ダイハツ タントエグゼ▲大人のための、ラグジュアリーな軽スーパーハイトワゴンとして登場したタントエグゼ

ダイハツ タントエグゼの中古車は今

スライドドアを採用したタントが大ヒットした中で、軽スーパーハイトワゴンの新たな可能性を見いだすために投入されたのが、タントエグゼだ。

家族のために用意された広いスペースをラグジュアリー空間として使い、シートもパーソナル感を強調したものが採用された。また、タントで採用されていたスライドドアではなく、あえてヒンジ式ドアにしたことで、差別化が図られている。

すでに販売終了から6年以上が経過していることもあり、予算50万円以内で買える中古車が豊富に流通している。

ここからはタントエグゼの特徴や中古車相場について紹介する。
 

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タントエグゼ(初代)の特徴と中古車相場

■タントエグゼ(初代)DATA
生産期間:2009年12月~2014年9月
中古車流通量:約680台
中古車価格帯:10万~90万円
 

ダイハツ タントエグゼ ▲シンプルな中に品の良さが表現されたタントエグゼ標準モデル

■タントエグゼ(初代)の特徴
まだ、軽スーパーハイトワゴンが軽自動車選びの第一選択となりうる前。ダイハツが“実験的”なモデルとして世に送り出したのが、タントエグゼだ。

軽スーパーハイトワゴンといえば、全高を高くすることで室内空間を拡大しているのが特徴。子育て世代がベビーカーなど大きな荷物やたくさんの荷物を積みやすくしたり、広い室内で子供の世話ができるようになっている。

一方、2代目タントをベースに開発されたタントエグゼは、軽スーパーハイトワゴンの広大な空間を、子育てではなくラグジュアリースペースに用いた。車名のエグゼはエグゼクティブからとられたものだ。

特徴はタントの代名詞にもなったスライドドアを廃し、後席ドアを両方ともヒンジ式ドアにしたことだ。スライドドア=子育てというイメージを排除することで、大人のタントという雰囲気を強調している。
 

ダイハツ タントエグゼ ▲メッキのフロントグリルなどで存在感を高めたタントエグゼカスタム

タントエグゼには、シンプルさの中に洗練されたイメージが与えられた標準モデルと、メッキや4灯ライトで高級感を高めたカスタムがある。
 

ダイハツ タントエグゼ ▲明るい色で開放感を高めた標準モデルの室内
ダイハツ タントエグゼ ▲ブラック基調でクールなイメージが与えられたカスタムの室内

室内は2代目タントの前席がベンチシートだったのに対し、タントエグゼはセパレート式のシートを採用している。

後部座席も背もたれサイドの支えに厚みをもたせるとともに、シート下にも厚みをもたせている。これにより2人で座っても、それぞれの人が独立した座席と感じリラックスできるようになっている。

タントエグゼは明るいベージュを基調とした室内、タントエグゼカスタムはブラック基調でクールなイメージの室内にすることで差別化が図られている。

収納スペースはタントに引けを取らない形で配置され、軽スーパーハイトワゴンとしての利便性が確保された。
 

ダイハツ タントエグゼ ▲天井とセンターのコンソールにはイルミネーションを設置。標準はブルーで、ディーラーオプションでグリーンやイエローなどを選ぶこともできた

スライドドアではなくヒンジ式ドアにしたことは、ラグジュアリーさを出すだけでなく軽量化にも絶大な効果を発揮した。

タントエグゼはタントに比べ、車重が約60kgも軽い。これにより、燃費性能が高まっただけでなく、軽快な走りを楽しめるようになっているのも大きな特徴である。

中でも、走行性能に特化したグレードが、カスタムに設定された「RS」だ。タントエグゼの中では唯一ターボ付きのモデルとなっている。
 

ダイハツ タントエグゼ ▲マイナーチェンジで一層スタイリッシュな雰囲気になった。リアコンビライトがLED式になっている

2011年11月にはマイナーチェンジを実施。メーター内に様々な運転情報を表示できるマルチインフォメーションディスプレイが搭載された。

そしてこのタイミングで、標準モデルにバックモニター付きナビが標準装備になった「Xリミテッド」が追加されている。

カスタムはフロントアッパーグリルやフロントバンパー、フォグランプなどのデザイン変更が行われ、前期型以上に精悍なイメージになった。

インテリアでは、オーバーヘッドコンソールとセンターフロアコンソールのイルミネーション部分にメッキ加飾が施され、イルミネーションがついていないときの存在感が高められている。
 

ダイハツ タントエグゼ ▲メッキ加飾が施された後期型カスタムのセンターフロアコンソール

■タントエグゼ(初代)の中古車相場
タントエグゼの中古車相場は、標準モデルが総額20万~80万円、カスタムが総額20万~90万円とほぼ同等。流通量は2:3でカスタムの方が多い。

デビューから時間がたっていることもあり、NA(自然吸気)エンジン搭載車とターボ車(「RS」)の価格差はほぼなくなっているため、ターボ車が相対的にお得になっている状況だ。

流通量は650台以上と豊富だが、走行距離5万km前後の物件の選択肢は多くない。それでも、総額40万~50万円のゾーンで探すこともできる。

標準モデルで流通量が多いのは、エントリーグレードの「Xスペシャル」の装備に加え、オートエアコン、電動格納ミラーなどが備わる「X」だ。装備の充実度と選択肢の多さから、こちらを本命とするのがいいだろう。

一方のカスタムで最も流通量が多いのは、NAエンジン搭載の上級グレードとなる「カスタムG」で200台ほどの物件が見つかる。予算70万円を目安に、走行距離6万km前後の物件に狙いを定めてみよう。

日常の移動手段として使われることが多いためか、標準モデル、カスタムともに、走行距離の少ない物件は少なくなってきている。選択肢を確保できるうちに動いておくのがよそさそうだ。

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※記事内の情報は2021年6月29日時点のものです。
 

文/高橋満 写真/ダイハツ

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL