2020年に生産終了したレクサス GS。気になる中古車の平均価格や掲載台数は?
2021/09/27
生産終了でレクサス GSの中古車相場はどうなったか
残念ながら人気薄の状態が続いているセダン。現在ではクロスオーバーSUVが大ブームとなっていることもあり、日常的に使われる車の選択肢にセダンが入る隙はなくなってしまった、という状況です。
しかし、そのセダンの中でも比較的人気が安定しているのが、“プレミアム”なジャンルです。
メルセデス・ベンツやBMWといった欧州のプレミアムブランドにもクロスオーバーSUV人気の影響はあり、各社新たなクロスオーバーSUVモデルをリリースしていますが、それでもやはり脈々と受け継がれてきたプレミアムセダンの人気も不動のものとなっています。
そして、日本が世界に誇るプレミアムブランド「レクサス」もまた、プレミアムセダンを多くリリースしているメーカーです。
そのレクサスの中で、残念ながら、2020年に惜しまれつつ生産終了となり、現在は中古車でしか手に入れることができなくなってしまったモデルが、フラッグシップモデルのLSとスポーティなISの中間に位置するミドルサイズセダンのGSです。
今回は、その中でも最終型となる通算4代目(日本では2代目)モデルを取り上げたいと思います。
改めてどんな車だったのかを振り返るとともに、カーセンサーnetのデータをもとに中古車相場の状況を見ていきたいと思います。
▼検索条件
レクサス GS/GSハイブリッド(2代目) × 全国あくまでもドライバーズカーのプレミアムセダン
日本では2005年7月から販売がスタートしたGSですが、それ以前のモデルも日本では「アリスト」として販売されており、スポーツセダンとしてのイメージが強いモデルと言えるでしょう。
レクサスのフラッグシップモデルであるLSがショーファードリブン(運転手付きの車)であるならば、GSはドライバーズカーであり、自らステアリングを握りたいアクティブなオーナーにピッタリの1台と言えます。
今回ご紹介するGSは、GSとしては2代目(アリスト時代から数えると4代目)となるモデルで、2012年1月から2020年8月まで販売が続けられていました。
当初はV6 2.5Lエンジンを搭載する「GS250」とV6 3.5Lエンジンを搭載する「GS350」でスタートし、2012年3月にはハイブリッド仕様でV6 3.5Lエンジン+モーターの「GS450h」を追加。
2013年10月には直列4気筒2.5Lのハイブリッドモデルである「GS300h」を追加し、2016年9月には直列4気筒2L直噴ターボの「GS200t」を設定(2017年8月に「GS300」へ改名)するなど、幅広いラインナップが特徴と言えます。
また、今回は紹介しませんが、2015年11月には、V8 5Lエンジンを搭載した本格的なスポーツグレード「GS F」が登場している点も、スポーツセダンあることを証明していると言えるでしょう。
レクサスは毎年、年次改良がなされることでも有名ですが、GSにおいては2015年11月に実施されたマイナーチェンジで後期型となり、現在販売中の他のレクサスと共通するエクステリアとなったのが最大の変更点と言えます。
生産が終了してむしろ買い時が来ている!
新車時は500万円台~900万円台と高級車らしいプライスタグが付けられていた2代目GSシリーズですが、中古車としては順調に価格が下がってきており、生産終了後もプレミア価格が付けられている気配は今のところありません。
2021年8月時点でガソリンモデルの平均がおよそ230万円、ハイブリッドモデルで270万円ほどと、大きな動き幅ではないものの、順調に下落しています。
一方、延べ掲載台数も2021年8月の時点でガソリンモデルが400台弱、ハイブリッドモデルが500台前後と安定した台数となっており、最近では徐々に増えてきています。
これはGSが8年という長いモデルライフを誇っており、新車で購入したユーザーの代替が進んでいることから、下取りに出された車両が流通していると考えられます。
生産終了したことで、中古車価格の高騰や流通台数の減少などが懸念されましたが、今のところところそのようなことは起きておらず、むしろプレミアムセダンを比較的手ごろな価格で購入したいと考えている人にとっては、ちょうど良いタイミングとなっていると言えそうです。
ここからは、今2代目レクサス GSを狙うならどんなものがオススメか、筆者の考えをもとに紹介していきたいと思います。
現代風のデザインの後期型を狙う!
→後期モデル(2015年11月以降生産) × 走行距離6万km以下
せっかくのプレミアムセダンですから、ちょっと時代を感じる前期型よりも現代風のマスクとなった後期型を狙いたいと思うのは当然のこと。
ということで、シンプルに見た目が大きく変わった後期型を狙うのはいかがでしょうか?
中古車でもまだまだ活躍してくれそうな、走行距離6万kmを上限としても、ガソリンモデルが40台弱、ハイブリッドモデルが90台ほどヒットしました。
ガソリンモデル、ハイブリッドモデルともに車両本体価格が300万円を切る物件も見つかります。
年式が新しいため平均価格よりはだいぶ高めにはなりますが、見た目は最終型とほとんど変わらずかなりコストパフォーマンスが高い仕様と言えるのではないでしょうか?
▼検索条件
レクサス GS/GSハイブリッド(2代目) ×2015年11月以降生産モデル×走行距離6万km以下×全国メンテの行き届いた法人オーナー車も見つかる!
→車両本体価格250万円以下 × ワンオーナー車×定期点検記録簿あり
プレミアムセダンは個人が所有するだけでなく、会社(法人)が所有するというケースも珍しくありません。会社の重役を乗せたり、お客様を乗せたりすることもあるため、走行中のトラブルはもってのほか。
そんな法人が所有していた車両は、ディーラーで手厚いメンテナンスを実施されているケースも珍しくなく、たとえ走行距離が延びていても状態の良い車両である可能性が高くなります。
ただし、カーセンサーnetでは法人オーナーだったかどうかで検索することはできません。
そこで、比較的法人オーナーだった物件もヒットしやすい条件として、「ワンオーナー車かつ車両価格250万円以下で定期点検記録簿あり」で絞って探してみると、ガソリンモデル、ハイブリッドモデルともに25台前後がヒットしました。
ただし、この条件でヒットする物件が全て法人オーナーとは限りませんので、その点はご注意ください。
さすがにほとんどが前期型とはなってしまいますが、中には200万円を切る物件も複数あり、そこまで多走行でないものも見つけることができました。
あとは記録簿をチェックして、過去のメンテナンス履歴がしっかりしていれば、“買い”の良質物件ということになります。
▼検索条件
レクサス GS/GSハイブリッド(2代目) ×車両本体価格250万円以下 × ワンオーナー車×定期点検記録簿あり×全国価格と程度のバランスが良い! ダウンサイジングモデル
→排気量2L未満(GS200t&GS300)
このクラスのプレミアムセダンというと大排気量エンジンを搭載しているイメージがありますが、前述したように2代目レクサス GSにはダウンサイジングターボの2L直噴ターボエンジンを搭載したグレードがモデル途中で追加されています。
途中で車名がGS300へ改名されたことからも分かるように、3Lエンジン並みの出力を発生する2L直噴ターボエンジンの出力は必要十分。
組み合わされるミッションは多段の8速ATとなり、鼻先が軽くなったことでハンドリングも向上しているという、スポーツセダンとしては美点ばかりなのです。
難点を挙げるとすると、物件数が圧倒的に少ないということ。後期型から追加されたモデルということもありますが、執筆時点でわずか15台がヒットするにとどまっています。
しかしながら、安い物件では車両本体価格300万円を切るものもあり、バーションLやFスポーツといった上級グレードであっても400万円中盤がボリュームゾーンとなっています。しかも、走行距離も3万km未満が中心と、価格と状態のバランスは非常に取れているのがこの仕様となっています。
▼検索条件
レクサス GS(2代目) ×200t/300系グレード×全国プレミアムセダンでありながらスポーツセダンとしての側面も持ち合わせていたレクサス GS。
販売終了後は、プレミアムセダンとしてのポジションはESが、スポーツセダンとしてのポジションはISがカバーしていますが、両方を兼ね備えたモデルであるGSは、今後再評価される可能性もありそうです。
そう考えると、状態の良い物件を適価で購入できるタイミングは今なのかもしれません。
▼検索条件
レクサス GS/GSハイブリッド(2代目) ×全国自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。