▲ドイツ勢が幅を利かせているこのセグメントで、あえてジャガーを選ぶのが我儘であることは確か。けれど、XEの走りにはそれだけの価値は絶対にある。イギリス車らしいアンダーステイトメント性=控えめさも、かえって新鮮。乗り替えたら相当注目されるはずだ ▲ドイツ勢が幅を利かせているこのセグメントで、あえてジャガーを選ぶのが我儘であることは確か。けれど、XEの走りにはそれだけの価値は絶対にある。イギリス車らしいアンダーステイトメント性=控えめさも、かえって新鮮。乗り替えたら相当注目されるはずだ

ずっと走っていたくなるその仕上がり

ヨーロッパでも今春、ようやく走り出したばかりだというのに、ジャガー XEが早くも日本上陸を果たした。しかもラインナップを見れば初のディーゼルモデルが用意されているし、装備も充実。価格も頑張っている。かつてのX-TYPE以来の、このセグメントへの再参入、気合いは十分のようだ。

早速訪れた試乗の機会。ディーゼルは秋までお預けとのことだったが、200psと240psの2種類の直列4気筒2Lターボと、340psを発生するV型6気筒3Lスーパーチャージドを、あらためて乗り比べることができた。

やはり、その走りは格別。とにかく、ずっと走っていたくなるほど気持ち良い。ガッチリとしたアルミボディと、しなやかにストロークしながらジオメトリー変化の小さい完全新設計のサスペンションが織り成すフットワークの一体感は、XEのいちばんの個性である。

そんな運動性能で選ぶなら、やはり4気筒モデルとなるが、エンジン単体の上質感で見るとマルチシリンダーのXE Sが一枚上手。悩ましいところだが、日本の道路環境ならば4気筒モデルで十分満足できそう。乗り味で選ぶなら17インチタイヤのPURE。装備もこれで十分と言える。強いていえば、インテリアの樹脂パーツのクオリティ感はイマイチなので、気になるならダッシュボードまでレザー張りになるPORTFOLIOを選び、19インチタイヤの乗り心地をカバーするべく減衰力可変機構のアダプティブダイナミクスを追加するのがオススメだ。

いやしかし、ディーゼルモデルが上陸したら、本命はそっちかも? いずれにしても一度ステアリングを握ったら、ずっと走っていたくなるその仕上がり、輸入車好きなら絶対確かめておくべきだと言っておこう。

▲アルミを75%以上用いたモノコックボディを採用。ステレオカメラを用いたAEBなど安全装備も充実 ▲アルミを75%以上用いたモノコックボディを採用。ステレオカメラを用いたAEBなど安全装備も充実
▲前席は乗員を包み込むような形状、シート位置を低くしスポーツカーのようなポジションに ▲前席は乗員を包み込むような形状、シート位置を低くしスポーツカーのようなポジションに
▲ガソリンエンジンは3種類を用意。走行特性を変更できるドライブコントロールも備わる ▲ガソリンエンジンは3種類を用意。走行特性を変更できるドライブコントロールも備わる

【SPECIFICATIONS】
■グレード:Portfolio ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1998cc
■最高出力:240/5500[ps/rpm]
■最大トルク:340/1750[N・m/rpm]
■駆動方式:FR ■トランスミッション:8AT
■全長×全幅×全高:4680×1850×1415(mm) ■ホイールベース:2835mm
■車両重量:1640kg
■車両本体価格:642万円(税込)

text/島下泰久 photo/大子香山