三菱 アウトランダーPHEV|ニューモデル試乗

全長×全幅×全高はノーマルのアウトランダーと同じ。ノーマルは7人乗りの仕様もあるが、PHEVは5人乗りのみとなる

三菱のエンジニアリングの蓄積が開花した1台

静粛性、フィーリング、ハンドリングに優れた良車

アウトランダーPHEVは、EV、シリーズ、パラレルの3モードを最適な状態で選択するが、基本はバッテリーに蓄電してその電気をモーターに送り込むことによるEV。

エンジンは発電機に徹したシリーズ型だということだ。急加速の時などエンジンの動力も与えるが、通常はEVなのだ。大量の電気仕掛けが増えた分車重も300kgほど増加している。その分プラットフォームが良ければ乗り心地は向上するはずだ。

早速乗ってみる。一世代前の基本ボディだが、静粛性、乗り心地ともに歴代の三菱車では最高と言ってもいい。エンジンも驚くほど静か。発電機に徹しているだけある。

タイトコーナーでもフットワークが軽い

本格的な4輪駆動でも耐えられるプラットフォームが何よりも車の質を上げている。アクセルを踏み込んでも加速に唐突感はなく、ブレーキもリニアで扱いやすい。

それ以上に素晴らしいのはハンドリングだ。タイトコーナーでも車の重さを感じさせない。前後左右のトルク配分が細やかなのだ。エンジンの動力ではできない安定したトルク配分が、モーターなら自在に細かく設定できる。まさに精度が二桁向上したように感じるぐらいスムーズ。このS-AWC(Super All Wheel Control)という細やかなトルク配分をもって、安全に走行できる点を評価しておきたい。

三菱はプラグインハイブリッド燃料消費率67.0km/L(JC08モード)を前面に出しているが、ハイブリッド時の18.6km/Lも動力性能を考慮すると十二分に誇れる燃費だ。 唯一気になったのはモニターの表記である。エアコンを使わない状態にしていてもエアコンの消費電力が上がるのだ。これはバッテリーを冷却するのに使用する電力なのだが、もう一つモニターにシステム電力というグラフィックを追加すれば王道の表記となるだろう。

PHEVは、三菱のエンジニアリングの蓄積が開花した1台と言える。

主に発電に使われるエンジンは2Lの4気筒。燃料はレギュラーガソリンでタンク容量は45L

主に発電に使われるエンジンは2Lの4気筒。燃料はレギュラーガソリンでタンク容量は45L

シートはG Premium Packageが本革で、それ以外のグレードは合皮&ファブリック

シートはG Premium Packageが本革で、それ以外のグレードは合皮&ファブリック

エネルギーフロー(写真)、エネルギーモニター、ECO情報のPHEV専用となる3つの走行情報が表示される

エネルギーフロー(写真)、エネルギーモニター、ECO情報のPHEV専用となる3つの走行情報が表示される

SPECIFICATIONS

グレード E G Premium Package
駆動方式 4WD
トランスミッション -
全長×全幅×全高(mm) 4655×1800×1680
ホイールベース(mm) 2670
車両重量(kg) 1770 1820
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHC+モーター
総排気量(cc) 1998
最高出力[kW(ps)rpm] 87(118)/4500+60(82)+60(82)
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 186(19.0)/4500+137(14.0)+195(19.9)
JC08モード燃費(km/L) ハイブリッド燃料消費率:18.6/プラグインハイブリッド燃料消費率:67.0
ガソリン種類/容量(L) レギュラー/45
車両本体価格(万円) 332.4 429.7
Tester/松本英雄 Photo/尾形和美