メルセデス・ベンツ Bクラス(旧型)▲Bクラスのグレード構成はシンプルで、1.6LターボのB180系か、2LターボのB250系(写真)。B250はBクラスのスポーティなトップグレードという位置付けで、登場時は2WDだったが、2015年1月のマイナーチェンジで4WDになった

国産の軽自動車やコンパクトカーと同程度の価格になってきた!

メルセデス・ベンツ Bクラスは、Cセグメントのハッチバック。フォルクスワーゲン ゴルフや同社のAクラスも同じセグメントだが、それらに対し広々した室内とラゲージを備えているのが特徴だ。

旧型となる2代目Bクラスは2012年4月にデビュー。順調に下がってきた中古車の平均価格は、ついに100万円を切る寸前にまで下がり、軽自動車や国産コンパクトカーと十分比較検討できる中古車となってきた。

お手頃感が高まってきている今、狙うならどんな物件か? 以下、詳しく見てみよう。

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メルセデス・ベンツ Bクラス(旧型・2代目)×全国 ※本体価格昇順

台数がジワジワ減っているので、早めの行動が正解だ

2代目Bクラスは、2012年4月に登場してから間もなく10年がたつ。2019年6月には現行型の3代目へと切り替わり、3代目の中古車も流通してきたこともあり、順調に値落ちを続けている。

昨年10月には147.3万円だった平均価格は、今年10月には126.9万円と約20万円値落ちし、原稿執筆時点(2021年12月2日)では108万円にまで落ちている。

この価格は軽自動車や国産コンパクトカーと同じくらいか、むしろそれよりも安い。

もちろん新車時価格が異なるため(Bクラスは299万~535万円)、同じ価格帯で見るとBクラスの方が低年式のものが多いが、それでも現行型ホンダ N-BOXの中古車平均価格が約150万円、現行型スズキ スペーシアが約145万円、現行型スバル インプレッサスポーツが約160万円と聞けば、十分検討に値するのではないだろうか。

メルセデス・ベンツ Bクラスの平均価格推移グラフ

掲載物件の年式を詳しく見てみると、デビュー年の2012年式が最も多く、その価格帯は100万円以下。2015~2016年式と比較的新しめのものでも150万円前後で十分見つけることができる。

そして、先の軽自動車やコンパクトカーと比較検討するならば、後者の2015~2016年式あたりも十分ターゲットになってくるだろう。

一方で、平均価格は確かに右肩下がりだが、中古車台数は決して増えておらず、むしろ今年5月をピークにじわじわ下がってきている。

台数が増えていないのに平均価格が下がっているということは、価格の安い低年式車や多走行車の割合が増えているということでもある。

つまり、軽自動車や国産コンパクトカー並みの価格で狙えるBクラスは、日に日に減っているということになる。

直近の平均価格を見て、「メルセデス・ベンツ Bクラスもいいかも」と思っているなら、早めに行動することをオススメしたい。

以下、2代目Bクラスとはどんな車だったのか振り返ってみよう。

立体駐車場に収まるサイズになったハイト系コンパクト

メルセデス・ベンツ Bクラス(旧型)▲周囲が暗くなると自動でライトが点くオートライト機能や、雨を検知するとワイパーが作動するレインセンサーは全車標準装備。マイナーチェンジでLEDヘッドライトがB180スポーツとB250に標準装備され、ベースグレードのB180はオプションで用意された

Cセグメントの王者フォルクスワーゲン ゴルフやBMW 1シリーズ、アウディ A3とガチンコ勝負するハッチバックはメルセデス・ベンツ Aクラスだが、このAクラスをベースに、ライバルたちより広い室内が与えられたのがBクラスだ。

Aクラスより先に、2012年4月に日本に投入された2代目Bクラス。初代では床下に蓄電池などを搭載可能にするため、床が2階建て構造の「サンドイッチ・コンセプト」だったが、2代目からはこの構造を廃し新たにMFAプラットフォームが開発された。

そのため、広い室内空間ながら全高は65mmダウンの1540mmに。日本の多くの立体駐車場にも収まるサイズになった。

デビュー時のラインナップは、1.6Lターボ×7G-DCT(2ペダルMT)のB180系のみ。安全機能では衝突警告システム「CPA」が、当時のこのクラスでは初めて採用された。警告でドライバーがブレーキを踏んでも、制動力が不十分だと判断するとブレーキアシストが働く機能だ。

メルセデス・ベンツ Bクラス(旧型)▲車両姿勢制御システムやブレーキアシスト機能、パーキングアシストリアビューカメラは全車に標準装備。B180は16インチ、B180スポーツとB250は17インチアルミホイールで、パンクしても一定距離を走れるランフラットタイヤを装着
メルセデス・ベンツ Bクラス(旧型)▲アンビエントライトはデビュー時から備わるが、2015年1月のマイナーチェンジで12色から選べるようになった。オーディオなどを操作できる「コマンドシステム」やUSB、AUX入力端子、Bluetoothオーディオ機能は全車に標準装備。HDDナビはオプション
メルセデス・ベンツ Bクラス(旧型)▲デビュー時のラゲージ容量は486L~1545L。2014年にライバルのBMW 2シリーズアクティブツアラーが登場した影響だろう、2015年1月のマイナーチェンジで488L~1547Lへと若干増やされている
メルセデス・ベンツ Bクラス(旧型)▲後席の前後スライド機能や、ラゲージフロアボードの調整で666Lに容量を拡大できる「イージーバリオ プラス」がデビュー時は全車オプションで、2015年1月のマイナーチェンジでB250には標準装備、他はオプションで用意された

2013年2月には、2Lターボを搭載したB250が追加された。トップグレードの位置付けのため、後席にリクライニング&前後スライド機能が備わる「イージーバリオ プラス」を標準装備するなど、装備が充実している。

2015年1月のマイナーチェンジでは、「CPA」の進化版「CPAプラス」が標準装備された。これは警告でドライバーがブレーキを踏まなかった場合に、システムが自動でブレーキをかけ、衝突被害を軽減するというもの。さらに、先行車に自動で追従するアダプティブクルーズコントロール(ディストロニック・プラス)や、ブラインドスポットアシストなどを含む「レーダーセーフティパッケージ」がオプションで設定された。

ラインナップではB250が、同社独自のフルタイム4WD「4マチック」を搭載したB250 4マチックスポーツのモノグレードに変更された。

2016年10月から12月にかけて、オプションの「レーダーセーフティパッケージ」が無料で装備できるキャンペーンが組まれたことで、同機能を搭載するBクラスが増えたと予想される。

そして、2019年6月に現行型(3代目)に切り替わったことで、販売が終了した。

デビュー時の車両本体価格は、B180系が299万~348万円、B250は435万円、マイナーチェンジで登場したB250の4WD(B250 4マチック)は490万円だった。

ダントツで選びやすいB180系の、後期型がオススメ。あとは好みの装備で選ぼう

2代目Bクラスのグレードは、大きく分けると1.6Lターボを搭載したB180系か、2Lターボを搭載したB250系の2種類。中古車の台数はB180系が圧倒的に多く9割以上を占めるため、狙うならやはり選びやすいB180系だ。

街乗りにちょうどいいサイズで、室内が広々したコンパクトカーというBクラスのキャラクターには、1.6Lターボでも十分ではないだろうか。

2015年1月のマイナーチェンジでは安全機能「CPA」が「CPAプラス」に進化し、システムが自動で立ち上がるため、安心面ではやはり「CPAプラス」がオススメだ。走行距離5万km未満でも支払総額150万円前後から狙うことができる。

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メルセデス・ベンツ Bクラス(旧型・2代目)×B180系グレード×2015年1月以降生産モデル×全国

一方で、「CPA」を搭載する初期型(~2014年12月生産)は、走行距離5万km未満でも支払総額100万円以下から狙えるといった、圧倒的な安さが魅力だ。

当然「CPAプラス」よりは安全機能は劣るが、ブレーキを踏めば制動力をアシストしてくれるといった最低限の安全機能は装備されているから、安全面に大きな不安があるわけではない。

「CPAプラスほどの機能は必要ない」と割り切ることができるのであれば、より手軽に手に入れることができるといった価格的なメリットを優先するのもありだろう。

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メルセデス・ベンツ Bクラス(旧型・2代目)×B180系グレード×2012年4月~2014年12月生産モデル×全国

なお、グレード名に「スポーツ」が付くモデルは、初期型でもLEDのウインカーやリアコンビネーションランプ、レザーとファブリックのシートなどが備わる。

ただし、ベースグレードのB180にも同様の装備を備えられるパッケージオプションがあるので、グレード名だけにこだわるのではなく、装備の有無で判断するようにしよう。

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メルセデス・ベンツ Bクラス(旧型)×全国
文/ぴえいる、写真/メルセデス・ベンツ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。