【試乗】トヨタ 86GR|新車価格にも納得のクオリティの高さ! さすがメーカーの息がかかったチューニングモデルだ
カテゴリー: トヨタの試乗レポート
2020/07/11
GRMNよりマイルドで公道走行に期待できる86GR
FRレイアウトに水平対向エンジンを搭載した、2ドアピュアスポーツの「トヨタ 86」、「スバル BRZ」であるが、トヨタには、とりわけスポーツ性能を向上させたGRシリーズが存在する。86はそのシリーズ中で、中核を担う大切なモデルだ。
2017年に登場した86GRは、見た目重視のエアロパーツを装備したのではなく、絶対的な性能を誇るモデルである。
そもそも86GRは、100台限定のスペシャルモデル「86GRMN」のツーリング版といったモデルだ。
86GRはサーキットで試乗したことがあるが、やはり86GRMNと比べるとマイルドになった雰囲気は否めなかった。しかし、そのしなやかなサスペンションは、一般公道ではむしろ疲れないのではないか? と思っていた。
サーキットは事前に路面状況を把握しやすいが、公道では予測できないカーブや連続的に続くカーブ、路面のギャップなどわからない部分はいくつもある。
そこで86GRを200kmほど公道で試乗してきたので、そのフィーリングをお伝えしたい。
アクセル、ステアリング、ブレーキとコントロール性が抜群
外観はおとなしめであるが、性能を向上させたエアロパーツが必要以上にごちゃごちゃしてない部分に本物を感じさせる。
特に1本出しのマフラーは、性能を優先させた感じがする。デフォルトは2本出しだが、レスポンスや性能を重んじれば1本出しに分がある。
シートはレカロ製で、人工スエードのシート表皮と形状が相まってホールド性が最高だ。肩のあたりも動きやすく、着座位置も低く感じさせる。隣に大型車が止まると、自分のドライビングポジションの低さが一層理解できる。
加えて、水平対向ユニットを搭載した低重心なスポーツカーである。ということを、シートに腰を埋めた瞬間に味わえる。
エンジンをスタートさせ、軽くブリッピングするとレスポンスがとてもいい。
走り出してちょっと深めにアクセルを踏めば、一瞬にして時速40kmほどに到達するが、兄弟車のBRZ STIよりもアクセルとスロットルの雰囲気が違うことがわかる。86GRの方がコントロールしやすいセッティングに思えた。
加速するときのエンジンフィールとエグゾーストノートも感能的で、シフトを楽しませてくれる。
首都高速環状線から中央道方面にひた走る。路面からの軽い突き上げをとてもしなやかにいなす。それでいて収束は早く、次のモーションに移せるので安心感が高い。
体を包んでくれるシートとサスペンションのセッティングのおかげで、とてもスタビリティが高い乗り心地を実現している。
ブレーキは、速度調整を微妙に行えるのでBRZよりもコントロール性が高いといえる。低速~中速域は申し分ない。ブレーキをうまくコントロールしながらヒール&トーを自在に行える。
装着されたスポイラーは、直進安定性に加えてコーナでも発揮してくれる。派手ではないが性能は申し分ない。
峠のワインデングに差しかかる。タイヤはしっかりと路面をとらえているので、ちょっとした段差や凸凹でもステアリング操作に神経を使う必要もない。86の素性をよく理解し、適切にセッティングされていることがわかる。
新車価格は500万円ほどに達してしまうが、メーカーの息がかかったチューニング内容を知れば、それほど高く感じさせない。
これから先、中古車市場に少ないながら出てくるだろう。興味があったら行動を起こしても決して後悔はないだろう。
【試乗車 諸元・スペック表】
●2.0 GR
型式 | DBA-ZN6 | 最小回転半径 | 5.4m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FR | 全長×全幅×全高 | 4.29m×1.79m×1.32m |
ドア数 | 2 | ホイールベース | 2.57m |
ミッション | 6MT | 前トレッド/後トレッド | 1.53m/1.54m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 1.62m×1.49m×1.06m |
4WS | - | 車両重量 | 1240kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 4名 | 車両総重量 | 1460kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.12m |
マニュアルモード | - | ||
標準色 |
- |
||
オプション色 |
- |
||
掲載コメント |
- |
型式 | DBA-ZN6 |
---|---|
駆動方式 | FR |
ドア数 | 2 |
ミッション | 6MT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | - |
オプション色 | - |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 4名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
- |
最小回転半径 | 5.4m |
全長×全幅× 全高 |
4.29m×1.79m×1.32m |
ホイール ベース |
2.57m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.53m/1.54m |
室内(全長×全幅×全高) | 1.62m×1.49m×1.06m |
車両重量 | 1240kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | 1460kg |
最低地上高 | 0.12m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | FA20 | 環境対策エンジン | H17年基準 ☆☆☆☆ |
---|---|---|---|
種類 | 水平方向4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | - | 燃料タンク容量 | 50リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 1998cc | 燃費(WLTCモード) | - |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 207ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
212(21.6)/6800 |
エンジン型式 | FA20 |
---|---|
種類 | 水平方向4気筒DOHC |
過給器 | - |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1998cc |
最高出力 | 207ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
212(21.6)/6800 |
環境対策エンジン | H17年基準 ☆☆☆☆ |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 50リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | -km/L |
燃費基準達成 | - |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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