価格が上昇傾向にあるマツダ RX-8! 手が届かなくなる前に早めにGETせよ!
2021/08/17
希少なFRスポーツカー! 値上がりの波はRX-8に
ここ最近、短期間で大きく価格を上げている国産FRスポーツカー。
以前のように、各メーカーから様々なモデルが登場しなくなって久しいことに加え、一部車種では海外からの熱視線も集まっていることが大きな理由となっている。
そのため、定番の人気車種に関しては、おいそれと手が届かないレベルにまで価格が上昇してしまっている。
例えば、FRスポーツの定番中の定番だったS15型シルビアは、車両本体価格の平均価格が昨年の6月よりも80万円も上昇して238万円となっており、当時の新車価格とほぼ変わらない額になっているのだ。
この値上がりの余波は、定番車種だけではなく、少し前までは安価で狙うことができた車種にまで迫っている。その代表的な車種のひとつがマツダ RX-8だ。
現状では、まだ比較的安価で購入することもできるのだが、それでも2020年の同じ時期(6月)で比較すると、平均価格が77.6万円から106.2万円とおよそ30万円もアップしているのである。
さらに、最後の限定車である「スピリットR」に至っては、状態の良いものだと新車価格の325万円(MT車)を超える価格になっているものもあるほどなのだ。
気になる中古車事情に触れる前に、RX-8とはどんなモデルだったのか振り返えろう。
RX-8は、RX-7の流れをくんだ4ドアのロータリースポーツカー
RX-8は、RX-7の流れをくむロータリーエンジン搭載車であるが、当時の経営陣の意向もあって4ドアのNAロータリーエンジンを搭載するモデルに生まれ変わり、2003年5月に発売がスタートした。
当初は、吸気ポートが6つのハイパワー版(タイプS)が6速MTとの組み合わせで250ps、それ以外のモデルが吸気ポート4つの210psで5速MTもしくは4速ATと組み合わされていた。
2006年8月には、4速ATが一気に6速ATへと多段化された。そして、2008年3月のマイナーチェンジでは、エクステリアを中心とした変更がなされて後期型となり、全車吸気ポートが6つの仕様に統一され、ハイパワー版が235ps、ベースグレードが215psへ変更された。
その後、2011年11月に最後の特別仕様車として「スピリットR」をリリース。当初は1000台限定であったが、限定数を超える受注があったため追加で1000台が生産され、2012年6月をもってすべてのグレードの生産が終了となっている。
状態の良い後期型はすでに200万円オーバー! 購入時は圧縮比をチェックしたい
現在のRX-8の相場は、安いものでは総額40万円前後から狙えるという状態で、ここだけみると以前とはそこまで大きく変わっていないように見える。
しかし、この金額で狙えるのは前期のATモデルかMTモデルでも、ベースグレードの5速の多走行車が中心。10万km未満の6速MT、修復歴なしに絞ってチェックすると、最低でも総額80万円は見ておきたいという状態になる。
さらに、ここに後期型(2008年3月以降)という条件を付け加えると、一気に総額200万円からと大きく価格が跳ね上がる。つまり、状態の良いものはすでに価格がかなり上昇しているということになるのだ。
もし、限られた予算でRX-8を狙うのであれば、やはり注目したいのはエンジンの状態。ロータリーエンジンは走行距離を重ねたり、メンテナンスの状態が良くなかったりすると、エンジンの圧縮圧力(コンプレッション)が低下してしまう。
この下限値は6.93kg/cm2となっており、極端にコンプレッションが低下すると、エンジンの始動性が悪化してくる。そのため、冷えた状態でエンジンをかけるときに、クランキングが長い個体は要注意と言えるだろう。
ロータリー車を多く扱う専門店などは、コンプレッションの数値を記載しているところもあるので、それを目安にするのもアリだろう。距離がかさんでいても、適正なコンプレッションの個体であれば、定期的なメンテナンスがなされてきたものである可能性が高いのだ。
また、高年式の個体であれば希にではあるが、ディーラー系の中古車店で販売されているものもある。多くの場合はディーラー系の手厚い保証が備わっているので、購入後のトラブル対策としてこういった個体を狙うというのもアリかもしれない。
どちらにしても、価格が上昇傾向であること間違いないので、「あのとき買っておけば……」とならないためにも、購入を検討しているのであれば一日でも早く行動に移した方が良さそうだ。
▼検索条件
マツダ RX-8(初代)×全国自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。