▲新型スズキ ソリオ/ソリオ バンディットを公道試乗。その実力はいかに…… ▲新型スズキ ソリオ/ソリオ バンディットを公道試乗。その実力はいかに……

軽量でもふらつかない安心感のある走り

5ナンバーサイズの全幅が売りであるソリオ/ソリオ バンディットは、日本特有の道路環境、つまり狭い駐車場と細い道に合わせたモデルだ。「軽自動車では物足らないが、主流のコンパクトカーだと大きすぎる」という層をターゲットに、サイズ感にこだわって開発されている。

新型ではプラットフォームが一新され、すべてのグレードで1トンを切った。では、乗り心地はどうか? 軽量になればなるほど走行中の突き上げが増す傾向にある。その点を特に意識してハイブリッドタイプに試乗した。

先に結論から言うと、ソリオとソリオ バンディットの乗り心地には大きな違いはなかった。ソリオ バンディットの方が若干リアのサスペンションの動きに硬さを感じたが、これは個体差によるもので、ホイールのデザイン以外は両者に差異はない。そのため、今回はソリオについて焦点を絞る。

発進はとてもスムーズ。アクセルを踏んだ量よりも加速はゆっくりだ。ウレタンを身体にフィットするよう最適化したシートもすこぶる心地が良い。試乗した場所は海風が強かったのだが、向かい風でも車内は静かで、加速しても風切り音も少ない。サスペンションは前後ともに低速時からよく動き、突き上げを抑えている。強風でも上手くいなしながら走る。コンパクトトールワゴンにありがちなリアの剛性不足も感じない。専用に設計したプラットフォームの影響が大きいのだろう。コーナリングでもフラットライドを第一に考えたセッティングで不安はない。

驚いたのは後部シートの広さだ。実際に後部席にも座ってみたが、乗員をしっかり守るパーティング造形が採用され、腰をしっかりと覆って、安心感を与えてくれる。コーナリングでもフラフラと身体が揺さぶられるような身体の動きはなく、安定感のある走りが味わえた。

▲ホイールベースは従来型+30mmとなる2480mm。しかし最小回転半径は-0.2mとなる4.8mとなって、取り回しもよくなった ▲ホイールベースは従来型+30mmとなる2480mm。しかし最小回転半径は-0.2mとなる4.8mとなって、取り回しもよくなった
▲搭載するのはデュアルジェットエンジンの改良型で、ISG(モーター機能付発電機)と専用リチウムイオンバッテリーを採用した ▲搭載するのはデュアルジェットエンジンの改良型で、ISG(モーター機能付発電機)と専用リチウムイオンバッテリーを採用した
▲写真はソリオ バンディット。2段構えのLEDヘッドランプが個性を強調している ▲写真はソリオ バンディット。2段構えのLEDヘッドランプが個性を強調している

【SPECIFICATIONS】
■車名:ソリオ
■グレード:HYBRID MZ ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHC+モーター ■総排気量:1242cc
■最高出力:67(91)/6000+2.3(3.1)/1000[kW(ps)/rpm]
■最大トルク:118(12.0)/4400+50(5.1)/100[N・m(kg・m)/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:CVT
■全長×全幅×全高:3710×1625×1745(mm) ■ホイールベース:2480mm
■車両重量:950kg
■JC08モード燃費:27.8km/L
■車両本体価格:184万1400円(税込)

■車名:ソリオ バンディット
■グレード:HYBRID MV ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHC+モーター ■総排気量:1242cc
■最高出力:67(91)/6000+2.3(3.1)/1000[kW(ps)/rpm]
■最大トルク:118(12.0)/4400+50(5.1)/100[N・m(kg・m)/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:CVT
■全長×全幅×全高:3710×1625×1745(mm) ■ホイールベース:2480mm
■車両重量:990kg
■JC08モード燃費:23.8km/L
■車両本体価格:195万1560円(税込)

text/松本英雄 photo/篠原晃一