マツダ アクセラ|プロトタイプ試乗

今回試乗したハッチバックのアクセラスポーツ。シャーシ剛性が高く仕上がりは極めて良好。ハッチバックとして高いポテンシャルを持つ

気持ちよく、そして不安なく走れるハッチバック

1.5L車は静粛性、パワーとも期待以上の仕上がり

今秋より北米から順次導入が始まる新型アクセラのプロトタイプに試乗した。アクセラにはハッチバックとセダンがあるが、今回はハッチバックのアクセラスポーツ SKYACTIV-G 1.5L ATと2L AT、2L MT(欧州仕様)の3タイプに乗った。

乗ってすぐ、ステアリング、シート、ペダルのレイアウトが直線上に位置していて、スポーツカーの要所を十分に押さえていることがわかる。

兄貴分にあたるアテンザに比べダッシュパネルが低くセットされている分、空間が広く感じられる。インテリア各部の質感はまずまずだが昨今のレベルからすると普通だ。

スタートボタンを押してエンジンを始動する。アイドリングの振動は、エアコンが動作していてもひとクラス上の静粛性だ。

アクセルを少し深く踏み込み発進する。ググっと引っ張るトルクは1.5Lの排気量を意識させないくらい力強い。更に踏み込むと運転席は「フォォォォ」というハーモニックで心地よいエンジンサウンドに包まれる。

不快なバイブレーションもなく仕上がりは極めて良好だ。何よりもシャーシ剛性が高い。走り出しから高速域までサスペンションがしっかりと路面を追従している。土砂降りでも、路面をしっかり踏みしめてくれ安心感がある。

気持ちよく不安なく走れるハッチバック

2LのAT仕様は1.5Lに比べ、サスペンションの仕上がりは近いが、エンジンが重い分フロントヘビー感は否めない。

トルクは十分に厚く、ATも良い。しかしアイドリング時の振動など“質”の面では、1.5Lより排気量が大きいというアドバンテージは生かされていない。

欧州仕様の2Lの6MTは、スポーツ仕様と思えば楽しめるがエンジンの振動や音は荒く乗っていて疲れる。MTのシフトフィールは剛性感がありとても良い。

プロトタイプだが気持ちよく不安なく走れるハッチバックとして、かなりポテンシャルが高い。

エンジンは1.5Lと2Lの直4ガソリン 、2.2Lの直4ディーゼルターボの計3タイプ。トランスミッションは6ATと6MT(来年春に導入予定)となる

エンジンは1.5Lと2Lの直4ガソリン 、2.2Lの直4ディーゼルターボの計3タイプ。トランスミッションは6ATと6MT(来年春に導入予定)となる

シフトノブの後方に設置されたコマンダーコントロール。これによりナビなどの機器を目視せずに操作することができる

シフトノブの後方に設置されたコマンダーコントロール。これによりナビなどの機器を目視せずに操作することができる

低燃費に役立つ減速エネルギー回生システムi-ELOOPは、2Lガソリン車と2.2Lディーゼル車に標準装備される

低燃費に役立つ減速エネルギー回生システムi-ELOOPは、2Lガソリン車と2.2Lディーゼル車に標準装備される

SPECIFICATIONS

グレード SKYACTIV-G 1.5 SKYACTIV-G 2.0 SKYACTIV-D 2.2
駆動方式 FF
トランスミッション AT
全長×全幅×全高(mm) 4660×1795×1470
ホイールベース(mm) 2700
車両重量(kg)
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直列4DOHC 直4DOHC+ディーゼルターボ
総排気量(cc) 1496 1997 2188
最高出力[kW(ps)rpm] 82(111)/6000 114(155)/6000 129(175)/4500
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 144(14.7)/3500 196(20.0)/4000 420(42.8)/2000
JC08モード燃費(km/L) 19.4 19.0
ガソリン種類/容量(L) レギュラー/51 軽油/51
車両本体価格(万円)
Tester/松本英雄 Photo/マツダ