※この記事はカーセンサー関東版2号 2000年1月20日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
(Tester/岡崎五郎 Photo/奥隅圭之)

V6よりも軽い前軸荷重=フラットな乗り心地と軽快なフットワーク

ホンダ オデッセイ S|ニューモデル試乗 ホンダ オデッセイ S ラゲージ|ニューモデル試乗
↑新型オデッセイのコンセプトはずばり“日本一のファミリィカー”(左)先代のようにフルフラットにはならなくなったが、それなりの荷物は積める(右)
ホンダが提示した新型オデッセイのコンセプトは、“日本一のファミリィカー”。乗用車らしさを大切にしたミニバンとか、ミニバンなのに乗用車的な走りができるとか、そういうことは全部スッ飛ばして「日本一のファミリィカーです」と言い切ってしまうあたりは実に気持ちがいい。

というわけで登場した新型オデッセイ。先代よりもやや大きくなった。ボディサイズを見てみよう。全長は5mm、全幅は25mmの拡大。つまり旧型オデッセイプレステージとほぼ同サイズというわけだ。ま、このぐらいは許容範囲でしょう…と笑って許してしまうほど僕はお人好しじゃない。日本一のファミリィカーを標榜する以上は、隣の車が邪魔になってドアを思い切り開けられない狭い駐車場での乗降性という切実な問題に対して何らかの回答を示してほしかったと思うのだ。

フラットな乗り心地と軽快なフットワークについては特筆に値する

ホンダ オデッセイ S インテリア|ニューモデル試乗 ホンダ オデッセイ S エンジン|ニューモデル試乗
↑もちろんV6モデルと共通のインパネ。一部のタイプでは黄色いウッドも選択できる(左)4気筒ながらも他社のV6モデルに匹敵するスムーズさと静粛性を誇る(右)
スライドドアにしろなんて野暮なことは言わないが、例えばセリカやメルセデス・ベンツCLみたいなダブルヒンジ式ドアを採用すれば、どれだけ乗降性が良くなったことか。コストと重量の問題であきらめたとのことだが、そのぐらいの贅沢はしてもよかったんじゃないかな。

詳しい走りについてはV6のページを見てもらうが、直4エンジンは他社のV6にほぼ匹敵するスムーズさと静粛性を有していることを挙げておく。そして、V6よりも約80kg軽い前軸荷重がもたらすフラットな乗り心地と軽快なフットワークについては特筆に値する。

乗り心地は少々硬めだが、快適。シートも少々硬め。ロールはよく抑えられており、コーナリングも非常に安定していて安心 感いっぱいといえる。

主要諸元のグレード 2.3 S
駆動方式 FF/4WD
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4770×1795×1630
ホイールベース(mm) 2830
車両重量(kg) 1600
乗車定員(人) 6-7
エンジン種類 直4SOHC
総排気量(cc) 2253
最高出力[ps/rpm] 150ps/5800rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 21.0kg-m/4800rpm
10・15モード燃費(km/L) 10.6/11.0
ガソリン種類/容量(L) 無鉛レギュラー/65
車両本体価格 212.5~282.5万円

コンセプト 4点
フィニッシュ 4点
前席居住性 4点
後席居住性 4点
内装の質感 4点
取り回し 3点
操作系の使い勝手 5点
ラゲージルーム 3点
パワー感 3点
トルク感 4点
加速性能 3点
乗り心地 4点
操縦安定性 4点
高速安定性 4点
しっかり感 4点
ブレーキ性能 4点
環境対策 5点
燃費 4点
ステータス 3点
コストパフォーマンス 4点
得点合計 77/100