セレナ最新型が欲しい人、必見! 特徴や旧型との違い、価格と中古車情報を徹底解説
2023/03/29
新型 日産 セレナを徹底解説! どんなモデル? いくらで狙える?
日産 セレナは、3列シート・両側スライドシートを備えた、5ナンバー規格ギリギリのサイズ感で人気のミニバンだ。
家族みんなで出かけられる広い車内がある一方で、5ナンバーのサイズ感だから日頃の買い物や送り迎えにも使いやすい。
そんな使い勝手の幅が広いこのクラスのミニバンはみな人気が高く、トヨタ・日産・ホンダという大手3社が重要視する激戦区カテゴリーになっており、ライバルにはトヨタ ヴォクシー/ノアやホンダ ステップワゴンが挙げられる。
この記事では、2022年12月に登場した最新型(6代目・現行型)セレナがどんなモデルなのか、詳しく紹介していきたい。
【概要】日産 セレナってどんなモデル?
日産 セレナとは、日産を代表するミニバンのひとつ。同社のミニバンの中にはラージクラスミニバンのエルグランドがあり、その下のミドルクラスミニバンにセレナはカテゴライズされる。
サイズは、「全長4700mm×全幅1700mm×全高2000mm以下」という5ナンバー規格ギリギリのグレードも用意されている。狭い道の多い日本の道路事情に合ったサイズで、このサイズにこだわる人も多い。
最近では、現行型トヨタ ヴォクシー/ノアが全グレード3ナンバーサイズとなったり、ボディサイズが5ナンバーを超えるミニバンも増えており、その中ではセレナは貴重なモデルのひとつと言えるだろう。
初代(1994年5月~1999年5月)
新型セレナの魅力をひもとくためにも、まずは歴代セレナについて確認しておこう。
「セレナ」の名前が初めて登場したのは1991年6月に登場したバネットセレナ。この車が1994年5月にマイナーチェンジした際に、名称が「セレナ」に改められた。
当時はミニバン黎明期で、3列シートを備えた多人数乗車できる車は商用バンを乗用車仕様に改装するのが定石だった。そのため、ボンネットがないのが当たり前だったのだが、セレナ(及びバネットセレナ)はノーズを伸ばすことで、ドライバーがセダンに近い運転姿勢を取りやすくし、前面衝突時の安全性を向上させた。
一方で当時の商用バンと同じく、後席用ドアは助手席側のスライドドアのみで、運転席側から後席へ乗降することはできなかった。
マイナーチェンジ後のエンジンは1.6Lガソリンと2Lガソリン、2Lディーゼルターボがあり、トランスミッションは5速MTと4速ATが用意されていた。
2代目(1999年6月~2005年4月)
2代目から商用バンと袂を分かち、ミニバン専用車として開発されるようになったセレナ。ミニバンとして初めてとなる両側スライドドアが全車に採用されたのが大きな特徴だ。
また、2列目シートと3列目を向かい合わせにできたり、2列目と3列目シートにロングスライド機構が備えられるなど、多彩なシートアレンジが可能になった。2000年6月には全高がより高いハイルーフ仕様が追加された。
デビュー時のパワートレインは、2Lガソリン×CVTと2.5Lディーゼルターボ×4速AT。2001年に2.5Lディーゼルターボ車に変わって2.5Lガソリン車が設定された。
3代目(2005年5月~2010年10月)
クラストップの広い車内空間を実現したのが3代目セレナ。2007年から2009年まで3年連続でミニバン販売台数1位を獲得し、セレナを人気ミニバンへと押し上げた功労者でもある。
両側スライドドアは2代目よりも拡大され、フロア高もより低くなった。また、広い車内は2~3列目シートを畳めばマウンテンバイクを4台積載することが可能。ラゲージ床下には大容量のアンダーボックスが用意され、これを使うと9インチゴルフバッグを4セット積載することもできた。
さらに、運転席から2列目のチャイルドシートに座る子供の世話がしやすいシートモードや、ベビーカーを畳まずに積めるモードなど、シートアレンジがより多彩に。その他、運転席から3列目まで会話がしやすいよう、車内会話補助装置も用意されていた。
パワートレインは2Lガソリン×CVTのみ。なお、ハイウェイスターは2006年6月から追加された。
4代目(2010年11月~2016年7月)
人気の高かった3代目をさらに進化させたのが4代目だ。例えば、3代目の特徴であった「広い室内」は、すべての車内寸法でさらに “広く”なり、中でも室内長は300mmも拡大された。
また、電動スライドドアにはボタンを押すだけで開閉できる機能や、水拭きだけで汚れが落ちやすいイージークリーンシートが用意されたり、2列目両側の窓には、強い日差しを避けるときに便利なロールサンシェードが全車に標準装備されるなど使い勝手の向上も図られた。
デビュー時のパワートレインは2L×CVTだが、2012年2月に独自のハイブリッドシステム「Sハイブリッド」を搭載したモデルが追加された。このハイブリッドシステムは、蓄えた電気をアイドリングストップ時に使用したり、エンジンによる加速時にモーターを使って補助するなどして燃費向上を図るシステムだ。
2013年12月には、衝突被害軽減ブレーキが一部グレードを除いて標準装備された。
5代目(2016年8月~2022年11月)
5代目もまた、歴代の「広い車内」をさらに拡張。室内長は4代目よりさらに180mm広げられ、運転席から3列目まで、乗員全員がよりくつろげるようになった。
さらに、高速道路などの運転が楽になる「プロパイロット」が初めて採用されたのも5代目の特徴だ。プロパイロットは、アクセル/ブレーキを自動で操作して先行車に追従する機能と、車線内を走行できるようステアリング操作をアシストしてくれる。渋滞時の停止・再発進も行える。
衝突被害軽減ブレーキはデビュー時から全車標準装備だが、2019年8月のマイナーチェンジで現行型に通じる先進安全運転支援機能「全方位運転支援システム」が全車に標準装備された。
なお、標準ボディは5ナンバーサイズだが、エアロパーツの関係でハイウェイスターは3ナンバーサイズとなる。
デビュー時のパワートレインは2L×CVTで、一部グレードを除きSハイブリッドシステムとなる。
2018年2月には、エンジンで発電してモーターで走る「e-POWER」搭載車が追加されたのが大きなトピックだ。
そして、2022年11月に新型・6代目へとフルモデルチェンジ。
広い室内と使い勝手の良さから人気を集めてきた日産 セレナが、最新型でどのような車になったのか詳しく見ていこう。
【進化ポイント】最新型セレナと旧型の違いはコレ!
上記のとおり進化してきた歴代セレナ。では新型となる現行型はどんな進化を遂げたのか。ポイントは以下3つある。
■e-POWERの進化
■プロパイロットの進化
■車酔い軽減技術を採用
エンジンで発電してモーターで走る「e-POWER」システム。最新型では5代目(旧型)よりも進化した第2世代が採用された。
第2世代の大きな特徴は、静粛性の高さだ。従来は発電する際に作動するエンジンの音が、少なからずうるさいと感じることがあったが、これを抑制したというわけだ。
具体的には発電に徹する専用エンジンの開発と、エンジンの作動(発電)タイミングの見直し、そして高遮音ボディの採用がある。
特にエンジンの作動タイミングは、例えば停止時や滑らかな道での走行時など音が気になりやすいタイミングでの作動を抑え、逆に加速時などエンジン音があまり気にならないタイミングで作動するように。さらに純正ナビで目的地を設定した場合、ナビと連携して作動タイミングを調整してくれる。
「プロパイロット」とは、先行車に追従する速度制御機能とステアリング操作アシスト機能をしてくれるというもの。高速道路などの運転が楽になる機能で、旧型ではハイウェイスターにのみ標準装備されていたが、最新型では全車に標準装備された。
さらに、グレードのひとつ「ルキシオン」には第2世代となる「プロパイロット2.0」が標準装備されている。
このプロパイロット2.0は、従来の機能に加え、ステアリング操作をアシストではなく車が行うため、ドライバーはステアリングから手を離すことができ、高速道路での運転がさらに楽になるのは言うまでもない。
家族みんなでドライブを楽しむためには、「酔いにくい」ことも重要だとする新型セレナ。そのためのひとつの方法として、頭の急な揺れを抑えることに着目した。
そこで、新型セレナには車酔いを軽減するための技術を採用。
先述した新世代e-POWERに加え、高剛性サスペンションを採用することで、加速やコーナリング時の動きをなめらかにし、新開発のシートが車体の揺れを抑えている。
また、高剛性ステアリングを採用することで操縦安定性を高め、ミニバンが苦手とする横風を受け流す車体構造によりふらつきにくくなり、高速でも安定した走りを実現
併せて、2列目でも広々とした視界を確保することで、平衡感覚を働きやすくして酔いにくいようにするといった工夫も施されている。
【ラインナップ】新型セレナは大きく4タイプに分けられる
最新型セレナはデザインなどの違いで「標準ボディ/ハイウェイスター/ルキシオン」の3タイプに分けることができ、さらに、日産モータースポーツ&カスタマイズ社がハイウェイスターをベースに手がける「オーテック」も用意されている。
パワートレインは「e-POWER」と「2Lガソリンエンジン×CVT」があり、基本8人乗りだが、ルキシオンはe-POWER・7人乗りの1グレードのみ。ハイウェイスターもe-POWER車と2Lガソリンエンジン車にそれぞれ1グレードのみとなる。
また、4WDはガソリン車のみで、ルキシオンには4WDの設定がない。
デザインの好みだけでなく、使う目的や欲しい装備の有無も考慮してタイプやグレードを選ぶようにしよう。
全幅1695mmとなり5ナンバーサイズ規格に収まるタイプ。「X」と「XV」の2グレード展開で、それぞれガソリン車およびe-POWER車を選ぶことができる。乗車人数はすべて8人乗りだが、ガソリン車には4WDも設定されている。
・X系
新型セレナの中で最もベーシックなグレード。それでもプロパイロットやデュアルバックドアなど、十分な機能を標準装備している。
車両本体価格は下記のとおり。
ガソリン車:276万8700~303万4900円
e-POWER車:319万8800円
・XV系
上記Xの装備に加えて、両側ハンズフリーパワースライドドアや折り畳み格納式のパーソナルテーブル、LEDフォグランプなどが標準装備される。
車両本体価格は下記のとおり。
ガソリン車:308万8800~339万9000円
e-POWER車:349万9100~354万3100円
専用エアロパーツが備わることで全長4765mm×全幅1715mmという3ナンバーサイズとなるハイウェイスター。こちらもガソリン車およびe-POWER車それぞれに設定されており、すべて8人乗りとなる。また、ガソリン車では4WDを選ぶこともできる。
インテリアの木目調が、標準ボディがブラックなのに対してブラウンになるなどの違いがあるが、装備に関しては標準ボディのXVとほぼ同じだ。
車両本体価格は下記のとおり。
ガソリン車:326万9200~353万5400円
e-POWER車:368万6100円
e-POWERのみに設定されるルキシオン。ハイウェイスターと共通の専用エアロパーツが備わるため、3ナンバーサイズとなる。また、7人乗りのみとなるので注意しよう。
パッと見ただけではハイウェイスターと見分けがつきにくいが、ヘッドライトからサイドに流れるフェンダーフィニッシャー(上記写真のシルバーの部分)がルキシオン専用の飾りだ。
そして、唯一「プロパイロット2.0」が標準装備されるグレードであることは押さえておこう。他グレードではオプションでも用意されていないので、ハンズオフ機能を体験したいならルキシオン一択となる。
その他、日産コネクトナビゲーション、ドライブレコーダー、ヘッドアップディスプレイ、アダプティブLEDヘッドライト、自動パーキング機能、両側電動スライドドアのハンズフリー開閉機能など、最新型セレナのウリの機能がすべて標準装備された、まさに最上級グレードだ。
車両本体価格は下記のとおり。
e-POWER車:479万8200円
ハイウェイスターをベースにカスタマイズされた「オーテック」。ブルーのステッチを用いた専用インテリアや、オーテック専用エアロを用いたエクステリアなど、プレミアムでスポーティな雰囲気が演出されている。
ガソリン車およびe-POWER車がラインナップされており、ガソリン車は4WDの選択が可能。e-POWER車は7人乗りのみとなる。
車両本体価格は下記のとおり。
ガソリン車:373万3400~393万3600円
e-POWER車:415万300円
【サイズ・外装】新型 日産 セレナは5ナンバー車と3ナンバー車がある
旧型同様、標準ボディが5ナンバーサイズで、専用エアロパーツをまとうハイウェイスターが3ナンバーサイズとなる。また、最新型ではハイウェイスターと共通の専用エアロパーツを備えるルキシオンも3ナンバーサイズだ。
先述のとおりライバルはすべてのグレードで3ナンバーサイズ化しているが、それでも室内長3145mmはクラストップ、室内幅1545mmはホンダ ステップワゴンと同値でトヨタ ノア/ヴォクシーを凌ぐ。
ボディバリエーションは上記のとおり4タイプあるが、いずれも「モダンさとダイナミックスさが共存するデザイン」とされた。
例えば、同社のデザインを象徴する「Vモーション」は旧型(5代目)から採用されたが、最新型ではV字型に並べられたクローム加飾バーで表現されている。
モダンで落ち着きのあるデザインでまとめられた標準ボディに対して、専用エアロパーツを備えるハイウェイスターとルキシオンは、「ダイナミックスさ」の割合が強いデザインで表現された。
【内装・荷室・装備】新型 日産セレナは広い車内で、使い勝手もいい
サイズやエクステリアに続いて、最新型セレナの車内を見ていこう。
運転席まわりについては、まずシフトレバーのない、すっきりとしたシンプルなデザインが特徴的だ。同社初の採用となるスイッチ式の電動シフトは、インパネ中央部のパネル上に、エアコン用表示画面とともに、「P/R/N/D」のスイッチが並べられている。
また、旧型(5代目)に引き続き、2列目シートの左右を離すことで7人乗りにもできる。その秘密は、2列目シートの中央部分(マルチセンターシート)を運転席と助手席の間に移動させてアームレスト&収納部として活用できることにある。
運転席と助手席の間にはe-POWER用のバッテリーが収まるため、旧型のe-POWER車ではこのマルチセンターシートが設定できず7人乗りのみとなった。しかし、最新型ではe-POWER車でも装備できるように、つまり8人乗りになった。
今や必需品とも言えるUSB電源ソケットは、「X」が2つ(タイプAとタイプCが1つずつ)、他グレードは6つ(タイプAが1つとタイプCが5つ)備わる他、e-POWER車には100V・1500Wコンセントがオプションで用意されている。
3列目シートは旧型に引き続き左右跳ね上げ式が採用されているが、より楽に収納できるように改良が施されている。また、シートスライド機構が装備されたことによって、8人フル乗車でもゆったりと座ることができるようになった。
旧型(5代目)から引き続き、デュアルバックドアも採用されている。跳ね上げ式のバックドアは、上半分のみでも開閉できるので、後ろに壁が迫っているなど、狭い場所で荷物の出し入れをする際に重宝する。
先進機能は先述した「プロパイロット」「ハンズフリー機能付きスライドドア」の他に、ルキシオンに標準装備される「プロパイロットリモートパーキング」や、ルキシオンに標準装備され、一部グレードにオプション設定されている「プロパイロットパーキング」(自動駐車機能)がある。
【中古車状況】最新型 日産 セレナの中古車はほとんどがガソリン車の登録済未使用車
e-POWER車の販売は2023年春を予定しており、まだ始まっていない。そのため、中古車はすべてガソリン車となる。
原稿執筆時点での中古車掲載台数は約130台。平均価格は約353万円で、価格帯は約310万~422万円だ。
平均走行距離はわずか35kmで、最も多い走行距離の物件でも0.2万kmだ。ここからもわかるように、登録済未使用車が約100台と7割以上を占めているのが特徴だ。
掲載台数の9割以上が2WDのハイウェイスターV。新車時の車両本体価格は368万6100円だが、それよりも安い登録済未使用車がある一方で、セットオプションを装備しているため新車時以上の価格が掲げられた登録済未使用車も多い。
購入する際は、どんな装備が備わっているのか確認して、欲しい1台を探すようにしよう。
▼検索条件
日産 セレナ(6代目・現行型)×全国※記事内の情報は2023年3月27日次点のものです
ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。