富士. ポルシェ ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区 代表取締役社長:七五三木 敏幸)とポルシェ カレラカップ ジャパン(PCCJ)委員会は、ポルシェ カレラカップ ジャパン 2015 第6戦決勝を、富士スピードウェイ(静岡県)にて6月7日(日)に開催いたしました。


天候:晴れ 路面:ドライ 気温:24度 路面:31度(スタート時)
ポルシェ カレラカップ ジャパン(PCCJ)2015 第6戦決勝が6月7日(日)、富士スピードウェイ(静岡県)で開催された。

この日の富士は昨日の曇り空とは打って変わり、太陽がコースを照らす暑めのコンディション。基本的に、暑くなるほどタイヤのライフは短くなり、レースが進むほどグリップは落ちていく傾向になる。最適な空気圧設定を見極める力や、走行中に余計な負荷を与えないタイヤマネージメント能力などがいつも以上に問われるレースとなることが予想された。

決勝スターティンググリッドは、1列目が#78近藤翼と#15元嶋佑弥、2列目が#12久保凛太郎と#19永井宏明、3列目が#9武井真司と#7星野敏というオーダー。13時00分、フォーメーションラップを終えた16台がグリッドに着き、正式スタートが切られた。

今季スタートが課題となっている近藤は「ここまでで一番というくらいでした」と絶妙のクラッチミートを決めたが、それを上回る鋭いダッシュを見せたのが元嶋だった。トップで1コーナーに進入し、「あとはしっかりタイヤマネージメントをしていくことを心がけて」と後続との距離も見ながら、レースをリードしていく。

先行を許した近藤は「元嶋選手を攻め返す」と反撃態勢に入ろうとしたが、3番手の久保が急接近。久保は1周目の最終コーナーでインから、2周目の1コーナーではアウトからオーバーテイクの隙を窺う。そして3周目、メインストレートで近藤のスリップストリームに入り、1コーナーでアウトから仕掛けに出た。だが、攻防のなかで2台は軽く接触。近藤は縁石ぎりぎりでコーナーをクリアできたが、久保はコース外側のエスケープゾーンまではらんでしまい、ここは近藤が2番手のポジションを守った形に。序盤の久保のペースを見る限り、久保に再度チャンスが訪れるかと思われたが、「路面にもっとタイヤのラバーが乗っていると予想し、クルマが軽く動くようなセットにしていたのですが、路面コンディションは逆に軽く、グリップしなくなってしまった」とのことで、近藤から徐々に離されていく。その近藤も「久保選手へのディフェンスで精一杯となってしまった」と元嶋の距離を縮めることができない。

後ろの2台がバトルでタイムをロスするのを尻目に逃げを図りたい元嶋だったが、実は元嶋もタイヤのグリップが厳しくなる状況に見舞われていた。「“まずい”と思いながら、プッシュすればするほどタイヤの手応えがなくなっていく悪循環に入っていた」。序盤に2.3秒まで築いた貯金は少しずつ目減りしていき、11周目には1.1秒まで詰められる。それでも、「集中して、ミスしなければ勝てる」と冷静に周回を重ね、勝利を手繰り寄せた。「開幕6連勝となりましたが、近藤選手たちとの差はみるみる縮まってきているので、次もしっかり準備して臨みたいですね」と元嶋。

ジェントルマンクラスは波乱の展開となった。まず、ポールポジションの#9武井真司が駆動系トラブルで2周を終えて緊急ピットイン、#2田島剛と#98ゴトウイカリが反則スタートでドライブスルーペナルティ、第5戦優勝の#24剛覇矢人が#37久保田克明とのバトルから5周目の1コーナーでスピンなど、有力ドライバーが次々とポジションを落としていく。そんななか、クラス初優勝を飾ったのは久保田だった。「狙っていた」というスタートでジャンプアップすると、3周目にはクラストップに立ち、そのまま逃げ切り。「速い選手の後ろについて走り、コーナーへの突っ込み加減など、いろいろ勉強になることもありました」と収穫もあるレースとなった。2位は6番グリッドスタートから粘りの走りでPCCJ初表彰台を獲得した#77浜崎大。終盤には久保田に迫る速さも見せた。「テール・トゥ・ノーズでチェッカーを受けたかったのですが、最後にミスしてしまいました。でも、うれしいです」。3位はこちらも初表彰台の#10齋藤真紀雄。「クルマにもだいぶ慣れてきました。あとはもう少しスピードをつけたい」とさらなる意欲を燃やしていた。

次のPCCJは8月8日(土)~9日(日)に行なわれる第7-8戦で、舞台は同じく富士スピードウェイ。オーバーオールでは元嶋がさらに連勝を重ねるのか、近藤、久保を含む上位陣が巻き返すのか。風雲急を告げてきたジェントルマンクラスでは新たな勝負が繰り広げられるのか。シーズンも後半に入り、タイトルをにらんだ戦いも含め、レースはさらに激しさを増しそうだ。

■ポルシェ カレラカップ ジャパン 2015 - 第6戦 決勝結果
Pos. _ Car# _ Class-Pos. _ Driver _ Car Name _ Lap _ Time _ Time/Gap
1 _ 15 _ _ 元嶋 佑弥 _ GARMIN PORSCHE _ 15 _ 26'06.611 _ -
2 _ 78 _ _ 近藤 翼 _ スカイレーシング _ 15 _ 26'08.578 _ 1.967
3 _ 12 _ _ 久保 凛太郎 _ TEAM KTOUCH PORSCHE _ 15 _ 26'14.431 _ 7.820
4 _ 19 _ _ 永井 宏明 _ ナインレーシング _ 15 _ 26'26.427 _ 19.816
5 _ 37 _ G _ 久保田 克昭 _ ハナシマレーシング _ 15 _ 26'46.287 _ 39.676
6 _ 77 _ G _ 浜崎 大 _ Voing Ventiler _ 15 _ 26'50.109 _ 43.498
7 _ 11 _ _ 塚本 奈々美 _ TEAM KTOUCH PORSCHE _ 15 _ 26'57.453 _ 50.842
8 _ 10 _ G _ 齋藤 真紀雄 _ ビンゴレーシング _ 15 _ 27'00.104 _ 53.493
9 _ 7 _ _ 星野 敏 _ D'station HAI 991 _ 15 _ 27'10.712 _ 1'04.101
10 _ 25 _G _ 内山 清士 _ NK RACING _ 15 _ 27'12.807 _ 1'06.196
11 _ 51 _ G _ ポール イップ _ KCMG ANNIKA 911 _ 15 _ 27'13.666 _ 1'07.055
12 _ 2 _ G _ 田島 剛 _ タジマレーシング _ 15 _ 27'21.463 _ 1'14.852
13 _ 52 _ G _ 春山 次男 _ はるやまbaby GT3cup _ 15 _ 27'53.894 _ 1'47.283
14 _ 98 _ G _ ゴトウ イカリ _ チームトーエイスピリット _ 14 _ 26'23.858 _ 1Lap
15 _ 24 _ G _ 剛 覇矢人 _ みきゃん スペンダーGT3 _ 14 _ 27'34.584 _ 1Lap
- 以上完走(規定周回数) -
9 _ G _ 武井 真司 _ ビンゴレーシング _ 2 _ 3'47.054 _ 13Lap