スペーシア▲全高1.7mを超える、スライドドアを備えた軽自動車で、乗用車として開発された、現在新車でも購入できる最新型モデルを紹介する

人気の最新型軽スーパーハイトワゴンを紹介

軽自動車の中でも、特に人気なのが「スーパーハイトワゴン」。

軽自動車とは思えないほど車内が広々としていて、小さな子供なら立てるほど天井が高く、狭い駐車場でも簡単に乗り降りできるスライドドアを備えているのが人気の理由だ。

あまりもの人気で、ホンダ N-BOXは軽自動車だけではなく、登録車(軽自動車以外の乗用車)を含む新車販売台数で度々トップに立つほどだ。もちろん、他メーカーもN-BOXに負けぬ魅力を備えたスーパーハイトワゴンをリリースしている。

なお、スーパーハイトワゴンの定義はいろいろあるが、「全高1.7mを超える、スライドドアを備えた軽自動車」を指すことが多いようだ。

本記事ではこの定義にのっとり、中古だけでなく新車でも買える最新型の軽スーパーハイトワゴンを紹介しよう!

 

ホンダ N-BOX(現行型・3代目)
日本一売れる車に、もはや死角なし!?

N-BOX▲ホンダ N-BOX(現行型・3代目)の標準モデル
N-BOX▲ホンダ N-BOX(現行型・3代目)のカスタムモデル

現行型(3代目)のホンダ N-BOXは2023年10月に登場。旧型(2代目)は、軽自動車の新車販売台数で一度も首位を譲らなかった超人気車だったが、この現行型は、優秀な2代目をさらに上回るデキの良さが魅力だ。

具体的には、エクステリアやインテリアはブラッシュアップされ、シンプルながらも強い個性を備えたデザインとなった。もちろん走行&加速性能や静粛性も高められている。

機能面では、同社の軽自動車として初めて「マルチビューカメラシステム」が用意された。これは車のフロント・サイド・リアの映像を、カーナビのモニターに映し出すので、狭い道でのすれ違いやバック駐車などに便利な機能だ。

また、旧型から引き続き全車に標準装備されている先進運転支援機能「ホンダセンシング」も進化。急発進の抑制機能など新機能が追加され、高速道路で先行車に自動で追従する機能では加減速がスムーズになるなど、改良が施されている。

モデルバリエーションは、標準モデルとカスタムモデル、そして2024年9月にはアウトドアテイストの「N-BOX ジョイ」が追加され、計3タイプから選ぶことができる。

標準モデルとカスタムモデルには、スロープ(車いすも載せられる)仕様もある。また標準モデルはノンターボ車のみで、他はターボ車も選択可能だ。
 

N-BOX▲2024年9月にラインナップに加わった、アウトドアテイストモデル「ジョイ」
N-BOX▲ホンダ N-BOX(現行型・3代目)の標準モデルのインテリア。カスタムモデルはブラック基調など、モデルによりカラーなどが異なる

原稿執筆時点の掲載台数は約5600台。平均価格は約180万円で、平均走行距離は0.1万kmとかなり少ない。登録済未使用車が約2600台と5割近くを占めているのが、平均走行距離が短い理由だろう。

グレード別の掲載台数の割合は、標準モデル:カスタムモデルがそれぞれ5:5程度で、デビュー間もないことからジョイはかなり少ない。

標準モデルは、もともとベースグレードの1グレード。ゆえに、標準モデルを狙うなら「ベースグレード」を中心に探そう。登録済未使用車でも支払総額約140万円から見つけることができる。新車よりも約40万円安い計算になる。

ちなみに “ベース”といっても装備は充実していて、助手席側スライドドアは電動だしオートエアコンが標準装備。上記のとおりホンダセンシングも標準で備わる。これは「ファッションスタイル」も同じで、違いはボディカラーやホイールデザイン程度だ。

一方、カスタムモデルには、ノンターボ車の「カスタム」と、ターボ車の「カスタムターボ」がある。新車の車両本体価格で約20万円の差があるが、中古車でもそれは同じだ。カスタムなら登録済未使用車でも支払総額約160万円から、カスタムターボでも約180万円から見つかる。どちらも新車と比べて、それぞれ約40万円安い計算だ。

そしてジョイはほとんどが登録済未使用車で、支払総額約180万円から探すことができる。180万円は新車よりも約20万円安い計算なので、欲しい人は探してみよう。

なお、原稿執筆時点で最も走行距離が長い物件でも3万km未満。また、3万km未満の物件の価格は一見すると登録済未使用車とほとんど変わらないが、人気のボディカラーだったり、カーナビなど装備が充実していることが多いので、併せてチェックした方がいいだろう。
 

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ホンダ N-BOX(現行型・3代目)×全国
 

ダイハツ タント(現行型・4代目)
唯一無二の「ミラクルオープンドア」

タント▲ダイハツ タント(現行型・4代目)の標準モデル
タント▲ダイハツ タント(現行型・4代目)のカスタムモデル

2019年7月に登場した現行型(4代目)ダイハツ タント。2代目から続く唯一無二の機能「ミラクルオープンドア」が他車にはない大きな魅力だ。この機能は助手席ドアと助手席側スライドドアを開ければ、柱(ピラー)のない大開口を作れるため、誰でも楽に乗降できて、荷物も積みやすい。

現行型ではこのミラクルオープンドアの使い勝手をさらに向上させる工夫が盛り込まれた。

まず、旧型(3代目)で採用された、助手席ロングスライド機能に加えて、現行型は運転席も大きく後ろへスライドできるようになった。これにより、運転席から後席への移動が楽になり、運転席に座ったまま後席の子供の世話をすることも可能になった。

さらに、買い物などで両手がふさがった状態でも、車に近づくだけでスライドドアが自動で開いてくれる機能など、乗降が楽になる軽自動車初の機能や装備がいくつも盛り込まれた。

先進運転支援機能「スマートアシスト」は最新バージョンを搭載。また、高速道路で車が自動で加減速したり、ステアリング操作をアシストしてくれる機能も選べるようになったのも進化のポイントだ。

モデルバリエーションは標準モデルとカスタムモデル、さらにアウトドアテイストの「ファンクロス」もある。またスバルから、デザインが少し異なるOEMモデルの「シフォン」が販売されている。
 

タント▲ダイハツ タント(4代目・現行型)のアウトドアテイストモデル「ファンクロス」
タント▲ダイハツ タント(4代目・現行型)の標準モデルのインテリア。カスタムモデルはブラック基調など、モデルによりカラー等が異なる

原稿執筆時点の掲載台数は約5800台。平均価格は約151万円で、平均走行距離は1万7000kmだ。

グレード別の掲載台数の割合は、標準モデル:カスタムモデル:アウトドアテイストモデルで4:5:1といったところ。

標準モデルが欲しいならノンターボ車の「X」がオススメだ。標準モデルで掲載台数が最も多いので比べて選びやすく、助手席側スライドドアが電動になり、オートエアコン標準装備など十分使い勝手がいい。走行距離1万km未満で支払総額約110万円から狙える。

カスタムモデル狙いなら、最上級グレードの「カスタムRS」がオススメだ。ターボエンジンを搭載し、両側とも電動スライドドアになり、15インチアルミホイールを履くなど装備が充実している。走行距離1万km未満で支払総額約140万円から狙える。

アウトドアテイストモデルのファンクロスは、ターボ車とノンターボ車があるが、新車時と比べて価格差が若干広がっている。ゆえにオススメはノンターボ車だ。走行距離5000km未満で支払総額約150万円から見つけられる。
 

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ダイハツ タント(現行型・4代目)×全国

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スバル シフォン(現行型・2代目)×全国
 

スズキ スペーシア(現行型・3代目)
使い勝手のいい装備が充実している

スペーシア▲スズキ スペーシア(現行型・3代目)の標準モデル
スペーシア▲スズキ スペーシア(現行型・3代目)のカスタムモデル

2023年11月に登場した現行型(3代目)スペーシア。王者N-BOXを超えるため、他車にはない機能が盛り込まれたのが大きな特徴だ。

まず「マルチユースフラップ」が一部グレードの後席に採用された。これは後席に座った人のオットマンやレッグサポートとして使えるとともに、後席に荷物を置いたときには落下防止のストッパーにもなるというアイデア装備だ。

また、助手席背もたれの背面にはタブレットを立てかけたり、幼児用マグや500mlの紙パックも対応するドリンクホルダーのある多機能テーブルも用意された。このテーブルをしまうと買い物袋を引っかけるフックも備えられている。

一方、先進運転支援機能も進化。旧型では衝突被害軽減ブレーキなど、安全機能がメインだったが、現行型ではアクセル/ブレーキを踏まずとも先行車に自動で追従してくれる機能など、高速道路での運転が楽になる運転支援機能が一部グレードに標準装備されたのもポイントだ。

さらに、旧型に引き続きマイルドハイブリッドシステムを搭載。これによりクラストップとなる25.1km/L(WLTCモード)を実現している。

モデルバリエーションは標準モデルとカスタムモデル、さらにアウトドアテイストの「スペーシア ギア」もある。また、マツダからOEMモデルの「フレアワゴン」も販売されている。
 

スペーシア▲スズキ スペーシア(現行型・3代目)のアウトドアテイスト「ギア」
スペーシア▲スズキ スペーシア(現行型・3代目)の標準モデルのインテリア。カスタムモデルはブラック基調など、モデルによりカラーなどが異なる

原稿執筆時点の掲載台数は約3200台。平均価格は約185万円で、平均走行距離は約690kmと、1000kmにも届かない。5割以上が登録済未使用車であることがその要因だ。

グレード別の掲載台数の割合は、標準モデル:カスタムモデル:アウトドアテイストモデルで4:5:1といったところ。

標準モデルのオススメは「ハイブリッドX」。もう1つのハイブリッドGでは助手席側でも電動スライドドアの設定がないが、ハイブリッドXなら両側とも電動スライドドアになるし、後席まで冷風&温風を届ける天井のサーキュレーターやUSB電源ソケットなどが標準で備わるなど装備が充実している。

走行距離0.5万km未満で支払総額約約130万円から、登録済未使用車でも約160万円から見つけることができる。新車より15万円以上安く探せる計算になる。

カスタムモデルならノンターボ車の「カスタムハイブリッドXS」がオススメだ。装備は上記ハイブリッドXに加え、電磁式パーキングブレーキやステアリングヒーター、15インチアルミホイールなどが備わる。

装備面ではターボ車のカスタムハイブリッドXSターボと同等で、新車時の価格差は約8.8万円だが、中古車ではその差が広がっている。つまり、ノンターボのカスタムハイブリッドXSの方がお買い得なのだ。

カスタムハイブリッドXSは、走行距離0.5万km未満でも登録済未使用車でも、支払総額約180万円から見つけることができる。180万円は新車より25万円以上安い計算になる。

アウトドアテイストモデルのギアは約130台あり、ターボ車:ノンターボ車の割合はだいたい4:6。こちらも新車時の価格差が中古車では差が若干広がっている。つまり、ノンターボ車の方がお買い得だ。

登録済未使用車で、支払総額約190万円から見つけることができる。これは新車より10万円以上安い計算になる。ちなみに、ターボ車の登録済未使用車なら新車より約5万円安い計算になる支払総額約210万円から見つけられる。
 

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スズキ スペーシア(現行型・3代目)×全国

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マツダ フレアワゴン(現行型・4代目)×全国
 

日産 ルークス(現行型・2代目)&三菱 eKスペース(現行型・2代目)
「ハンズフリーオートスライドドア」などの先進機能が満載

ルークス▲日産 ルークス(現行型・2代目)の標準モデル
ルークス▲日産 ルークス(現行型・2代目)のカスタムモデル

2020年3月にデビューした日産 ルークス(現行型・2代目)と三菱 eKスペース(現行型・2代目)は、日産と三菱が共同で開発したスーパーハイトワゴンだ。見た目は異なるが、中身はほぼ同じだ。

ただし、日産 ルークスは標準モデルとカスタムモデルとモデルバリエーションが2種類あるが、三菱 eKスペースは標準モデルのみとなる。ルークスのカスタムモデルに当たるのは三菱 eKクロススペースだったのだが、2023年1月に生産が終了している。

eKスペース▲現在三菱から新車で販売されているのは三菱 eKスペース(現行型・2代目)のみ

ルークス&eKスペース最大の魅力は先進技術だ。まず、ボディ下に足をかざすだけでスライドドアが開閉できる「ハンズフリーオートスライドドア」が一部グレードを除き搭載された。

また、全車に標準装備された衝突被害軽減ブレーキをはじめとした安全運転支援機能に加え、高速道路での運転が楽になる同社の先進運転支援機能「プロパイロット」(eKスペースでの名称は「マイパイロット」)も搭載可能だ。

搭載されたターボ/ノンターボエンジンはいずれも、マイルドハイブリッドの一種である、スマートシンプルハイブリッド(eKスペースでの名称は「ハイブリッド」)が備わる。

なお、ルークスの標準モデルはノンターボ車のみで、eKスペースはデビュー時こそターボ車があったが2023年4月の一部改良時にラインナップから外れている。
 

ルークス▲日産 ルークス(現行型・初代)のインテリア。同車のカスタムやeKスペース(現行型・2代目)とはカラーなどが異なる

原稿執筆時点の掲載台数はルークスが約4600台、eKクロススペースは約330台。平均価格&平均走行距離はルークスが約156万円&約1.8万km、eKクロススペースが約151万円&約2.2万km。

ルークスのグレード別の掲載台数の割合は、標準モデル:カスタムモデルで約3:7とカスタムモデルの方が多い。

ルークスの標準モデルとカスタムモデルは、掲載台数が多くて装備も充実しているノンターボ車の「X」と「ハイウェイスターX」がオススメだ。グレード名から分かるように、標準化カスタムモデルの違いだけで、機能面はだいたい同じだ。

どちらも助手席側スライドドアが電動&ハンズフリー機能付きになり、アラウンドビューモニターも備わるなど装備は充実している。さらに、ハイウェイスターXはハイウェイスター専用のエクステリアパーツなどを装備する他、後席用テーブルも備わる。

Xは走行距離1万km未満で支払総額約120万円から、登録済未使用車なら約150万円から見つけられる。150万円なら新車より約30万円安い計算になる。

また、ハイウェイスターXは走行距離1万km未満で約140万円から、登録済未使用車なら約170万円から見つけられる。170万円なら新車より約20万円安い計算になる。

一方、デビュー時のeKスペースは、ターボ車を含めて3つのグレードが設定されていたが、オススメはノンターボ車の上級グレードである「G」だ。掲載台数は同じノンターボ車のMとあまり変わらないが、Gなら助手席側スライドドアが電動&ハンズフリー機能付きになり、アラウンドビューモニターも備わる。

Gを走行距離1万km未満で探すと支払総額約130万円から、登録済未使用車なら支払総額約150万円から見つけることができる。150万円なら新車より約30万円安い計算になる。
 

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三菱 eKスペース(現行型・2代目)×全国
 

三菱 デリカミニ(現行型・初代)
「デリカ」の名は伊達じゃない!

デリカミニ▲三菱 デリカミニ(現行型・初代)のエクステリア

2023年5月に誕生した三菱の現行型(初代)デリカミニ。SUVルックの個性派モデルだ。同社には同じSUVルックのeKクロススペースというスーパーハイトワゴンがあったが、デリカミニの登場前の2023年1月に販売が終了。つまりeKクロススペースの後継モデルでもある。

単に名前を変えた後継車ではなく、ロードクリアランスをeKクロススペースよりも取るなどして、悪路走破性が高められたのがデリカミニの特徴だ。その自信から、同社の軽自動車に冠される「eK」ではなく、ミニバン×SUVのデリカD:5と同じ「デリカ」の名が与えられた。

もちろん、eKクロススペースの特徴もしっかり受け継いでいる。滑りやすい下り坂で一定速度を保つヒルディセントコントロールや、滑りやすい路面で安心して発進できるグリップコントロールを全車に標準装備。

その他、両手に荷物を持っていても足をドア下で振れば助手席側スライドドアを開けられる機能も全車に標準装備されている(一部グレードは両側とも備わる)。

搭載されたターボ/ノンターボエンジンはいずれも、マイルドハイブリッドの一種が備わる(名称は「ハイブリッド」)。
 

デリカミニ▲三菱 デリカミニ(現行型・初代)のインテリア

原稿執筆時点の掲載台数は約1200台。平均価格は約212万円で、平均走行距離は1000km未満(約980km)だ。上記スペーシア同様、5割以上が登録済未使用車であることがその要因だ。また5割近くを4WD車が占めるのも、デリカミニの特徴だろう。

デリカミニのグレード構成は、ノンターボ車の「G」と、ターボ車の「T」が基本。それぞれに装備が充実した「プレミアム」が設定されている。

走行距離0.5万km未満で探すと、ほとんどが登録済未使用車になる。

2WD車でお買い得なのはノンターボ車の「G」だ。Gプレミアとの新車時の価格差は約18万円だが、中古車(登録済未使用車)ではその差が広がっている。つまりGの方がお買い得感なのだ。

プレミアムが付かなくても、上記のとおり助手席側スライドドアが電動&ハンズフリー機能付きになり、リアビューモニター付きのルームミラーも備わる。

登録済未使用車でも支払総額約170万円から見つけられる。これは新車より約20万円安い計算になる。

4WD車なら、最も台数が多く比べて選びやすいターボ車で最上級グレードの「Tプレミアム」がオススメだ。“プレミアム”が付くゆえ、スライドドアは両側とも電動&ハンズフリー機能付きで、アラウンドビューモニター付きルームミラーが備わる。さらに、高速道路の運転が楽になる先進運転支援機能「マイパイロット」も標準装備されている。

登録済未使用車でも支払総額約210万円から探すことができる。これは新車より30万円近く安い計算になる。
 

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三菱 デリカミニ(現行型・初代)×全国
文/ぴえいる、写真/篠原晃一、ホンダ、ダイハツ、スズキ、日産、三菱

※記事内の情報は2024年11月27日時点のものです

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。先日、中古車のホンダeも加わった。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。

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