アルファ ロメオ 164

車好きにとっての終着点。それがセダン。最もオーソドックスなスタイルにして、最もバリエーションが豊富な名車たちを紹介。今月は1987年にデビューしたアルファ ロメオのフラッグシップセダンを取り上げます

その官能的なエンジンに誰もが虜になった
アルファ ロメオのフラッグシップセダン

アルファ ロメオがフィアット傘下となった翌年の1987年、フラッグシップセダンの164がデビューした。

当時、4社でプラットフォームの共同開発を行ったクワトロプロジェクトによって誕生したモデルで、ランチア テーマ、サーブ 9000 、フィアット クロマとは姉妹車になる。

アルファ ロメオの個性は、まずピニンファリーナによるデザインにある。

直線基調で前衛的なイメージはエクステリアのみならずインテリアに至るまで貫かれており、今見ても新鮮に映る。

そしてもうひとつの個性がエンジンだ。

本国には2リッターのツインスパークやディーゼル仕様もあったが、日本には3リッター V6エンジン搭載モデルのみが導入された。

代表的なモデルとしてはエンジンチューンを施したスポーティバージョンの「クアドリフォリオ(QV)」や、210psの「Super 24V」、230ps仕様に6速MT+4WDを組み合わせたハイパワーバージョンの「Q4」などがあった。

特にこれらDOHC仕様のエンジンサウンドは、当時のアルフィスタに絶賛されたものだった。

アルファ164はデビュー以来およそ10年間、1997年まで生産され、累計生産台数は約27万台で当時のアルファの最量販モデルだった。

アルファ ロメオ 164▲ALFA ROMEO 164|エクステリアカラーは基本的に腰下をガンメタリックに塗り分けた2トーンだった。ただし、プロテオレッドメタリックとミルトールグリーンメタリックなどではボディは同色となり、フロントスポイラーやサイドスカートのみ色分けされていた
アルファ ロメオ 164▲左ハンドル仕様の他、ATモデルでは右ハンドル仕様もあった。164の中古車はいまでは希少。全国でも数台が流通しているのみで、グレードなどを選択するのは難しい状況だ。年々減少傾向なので程度良好な個体との出会いがあれば買いだ
文/藤野太一、写真/Fiat Chrysler Automobiles

※カーセンサーEDGE 2020年8月号(2020年6月27日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています