両側スライドドアのミニバンなら約20万円から見つかるマツダ プレマシー(3代目)が狙い目
2020/06/20
▲2010年登場の3代目プレマシーを紹介。開口幅686mmの両側スライドドアを装備。一部グレードは電動が標準、他はオプション。助手席側だけ電動というオプションもあった今見ると魅力的なその姿は、かつて熾烈な競争があったカテゴリー
今では消滅してしまった、ステーションワゴン風ミニバンというニッチなマーケット。
だが、駐車場の事情や見た目で「背の低い方がいい」という人や、普段は2列目のみで十分だけど、エマージェンシーとして3列目があるといいなという人には、見逃せないモデルたちだらけだ。
2000年に登場した、ホンダ ストリームが開拓したと言っていいこのニッチマーケット。
ストリームは、当時人気だった2代目トヨタ エスティマや2代目ホンダ オデッセイと比べ、排気量が小さく、サイズも価格も手頃ということで人気となった。
そして、翌2001年の新車販売台数でエスティマやホンダ ステップワゴン、オデッセイらを抑え、カローラ、ヴィッツに次ぐ3位を獲得した。
すると、2003年にトヨタがウィッシュで参戦。翌年にはウィッシュが4位となり、ストリームを30位圏外まで引きずり降ろした。その後2006年にストリームが2代目となって巻き返し、ウィッシュも2009年にフルモデルチェンジ……と戦国時代が続いていく。
両側スライドドアと「カラクリシート」をもつマツダ プレマシー(3代目)がオススメ
そんな熾烈なマーケットの中で、特にオススメしたいのが3代目のマツダ プレマシーだ。
実は、初代のプレマシーはストリームより早い1999年に登場している。2005年に2代目となったが、この時ストリーム、ウィッシュのライバル2車にはない、両側スライドドアという武器を備えた。オススメしたい3代目は2010年にデビューした。
▲デビュー時は通常の2Lと、アイドリング機構を備えた2Lエンジンの2種類のエンジンが用意された。スリップなどを検知すると瞬時に後輪も駆動する4WDも用意された。2WDは5速AT、4WDは4速AT。10・15モード燃費は2WDのアイドリングストップ付きで16.0km/L全高は、立体駐車場での使い勝手から他車とほぼ同じ1615mmに抑えられていたが、全幅は1750mmとわずかに1700mmを超え、3ナンバーとなった。
搭載したエンジンは2Lだから、税金的にはライバル車と同じなのだが、残念ながら彼らほど販売台数を伸ばせなかった。
▲2013年のマイナーチェンジで、同社のスカイアクティブ技術を用いた低燃費の2Lガソリンエンジン(スカイアクティブG-2.0)と、軽量&高効率な6速AT(スカイアクティブ-ドライブ)を搭載した2WDモデルが追加された。JC08モード燃費は16.2km/L。同車にはグレード名に「スカイアクティブ」と付く
▲当時の宣伝文句は「Zoom-Zoom」だったマツダ車らしい、スポーティなハンドリング。全車にタバコなどの臭いを吸着・分解する消臭天井が標準装備されていた乗り降りが楽な両側スライドドアは、今やミニバンどころか、軽ハイトワゴンにも必須のアイテム。これを備えているプレマシーは今でも十分実用的といえるだろう。さらに、プレマシーにはもうひとつ魅力的なアイテムが備わる。それが「カラクリシート」だ。
当時のライバルも、7人乗りとなると2+3+2というシート配列になる。カラクリシートはこの2列目の「3」を「2」にもできるというシートなのだ。
そもそも全幅1700mm以下の5ナンバーサイズで横に3人乗るのは、特に真ん中の席は窮屈になりがちだ。だから当時のライバルたちは、2列目を2名にする6人乗り仕様も用意していた。
しかし、プレマシーはカラクリシートがあるおかげで7人乗りにも6人乗りにもなる。これなら「あの時7人乗りを選んでおけば……」とか「6人乗りだったら……」なんてことがない。
▲7人乗りで使う際のシートアレンジ。2列目の真ん中はシートに。2列目シートは最大50度のリクライニング&270mmのスライドが可能
▲6人乗りで使う際のシートアレンジ。ライバルやシエンタなどの6人乗り仕様同様、左右席の間をカップホルダーや収納ボックスに
▲2、3列目シートを倒せばフラットなラゲージスペースに。そして、どちらも左右別に倒せるので、荷物の大きさや長さに合わせてラゲージスペースをアレンジできるしかもプレマシーは、先述のとおりライバルと同じ税金ながら、全幅が3ナンバーサイズ。
そう、ライバル車よりも室内幅が30~40mm広いのだ。
たかが数十mmというなかれ。お尻の幅や肩幅で考えれば、この差は大きいんじゃないだろうか。
支払総額約20万円から狙えるお手頃感
そのうえ、中古車価格がお買い得だ。原稿執筆時点での3代目プレマシーの中古車平均価格は60.1万円。同時期の2代目ウィッシュは74万円だ。
一方でストリームは32.4万円と大幅に安いが、平均走行距離を見ると、プレマシーは約5万7000kmなのに対してストリームは約7万3000km(ウィッシュは約6万4000km)。
つまり、プレマシーの方が比較的走行距離の少ない中古車を選びやすくなっているというわけだ。それに(繰り返すが)両側スライドドアまで付いている。
原稿執筆時点で756台見つかるプレマシー。最安値は支払総額約20万円だ。
ちなみに2011年から、日産でラフェスタ ハイウェイスターとしても販売された。使い勝手はプレマシーと同じで、カラクリシート(日産ではフレキシブルシート)も備わる。
中古車の平均価格は56.1万円、平均走行距離は約6万4000km。プレマシーより台数は少ないが、チェックしてみよう。
▲中身はプレマシーと同じ、日産 ラフェスタハイウェイスター。「ハイウェイスター」と名乗るように、同社のセレナなどのハイウェイスター同様のエクステリアを備える3代目プレマシーが登場した2010年。実はこのニッチなカテゴリーは終焉に向かっていた。
3台の中で王者だったウィッシュも、フルモデルチェンジした2009年は11位、2010年は13位。代わって台頭してきたのがトヨタのノアやヴォクシー、日産 セレナ、ホンダ ステップワゴンやフリードと背の高いミニバンだった。
結局ストリームは2014年に、ウィッシュは2017年に生産を終了。そんな戦国末期に登場した3代目プレマシーゆえ、忘れかけられているかもしれないが、今振り返ってみる価値は十分あると思う。
▼検索条件
マツダ プレマシー(3代目)×全国▼検索条件
日産 ラフェスタハイウェイスター(初代)×全国
ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。
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