トヨタプレミオ ▲コロナの最終型(11代目)に付けられた「プレミオ」を、新たに車名に使って開発された5ナンバーサイズセダン
 

トヨタ プレミオの中古車は今

伝統のあるトヨタ コロナの後継モデルであるプレミオ。2001年12月に、コロナの11代目に当たるコロナプレミオに代わって登場し、2021年3月まで2世代にわたり生産された。

同じ5ナンバーサイズセダンで、カリーナの後継車アリオンとは兄弟車だ。

現時点での中古車台数と平均価格は、下記のとおり。

初代:約20台/約29万円
2代目:約210台・約110万円

初代は台数が非常に少ないが、多走行車はほとんどない。価格は手に入れやすい水準まで下落をしている状況だ。

2代目は流通台数が多く、選択肢の幅を広く確保できる。


車格としては下だったカローラも3ナンバーになる時代において、希少な5ナンバーサイズセダンとしていまだに底堅い人気がある。

ここからは各世代それぞれの特徴や中古車相場について紹介する。

 

 

プレミオ(初代)の特徴と中古車相場

■プレミオ(初代)DATA
生産期間:2001年12月~2007年5月
中古車流通量:約20台
中古車価格帯:20万~約50万円
全長:4550mm × 全幅:1695mm × 全高:1470mm
 

トヨタプレミオ(初代) ▲兄弟車のアリオンはスポーティさが追求されたのに対し、プレミオではプレミアム感を強調したデザインが目指された

■プレミオ(初代)の特徴
11代続いたコロナ時代から「5ナンバーサイズセダンの快適性」を追求してきたが、2001年12月に登場した新生プレミオにおいてもその思想は受け継がれた。

質感の向上は言うまでもないが、特にプレミオでは当時の“ライバル"であるミニバンを意識し、5ナンバーとはいえ後席で大人がゆったりと足を組んで座れるほど広い室内が確保された。また、座面を立ててから背もたれを畳むダブルフォールディング可倒式で、広くフラットなラゲージスペースも作ることができる。
 

トヨタプレミオ(初代) ▲トランクはゴルフバッグを4人分積めるなど十分広い。先代にあたるコロナプレミオよりもホイールベースを120mmも伸ばして、室内空間を広くした

搭載されたエンジンは、1.5Lと1.8L、2Lの3種類。トランスミッションは、1.5Lと1.8Lが4速AT、2LはCVTが組み合わされる。2WDの他、1.8L車にはスリップを感知すると後輪も駆動させる4WDも用意された。
 

トヨタプレミオ(初代) ▲立体的な木目調パネルは、アリオンが漆黒調で、プレミオが明るめの木目調。前席を倒してフルフラットにすることもできる

2004年12月のマイナーチェンジではデザインの変更の他、車速感応式ドアロックや雨天感知機能付きフロントワイパーなどが用意された。動力系の大きな変更は、フルモデルチェンジまで行われていない。

確かに室内の広さで言えばミニバンにはかなわない。だからこそ、販売に苦戦したわけだが、今振り返れば希少な5ナンバーサイズのセダンであり、その中では最上級クラスの質感や装備を備えたセダンだった。
 

■プレミオ(初代)の中古車相場
流通台数は20台以下と少ないが、その大半が総額50万円以下と手頃な価格で選べる5ナンバーサイズセダンとなっている。

原稿執筆時点では1.5L車が5台、1.8L車が9台、2L車が3台見つかった。

2L車は兄弟車のアリオンも含めて流通量が少ないことと、もともと装備が充実していたモデルのため、1.5L車や1.8L車より価格は少し高めだ。とはいえ、2006年式で走行距離が7万km前後の物件でも予算50万円で十分探すことができる。

1.5L車と1.8L車の価格差はあまりない。

流通台数が少ないため、デザインの違いを許容できるなら、兄弟車のアリオンも合わせてチェックしてみるのがオススメだ。

いずれにしても、販売終了から10年以上が経過していることから、走行距離よりもコンディション次第で価格が左右されがちだ。そのため、年式や走行距離にあまりとらわれず、実車確認をしたうえで選んだ方がいいだろう。
 

▼検索条件

トヨタ プレミオ(初代) × 全国
 

プレミオ(2代目)と中古車相場

■プレミオ(2代目)DATA
生産期間:2007年6月~2021年3月
中古車流通量:約210台
中古車価格帯:20万~270万円
全長:4600mm
全幅:1695mm
全高:1475mm

トヨタプレミオ(2代目) ▲初代同様に、デザインはプレミオがプレミアム感、アリオンはスポーティ感が追求された

■トヨタプレミオ(2代目)の特徴と中古車相場
「5ナンバーセダンの完成形」を目指して開発された2代目プレミオ。

5ナンバーというサイズに挑戦するかのように、初代よりさらに室内を広げるため、室内長を+80mm、室内幅を+55mm拡大した。もちろん、見た目や走りの質感向上が図られている。
 

トヨタプレミオ(2代目) ▲初代に続き後席はリクライニング機能や、ダブルフォールディングによるラゲージの拡大機能も備えられている

先進快適機能も積極的に採用された。例えば、地図データをオンラインで更新できるカーナビゲーション(G-BOOK mX)がレクサスブランドより早く採用されている。また、キーを差さずにドアの施解錠やエンジンスタートができる、スマートエントリー&スタートシステムは全車に標準で装備された。

さらに、トップグレードとなる2L車には高遮音性ガラスやクルーズコントロールなどが標準装備された他、車両制御機能(VSCやTRC)や駐車支援システムがオプションで用意されていた。

当初のエンジンは1.5Lと1.8Lで、2L車は2008年1月から追加された。トランスミッションは、いずれもCVTのみ。1.8L車には4WDも設定されている。
 

トヨタプレミオ(2代目) ▲メーター内に各種情報を表示する液晶パネルを装備。また、LパッケージやEXパッケージは、5.8インチのタッチパネル式モニター付きオーディオを装備するが、これにはバックモニター機能も付いている

2010年4月のマイナーチェンジでは1.8Lが新型エンジンに切り替わり、燃費が向上した。

一方、1.5Lエンジンも2009年10月、2010年5月、2012年12月、2014年9月にそれぞれ一部改良によって燃費が向上している。
 

トヨタプレミオ(2代目) ▲2016年6月の2度目のマイナーチェンジでイメージを一新。押し出しの強いフロントグリルに意匠が変更された

2016年6月のマイナーチェンジでは、エクステリアやインテリアのデザインが大きく変更になっている。

加えて、衝突被害軽減ブレーキを含む「トヨタセーフティセンスC」が、一部グレードを除き全車に標準装備化された(「1.5X」と「1.8X」のベーシックグレードはオプション)。なお、その後「トヨタセーフティセンスC」は、2019年10月に全車標準装備となっている。
 

トヨタプレミオ(2代目) ▲2度目のマイナーチェンジではインテリアも大きく変更され、高級感が増している

■プレミオ(2代目)の中古車相場
約14年間販売されたため、先代よりも台数は多い。

2021年3月まで販売されていたこともあり平均価格は100万円を超えるが、予算50万円で狙える物件も。

予算を60万円程度までアップすれば、走行距離5万km以下の選択肢を多く確保できるだろう。走行距離5万km以下が7割以上あるなど全体的に低走行車が多いため、低価格帯を積極的に狙っていけるのも魅力だ。

排気量別に見ると、1.5L車が約半数の約100台、1.8L車が約4割の90台、2L車はぐっと数が少なく約20台となっている。そのため先代同様、2L車を狙うなら根気よく探した方がいいだろう。

なお、排気量による価格差はほとんどない。

衝突被害軽減ブレーキを含む「トヨタセーフティセンスC」装備車は予算150万円前後から狙うことができる。同機能が備わったことと、そもそも高年式になるため予算は高めとなる。

とはいえ、新車ではほぼ選択肢のない5ナンバーセダン。装備充実の1台を狙っているなら、選択肢のある今がチャンスだろう。
 

▼検索条件

トヨタ プレミオ(2代目) × 全国

※記事内の情報は2021年7月15日時点のものです。
 

文/ぴえいる 写真/トヨタ
ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。