スバル エクシーガ ▲一見するとレガシィツーリングワゴンのようなスタイルですが、車内には大人7人がしっかり座れる3列シートが備わっているのです

ステーションワゴン風のボディに3列シートを備えた走りのミニバン

国産自動車メーカーとしては唯一の水平対向エンジンをラインナップし、走破性や走行安定性に優れる四輪駆動を多くの車種で採用するなど、唯一無二の特徴をもつメーカーであるスバル。

それだけに熱烈なファンも多くもち、魅力的な車種も多く存在しているワケですが、残念ながら現在のラインナップには多人数乗車が可能なミニバンのような車種は存在していません。

ただ、中古車に目を向けてみると水平対向エンジン&四輪駆動というスバルらしさを併せ持った(2WDモデルも存在しますが)「エクシーガ」という車種が存在していました。

2008年に登場したエクシーガは、当時のレガシィとプラットフォームを共有した車種であり、全体的なフォルムもどこかレガシィツーリングワゴンを思わせるスタイリッシュなもの。

しかし、ホイールベースを延長し、全高もレガシィツーリングワゴンよりも190mm拡大したことで、3列7名分のシートを備える多人数乗車が可能なミニバンとなっていたのです。

そして、外観から受けるイメージよりも室内空間は広く、3列目シートでも大人がしっかり座れるスペースが確保されていました。
 

スバル エクシーガ ▲3列シートを備えながらも、ステーションワゴンのようなスポーティなフォルムです
スバル エクシーガ ▲後ろにいくほど着座位置が高くなるシート配列で、後席に座っても見晴らしがいいというのもエクシーガの特徴

また、ミニバンよりは低い全高による閉塞感をカバーするパノラミック・ガラスルーフも設定。これは、セカンドシートの上までをカバーする大型のガラスルーフが備わるもので、圧倒的な開放感を楽しむことができるものでした。

そして、走りはスバル伝統の水平対向エンジンによる軽快なものを楽しむことができ、特にレガシィなどにも搭載されていたEJ20型2Lターボエンジン搭載モデルはミニバンとは思えないスポーティな走りを実現。

このターボエンジンは多人数乗車を前提として、低回転からトルクが立ち上がるようにチューニングがなされているため、フル乗車でも不満のない走りを魅せてくれるものとなっていました。

その一方で、スバルでは珍しく2WDの前輪駆動も設定。こちらは2LのNAエンジンとの組み合わせで、200万円を切る新車価格という戦略的な値付けがなされたモデルとなっています。

なお、エクシーガもスバル伝統の年次改良がなされており、デビュー翌年の2009年9月には先進安全装備の「アイサイト」装着グレードを追加し、最もベーシックなグレードとターボモデル以外にリニアトロニックと呼ばれるCVTミッションを搭載。

同年12月には、新たに2.5LエンジンのEJ25型エンジンを搭載するグレードを追加し、2012年7月には2.5Lエンジンを次世代エンジンのFB25型へ置き換えるなど、常に進化を続けていました。

スバル エクシーガ ▲EJ25型から置き換えられた新世代ボクサーエンジンのFB25型エンジン

そんなスバルの魅力が詰まった3列シート車のエクシーガですが、ここのところかなり買いやすい価格帯で安定するようになってきたのです。

▼検索条件

スバル エクシーガ(初代)×全国

下げ止まり感の出てきたエクシーガの中古車平均価格

2008年から2015年まで販売されていたエクシーガ(今回はその後に登場したエクシーガ クロスオーバー7は別車種としています)。掲載台数はここ数年500台前後と安定した台数が流通しています。

一方の平均価格は、2019年1月時点では74万円だったところ、同年12月には56.7万円と20万円近い値下がりとなり、それ以降は50万円台半ばを現在に至るまでキープしていることから、価格はほぼ下げ止まりとなったと考えられるでしょう。
 

スバル エクシーガの平均価格推移グラフ ▲2019年中頃に50万円台になり、その後も50万円台半ばで推移し続けています、

そもそも3列シート車=背の高いボディ+スライドドアというイメージが強く、スバルといえばレガシィやインプレッサ、フォレスターといった有名どころが多いこともあってか、残念ながら知名度がそこまで高くないという点も底値となった要因と言えそうです。

ただし、他に同様のコンセプトをもった車種もなく、今後も一定のニーズはあり続けることが見込まれるため、手ごろな価格で状態の良い物件を手に入れるのはラストチャンスとなるかもしれません。

では、エクシーガを狙うときはどんな仕様を狙うのがオススメなのでしょうか? 以下、筆者の考えをもとに紹介していきます。
 

やっぱり走りが良いターボ!
過給機設定モデル × 走行距離10万km以下

3列シート車を選ぶのにエクシーガをチョイスしようという人は、走りもおろそかにしたくないと思っている人が多いハズ。それであれば、どう考えてもターボエンジン搭載グレードを狙うべきでしょう。
 

スバル エクシーガ ▲ボンネットに備わるエアスクープこそがターボエンジンの証しです

ターボエンジン搭載グレードは全車四輪駆動となり、ミッションもダイレクトな5速ATを最後まで採用していたため、スバルらしさが詰まった1台と言えます。

そんなターボモデルも、走行距離10万km未満であっても車両本体価格20万円ほどから見つけることができ、車両本体価格50万円前後が最もボリュームゾーンという非常に狙いやすい状況になっているのです。
 

▼検索条件

スバル エクシーガ(初代)×過給機あり × 走行距離10万km以下×全国

先進安全装備のアイサイトが欲しい!
衝突被害軽減ブレーキ付き × 車両本体価格80万円以下

水平対向エンジンや四輪駆動に匹敵するスバルの特徴的な装備としては、先進安全装備の「アイサイト」が挙げられるでしょう。

衝突被害軽減ブレーキの他、アダプティブクルーズコントロールなども備わるアイサイトは、安全面だけでなく快適な移動のアシストもしてくれる装備となっています。
 

スバル エクシーガ ▲今から購入するのであれば、ぜひともアイサイト装着車、欲を言えば進化したVer.2を狙いたいところです

アイサイトは、2009年9月のマイナーチェンジでエクシーガに初搭載。そして、2012年7月のマイナーチェンジではアイサイトVer.2に進化を遂げています。

そんなアイサイトを搭載したエクシーガで、総額100万円以内も狙える目安となる車両本体価格80万円以下で検索すると、60台弱がヒット。中にはアイサイトVer.2付きの物件も存在するため、かなりオススメできる条件ではないでしょうか。
 

▼検索条件

スバル エクシーガ(初代)×衝突被害軽減ブレーキ付き × 車両本体価格80万円以下 ×全国

開放感が段違いの人気オプション付き!
パノラミック・ガラスルーフ付き × 走行距離10万km未満

あるとないとでは開放感が段違いのパノラミック・ガラスルーフはエクシーガのウリの装備のひとつでした。しかし、エクストラコストがかかるガラスルーフの装着率は意外と低く、走行距離10万km未満に絞ると50台未満となってしまいます。
 

スバル エクシーガ ▲オープンカーのような開放感が味わえるパノラミック・ガラスルーフは、サンシェードも付くので真夏も安心

とはいえ、絶対に後付けすることができない装備であるため、装着されている物件の満足度は格段に高く、もちろん運転時の開放感も段違いです。また、ルーフ部分がガラスとなるため、2トーンカラーのようにもなり、ドレスアップ効果も高いという点も魅力的でしょう。

価格も総額でおよそ40万~130万円と手ごろな価格のものも多く、下手な他のミニバンよりもリーズナブルと言えます。
 

▼検索条件

スバル エクシーガ(初代)×パノラミック・ガラスルーフ付き × 走行距離10万km未満 ×全国

このように、唯一無二の特徴をもつエクシーガだけに、今後再評価される可能性も高く、底値の状態で買えるのもあとわずかの期間かもしれません。上質な物件を狙うのであれば、今から行動に移すのがベストではないでしょうか。
 

▼検索条件

スバル エクシーガ(初代)×全国
文/小鮒康一 写真/SUBARU
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。