500万円台前半とかなり価格が下がっている印象だ。
 

▼検索条件

ジャガー Iペイス(現行型) × 全国
 

アウディ e-tronスポーツバック(現行型)335~423km

 e-tronスポーツバック(現行型)▲クーペ風のスタイルながら、大きなリアゲートを備える5ドアハッチバックのボディを採用

■航続距離:335~423km
■中古車平均価格:895.7万円
■中古車流通台数:約30台
■充電の種類:普通充電・急速充電(CHAdeMO)
■専用アプリの有無:有(エアコン操作、車両状態確認、遠隔ドアロック/アンロック、カーファインダーなど)

2020年9月に発売された、アウディブランドとしては日本初の電気自動車となるe-tronスポーツバック。

スポーツバックとは、クーペスタイルの5ドアハッチバックボディを指す。Q8のプラットフォームを使用しているため、力強さも感じさせる仕上がりとなっている。

全グレードで前後にモーターを配した電動4WDとなるが、「50 クワトロSライン」が230kW/540N・m、「55 クワトロSライン」が300kW/664N・mと出力が異なり、搭載されるバッテリーも前車が71kWh、後車が95kWhと違いがある(航続距離は前車が335km、後車が423km)。

また、2022年3月には「S スポーツバック」も追加され、こちらは370kW/973N・mとシリーズ最強の出力を発生させる。そのためバッテリーは95kWhであるが、航続距離は415kmとわずかに減少している。
 

 e-tronスポーツバック(現行型)▲コックピットをほうふつとさせるe-tronスポーツバックのインテリア

■アウディ e-tronスポーツバック(現行型)の中古車相場

e-tronスポーツバックの流通台数は約30台。その大半が、55 クワトロSライン系で、シリーズ最強を誇るS スポーツバック、エントリーモデルとなる50 クワトロSラインの掲載はほとんどない。

現時点で新車価格は1200万円超となっている55 クワトロSライン系ではあるが、中古車では安いもので車両本体価格が800万円を切っているものもある。

サイレンスパッケージや21インチアルミホイール、オレンジのブレーキキャリパーなどが標準装備となっていた「ファーストエディション」もこの価格帯で狙えるものが存在しているため、かなり買い得感は高いと言えそうだ。
 

▼検索条件

アウディ e-tronスポーツバック(現行型) × 全国
 

メルセデス・ベンツ EQC(現行型)|400km

EQC(現行型)▲新車価格1000万円オーバーというプライスにふさわしく、先進的でありながら威風堂々としたたたずまい

■航続距離:400km
■中古車平均価格:906.9万円
■中古車流通台数:約20台
■充電の種類:普通充電・急速充電(CHAdeMO)
■専用アプリの有無:有(エアコン操作、車両状態確認、遠隔ドアロック/アンロック、ナビ設定など)

日本初のメルセデス・ベンツの電気自動車となったEQCは2019年7月から予約受付をスタート。デビューを記念する限定モデルの「エディション1886」が55台限定で発売された。

搭載されるバッテリーは80kWhとなっており、モーターは前後のアクスルに搭載される4MATIC(四輪駆動)。2基のモーターのシステム最高出力は300kW、最大トルクは765N・mとなっており、2.5tの巨体を苦もなく加速させてくれる。

2022年1月にはバッテリーやモーター出力に変更はないものの、国内でも増えてきている超急速充電にも対応できるように、最大110kWまで対応とすることで、より短い時間で多くの充電をすることを可能としている。
 

EQC(現行型)▲インテリアはメルセデス・ベンツらしいシンプルなラインで構成しながらも未来的な雰囲気をもち合わせる

■メルセデス・ベンツ EQC(現行型)の中古車相場

執筆時点での掲載台数は約20台とそこまで多くないEQC。デビュー当初の限定車であるエディション1886は3台の掲載があったが、限定車だからといって高額で取引されているわけではなく、3台すべてが700万円台の車両本体価格となっていた。

それ以外のモデルはすべてパッケージオプションである「AMGライン」を装着した車両となっており、価格帯は総額で800万円台後半~900万円台半ばがボリュームゾーンとなっている。
 

▼検索条件

メルセデス・ベンツ EQC(現行型) × 全国
 

プジョー e-208(現行型)|380km

プジョー e-208▲コンパクトハッチバックの208をベースとしたe-208

■航続距離:380km
■中古車平均価格:348.5万円
■中古車流通台数:約35台
■充電の種類:普通充電・急速充電(CHAdeMO)
■専用アプリの有無:有(充電予約、充電状況の確認およびON・OFF、空調のコントロール)

e-208はプジョーのコンパクトハッチバック、208をベースとした電気自動車モデルだ。

これまで紹介してきた他の電気自動車はすべてEV専用モデルだが、208はガソリンエンジンモデルも存在する。

フロントに駆動用モーターがレイアウトされる前輪駆動車で、136ps/260N・mを発生。

搭載されるバッテリーは50kWhのもので、航続距離は380km。

グレードはガソリンモデルと同じく「GT(ライン)」と「アリュール」の2つ。パワートレインは共通で、もっぱら内外装の違いが差異となっている。
 

e-208▲直線が多用され、シャープな印象を与えるe-208のインテリア

■プジョー e-208(現行型)の中古車相場

ベーシックモデルである「アリュール」はわずか2台しか流通しておらず、ほとんどが「GT系」となっている。

車両本体価格は320万~380万円台と、ほとんどバラつきがない状態だ。

流通している物件の大半がディーラー系の認定中古車となっており、展示車もしくは試乗車アップが中心。走行距離も最も多い2.8万kmというものが1台で、それ以外は1万km台と、状態の良いものが多くなっている。
 

▼検索条件

プジョー e-208(現行型) × 全国
 

プジョー SUV e-2008(現行型)|360km

プジョー e-2008▲クロスオーバーSUVスタイルのe-2008は、電気自動車となってもほとんど室内スペースは犠牲となっていない

■航続距離:360km
■中古車平均価格:392.1万円
■中古車流通台数:約25台
■充電の種類:普通充電・急速充電(CHAdeMO)
■専用アプリの有無:有(充電予約、充電状況の確認およびON・OFF、空調のコントロール)

プジョーのコンパクトクロスオーバーSUVである2008の2代目モデルをベースとし、電気自動車としたのがSUV e-2008だ。

208のクロスオーバーSUV版という位置づけのモデルだが、208がベースというよりは208も採用している最新プラットフォーム「CMP」を共有しているというのが正確な表現だろう。

搭載されるモーターやバッテリーはe-208と共通の136ps/260N・mのモーターと50kWhのリチウムイオンバッテリー。

航続距離がe-208よりも20km短いのは、大きく重くなったボディが影響しているということになる。
 

e-2008▲車体側面からも意匠性の高さがうかがえる

■プジョー SUV e-2008(現行型)の中古車相場

SUV e-2008もe-208と同じく、ほとんどが「GT系」となっている。この「GT系」でも、わずかに流通する「アリュール」よりも安い物件もチラホラ存在しているといった状況だ。

車両本体価格は340万~440万円とe-208よりも幅が広くなっているが、最も走行距離が多いものでも1.5万km程度となっており、価格をベースに選んでも間違いはなさそうだ。
 

▼検索条件

プジョー SUV e-2008(現行型) × 全国
 

DSオートモビル DS3クロスバックE-TENSE(現行型)|320km

 DS3クロスバックE-TENSE(現行型)▲ボディサイズこそ大きくはないが、上質さをまとったエクステリアは高級感たっぷり

■航続距離:320km(JC08モード398km)
■中古車平均価格:405万円
■中古車流通台数:約30台
■充電の種類:普通充電・急速充電(CHAdeMO)
■専用アプリの有無:有(リモートチャージング、エアコン操作・予約)

2018年10月に発表された、DSオートモビルの小型クロスオーバーSUVであるDS3クロスバック。それをベースとした電気自動車版である「E-TENSE」は2020年7月から日本での販売が開始されている。

搭載されるバッテリーは50kWhのリチウムイオンバッテリーで、モーターは最高出力136kW、最大トルク260N・mとなって前輪を駆動させるものとなっている。

当初はベーシックな「ソーシック(受注生産)」と「グランシック」の2グレードが用意されていたが、2021年10月にソーシックを廃止し、グランシックが単に「E-TENSE」となった他、2021年7月にはスポーティーな内外装をまとった特別仕様車「E-TENSEパフォーマンスライン」がリリースされた。
 

 DS3クロスバックE-TENSE(現行型)▲EVらしいというよりは「DSらしい」と言える特徴的な内装。他の輸入車メーカーとも一線を画す

■DSオートモビル DS3クロスバックE-TENSE(現行型)の中古車相場

中古車流通台数は30台となっており、ほとんどが装備充実のグランシック(現在のベースグレード)となっている。エントリーグレードのソーシックや特別仕様車のパフォーマンスラインはレアな存在だ。

まだ登場間もないモデルということもあって、走行距離が1万kmを超えているものは皆無で、支払総額が400万円を切っている物件も数台存在している状態。

新車価格はおよそ550万円であることを考えると、数千kmしか走行していないのに150万円近く安く購入できるというのは非常に魅力的と言えるだろう。
 

▼検索条件

DSオートモビル DS3クロスバックE-TENSE(現行型) × 全国
 

ホンダ Honda e(現行型)|259~283km

ホンダ Honda e▲愛嬌のあるスタイルと先進的な装備のギャップも魅力のHonda e

■航続距離:259~283km
■中古車平均価格:400.3万円
■中古車流通台数:約5台
■充電の種類:普通充電・急速充電(CHAdeMO)
■専用アプリの有無:有(充電管理、エアコン操作、デジタルキー、目的地設定、カーファインダーなど)

「ホンダが提案する都市型コミューター」としてリリースされた、同社初の量産電気自動車。

やみくもに航続距離を追い求めることをせず、移動と暮らしをシームレスにつなげる生活のパートナーとなることを目指したモデルである。

モーターはリアに搭載され、後輪を駆動するRRレイアウトとなっている。ボディサイズから受ける印象以上に取り回しが良い点や、ドアミラーを廃してカメラとモニターとするなど、先進性も魅力だ。

搭載されるモーターとバッテリーはグレード問わず共通だが、上級グレードとなる「Advance」ではモーターの出力が向上されており、それに伴って航続距離も短くなっている。
 

Honda_e▲取り回し世の良さは道幅の狭い市街地で威力を発揮する

■ホンダ Honda e(現行型)の中古車相場

以前は30台ほど掲載のあった中古車物件だが、執筆時点ではわずか5台。すべての物件が上級グレードとなる「Advance」。走行距離は1万km以下のものが中心となっている。

価格帯は400万円をわずかに切るものも増えてきているが、走行距離は1万km未満と低走行車が中心となっているので買い得感は高いと言えるかもしれない。

そういった物件も含め、ほとんどがディーラー系中古車店のもので、試乗車アップとなっている状況だ。
 

▼検索条件

ホンダ Honda e(現行型) × 全国
 

日産 リーフ(初代)|200~280km(JC08モード)

日産 リーフ▲電気自動車を広く世に知らしめたモデルである初代リ-フ。中古車としてはバッテリーの劣化を要チェック

■航続距離:200~280km(JC08モード)
■中古車平均価格:90万円
■中古車流通台数:約230台
■充電の種類:普通充電・急速充電(CHAdeMO)
■専用アプリの有無:有(車両状態確認、空調、充電コントロール、カーファインダー、ナビルート設定など)

世界初の量産普通電気自動車として2010年に販売がスタートしたリーフ。

デビュー当初は24kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、満充電での航続距離は200km(JC08モード)となっていた。

その後、2012年11月のマイナーチェンジで軽量化や回生ブレーキの制御変更、モーターの変更などの改良を実施し、航続距離を228km(JC08モード)まで延ばしている。

そして、2015年12月には2度目のマイナーチェンジを実施し、駆動用バッテリーを30kWhへと拡大して航続距離を280km(JC08モード)まで向上。

さらに、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報などの先進安全装備も追加された。
 

リーフ▲近未来的なリアデザインが特徴

■日産 リーフ(初代)の中古車相場

デビューから10年以上が経過し、駆動用バッテリーの劣化が進んだ物件も多く(特に初期型)満充電でも60km前後しか走行できないといったものも存在している。

そのため、安価なものでは車両本体価格で20万円を切るものもある。中には自動車としてではなく、家庭用の蓄電池として導入するユーザーもいるようだ。

車両として購入するのであれば、後期型の30kWhバッテリーを搭載したものがオススメ。こちらも総額100万円以下で多くの物件を見つけることができる狙いやすい状況だ。
 

▼検索条件

日産 リーフ(初代) × 全国
 

三菱 アイ・ミーブ(軽)(初代)|120~160km(JC08モード)

三菱 アイ・ミーブ(軽)▲航続距離の短い電気自動車は軽自動車のようなサイズ感がマッチするのかも? と思わせてくれるアイ・ミーブ(軽)

■航続距離:120~160km(JC08モード)
■中古車平均価格:84.4万円
■中古車流通台数:約105台
■充電の種類:普通充電・急速充電(CHAdeMO)
■専用アプリの有無:なし(ただし、ユーザー向けに充電設備の検索などができる三菱のアプリが存在)

軽自動車として2006年にデビューしたi(アイ)をベースにした電気自動車。当初は法人や官公庁向けのリース車両としてリリースされ、2010年からは一般ユーザー向けにも販売が開始された。

デビュー時は16kWhの容量をもつ駆動用バッテリーを搭載。その後2011年7月のマイナーチェンジ時に、廉価版として10.5kWhバッテリーを搭載したグレードも追加されている。

2018年4月の一部改良では対歩行者安全強化に伴ってバンパーが大型化され、普通車登録となっているが、ここでは軽自動車版のみを紹介する。
 

アイ・ミーブ▲丸みをもたせたデザインが特徴的

■三菱 アイ・ミーブ(軽)の中古車相場

リース販売時代も含めると2009年からリリースされていたアイ・ミーブ(軽)だが、流通台数は105台ほどとなっている。

安いものではリースアップと思われる2009~2010年式のものが車両本体価格20万円台という価格で売られているが、安価な物件はバッテリーが劣化したものも多くなっているようだ。

当然高年式のものの方が人気で、特に10.5kWhバッテリーのモデルはバッテリーの経年劣化が少ないといわれている。

軽自動車らしい近距離移動の移動手段として購入を検討している層に人気があり、車両本体価格130万~160万円程度の物件も珍しくない状況だ。
 

▼検索条件

三菱 アイ・ミーブ(軽) × 全国
文/小鮒康一 写真/尾形和美、篠原晃一、柳田由人、郡大二郎、テスラ、メルセデス・ベンツ、ポルシェ、BMW、日産、ジャガー、アウディ、プジョー、DSオートモビル、ホンダ、三菱
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。