BMW 4シリーズグランクーペ(旧型)▲ドアが4枚あるとはいえ、4シリーズクーペ同様のボディ強化対策が施され、スポーティなハンドリングが味わえる

新型が登場したことで値落ちに拍車がかかりそうだ

BMWの3シリーズがセダンで、4シリーズがクーペとなったのは2013年9月。翌2014年2月に4シリーズクーペをベースとした4シリーズカブリオレが追加され、さらに同年6月に4ドアの4シリーズグランクーペが追加された。

セダンの3シリーズとは異なるクーペフォルムと、4ドアの利便性を併せもったこの新しいモデルは、多くの人に支持された。

そんな4シリーズグランクーペの中古車は登場から7年が経ち、今年に入ってから順調に値を下げ続けている。

新車時価格が516万~925万円のところ、10月時点での中古車平均価格は約280万円と半額で狙えるようになった。前年同時期と比べると、なんと約50万円落ちだ。

さらに今年7月には2代目が登場し、今後はさらに値落ちが進むことも予想される。まずは相場状況を詳しく見てみよう。

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BMW 4シリーズグランクーペ(初代・旧型)×全国 ※価格昇順

コンディション重視なら300万円を切った今のうちに狙おう

2020年は、平均価格がほぼ横ばいで推移していた初代4シリーズグランクーペ。

昨年10月の中古車平均価格は326.8万円だったが、今年に入って値落ちのスピードが加速。5月に300万円を切った後も下がり続け、10月時点で279.6万円まで落ちてきた。

値落ちの理由は、やはりデビューから7年が経ったことが挙げられる。7年といえば3回目の車検を迎える前後のタイミングで、乗り替えによる下取り車が増えたことで、価格も安くなったと予想できる。

昨年から今年にかけて中古車流通台数は比較的潤沢で、軒並み300台以上をキープし続けている。

BMW 4シリーズグランクーペ

掲載物件を見ると、デビュー年の2014年式は100万円台で狙えるものが最も多く、お手頃感がある。

しかし、走行距離を見ると5万~7万km以下のものが最も多く、10万km超の物件もそろそろ出始めている。

また、走行距離1万~4万km未満が多いのは、2017年5月のマイナーチェンジ前後の中古車。マイナーチェンジ前なら200万円台と、初期型よりは当然高いものの、新車時の半額ほどとこちらもだいぶ狙いやすい価格になってきている。

7月に新型が登場したことで今後さらに台数が増えれば、下落傾向はより進んでいくと思われるため、それを待つのもありだろう。

しかし、手頃感が高まっているこの状況下では、比較的程度の良い中古車に先に注目が集まることが予想されるため、コンディション重視で狙いたいなら、新型への乗り替え需要を待たずに今のうちに探した方が賢明と言えそうだ。

3シリーズよりワイド&ロースタイルで、荷物の載せ降ろしがしやすい

BMW 4シリーズグランクーペ(旧型)▲窓枠のないサッシレスドアが採用されている。4シリーズクーペ同様、フロントフェンダー後ろにエアブリーザーが備わる

では、以降改めて旧型・初代4シリーズグランクーペとはどんなモデルだったのか、簡単に振り返ってみよう。

クーペの4シリーズに4枚ドアを備えた新モデルとして、2014年5月に登場した4シリーズグランクーペ。アウディ A5スポーツクーペやフォルクスワーゲン アルテオンあたりがライバルになる。

4ドアを備えるが、全長はクーペと同じ4640mm。ホイールベース2810mmも同じだ。一方で、本家筋の旧型3シリーズセダン(F30型)と比較すると、ホイールベースは同じものの、全長+15mm(4640mm)/全幅+25mm(1825mm)/全高−45mmと、同じ4枚ドアを備えるものの4シリーズグランクーペはワイド&ローなスタイルでまとめられていることがわかる。もちろん、前後重量配分は約50:50だ。

デビュー時に搭載されたエンジンは最高出力184ps(420i)と245ps(428i)の2種類の2L直列4気筒ターボ、それと最高出力306ps(435i)の3L直列6気筒ターボの3種類。これに、8速ATが組み合わされる。また、420iには同社独自のフルタイム4WDのxDriveを搭載したモデルもラインナップされた。

プレミアムクーペの4シリーズの一員である以上、衝突被害軽減ブレーキを含む「ドライビングアシスト」やHDDナビを含むiDrive、リアビューカメラは全車に標準装備されている。

さらに2014年11月には、ストップ&ゴー機能付きアクティブクルーズコントロールが標準装備された。

BMW 4シリーズグランクーペ(旧型)▲後席の居住性を確保するため、クーペより112mm伸ばされたルーフは、なだらかに傾斜しながらリアエンドにつながる。トレッドはクーペ同様3シリーズよりも広げられている
BMW 4シリーズグランクーペ(旧型)▲リアゲートは電動で開閉。セダンと比べて大きく開くので荷物の載せ降ろしもしやすい。バンパー下で足を振っても開けることができる。トランク容量は3シリーズセダン(F30型)と同じ480L。後席を倒すと1300Lまで拡大できる
BMW 4シリーズグランクーペ(旧型)▲インテリアデザインは3シリーズやクーペと同じ。8.8インチワイドディスプレイやルームミラー内蔵型ETC車載器、USBオーディオインターフェイスなどが標準装備される
BMW 4シリーズグランクーペ(旧型)▲リアシートは40:20:40の分割可倒式。4人で乗った場合は真ん中の背もたれを倒して長尺物を載せることができる。クーペより車高が12mm高められたり、肩周りがえぐられた形状になっているなど、後席の居住性が確保されている

2016年4月にはエンジンが刷新され、すべて新世代のモジュラーエンジンに切り替えられた。ただし、420iの最高出力/最大トルクの数値は変わらない。428iは2L直4ターボのままだが最高出力が252psとなり名称が430iに、また435iの3L直6ターボも最高出力326psとなり名称が440iに変更されている。

2017年5月にはマイナーチェンジが施され、内外装デザインが変更された。併せてTVチューナーと9つのスピーカーで構成されるHI-FIスピーカーシステムが標準装備されている。

さらに、同年年8月には通信機能のBMWコネクテッドドライブが全車に標準装備され、SOSコールなどの他、専用アプリをインストールしたスマートフォンで自車位置を把握できたり、遠隔でドアをロック/アンロックなどができるようになった。

2021年7月に新型が登場したことで販売が終了した。デビュー時の車両本体価格は516万~588万円。

BMW 4シリーズグランクーペ(旧型)▲2017年5月のマイナーチェンジでLEDヘッドライト&リアライトが標準装備に。それに伴い目元は丸い目がより強調(ヘキサゴナル・デザイン)されている。それ以外はマイナーチェンジ前後で大きな違いはない

新車時の半額以下で狙える420i系か、お買い得感の高い435i系or440i系

全体の75%以上の台数を占めるのが2WDの420i系。価格もこなれていてしかも選びやすいとなれば、やはりオススメはこの420i系だ。

2014~2015年式なら、走行距離5万km以下に絞っても、新車時の半額以下の支払総額200万円前後から狙うことができる。

中でもオススメなのが、ストップ&ゴー機能付きアクティブクルーズコントロールが標準装備された2014年11月以降のモデルだ。走行距離5万km以下でも、支払総額230万円から見つけられる。

これでも新車時価格が522万~563万円だから、新車時の半額以下と十分お手頃な価格だ。

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BMW 4シリーズグランクーペ(初代・旧型)×2014年11月以降生産モデル×420i系グレード×全国

4ドアとはいえクーペの一員だと考えれば、よりハイパワーでスポーティな直列6気筒ターボを搭載した435iや440iが欲しいという人もいるだろう。

両車で全体の約10%と台数は少ないが、支払総額250万円あたりから探すことができる。420i系と比べて少し高く見えるが、435iのデビュー時の車両本体価格が766万~803万円であることを考えれば、約500万円も落ちていることになり、420i以上にお買い得感が高い。

とはいえ、先述のとおり今後程度の良さそうなものからなくなる可能性が高いため、ただでさえ掲載台数の少ない直列6気筒ターボ搭載モデルこそ、早めにアクションすることをオススメしたい。

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BMW 4シリーズグランクーペ(初代・旧型)×435i/440i系グレード×全国

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BMW 4シリーズグランクーペ(初代・旧型)×全国
文/ぴえいる、写真/BMW

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。