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濃霧や大雨時にも視界を確保! 安全運転にナイトビジョンが役に立つ

濃霧や大雨時にも視界を確保! 安全運転にナイトビジョンが役に立つ
悪天候下での運転は、いかにして視界を確保するかがポイント。先進技術を使って視認性を高める「ナイトビジョン」は、大雨や濃霧など視界が悪い状況下での運転をサポートしてくれます。そこで、後付けのナイトビジョンを発売しているメーカー「ベロフジャパン」に、その特徴や利点、注意点を教えてもらいました。

ナイトビジョンが防災用品として人気

濃霧の中の運転


ナイトビジョンは特殊なカメラを利用して映像をモニターに映し出す装置で、夜間の視認性を高めることが本来の目的です。しかし、夜間だけでなく濃霧や大雨、降雪など悪天候下でも力を発揮します。

以前は高級車の純正オプションにしか用意されない装備でした。ただ最近では、後付けできる高性能な社外品も登場しています。Mordor Intelligenceという市場調査会社は「ナイトビジョンの世界市場における売上は2020~2025年の間に16.5%の年間平均成長率を示す」と予想しています。

カー用品としてのナイトビジョンは始まったばかりの市場ですが、新たな安全装備、そして防災用品として注目。ユーザーからも好評で、販売するベロフには「視界が悪い中でも周囲を確認できて助かった」という声も届いているそうです。

悪天候下の運転でも視界を確保


通常ヘッドライトの光はロービームで60m、ハイビームでも80mほど先までしか届きません。目視できる範囲も光が届く範囲に限られますが、例えばベロフが販売するナイトビジョンなら300m先までモニターで視認できます。

さらに、リアにカメラを設置すれば、通常のバックカメラでは見えにくい場面でも良好な視界を確保可能。そういった高性能なナイトビジョンは、悪天候下の運転も支援してくれます。

【活用例1】濃霧

濃霧の中では、肉眼だと視界全体が白くボヤけて前方が見えづらくなります。しかし、ナイトビジョンではディスプレイ上で白いモヤを除去。肉眼より格段に障害物を発見しやすくなります。


【活用例2】大雨

肉眼だとフロントガラスに水滴が付いて視界を妨げますが、ナイトビジョンならクリアな映像で前方を確認可能。安全走行に役立ちます。

【活用例3】大雪

濃霧や大雨時と同様に、降雪時もディスプレイにクリアな映像を表示。さらに、積雪して光が反射する眩しい場所でも、ナイトビジョンのディスプレイで前方を確かめることができます。

ナイトビジョン選びは映像の取得方式に注目

ベロフが販売するナイトビジョン


ナイトビジョンは暗闇で映像を取得する方式によって2つに大別されます。ナイトビジョンを選ぶ際は、どちらの方式を採用しているか確認しておきましょう。

(1) 赤外線カメラを用いる方式
赤外線を利用した方式は、歩行者などを捉えやすく、光がない暗闇でも効果を発揮します。一方で「熱を発する物質しか映らない」「ぼんやりとしたモノクロでしか映像化されない」といった短所も。つまり、悪天候下での視認性は肉眼とあまり変わりません。

(2)低照度カメラを用いる方式
ごく最近になって登場した技術で、カメラで撮影した映像を加工して直接映し出します。濃霧や大雪など悪天候下でも視界全体をくっきりと映せるのが強み。ディスプレイのコントラストを高めて、見やすく表示してくれるのも特徴です。

つまり、低照度センサー方式の方が「悪天候時の視界を確保する」という目的には優位。赤外線方式を選ぶ場合は、見やすく映像を合成してくれる機能が備わっているかチェックしてください。

ナイトビジョンは後付け社外品がオススメ

ナイトビジョン


2021年3月現在、メーカーの純正ナイトビジョンは赤外線方式がほとんど。メーカーは先進安全装備に赤外線を利用するケースが多く、パッケージの一機能としてナイトビジョンが設定されています。

通常の天候下における安全運転支援には優秀ですが、「悪天候下で視界を確保する」という目的では効果がイマイチとなっています。

そのため、防災においてはクリアな映像で前方を確認できる社外品の後付けナイトビジョンがベター。ダッシュボードに設置してシガーライターなどから電源を取る形式なので、どんな車種にも導入できるのもメリットです。

メーカー純正のナイトビジョンの多くが赤外線方式で、モノクロのディスプレイとなります。しかし、それでも濃霧では人の発見に役立ちます。国産車では、かつてトヨタ・レクサスとホンダが一部の車種に採用。輸入車では、いまだメルセデス・ベンツ、BMWなどでは現行の高級モデルに採用しています。気になる方は調べてみるのも良いでしょう。

ナイトビジョンはカー用品チェーン店で買える

ナイトビジョンは簡単に手に入ります。カー用品店の「オートバックス」では、ベロフが取り扱う「LANMODO ナイトビジョン システム」(5万600円~7万1500円。パッケージによって価格は異なる)を販売しています。

これは赤外線方式ですが、映像を瞬時に合成してフルカラーで映し出せる優れものです。ネットでも購入でき、オートバックスだけでなく、ヤフーショッピングや楽天などでも取り扱っています。

低照度カメラ方式なら、ベロフが自社開発した「BELLLOF ナイトビジョン ドライブレコーダー システム」がベスト(価格は6万3800円)。というのも、現時点では選択肢がほとんどなく、低照度カメラ方式を選ぶなら、ほとんどベロフ一択となるからです。

運転中にナイトビジョンを使う際は注意が必要

運転中にナイトビジョンを使用


ナイトビジョンはあくまでサブモニターとして利用するのが鉄則。ベロフの低照度カメラ方式ナイトビジョンを例に挙げると、前方の視野角が72度と肉眼の視野に比べて、かなり狭くなります。

運転中は通常どおり視認しながら、濃霧や大雨など前方が見えにくいときのみ「チラッと一時的に」確認するのが安全な使い方です。そのため、設置は視点の移動が少ない場所がベスト。モニターを注視して、目視がおろそかになることがないよう、くれぐれも注意しましょう。

社外品のナイトビジョンを後付けする場合は、モニターをエアバッグが作動する近くに設置しないこと。エアバッグが正常に作動しなかったり、エアバッグの展開とともに飛んできてケガをしたりする危険があります。

監修
ベロフジャパン

ベロフジャパン。自動車用品メーカー。LEDバルブをはじめとしたライティングシステムやワイパーなど安全性を高めるアイテムを開発、製造販売している。LAMMODO社の日本総代理店でもある(公式HP

 
CREDIT
写真: ベロフジャパン、Adobe Stock
文: 田端邦彦(ACT3)
 
参考: グローバルインフォメーション「自動車用ナイトビジョンシステムの世界市場:成長率、動向および予測」