【試乗】新型BMW 2シリーズアクティブツアラー|“走りのらしさ”はそのままに、取り回しの良さが光る2代目モデル
カテゴリー: BMWの試乗レポート
2024/05/24
新プラットフォームを採用した2代目モデル
BMW 2シリーズアクティブツアラーは今年で登場から10年を迎えた。
じっくり開発された横置き搭載ユニット専用で、FFもしくは全輪駆動が可能なプラットフォーム「UKL1」を採用している。
これは同じグループである、3代目のミニで初めて使われたものだ。翌年2014年にBMWのモデルにも採用し、コンパクトMPVに対する本気度を感じた。
当初はFFのBMWはいかがなものだろうという懸念も感じられたが、当時、完成度の高さに驚かされたものだ。それが初代の2シリーズアクティブツアラーである。
あれから10年、2シリーズアクティブツアラーは、「UKL2」という第2世代のプラットフォームを新たに採用しフルモデルチェンジした。
BMWというブランドはスポーティなイメージが強いかもしれないが、私はいたってコンサバティブで上品な作り込みをするという印象をもっている。
2シリーズアクティブツアラーは、横置きユニットで価格を抑えた部分もあるが、作りはヒエラルキーを感じさせない。
2代目のアクティブツアラーは、先代の造形を踏襲しながら質感の高いプレスラインが進化を感じさせる。所有していて飽きのこないデザインを意識したフォルムだ。
しかし、BMWの真骨頂は“駆けぬける歓び”である。箱根の山間部と都内を試乗したのでお伝えしたい。
しなやかな乗り心地が特徴
試乗したグレードは218d Mスポーツ ディーゼルターボ。2Lのディーゼルターボは、トルクでいうとNAガソリンの4L級だ。
BMWのディーゼルユニットは、急激なトルク特性で出力向上を狙うよりも、少し抑えた部分でドライバビリティを優先するチューニングである。これは雨天時のような状況でも操作しやすい。
横置きFFはトルク特性によって路面とのコンタクトがおろそかになる傾向がある。2世代目になると、進化はシャシーと制御に如実に表れる。スポーティさを強調したMスポーツ仕様なのでソリッド感があるのかと思って試乗したが、まことにしなやかで申し分ない。
高速での車線変更は速度レンジにかかわらず連続的で、乗員に負荷を感じさせないセッティングだ。この形からしてファミリーカーの要素が高いイメージは否めないが、国産モデルとはまるで違うフィロソフィーがある。
例えば、重厚なボディとシャシーだ。これはどなたが試乗しても理解できるだろう。
加えて、手を抜かないハンドリングも特筆に値する。この手のモデルは重心の高さがハンドリングに影響をきたすが、重心の高さを感じさせないヒップポイントと車体を極力フラットにもっていくサスペンションのセッティングである。
東名高速の大井松田ICや新東名に入る勾配でも粘り強いトルクによってドライバーや乗員に不快な思いをさせない。これがこのモデルには重要な部分である。
キャビン内の静粛性は申し分ない。街中での見切りもいいので、タイトな脇道やすれ違いでも感覚を把握しやすい。
良い部分は他にもたくさんあるのだが、DCTのMATの制御がとても良くなった。トルクコンバータを使ったATのように、またはゆっくりとクリープ現象のようにうまく極低速を操ることができる。これは、ダイレクトで連続的でしかも扱いやすいクラッチタイプのMATである。
個人的にはディーゼルの加速が好きだ。これは常用回転域が低くパフォーマンスが高い点である。
しかも燃費が非常にいい。国産車では味わえない粘り強い加速は、エグゼクティブコンパクトMPVのカテゴリの中で最も質が高いと感じる。
吟味した素材を生かし最良の料理にして、BMWの走りのフィロソフィーをFFでも再現したモデルなのである。
【試乗車 諸元・スペック表】
●2シリーズアクティブツアラー 218d Mスポーツ ディーゼルターボ DCT
型式 | 3DA-22BY20 | 最小回転半径 | 5.4m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.39m×1.83m×1.57m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.67m |
ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.59m/1.59m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1600kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 1875kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.17m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
アルピン・ホワイト、スパークリング・コッパーグレーメタリック、ブラック・サファイアメタリック、ポルティマオ・ブルーメタリック、サンレモ・グリーンメタリック |
||
オプション色 |
ストーム・ベイメタリック |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 3DA-22BY20 |
---|---|
駆動方式 | FF |
ドア数 | 5 |
ミッション | 7AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | アルピン・ホワイト、スパークリング・コッパーグレーメタリック、ブラック・サファイアメタリック、ポルティマオ・ブルーメタリック、サンレモ・グリーンメタリック |
オプション色 | ストーム・ベイメタリック |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.4m |
全長×全幅× 全高 |
4.39m×1.83m×1.57m |
ホイール ベース |
2.67m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.59m/1.59m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1600kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | 1875kg |
最低地上高 | 0.17m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | B47C20B | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 54リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 22.5km/L |
総排気量 | 1995cc | 燃費(WLTCモード) | 18.4km/L └市街地:13.7km/L └郊外:18.8km/L └高速:21.2km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 150ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
360(36.7)/2500 |
エンジン型式 | B47C20B |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1995cc |
最高出力 | 150ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
360(36.7)/2500 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | 軽油 |
燃料タンク容量 | 54リットル |
燃費(JC08モード) | 22.5km/L |
燃費(WLTCモード) | 18.4km/L └市街地:13.7km/L └郊外: 18.8km/L └高速: 21.2km/L |
燃費基準達成 | - |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。