※この記事はカーセンサー関東版16号2000年4月27日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
(Tester/島崎 七生人 Photo/渡邉 英昭)

プジョーらしさを走りとスタイルに感じられる上質のファミリーカー

  • プジョー 406 走り|ニューモデル試乗
  • プジョー 406 ブレーク リアスタイル|ニューモデル試乗
↑リファインで、ハンドリング、乗り味も好ましい方向に変わった(左)ワゴンも含め、2Lのアルミホイールは新デザイン。モールのメッキも新しい(右)
いわゆる“マイナーチェンジ&フェイスリフト” ながら、プジョー406は、より魅力度をアップさせて登場した。その主要因となっているのは、エンジン。新搭載されることになった2L DOHC16バルブは、アルミ合金ブロックをもち、VTC(可変吸気バルブタイミング)も採用。しかも性能向上、軽量&ローフリクション化といいことずくめだが、それが能書きに終わらず、ちゃんと走りに表れているのがいい。

組み合わせられるのが、学習機能付きの4 速ATということもあり、日本の道路事情でも、低回転から高速領域まで、実に軽快にストレスなく回ってくれる。なので「このエンジンでも十分!! 」と納得してしまうほどだ。

1999年の夏前、ヨーロッパで5速MTの試乗の機会があったが、ATで、しかも日本で走っても、これほどイメージが変わらない例は珍しい。新エンジンは、室内で聞こえるエンジン音も、メカニカルで“心地いい系”だ。

均整のとれたプロポーションは、相変わらずキレイ!

  • プジョー 406 エンジン|ニューモデル試乗
  • プジョー 406 インパネ|ニューモデル試乗
↑「EW10J4型」と呼ばれる新2Lエンジン。約29kgの軽量化を果たした(左)ハザードスイッチの位置の変更など機能性アップが主眼の手直しを実施(右)
他方、エンジンの軽量化をはじめとしたリファインで、ハンドリング、乗り味も好ましい方向に変わった。プジョーのセダンらしい、しなやかさが再び戻ってきたように感じる。ちょっと上質なファミリーカーを求めるなら、オススメ。特にセダンは、300万円を切った価格設定がされており注目だ。

大型クリアレンズを採用したヘッドライトの新しい顔つきも、見慣れてくると悪くない。均整のとれたプロポーションは、相変わらずキレイ。室内も操作系の変更の他、ベロア地のシート表皮が、指紋の拡大図みたいだったものが無難な柄に変わるなど、快適性、機能性をグッと向上させている。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード セダン 2.0
駆動方式 2WD(FF)
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4600×1780×1430
ホイールベース(mm) 2700
車両重量(kg) 1350
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1997
最高出力[ps/rpm] 135ps/6000rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 19.0kg-m/4100rpm
10・15モード燃費(km/L)
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/70
車両本体価格 299.6万円

島崎 七生人の責任採点

コンセプト 5点 取り回し 4点 加速性能 5点 ブレーキ性能 5点
フィニッシュ 5点 操作系の使い勝手 5点 乗り心地 5点 環境対策 4点
前席居住性 5点 ラゲージルーム 5点 操縦安定性 5点 燃費 4点
後席居住性 5点 パワー感 5点 高速安定性 5点 ステータス 4点
内装の質感 5点 トルク感 5点 しっかり感 5点 コストパフォーマンス 5点
得点合計 96/100