約1年で平均価格が100万円近く落ちた! プレミアムコンパクトハッチバックの現行型アウディ A1スポーツバック
2021/08/23
大きくお買い得感が増したプレミアムコンパクトハッチ
アウディのエントリーモデルを担うA1スポーツバック。現行型となる2代目は2019年11月に日本デビューした。
全長約4mながらアウディブランドらしい、プレミアム感のある内外装を備えたBセグメントのコンパクトカーで、ライバルにはフォルクスワーゲン ポロやプジョー 208、ルノー ルーテシアなどがあげられる。
そんなアウディ A1スポーツバックだが、デビューから2年半以上が経ち中古車も増えてきた。
そして、比較的価格が良く動くようなマイナーチェンジがまだないにもかかわらず、ここ1年程度で中古車平均価格が100万円近くも安くなり、お買い得になってきたのだ!
以下、詳細に見てみよう。
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アウディ A1スポーツバック×全国(本体価格昇順)1年3ヵ月前と比べて、平均本体価格が約100万円下がっている
グラフのとおり、A1スポーツバックの平均価格は順調に下落が続いている。一気に値落ちしたわけではないが、それでも平均価格は相場を形成した2020年4月の412.3万円から、たった1年3ヵ月後となる2021年7月の時点で318.2万円と100万円近くも下がっている。
正確な理由は定かではないため推測にはなってしまうが、値落ちが進んだ理由は主に2つの要因が絡み合ったことによるものだと考えられる。
1つ目は廉価モデルが追加されたことだ。2019年11月のデビュー時には、新車時価格が比較的高め(365万~391万円)である1.5Lターボの「35 TFSI」のアドバンスとSラインのみのラインナップだったが、約半年後の2020年6月に300万円を切る(294万~351万円)1Lターボモデル「25 TFSI」シリーズが追加された。
特に当初は、「35 TFSI Sライン」にバーチャルコックピット機能付きのナビゲーションパッケージなど、様々なオプションが盛り込まれた「1st エディション(車両本体価格443万円)」の中古車が多く流通していたため、中古車平均価格も高かったと思われる。
しかし、そもそもの価格が安い「25 TFSI」シリーズの中古車が増えたことで「35 TFSI シリーズ」の割合が下がったため、平均価格が下がってきたというわけだ。
「新車価格が安いグレードの中古車が増えたから平均価格が下がった」というのは、当たり前と言えば当たり前のことなのだが、エントリーグレードでも十分すぎるほどプレミアムな質感をもつモデルなので、そのようなグレードの物件の選択肢が増えたというのは喜ばしいことだろう。
もう1つは、ライバルが次々と登場したことだ。メーカーが販売価格を決める新車と違い、中古車は需要と供給のバランスで価格が上下する。ライバルが増えればそれだけ需要が減り、価格が下がるというわけだ。
ライバルの中古車が市場に出回るだけでなく、A1スポーツバックのような高年式で走行距離も少ない中古車は、時に新車との比較対象にもなることがある。
新車時の車両本体価格はライバルよりA1スポーツバックの方が高いが、いくらプレミアムな質感などがあるといっても、ライバルの新車より高い中古車となると競争力は落ちる。そのため、下げ圧力が加わったのではないかと思われる。
A1スポーツバックが属するBセグメントには、最近ニューモデルが続々と現れている。2020年7月にプジョー 208が、2020年11月にルノー ルーテシアが登場した。特に208は、コロナ禍にもかかわらずプジョーブランドが日本で販売台数を伸ばしたけん引力になったほど売れているモデルだ。
また、2020年8月に登場したトヨタ ヤリスクロスや、2020年9月にデビューしたプジョー SUV2008、2021年2月に2代目に切り替わったルノー キャプチャーなど、Bセグメントで近年注目されているSUVモデルが次々と現れたことも、少なからず影響を与えていると考えられる。
いずれにしろ、A1スポーツバックを狙っていた人はもちろん、他の輸入プレミアムハッチバックモデルを検討していた人にとっては嬉しい状況と言えるだろう。
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アウディ A1スポーツバック×全国(本体価格昇順)プレミアム感のある内外装の高い質感や、高い静粛性を備える
それでは、改めて現行型のアウディ A1スポーツバックとはどんな車か、以下見ていこう。
前述のとおり、2019年11月に1.5Lターボの「35 TFSI」シリーズで登場し、2020年6月に1Lターボモデルの「25 TFSI」シリーズが追加されたA1スポーツバック。
初代は3ドア(A1)と5ドア(A1スポーツバック)があったが、この2代目から5ドアのA1スポーツバックのみとなった。いずれもトランスミッションには7速Sトロニック(デュアルクラッチ式の2ペダルMT)が組み合わされる。
新開発された直列4気筒の1.5Lターボは、最高出力150ps/最大トルク250N・mを発揮。また、走行状況に応じて気筒を休止させるシステムを備え、燃費を向上させる。1L 3気筒ターボは旧型よりも最大トルクをアップし、最高出力95ps/最大トルク175N・mを発揮する。
旧型と比べてホイールベースの延伸などで室内空間が拡大され、Bセグメントのプレミアムブランドを標榜する同車らしく、ボディ剛性や静粛性が高められた。
衝突被害軽減ブレーキは全車に標準装備されたが、先行車の速度に応じて自動追従するアダプティブクルーズコントロールや、車線内の走行維持をアシストするアクティブレーンアシストといった機能はセットオプション(アシスタンスパッケージ)で用意されている。
ちなみに、ライバルのプジョー 208はアダプティブクルーズコントロールが一部グレードを除き全車標準、レーンキープアシストは全車標準で備わる。それでいて、A1スポーツバックより新車時の車両本体価格は安い。この辺が中古車価格に影響を与えた可能性はある。
メーターパネルにはデジタルディスプレイを備え、ナビパッケージを選択すると、メーターパネルにナビ画面を表示することもできる。
グレード構成はベースグレード(25 TFSIのみ)の他、LEDヘッドライトや専用16インチ(35 TFSIは17インチ)アルミホイール、アルミニウムルックインテリア、デコラティブパネルなどが奢られた「アドバンスト」、さらにスポーティな専用バンパーや17インチアルミホイール、スポーツシートなどが与えられる「Sライン」がある。
中堅グレード以上の値落ちが大きくオススメ
デビューしてまだ2年半ほどのため、原稿執筆時点で掲載台数は100台ほどとまだ少ないが、その約半数を占める「35 TFSI アドバンスト」が今回のオススメグレードだ。
台数が多い分、選びやすいのはもちろん、新車時に365万円した車両本体価格は、走行距離1万km未満のディーラー車でもすでに300万円を切っており、支払総額で約300万円で購入できるものも多い。
さらに、ほとんどがオプションのナビゲーションパッケージやアシスタンスパッケージ付きで、機能面でも十分満足できるのはもちろん、オプション価格を含めれば100万円前後は安くなっているわけだからお買い得感は高い。
もちろん排気量が大きい分、「25 TFSI」や、1.2Lターボを積むライバルのプジョー 208よりも最高出力・最大トルクともに高い。
圧倒的に台数は少なくなりアクションするタイミングがより重要にはなってくるが、上記で説明した、いわば全部のせモデルの「1st エディション」も狙い目だ。新車時の車両本体価格は443万円だったが、300万を切る中古車も見つけることができる。
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アウディ A1スポーツバック×35 TFSI アドバンスト×全国▼検索条件
アウディ A1スポーツバック×1stエディション×全国▼検索条件
アウディ A1スポーツバック×全国(本体価格昇順)ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。