クーペより肩の力が抜けて、抜群の乗り心地を実現
(Tester/西川淳 Photo/篠原晃一)

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テスト車両:2.0TFSI 479万円
■主要諸元
●駆動方式:FF
●トランスミッション:6速Sトロニック
●全長4180×全幅1840×全高1365㎜
●ホイールベース:2465㎜
●車両重量:1340㎏
●乗車定員:2人
●エンジン種類:直4DOHCターボ
●総排気量:1984㏄
●最高出力:147kW(200ps)/6000rpm
●最大トルク:280N・m(28.5kg-m)/5000rpm
●使用燃料:無鉛プレミアム
●燃料タンク容量:55L
●10・15モード燃費:12.0㎞/L
●タイヤサイズ:255/55R16


コンセプト
現行TTのコンセプトを最も生かすのがこの車

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 2代目アウディTTクーペが売れている。日本の販売台数割合は、およそ2割。スポーツカーが流行らないこの国では驚きの売れ行きだ。ブランドのもつ先進性とモダンで印象的なスタイリング、そしてスポーツカーらしい走り味。それらをひっくるめてのコストパフォーマンスの高さが人気の理由である。
 そんなTTクーペのオープンバージョン。先代に引き続きの設定だが、アルミニウムとスチールのハイブリッド構造という現行TTの成り立ちはこのロードスターにこそ生かされたと言うべきだ。
 2.0TFSI+Sトロニック(DSG)の組み合わせのみが発売された。V6クワトロのGT性能も捨て難いが、まずは直4FFでオープンカーらしいスポーツドライブを楽しもうということだろう。

室内&荷室空間
開閉は14秒で終了。特筆は荷室の使い勝手の良さ

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 流行りのリトラクタブルハードトップではなく、ソフトトップにこだわった。エレガントさと運動性能を第一にした結果である。骨組みはア ルミで軽量化にも寄与する。
 オープン化にあたりサイドシルなどベースボディの強化が図られている。ソフトトップの開閉はフル電動で、オープンは12秒、クローズドは14秒。50km以下なら走行中の開閉も可能だ。インテリアの雰囲気はクーペと同様である。
 注目すべきはラゲージルームの広さ。この手のオープンカーとしては異例に使い勝手がいい。旅行用トランクがすっぽりと収まる。実用性にも秀でたロードスターと言えるだろう。磁性体を使ってダンピングを可変コントロールするダンパーもオプションで設定されている。

ドライブフィール
屋根がない分、軽快?クーペより優れた乗り心地

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 いきなりオープンにして走り始める。Sトロニックのスムーズさは相変わらず。2L直噴ターボエンジンとの相性も抜群だ。これならV6が なくても性能に不満はない。
 何よりも驚いたのが、乗り心地。硬いボディの屋根がなくなることで、うまい具合に肩の力が抜けたという感じ。路面からの入力が心 地よくいなされている。それでいて、クーペ同様の、俊敏で手応えも豊かなハンドリングだ。ここでも、多少のねじれが安心を呼ぶ。ボディ後半の硬さを必要以上に感じることなく、極めて自然なドライブフィールだ。クローズドでも妙なきしみがなく快適だった。
 風の巻き込みはそれなりにあった。けれども、オープンにするなら風を感じたいと思える内容であったことを強調しておきたい。

こんな人にオススメ

 クーペが売れていますが、個人的にはこちらをオススメしますね。クローズド時の快適性でも劣らないし、乗り心地は全域でかえって良いぐらい。だったらオープンエアを楽しめる分だけオトク。生半可なCC買うよりも幸せ大だと思うんですが。そろそろミニバンとか卒業して、乗ってみませんか、デキのいいスポーツカー。イチオシです。