レスポンスいい2.7Tクワトロはどの速度域からも好加速

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コンセプト

排気量拡大と出力向上が今回の大きなポイント

ここ数年、“本物志向”をキャッチフレーズに開発段階から徹底的に妥協を排した車作りで、マーケットに支持されてきたアウディ。

A6はその中でもプレミアムクラスの先駆者として位置づけられ、他メーカーに先んじて早くからクワトロ(4輪駆動)を導入してきた。今回のマイナーチェンジでは外観の変更は最小限にとどめて、排気量拡大と最高出力向上を大きなポイントとしている。

試乗した2.7ターボクワトロは、A6シリーズ最強のパフォーマンスカー。V6ツインターボエンジンは、従来の220psからオールロードクワトロと同様の250psとなり、スポーティさに磨きをかけている。それに伴いブレーキも強化され、フロントディスクの大型化および軽量化を図っている。
室内&荷室空間

各部のアルミリングからシャープな印象を受ける

2.7ターボクワトロはインテリアコンセプトも見直されている。シート地には肌触りのいいバッファリーノという専用革を採用。前席電動シートはサイドサポートを強くしたスポーツシートに、また後席も2名乗車を想定したスポーツコンフォートシートとなり長距離ハイスピードドライブでも疲労を軽減する形状を意識している。

新しく導入されたVICS対応DVDナビはCD、MD、TV機能も装備。モニターは6.5インチと大型で視認性が高く、しかもメーターパネル内のディスプレイとリンクしておりドライバーの視線移動が不要なのがうれしい。

そのほか、ティプトロ操作が可能な新デザインのハンドルやスイッチ回りの照明。メーターほか各部に設けられたアルミリングによりシャープな演出も施された。
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ドライブフィール

2.7Tクワトロの走りは予想以上にハード

A6全車のフロントサスペンションはピボットベアリングのアルミ化とホイールハブの軽量化で、バネ下重量を約5kg軽減している。2.7ターボクワトロはスプリングとショックアブソーバーを硬めにセッティングしてあるため、235/45R17タイヤとの組み合わせでは市街地では滑るような乗り心地とは言い難い。しかし新開発のワイパーシステムやドアシールの強化、サイドガラスの厚みを増すなどの改良により、高速域での風切り音はかなり低くなっている。

走りは予想以上にハード。アクセルレスポンスのいい250psエンジンは、どの速度域からも瞬時に加速していく。トルクの厚みも十分なのでハンドルにあるスイッチを使えば、高速やワインディングでも5速ティプトロを存分に楽しむことができる。
こんな人にオススメ
オモシロさという点では2.7ターボクワトロはバツグンだが、プレミアムクラスとしての快適性を求めると偏平率45タイヤまでは必要ないか。装備面の差もあるが、価格的にも100万円近く手頃なノンターボの3.0クワトロの扱いやすさが買いだ。積載量で見てもセダンで十分と思える。
SPECIFICATIONS
グレード 2.7Tクワトロ
駆動方式 4WD
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4805 x 1810 x 1490
ホイールベース(mm) 2760
車両重量(kg) 1780
乗車定員 5人
エンジン種類 V6DOHCターボ
総排気量(cc) 2671
最高出力 184kW(220ps)/5800rpm
最大トルク 350N・m(35.7kg-m)/1800-4500rpm
車両本体価格 568万円
写真:福永仲秋 文:堀江史朗(本誌)