▲セキュリティー装置が付いていることを車外にアピールすることも、実は有効な防犯対策のひとつ ▲セキュリティー装置が付いていることを車外にアピールすることも、実は有効な防犯対策のひとつ

ほんの少しの習慣づけで、車犯罪の被害はグーンと下がる!

怖がらせるわけではありませんが、車そのものや、車に載せてある物が狙われる犯罪って意外に多いんです。自動車盗難の認知件数は年間21,595件、車上狙いはなんと89,039件にも上ります(警察庁「平成25年の犯罪情勢」より)。自分だけは被害に遭わないだろう、気を付けてるから大丈夫……と油断している場合じゃありません!

では、どうすれば、犯罪被害に遭うリスクを減らせるのか? 今回は実践的な対策をお教えしましょう。

【ドアロックは基本中の基本!】
まずは車を降りるとき、必ず施錠すること。「そんなの当たり前じゃない?」と思いがちですが、車上荒らしに遭った車両のおよそ半数は施錠をしておらず、さらに車にカギを差したままだったというケースは自動車盗難の全体の約25%を占めるのだとか。これでは窃盗犯に「車を持っていってください」と言っているようなものです。

もちろん、ドアロックだけで車上荒らしや盗難を完全に防げるわけではないですが、窃盗犯に狙われるリスクを減らす効果は決して小さくありません。

【貴重品は車内に置かない】
車上狙いのターゲットにならないためには、窃盗犯に「車の中に金目の物がありそうだ」と思わせないことが鉄則。車外に出るときは財布やカメラなどの貴重品はもちろん、カバンも置かない方がいいでしょう。

ちなみに車上荒らしで最も狙われやすいのはカーナビ。車外から見えないようにカバーなどをかけておくのも有効です。

“▲どうしても荷物を車内に置かなければならないときは車外から見えない所へ。トランクに入れなくても、ダッシュボードの下に置くだけでも効果があります" ▲どうしても荷物を車内に置かなければならないときは車外から見えない所へ。トランクに入れなくても、ダッシュボードの下に置くだけでも効果があります

【車に乗り込む前に】
車両盗難の被害に遭った方に話を聞くと、愛車が盗まれる数日前にカギ穴などにイタズラされた跡があったのだとか。愛車の異変は「車が狙われている」というサイン。乗車する前に車をチェックする習慣を必ずつけ、もし異変があったら、すぐに警察へ連絡しましょう。

▲サッシに物を挟んで隙間をつくり、解錠するという手口もあるのだとか。車に乗り込む前にはカギ穴に異変がないか、窓のサッシが浮いていないかを確認すべし ▲サッシに物を挟んで隙間をつくり、解錠するという手口もあるのだとか。車に乗り込む前にはカギ穴に異変がないか、窓のサッシが浮いていないかを確認すべし

【セキュリティーグッズも活用】
車上荒らしの対策において、最も大きな効果が期待できるのがセキュリティーグッズ。主なものとして、ハンドルを固定するハンドルロックや車両の異常を知らせてくれる通信機能が付いたグッズが挙げられます。

セキュリティーグッズがあれば絶対安心というわけではありませんが、グッズがあることで狙われにくくなったり、万が一被害に遭った際も、被害の発見が早くできることも期待できます。

▲駐車中に車両周辺で人影が動くと自動的に記録を開始する機能のあるドライブレコーダーは防犯装置としても有効 ▲駐車中に車両周辺で人影が動くと自動的に記録を開始する機能のあるドライブレコーダーは防犯装置としても有効

防犯に「これだけしておけば安心」という絶対はありません。ささいに思える「有効打」を積み重ねて、リスクを減らすのが最大の防犯対策といえるでしょう。

text/田端邦彦