今はなき名機を手頃なうちに! 水平対向6気筒3Lエンジンを搭載した4代目スバル レガシィ
カテゴリー: 特選車
タグ: スバル / レガシィB4 / レガシィアウトバック / レガシィツーリングワゴン / 小鮒康一
2021/01/15
他に乗り替える車がない! と思うほどオンリーワンな6気筒のEZ30
2003年デビューながら、現在でも古くささを感じさせない端正なデザインと、日本の道路事情にマッチした絶妙なサイズ感から、根強いファンが多い4代目レガシィシリーズ。
そんな4代目レガシィシリーズの中でも、特にユーザーに愛され乗り替えることができない愛用者も少なくないといわれるのが、水平対向6気筒3.0LのEZ30型エンジンを搭載する「3.0R」系のグレードです。
今回は、そんなユーザーをとりこにする、EZ30型エンジンを搭載したレガシィの3.0R系グレードにフォーカスしたいと思います。
6気筒の3.0Rは、滑らかな回転とスムーズな走りが魅力
3.0R系グレードは、セダンである「B4」、ステーションワゴンの「ツーリングワゴン」、クロスオーバーSUVの「アウトバック」すべてのタイプに設定され、4代目レガシィ登場からおよそ4ヵ月遅れの2003年9月に登場(アウトバックは2003年10月の登場時)しました。
EZ30型エンジンは、すでに3代目レガシィの「ランカスター6」に採用されていましたが、4代目レガシィに搭載されたものは吸気バルブに可変バルブタイミング機構(AVCS)を採用。
さらに、吸気側の動弁系にダイレクト可変バルブリフト機構を採用。また、独立3ポート式のエグゾーストマニホールドを採用するなど、従来比+30psの250ps/31.0kg・mを達成していました。
そこに組み合わされるミッションも、ランカスター6の4速ATから5速ATへと多段化し、6気筒ならではの優れた回転バランスが生み出す、滑らかでスムーズな走りに磨きをかけたモデルへと進化していたのです。
さらに、ツーリングワゴンにはオプション設定として、現在の「アイサイト」の源流に当たるADA(Active Driving Assist)搭載車が設定されていました。
これは、従来のステレオカメラに加え、ミリ波レーダーを装備することで、天候に左右されにくく、詳細に前方の交通環境を認識するもの。アダプティブクルーズコントロール機能や追従モニター、ふらつき警報や前車発進モニターなど、現行車に備わる装備に近いものがプラスされる最新鋭のものでした。
一方、走りをより楽しみたいユーザーに向けて2004年10月の改良時に「3.0R Spec B」がB4とツーリングワゴンに追加設定され、こちらにはインプレッサWRX STIに搭載されていた6速MTをベースとした専用のミッションを搭載。
この3.0Lエンジンと6速MTの組み合わせは2007年5月の改良で廃止されてしまったため、約2年半の販売期間ということもあり、中古車市場でも希少で高値安定となっています。
一方、MT以外の3.0Rは現状そこまでプレミア価格とはなっていませんが、現段階ではスバル最後の水平対向6気筒3.0Lエンジン搭載車ということで、今後価格の上昇の可能性もありそう。
特に大排気量が好まれる北米市場ですら、後継のEZ36(水平対向6気筒3.6L)エンジンから、水平対向4気筒2.4LのFA24ターボエンジンに置き換えられているので、今後多気筒&大排気量のエンジンは登場しない可能性が高いと言えそうです。
3.0Rは台数少なく希少だが、比較的価格はお手ごろ
執筆時点で644台の掲載がある4代目レガシィ(B4、ツーリングワゴン、アウトバックの総数)ですが、3.0Lエンジン搭載車となると、34台とおよそ1/20まで縮小されてしまいます。
そのうちB4が15台(総数209台)、ツーリングワゴンが8台(総数361台)、アウトバックが11台(総数74台)と、アウトバックが最も3.0R率が高いモデルという形になりました。
そもそもアウトバックには2.0Lモデルが存在せず、2.5Lと3.0Lのみだったので、どうせ排気量が大きいなら3.0Lを……と考えるユーザーが多かったのでしょう。
そして気になる価格ですが、B4、アウトバックともに安いものでは総額30万円台からで、ツーリングワゴンは若干高めの40万台が下限といったところ。ただし、ツーリングワゴンは8台のみの掲載だったので、誤差の範囲かもしれません。
逆に最も高額な部類でも総額表示がある店舗では60万円台がマックス。過去に低走行な個体で総額100万円ほどのものもありましたが、ATモデルであればそこまで高いということもなさそうです。
一方、6速MT車となるとさらに希少となり、現状ではたった4台のみの掲載。すべて10万kmオーバーの個体でありながら、総額50万~90万円ほどとなかなかのプライスとなっていました。
すでに、最終型でも登場から10年以上が経過したモデルということもあって、購入後にメンテナンスフリーで乗れる年式の車両ではなくなりつつありますが、いまだに手をかけながら愛用しているユーザーの多い4代目レガシィの3.0R系。程度の良い個体を探すラストチャンスは刻一刻と迫っていますよ。
▼検索条件
スバル レガシィB4 3.0R(4代目)×全国▼検索条件
スバル レガシィツーリングワゴン 3.0R(4代目)×全国▼検索条件
スバル レガシィアウトバック 3.0R(4代目)×全国▼検索条件
スバル レガシィB4/ツーリングワゴン 3.0R Spec B(4代目)×MT×全国自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。
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