インパネの質感が大幅に向上、X系にはDVDナビが標準装備

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コンセプト

若い世代を強く意識した精悍なフロントマスク

目立たないけれど、コンパクトクラスのワゴンって実はけっこうな数が売れている。ビシネスユースが多いのも確かだが、荷物がたくさん積めるんでセダンより何かと便利だし、このクラスなら価格もそこそこ手頃。プライベートでこれを道具っぽく使い込むのはあり。

ウイングロードが今回行った大胆なフェイスリフトは、このプライベートユースを強く意識した結果だ。カロゴンからフィールダーへと移行したカローラ勢が比較的高い年齢層に受けているのに対し、ウイングロードは若い世代にターゲットを絞ったと言っても良い。

ちなみにこのスタイルは日産のCMでお馴染みの中村史郎デザイン本部長が監修した最初の作。今後の日産デザインの方向性を強く示唆している点でも興味深い。
室内&荷室空間

なんとインパネ全面刷新。X系はDVDナビ標準装備

多大なコストをかけてインパネを全面変更したところにマイチェンにかける気合が伝わる。メーターは独立3眼式の精悍なもの。センターパネルは流行のメタル調仕上げ。最上段には7インチのワイドモニターが収まるスペースが確保された。ちなみに主力グレードのXエアロはDVDナビ標準装備だ。

ただし居住性などは従来と変わらず。手堅いパッケージだが後席の足元空間はライバルに対して若干狭い。ここはキャブフォワードなどの新パッケージと無縁なウイングロードのつらい部分だ。

だが積載性は悪くない。荷室はサスなどの張り出しが少なく広い床面が取れており、後席の折り畳みも背もたれの前倒しのみと簡単。助手席にシートバックテーブルが付いたのもニュースと言える。
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ドライブフィール

ZXは余裕のある走り。フットワークも進化した

走行面でのポイントは、スポーツモデルZX搭載の2Lエンジンが新世代のQLに変更されたこと。また、1.5Lや1.8Lも触媒の変更を行い、全車「良ー低排出ガス車」(星一つ)になった。

試乗は2LのZXエアロと1.5LのXエアロ(ともにFF)の2車種で行ったが、さすが2Lにこのコンパクトボディだと動力性能には余裕がある。定員乗車でもグイグイ峠道を登って行くし、CVT-M6を駆使すればワインディングも楽しめる。一方、Xエアロにはこうした余裕はなく、シティユース中心の性格。3000回転あたりでもう少しトルクが欲しい。

朗報は全車フットワークが劇的に改善されたこと。ソフト方向のチューンで乗り心地が向上し、乗り味も安っぽくないのが偉い。
こんな人にオススメ
外観的には精悍なマスクのエアロがお勧め。問題はエンジンだ。遠出をするなら2L、街中中心なら1.5Lという分け方が一般的だが、DVDナビ標準のXエアロは183.8万円とかなり高価。ここまで出すならぜひZXエアロの余裕を味わうべきだ。価格重視ならSエアロがベスト。
SPECIFICATIONS
グレード ZXエアロ
駆動方式 FF
トランスミッション 6速CVT
全長×全幅×全高(mm) 4410 x 1695 x 1500
ホイールベース(mm) 2535
車両重量(kg) 1270
乗車定員 5人
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1998
最高出力 110kW(150ps)/6000rpm
最大トルク 200N・m(20.4kg-m)/4000rpm
車両本体価格 195.8万円
写真:奥隅圭之 文:石川芳雄