日産 プリメーラ/プリメーラワゴン 【プレイバック試乗記】
カテゴリー: 日産の試乗レポート
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2009/08/14
※この記事はカーセンサー関東版2001年10号(3月8日)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
個性的でかっこいい21 世紀を飾るデザイン
↑高剛性と不快さのない硬いダンピングで、シャキッと硬質な印象の走りになった(左) 外観はフード、キャビン、トランクをひとつの線で結んだ「モノフォルムシルエット」(中) 直噴2.5Lエンジンは燃費に優れた成層燃費と高出力の均等燃費を使い分ける(右)
ともかく斬新で、一言でいえばカッコイイ。おっと、この強烈な個性では好き嫌いは相当ハッキリ分かれるか。でも、大胆な変革を実行したってとこがいいじゃないか。
近頃、日産のデザインには勢いを感じる。個人的にはワゴン党だから目はそっちへいくが、セダンも「これぞ21世紀を飾るデザインしてる」と思う。マスクは“カルロス・ゴーン顔”だという人もいるが個人的にはルノー顔と思っている。ルノーの次期モデル開発スタッフがこれ見てヤバイって慌てて帰ったとか。きっとルノー次期モデルがかすむくらいインパクトがあったんだろう。
アーチ状のインパネや、左右対称で乗員を包み込むようなダッシュパネルからドアにつながるデザインも新しい。上面を向いた集中コントロールスイッチはアイデアものだ。
直進、応答性だけでなく、旋回中の限界も高い操縦性
↑2Lエンジン。アルミ鍛造シリンダーブロックの採用などで低燃費を実現している(左) ロールもピッチングも抑えたクイックな操縦性がスポーティだ(中) インパネ中央に3連アナログメーター、液晶モニター、その下に集中コントロールスイッチを配置した。斬新なデザイン(右)
まずはセダンの2Lに試乗した。ハイペースを維持でき、しかも凹凸がかなりある峠道での第一印象は、ボディ剛性の高さである。R34スカイラインに匹敵する高剛性だといわれれば納得だが、サスペンションも操縦性と高速安定性を重視している。まるでドイツ車のようなダンピングの硬さがあり、硬いが乗り味に突き上げなど不快な部分がまったくない点は見事。車全体がシャキッとした硬質な印象だ。16インチタイヤ(標準は15)による操縦性は、直進性の高さと応答性の良さ、FWD車では問題となる旋回中のブレーキングやアクセルオフによるタックイン現象などを抑え込んだ限界の高さがある。あえて限界を越えようとしても、リアが最後まで粘り路面をとらえて挙動を乱さない。
ブレーキは踏力を必要とするタイプで、強弱コントロールは足の力に頼るヨーロッパ車感覚。軽いタッチで強い利き味の、日本流のファミリィセダンとは違うのでそのつもりで。2Lエンジンは4気筒らしいパンチがあり、音的に5000rpmで燃焼音が大きくなるが、レベルとしては静かなほう。CVTはエンジン回転にダイレクトで高回転域でも滑り感は少なく、変速も滑らかだ。
積載荷重も考えたサスで複数乗車はさらに快適に
↑FF車と4WD車の違いはエンブレムだけではない。実はボディサイズも違うのだ(左) ワゴンはバックドアを傾斜させることでエレガントでスポーティなシルエットを形作る(中) 排気量の余裕を生かしてトルクフルな走りを実現する。FF車と同じエンジン(右)
ワゴンは新開発の直噴2.5Lを試乗。走り出して瞬時にこれを4気筒だといえる人は少ないだろう。音にうるさい筆者でもV6か? って錯覚したほど。静粛性は高いし、太いトルクでグイグイ引っ張るし、燃費は2L並みの低さだから、予算に余裕があってしかも走りにこだわるユーザーになら文句なくコレを勧める。ワゴン“党”をその気にさせる流れるようなリアフォルムは、スタイリッシュ度ナンバー1のアルファスポーツワゴンと勝負できるほどだ。
440Lの大容量をもつ荷室は左右の出っ張りが少なく、床下が深く使い勝手も様々にアレンジできる。オプションの17インチが装着された操縦性はまさにスポーツと呼べるほどクイックで、当然ロールもピッチングも抑えられたハードな仕様。積載荷重分だけワゴンは硬いサスだが、この場合は曲がる楽しみと操縦安定性の両立も兼ねている。複数名乗車で乗り味が良くなる設定だ。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | 20L | W25X |
駆動方式 | FF | |
トランスミッション | CVT | |
全長×全幅×全高(mm) | 4565×1760×1480 | 4675×1760×1480 |
ホイールベース(mm) | 2680 | |
車両重量(kg) | 1340 | 1360 |
乗車定員(人) | 5 | |
エンジン種類 | 直4DOHC | |
総排気量(cc) | 1998 | 2488 |
最高出力[ps/rpm] | 150ps/6000rpm | 170ps/5600rpm |
最大トルク[kg-m/rpm] | 20.4kg-m/4000rpm | 25.0kg-m/4000rpm |
10・15モード燃費(km/L) | 13.0 | |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛レギュラー/60 | |
車両本体価格 | 226.0万円 | 259.0万円 |
桂 伸一の責任採点(SEDAN)
コンセプト | 5点 | 取り回し | 4点 | 加速性能 | 4点 | ブレーキ性能 | 4点 |
フィニッシュ | 5点 | 操作系の使い勝手 | 5点 | 乗り心地 | 4点 | 環境対策 | 4点 |
前席居住性 | 4点 | ラゲージルーム | 5点 | 操縦安定性 | 5点 | 燃費 | 5点 |
後席居住性 | 4点 | パワー感 | 4点 | 高速安定性 | 4点 | ステータス | 4点 |
内装の質感 | 5点 | トルク感 | 5点 | しっかり感 | 5点 | コストパフォーマンス | 5点 |
得点合計 | 90/100 |
桂 伸一の責任採点(WAGON)
コンセプト | 5点 | 取り回し | 4点 | 加速性能 | 4点 | ブレーキ性能 | 4点 |
フィニッシュ | 5点 | 操作系の使い勝手 | 5点 | 乗り心地 | 4点 | 環境対策 | 4点 |
前席居住性 | 4点 | ラゲージルーム | 5点 | 操縦安定性 | 5点 | 燃費 | 5点 |
後席居住性 | 4点 | パワー感 | 4点 | 高速安定性 | 4点 | ステータス | 4点 |
内装の質感 | 5点 | トルク感 | 5点 | しっかり感 | 5点 | コストパフォーマンス | 5点 |
得点合計 | 90/100 |
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