ホンダ N-BOXスラッシュの“音響”は自動車文化の裾野をも広げる可能性を秘めている
カテゴリー: ホンダの試乗レポート
2015/03/03
感性に訴えかける走りと音響の良さ
今回試乗したのはX・ターボパッケージにダイナースタイルというアメリカンな内装オプションが組み合わされた上級グレードと、自然吸気のXだ。
まずX・ターボパッケージに乗り込むと、フロントドアはメーカーが設計した吸音材が入っていて軽自動車らしからぬ重厚感のある閉まり方をする。内張りやシートに採用された素材のクオリティも高い。ベースのN-BOXが販売好調だと、こういった部分にもコストをかけられるということがわかる。
走りだせばCVTとターボエンジンの好マッチングで、唐突なトルク変動はなく乗りやすい。アイドリングストップからの再始動は早く、メーカーが公表しないような細かい性能まで向上している。N-BOXの真骨頂といえる剛性の高いプラットフォームでガタピシはない。ダンパー容量を増したという専用サスペンションと15インチのアルミホイールによってシャープな乗り味でワインディングもスイスイ走る。
もう1台のXは、ターボと比べればパワー不足は致し方ないが、平坦な道では不満に思うことはまずない。足回りには14インチならではのいなしの利いた心地よさも感じられた。
両車に搭載されたサウンドマッピングシステムからは、軽自動車の純正オーディオとは思えないほどのパンチが伝わってくる。後席耳元にもツィーターがあるため、全席で良好なリスニングポジションがとれる。全体に沸き上がるような臨場感だ。音場を追求したことで車両の静粛性が上がり、普通車を食ってしまっている。
今までコアな車好きがチューニングしていたオーディオだが、メーカーがここまで完成したモデルを提供することは自動車文化の裾野を広げるのに一役買うだろう。世界があっと驚くこだわりをもつ1台が、日本のスモールカーから名乗りを上げた。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:X・ターボパッケージ ■乗車定員:4名
■エンジン種類:直3DOHCターボ ■総排気量:658cc
■最高出力:47(64)/6000[kW(ps)/rpm]
■最大トルク:104(10.6)/2600[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:2WD ■トランスミッション:CVT
■全長×全幅×全高:3395×1475×1670(mm) ■ホイールベース:2520mm
■車両重量:950kg
■JC08モード燃費:23.0km/L
■車両本体価格(税込):176万円
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