BMW X4(初代)▲ベース車であるX3と同様、同社の4WDシステム「xDrive」を搭載するが、クーペ風スタイルに合わせ、足回りはX3よりスポーティな味付けがされている。また、xDriveと連動してコーナリング時の走行安定性とハンドリング性能を向上させる「パフォーマンス・コントロール」は全車標準装備

クーペ風SUVとして早々に登場した初代 BMW X4

街も海も山も、どこもかしこもSUVで溢れている時代で、国産&輸入車メーカーいずれからもたくさんのSUVが販売されているが、どうやら最近は定番スタイルよりも、クーペっぽいフォルムがトレンドのよう。

例えば、フェラーリ プロサングエしかり、トヨタ クラウンしかり……。

とはいえ、最新トレンドとなると高年式車が多く、必然的に中古車価格は高めであることが多いが、クーペ風SUVとして早々にデビューした初代BMW X4なら、値段がこなれ、いよいよ200万円台後半から手に入るようになってきた。

優雅なフォルムが街並みやアウトドアシーンで映えるのはもちろん、ルーフにスノーボードやスキーの板、自転車を載せてもサマになる。

そんな初代X4をお得に手に入れて、人とはちょっと違うSUVライフを始めてはどうだろう!?
 

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直近1年の中古車価格は安定しているが、台数は減少傾向

では手頃なスタイリッシュSUV、初代BMW X4の近々の相場はどうなっているのか。

中古車平均価格を見ると、2020年夏頃には一度350万円以上となったものの、2021年には順調に下がり続け、同年12月には330万円を切った。

そして、2022年はほぼ横ばいで推移したが、330万円を上回ることはなく、原稿執筆時点でのカーセンサー掲載車の平均価格は約303万円と200万円台間近。価格帯は約200万~430万円で、平均走行距離は約4.8万kmと、まだまだ良コンディションが期待できる物件も多そうだ。

一方で、中古車の流通台数は少なめ。2022年1月の延べ掲載台数は140台ほどだったが、その後減り続け、夏以降は100台を切るように。原稿執筆時点でのカーセンサー掲載台数は65台なので、早めの行動が肝心といえるだろう。

では、そんな初代X4の中からどんな中古車を選べばよいのか。モデル変遷を振り返って探ってみよう。
 

 

見た目も走行性能も“背の高いBMW製のクーペ”

BMW X4(初代)▲ダイレクトで俊敏なハンドリングを叶える「バリアブル・スポーツ・ステアリング」は全車に標準装備。タイヤサイズはフロント245/45R19、リア275/40R19と前後異形サイズ(X3ではxDrive35i系のみ)

2014年8月に登場したX4は同社のSUV X3のクーペ版に当たる。ドアは左右に2枚ずつあるものの、ガッツリとCピラーが寝たスタイリッシュなクーペスタイルが特徴の1つ。

もちろんBMWらしい“駆けぬける歓び”を備えていて、目線が少し高いこと以外、走ればまさにBMWのクーペを操っている感覚になるだろう。

全長約4.7m×全幅約1.9mというボディは、兄貴分のX6よりもコンパクトだから日本でギリ取り回せるサイズ。室内も、前席は同時期の2代目X3同様に広い。クーペスタイルゆえ後席はX3より天井が低いが、それでも最低限の頭上空間が確保されている。

一方で、通常時の積載量はX3(550L)より小さく、この1年後に登場する現行型X1(505L)とほぼ同じ500L(後席を倒せば最大1400L)。それでも、これだけあれば十分だという人も多いのではないだろうか。

つまり、大人数でガッツリとアウトドアライフを楽しみたいような人よりも、荷物や乗車人数を調整し少人数で使用する人にピッタリの1台だ。

アウトドアシーンや街中でも映えて、道中のドライブも楽しいSUVは、普通のセダンやクーペに飽きたという人にもオススメしたい。

デビュー時に搭載されたエンジンは、2Lターボ(xDrive28i系)と3Lターボ(xDrive35i系)。全車トランスミッションは8速ATで、駆動方式は4WDだ。

また、全車に衝突被害軽減ブレーキを含む「ドライビングアシスト」や、周囲360度の映像を映す「トップビュー」、サイドビューカメラ、リアビューカメラなどの安全装備は標準で装備されていた。

デビュー時の車両本体価格は674万~790万円と、高級車と言って差し支えないモデルだろう。
 

BMW X4(初代)▲テールゲートはオートマチックテールゲートオペレーションが標準で備わる。リモコンキーでの操作や、テールゲート先端のスイッチを押すだけで開閉できる。さらにバンパー下で足を振るだけでも開閉可能
BMW X4(初代)▲TVチューナ付きHDDナビや、そのナビやオーディオなどを操作するiDriveコントローラーは標準装備。USBオーディオインターフェイスが備わるので、スマートフォンの音楽も楽しめる
BMW X4(初代)▲前席は電動シートが標準。デビュー時はxDrive28i系のみファブリックシートだったが、2016年6月の一部改良時に、上級グレードと同じ本革(ネバダレザー)&前席シートヒーターが備えられた
BMW X4(初代)▲後席は40:20:40の3分割可倒式。中央を倒して長尺物を載せることができる

2016年1月には最高出力360psの3Lターボを搭載した、トップグレードのM40iが追加。

さらに同年6月には従来の「ドライビングアシスト」が、ストップ&ゴー機能付きのアクティブクルーズコントロール機能を含む「ドライビング・アシスト・プラス」に進化して、従来同様、全車に標準装備された。

なお、マイナーチェンジは行われず、2018年9月に現行型へフルモデルチェンジとなった。

以上を踏まえて、今狙うならどんな物件がオススメなのか、以下見ていこう。

BMW X4(初代)▲こちらはハイパフォーマンスモデルのM40i。BMW M社により、専用のチューニングが施されている
 

とにかく手頃な価格で手に入れたいなら「xDrive28i Mスポーツ」を

先述したように、原稿執筆時点でのカーセンサー掲載台数は65台。そのうち7割以上を占めるのは、2Lターボを搭載したxDrive28i Mスポーツだ。X4の中では小さな排気量だが、最高出力245ps/最大トルク350N・mと十分なパワーを発揮する。

その中で最も手頃な価格は素のxDrive28iだが、台数が1ケタ台とかなり少ない。そのため、手頃なX4を選んで買いたいならxDrive28i Mスポーツがオススメだ。

上記で説明したようにxDrive28iでも装備は充実しており、加えてMスポーツならBMWのスポーツ部門を担うM社が開発した専用エアロパーツやスポーツサスペンションなどが備わり、よりスタイリッシュさに磨きがかかっている。

新車時は素のxDrive28iより約30万円高かったが、中古車ではその差が縮まっており、お買い得感が高いのもオススメの理由だ。

原稿執筆時点で走行距離約10万kmなら支払総額約220万円から、5万km以下でも約260万円から見つけることができる。

そもそも初代X4の掲載台数は少ないため、「xDrive28i Mスポーツ」に絞って網羅的にチェックし、予算だけではなく好みのボディカラーなど徐々に条件を絞っていくと良いだろう。

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お買い得感のあるグレードを狙うなら「xDrive35i Mスポーツ」を

コストパフォーマンスの高いX4の中古車を狙うなら、xDrive35i Mスポーツがオススメだ。

xDrive28i系よりパワーに余裕があるうえ、デビュー時点からxDrive28i系の装備に加え、アダプティブLEDヘッドライトや本革シート、シートヒーターが標準装備されている。

もちろんM社が開発した専用エアロパーツやスポーツサスペンションなどが備わる。

新車時価格はxDrive28i Mスポーツより85万円高かったが、中古車ではその差はグッと縮まり、走行距離約7万kmで支払総額約270万円から、5万km以下でも約290万円からと、総額300万円以下から十分狙え、お買い得感は高い。

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文/ぴえいる、写真/BMW

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。